雲間の朝日に想うこと


< 胸の話では無いのでしょうか >


飽く迄、
機械的に。

目的に合致して、
変化は生じ。


追求された機能には、
想いの欠片も、
無い筈だけれど。




変化の目指す目的は、
其の核を、
想いの結晶で形成するから。



其の変化が、
想いの再確認を介して。

更なる想いを、
形成し行くのかも知れない。






其れ故に。





明らかな変化を魅せる、
其の場所に。


触れ、
騒ぎ、
巫山戯て。


変化と、
続き行く未来を、
楽しむのでは無いのだろうか。













同一の機能を有する、
其の装置だと。

動作も、
形状も、
類似して居る、
其の装置の話だと。


勘違いした。















 「牛のおっぱいって。」
 「こんな感じなんだよ。」

 「絞る時?」

 「そう!」
 「ギュってするとピュッピュッって出るの!」



姫は、
自身の其れでは無く。








何故か、
俺の、
其れを握りながら。

不思議な表現をする。


2005年07月31日(日)


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History
2003年07月31日(木) 触れずに残る痕跡も在るのですか



< 強く願い過ぎなのでしょうか >


自身の想いが、
強ければ強い程。

其の想いを、
護り行きたいと願うから。



其の想いに反する、
或いは、
其の想いを歪める、
事柄へ。

過剰に、
反応するのだろうけれど。






其の想いを、
強く、
希う事は。

固執性をも、
同時に、
伴うのかも知れない。













其れ故に。




他人の痛みを、
理解して居たとて。

強迫的な行為が、
応じる事を、
妨げて居るのだ。









多分、
お互いに。

















悪戯っぽい、
満面の笑顔で。

俺にとって、
一番魅力的に映る、
其の姿で。


 「このまま時間経てば。」
 「籍入れなくても平気だったりして?」


姫は言う。









俺自身も。

同じ様な言葉で、
姫を、
傷付けて居るの?


2005年07月30日(土)


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History
2004年07月30日(金) ちゃんと見つめて居ますか



< 受理して貰えるでしょうか >


此れ迄、
其処に表出して来た、
数々の出来事は。

確かに、
強い嫌悪の対象で。



歪みや亀裂を、
何度も、
想いに刻んで来たけれど。






裏返せば。





其れが、
変わる事を願い。


自身の奥深くで。

希望の意識を、
強く、
強く、
持ち続けて居るからこそ。




時に、
其処へ表出するのだ。











嫌がりつつも、
きっと、
望んで居るに違いない。




望む姿形に、
変わるかも知れないと言う、
前向きの欠片は。


例え、
小さくとも。

確実に在る。
















 「婚姻届を出しに行く夢見たの。」

 「本当に?!」

 「でも受け取ってもらえなかった♪」
 「二枚とも♪」

 「まじかよ・・・姫は一回書いてるじゃん。」

 「もう忘れちゃったわよ。」








僅かで良いのだ。



俺が、
少し変化出来れば。

姫は、
決意してくれるに、
違いない。


2005年07月28日(木)


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History
2004年07月28日(水) 言える様に成ったのですか
2002年07月28日(日) 捨てられますか



< 覚悟以前の想いでしょうか >


本来の意義は、
恐らく、
其処に在るのだ。


確かに、
形に縛られた、
余計な、
拘束具かも知れないけれど。

其れを纏う意味は、
きっと、
決意表明に在るのだ。






其れ故に。





信の置けぬ相手なら、
躊躇し。


想いの中に、
踏み込む決意を、
強く、
持ち得た瞬間。

意思表明として、
其の形に、
名を記すに違いない。










芯が無いのだ。


姫が、
踏み込む勇気を持てぬなら。

幾らでも、
支える事は出来るけれど。





 「結婚したら。」
 「小坊主が他の女に行っても別れられないじゃん。」


其の言葉を吐ける程、
想いに、
柱が無い以上。



支えた想いは、
きっと、
掌から零れ落ちる。


砂の様に。











 「私のこと中途半端にしないで。」


そう口にしたのは、
確か、
姫であった筈なのに。



 「母子手帳もらいに行くまでに籍入れなかったら。」
 「籍は入れないってことだからね。」


半端な想いを残した儘、
勝手に、
決め事を増やして。

姫は、
一人納得顔だ。


2005年07月27日(水)


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History
2004年07月27日(火) 如何なる存在でしょうか
2003年07月27日(日) 対等の土俵に登れますか
2001年07月27日(金) 気持ちが足りなかったですか



< 要を外して進めと言うのですか >


物事には、
順序が在って。


其の過程を、
一つ、
一つ、
積み上げる事で。


先への道が、
切り開ける筈なのだ。





大きく、
飛び越えて進む様に、
見えたとしても。

実際は、
用意周到の準備が、
在って。



備え無しに、
飛び出したとしても。

何時か、
歩みは停滞し、
逆戻り為兼ねない。











何処へ向かうか、
其の、
一歩目の応えを。

未だ、
貰えて居ないのだ。



最初の一歩を、
共に、
踏み出す事へ。


同意を、
貰えて居ないのだ。














 「いろいろと用意したらいいじゃない!」
 「話を進めたらいいじゃない!」


平然と、
姫は言い切りながら。


 「嫌だなぁ。」
 「籍なんか入れたくないなぁ。」


俺の膝の上で、
続けて、
口にする。












順序が違うよ。








籍は。



婚姻届を持ち帰り、
親への報告や、
会食の席を計画するから。

入れる物か?


2005年07月26日(火)


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History
2004年07月26日(月) 気になる制約ですか
2001年07月26日(木) お前の大切な友達じゃないのか



< 捨てる覚悟を試されたでしょうか >


恐らくは、
全てを見越した上で。

其の言葉を、
口にしたのだ。







良いか、
悪いか、
善悪の面から下した、
判断より。

好きか、
嫌いか、
感情の面から下す、
判断の方が。



上位に据えられ、
結局は、
優先されるであろう事を。



先達は、
育ての親は、
きっと、
瞬時に悟ったのだ。








俺の知らぬ、
過去と。

姫の因は、
想いでは無い部分に連なるのだと、
言う事と。



照らし合わせて。














妊娠の報告に応じた、
姫の、
母親の言葉は。


 「籍は入れた方が良いわよ。」
 「けれど、無理かもねぇ。」
 「向こうの家と上手く行かなかったあなたには。」


其処迄、
先に及んで居た事を。

姫は、
初めて口にした。











他人には、
何故に離婚に至ったか、
理解出来ぬだろうと。

元旦那の、
然程問題は無い人柄を、
評しながら。





 「私の母親が言うくらいなんだから。」
 「籍入れる方が良いと思うけれど。」
 「やっぱり嫌。」

 「そっか。」


姫は、
固い決意を瞳に乗せる。





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References
 Jul.07 2005, 「未だ周囲は不安要素でしょうか」


2005年07月25日(月)


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History
2004年07月25日(日) 狡猾が浮き出て居ますか
2003年07月25日(金) 其の場に居るのでしょうか



< 背中を向ける必要が在るでしょうか >


互いの想い遣りが、
不足する時。

互いの主張が、
食い違う時。


諍いの因は、
何らかの擦れ違いに、
在るけれど。





互いの、
より深い理解の為に。

或いは、
互いの歩み寄りの為に。



其の諍いを、
用いる事が出来るのなら。



もしかしたら。

諍いも、
本望だろうか。











目的を一にする、
諍い程。

同じ想いの為の、
諍い程。



空しい物は無い。















寝ぼけ眼の儘。

互いに、
穏やかで温かな空間を、
貪る筈だったのに。





 「姫、ぎゅっぎゅ。」

 「小坊主、ぺろぺろ。」

 「ぎゅっぎゅして。」

 「ぺろぺろが嫌なのね!」

 「そうじゃなくて。」

 「良い、知らない。」



何故に、
諍いを被らねばならぬのだ。












多分。

お互いが共に、
自分勝手なのかも知れない。


だから。

進む事も、
絶つ事も、
出来ずに居るのだ。


2005年07月24日(日)


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History
2004年07月24日(土) 今朝も一人で悦んだのでしょうか
2001年07月24日(火) 試す言葉に効き目がありますか



< 世間体は言い訳でしょうか >


世の中には。

確かに、
一般的な価値基準が、
創られて居て。


其の型に準ずるを由とする風潮が、
在るけれど。




其の価値基準は、
決して、
全てでは無く。

根幹の想いこそ、
優先されるべき事だ。











けれども其の上で。

結果的に、
価値基準に沿う形を、
選択した時に。




想いでは無く、
形を、
優先したのだと。


判断されるのだろうか。













自身の価値観に、
自信を、
抱けない。



姫は、
一度経験済みで。

飽く迄、
俺に、
経験値は無いのだ。











 「籍入れなきゃ・・・産んじゃだめ?」

 「出来れば・・・入れて欲しいよ。」

 「どうして?」

 「姫も此の子も護って行けない。」

 「やっぱり世間体を気にしてるだけね。」








例えば。


母子手帳に、
俺の名を記したいと願う事も。

世間体を気にする振る舞いと、
姫は言うのなら。





俺の望む事も、
姫の望む事も。

全ては世間体だ。


2005年07月22日(金)


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History
2004年07月22日(木) 始まりの予感でしょうか
2003年07月22日(火) 次の段階に進んで行けますか



< 何を持参して来るのでしょうか >


忘れるのだろうか。


飽く迄、
過ぎ去った出来事で。

何事も無く、
消え失せたのだろうか。








其れとも、
忘れては居ないのだろうか。


記憶として、
其れを刻み込んだからこそ。

一歩一歩、
間合いを詰めて来るのだろうか。








忘れた振りだろうか。


静かに、
触れずに置いて。

様子見を、
決め込んで居るのだろうか。








或いは、
意思の固まりだろうか。


丁寧に、
想いに包み込んで。

何らかの望みを、
持参して来るのだろうか。














口火を切り、
一つ、
踏み込んだのは。

確かに、
俺だから。




もう一歩、
踏み込む舵も。

其の儘、
委ねられて居るのだろう。














 「金曜日に泊まって、次の日移動します。」
 「相手してもらえる?」



一月後。

君が初めて、
俺の住む街に来る。





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References
 May.21 2005, 「何故に今だったのでしょうか」


2005年07月20日(水)


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History
2004年07月20日(火) 必要な時に居ない雄でしょうか



< 此の祭は想いに刻まれて居ませんか >


一つ、
一つ。

想いは、
積み上げられて、
進む物で。


其の、
大小様々な想いの、
欠片が。

やがて、
大河の道筋を造り行くから。




其の欠片は、
何れも、
欠かす事の出来ぬ欠片で。

軽重の差など、
無い筈だけれど。







其れでも。

印象の深き欠片は、
在るのだ。













初めて故に。

初めて、
二人で出掛けた場所故に。



例え近所でも。

其の場所を、
意識するのだろうか。












きっと。

為すべき事を投げ捨ててでも、
辿り着く必要が在るのだ。



半ば、
何かに憑かれたかの様に。

夜半に掛かる予定の仕事を、
必死に片付る。














 「もし小坊主と来られなかったら。」
 「別れようと思ってたんだ♪」

 「そんな気がした。」
 「どれだけ焦って仕事したと想ってんの。」




今年も。

とある商店街の夏祭りが、
始まった。





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References
 Jul.20 2004, 「必要な時に居ない雄でしょうか」


2005年07月19日(火)


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History
2004年07月19日(月) 誰を想って触れたのでしょうか



< 好かぬ雄の子なのでしょうか >


発する言葉の、
其の中に。

確固たる、
意思が在るから。




果たして、
奥底から希う、
本心か。

飽く迄、
売り言葉と買い言葉の応酬で、
意地から生じた言葉か。


判断に惑うのだろうか。








必要以上に、
振れて居るのであろう、
感情の幅に。



揺れぬ様にと構えれば。

想いの暴発に、
押され、
抑え込まれ。


逆に、
応じれば。


冷静さを欠いて終う。













或いは。


姫は態と、
俺を挑発して居るのかも知れない。

誘導するかの様に。




 「男が好きじゃない女を抱けるように。」
 「女は好きじゃない男の子供も産めるんだから。」

 「巫山戯るな!」
 「そんな気持ちだったら産むな!」










けれども。





其処迄、
言い切って置きながら。


如何して、
そんな振る舞いが出来るのだ。














 「今週末。」
 「おろしてくるからね・・・」


俺にしがみ付き、
震えながら。

やっとの想いで、
姫は、
声を絞り出して居る。


2005年07月18日(月)


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History
2004年07月18日(日) 本当に譲れぬ条件でしたか



< 譲る気も無い日付でしょうか >


数多く在る、
其の内の、
一つに過ぎ無いから。

何の切っ掛けも、
選択肢に、
含まれる筈だけれど。




選択された切っ掛けは。

強く、
強く、
想いに刻まれるから。



切っ掛けの内から。

最適の物を、
選び抜くのだ。









其れ故に。





先行きに、
疑問符を残しながら、
選択する以上。


自身に関連する、
日付だけは。

選択肢から、
真っ先に除外するのだろうか。
















 「もし籍入れるなら。」
 「先月の記念日にすれば良かったね。」


既に過ぎ去って終った、
二人の記念日を。

姫は、
強硬に主張し。









 「お祭りの日は?」

 「嫌よ、関係ないじゃん!」


例え、
二人の記念の行事でも。

姫の方が、
より馴染みの深い日や。




 「姫の誕生日は?」

 「嫌よ!」
 「あんな嫌な男と籍なんて入れちゃった日だって。」
 「毎年私の誕生日に後悔するんだよ?」


姫自身の、
大切な記念日は。

決して、
二人の記念とする気は、
無い。












二人の記念日は。

二人で無くなれば、
只の日で。



姫は、
簡単に忘れられる日か。





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References
 Jun.19 2005, 「時のみが知る応えでしょうか」
 Sep.08 2004, 「想いの波も荒れる日でしょうか」
 Jul.20 2004, 「必要な時に居ない雄でしょうか」


2005年07月17日(日)


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History
2004年07月17日(土) 同じ阿呆なら踊るべきでしょうか
2003年07月17日(木) 相手の為に腹が切れますか



< 父無し子よりましと言うのでしょうか >


其の想いが、
何れ程、
深い想いなのかを。

其れを伝え、
或いは、
正確に受け取る事が。


如何に困難か。


身を以て、
幾度も、
知らされて来たけれど。






終始一貫した、
揺らぐ事の無い想い程。


真に迫り、
信に値する物は、
無い筈だから。




強く、
強く、
想い願う事へは。

脇目も振らず、
芯を通し、
言葉にし続けたのだ。



単純と、
紙一重でも。










けれども。



其れでも尚、
想いが届かぬ時に。

自身の想いは、
何処迄、
保てるだろうか。










いじけた振りをして、
必死に、
隠したけれど。

自身の体調では、
きっと手一杯なのだろうと、
言い聞かせたけれど。



其の言葉で、
何れ程、
俺が削られたか。

本当に、
姫は想像出来ないのか、
疑心が鎌首を擡げる。












 「お父さんの名前のところ。」
 「トッティって書こうかな?」








母子手帳の、
父親の、
名前の欄を。

姫は、
冗談で利用する。


2005年07月16日(土)


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History
2004年07月16日(金) 獲り出して魅せましょうか



< 外堀は掘り返される物でしょうか >


味方か、
或いは敵か。

其の区分は、
決して、
適切では無いけれど。





恐らくは。

相容れない、
二つの価値基準を、
並べる事に成るから。



最終的には。

其の区分が、
適用される筈なのだ。









其れ故に。



決して、
事の正義では無く、
飽く迄、
感情論的に。


自身を、
何れの側に置くのか。

判断をする羽目に、
陥るのだろうけれど。











俺の、
価値基準は。

更に、
感情的にも。



姫に、
味方出来ぬのだ。






形だけ、
姫に付いたとしても。

















 「籍は入れたく無いって。」
 「子供は産んでも良いって。」

 「困ったわね。」
 「私はそれは許さないわよ。」

 「俺だって許したく無いよ。」
 「けれど・・・」



母親と言う、
埋まった筈の外堀は。

時々、
掘り返される。


2005年07月14日(木)


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History
2004年07月14日(水) 答えは与えて貰う物ですか
2003年07月14日(月) 飛行機雲に気が付きましたか
2002年07月14日(日) 忘れていませんか



< 欲望には勝てないのでしょうか >


其の言葉は、
飽く迄、
方便の為に在り。


恐らく現実には。

抑止力など、
持ち合わせぬ言葉なのだ。





其の上で。

接触も、
侵襲も、
伴うから。


其の制限すら。

制限として、
成立しないのだ。








其れ故に。



其の言葉に、
後ろめたさを感知して。

其の振る舞いを、
必要以上に、
躊躇うのだろうか。











 「先っぽだけ!」
 「先っぽだけなら良いでしょ?」











姫は、
そう呟いた。













素直な想いの表出に、
感心しつつ。





 「其れ。」
 「普通は男が言う言葉だろ・・・」



雄と雌とが、
入れ替わった立場に。

可笑しさが込み上げる。


2005年07月13日(水)


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History



< 第一希望は離別でしょうか >


其れは皆、
一つ、
一つ、
個別の問いだから。


選択肢は。

飽く迄、
単独で在るのだけれど。






一つの選択は。

其の周囲に、
刻々と、
影響を及ぼすから。




個別の問いへの、
回答は。

単独では、
決して、
成立し得ないのだ。












互いの子は。

互いの籍は。

互いの職は。

互いの関係は。





並べれば。

肯定と、
否定と、
僅か三つの事なのに。


掛け逢わせれば。

十六通りから、
互いの許容する応えを、
探さねばならない。












 「堕ろすと後悔すると思うから。」

 「籍入れたら後悔すると思うから。」

 「仕事は続けられるって。」

 「離れて暮らす?」


姫の回答は、
単純だけれど。








其の主張を、
護り行く能力は。

俺にも、
俺の周囲にも、
ましてや、
姫自身にも。



無い。


2005年07月11日(月)


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History
2004年07月11日(日) 噛み合わぬ幸福感も在るのでしょうか



< 逢いたい故の略奪劇ですか >


何度も、
何度も、
煮え湯を飲まされて。

十二分に、
記憶は、
埋め込まれたから。



危険に応じる其の場所が、
半ば自動的に、
注意を喚起する事は。


飽く迄、
正常かつ自然な反応だけれど。




本来は、
防衛的に機能する為の、
場所だから。




身体に、
何の危険も及ぼさぬ筈の、
略奪劇が。

何故に、
眠りをも侵食するのだろうか。








俺のおかずが、
減って終った事を。

想った以上に、
今迄姫は、
悔いて居たのだろうか。















 「舌なめずりしてたんだよ!」
 「だからもう一回買いに行ったんだよ!」


我が家には、
居ない筈の飼い猫に。

買ったばかりの鰊を、
喰われ。



 「小坊主がお水あげないからだよ!」


自身の油断を。

何時も通りに、
姫は俺に擦り付る。












 「夢であのにしんを食われたの!」
 「わざわざまた買いに行ったんだから!」
 「小坊主がちゃんと猫に水あげてれば・・・」

 「それを俺のせいにするなよ。」


昼寝から寝覚めた姫は、
一気に捲し立て。

そして、
冷蔵庫の鰊を、
確認しに向かった。











そろそろ、
逢いに行こうか?





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References
 May.20 2005, 「傍に望むのは違う相手でしょうか」
 May.13 2005, 「俺より想いが深い日なのですか」


2005年07月10日(日)


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History
2004年07月10日(土) 抉じ開けずに包んで居れば良いですか
2003年07月10日(木) 役立たずを許してもらえますか
2002年07月10日(水) 俺は必要無いのですか



< お腹が痛みませんか >


本音と、
本心では無い言葉が、
乱立して居る事は。

十二分に、
認識出来るけれど。



其れは飽く迄、
自身と、
相手と、
一対一の関係に於いてのみ、
成立する。







其れ故に。

個々人に応じた、
振る舞いが、
在るのであって。



一対の組み合わせを、
変えれば。

想いを搦めた上で、
自身の言葉を、
振り翳す必要が在るのだ。











其れが、
本心でも。

逆に、
本心で無くとも。


俺以外に対して。

其の言葉は、
通じない。




幾ら、
自身に宿した、
命でも。













 「憂鬱だ。」
 「憂鬱だ。」



姫が俺に投げる、
其の言葉は。

同時に、
姫の内部にも響き行く。











憂鬱と、
母に言われ続ける其の子に。

幸せなんて、
築いてあげられる?


2005年07月08日(金)


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History
2004年07月08日(木) 圧倒的に幸せと言えますか
2003年07月08日(火) 未開封でも届く文ですか



< 未だ周囲は不安要素でしょうか >


自身の歩む路は。

確かに、
自らの手で、
切り開く物だけれど。



其の筋路は。

自身単独で付けられる程、
決して、
平坦では無いから。








複数の方位から、
向けられる、
周囲の視線は。


自身では気付かぬ、
様々な可能性を。


きっと、
提示してくれるから。










其れ故に。





一つ、
一つ、
周囲の環境を築き上げ。

味方を増やし。


為すべき路へ、
共に目を向ける集団を、
創り上げるのだ。
















姫の、
御袋さんらしいと、
苦笑いしつつ。

一つ、
外堀が埋まった事へ、
感謝する。








 「母が言ったの。」
 「女の子が良いって。」

 「そっか。」

 「男の子は大きくなったら可愛くないでしょう?って。」

 「ふふ。」








残るのは、
僅かで、
けれども、
最も根幹の。


本丸、
即ち姫自身の決意。


2005年07月07日(木)


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History
2004年07月07日(水) 火を消して終うのですか
2002年07月07日(日) 目覚めの声がもらえますか



< 口先だけで操る心算ですか >


高く、
高く、
壁を築き上げる為に。


飽く迄、
土台から石を積み。

徐々に、
徐々に、
創り始めるけれど。




其の土台に、
隙間が生じれば。


護りの術として、
壁は、
役を全う出来無いのだ。





高く積まれた、
立派な壁自身の重みに、
耐えかねて。

土台が、
自壊して終うから。










築き上げて来た筈の、
信用に。

何処か、
隙間を感じたならば。



其の信用を、
何れだけ積み重ねたとしても。

感知した隙間から、
土台ごと、
崩れて終うのかも知れない。













家を出て直ぐ。

忘れ物に気付き、
家に戻ると。


姫は慌てて玄関先に現れ、
満面の笑顔で、
俺に口付けをした。



 「なんで戻ってくるのよ〜。」

 「忘れ物。」

 「半分吸っただけだからね。」
 「吸い込まないで口に含んだだけだから!」












子の存在を確認すれば、
吸わぬと、
言った筈の姫は。

煙草特有の匂いを、
紛れも無く宿して居る。






信用を失うのは、
一瞬で、
簡単で。

其の信用は、
記憶が消えない限り、
取り戻せないのだ。


其れは、
俺も同じ事だけれど。





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References
 Jun.25 2005, 「半ば投げ遣りなのでしょうか」


2005年07月06日(水)


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History
2004年07月06日(火) 妙な妥協をして居ませんか
2003年07月06日(日) 何故の御機嫌伺いでしたか



< おまけが欲しいのでしょうか >


飽く迄、
技術に信を置こうとするのは、
性差なのだろうか。

其れとも、
個々人の価値観に拠るのだろうか。








安全性を、
追求するならば。



確かな能力を、
確実な技術を、
所有して居るのか。

見極めた上で、
選択を為すべきだと想う、
其の一方で。




安定性を、
追求するならば。


精神的な、
安静を優先して。

選択肢を狭める事も、
正しいのだ。









其れ故に。



付加価値に惹かれ、
先の娯楽に、
視線が向くならば。


歓迎すべき事かも知れない。
















 「この病院は御祝い膳が出るんだよ!」
 「楽しみが多い方が良いでしょ?」



選択の理由として。

姫は、
出産後の御祝いの膳を、
真っ先に挙げた。


未だ、
妊娠が確定した訳では無いのに。













前向きな想いで溢れた言葉には、
確かに、
違い無いけれど。


2005年07月04日(月)


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History
2004年07月04日(日) 既に他人だと言う事ですか
2003年07月04日(金) 努力を続けて行けますか



< 手玉に取られて居るだけでしょうか >


想いを贈り、
紡ぎ続ける事で。

互いの理解を深め、
其の距離を、
徐々に狭めて行くけれど。



互いが近付けば。

より一層、
其の想いの質が、
問われるのだろうか。








時に生じる、
想いの緩みが。

相手の奥底に、
刺さって終えば。





何れだけ、
想いを贈り続けたとしても。


其の歪みは残り。

何時か、
大きな揺れを産むのだろう。



表層に隠れた、
奥底の、
活断層の様に。















本来なら、
徐々に、
信用を獲得して行く筈なのに。




 「小坊主って。」
 「3年かかって信用をなくしたよね。」


姫は、
其の逆の路を歩んで来たと、
俺に言う。













嫌なら、
離れると宣言すれば良いのに。

信用出来ぬなら、
捨てれば良いのに。












 「ここは好きなのになぁ。」


俺の首に腕を巻き付け、
零す姫の言葉に。

俺は、
信を置き、
縋るしか無いのかな。


2005年07月03日(日)


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History
2004年07月03日(土) 別れた方が幸せですか
2002年07月03日(水) 変わって無いですか



< 頑なに耳を塞いで居るのですか >


其の徴は、
抑も、
個々人で異なるから。

他者と、
比較する物では無いのだけれど。




他者との違いは、
時に、
自身を混乱させ。

或いは、
自身を不安へと誘う。







更に、
其の上で。



何度か宿った、
其の徴は。

自身の内であっても、
違いを生ずるから。










自身の芯を、
何れ程、
柱に据えて居ようと。



何度も、
惑い。

何度も、
乱れるのだ。
















 「本の通りなんだけれど。」
 「嫌なんだけれど。」
 「一人目の時は何もなかったのに。」



姫の息子の時とは、
比べようも無く正確に生じる、
初期症状に。

姫は、
不満を垂れる。










其の尖端の張りが、
痛むのも。

月の悪戯を、
一瞬、
感じさせたのも。

風邪を予感させる、
体温も。













先ずは。

早く、
検査をしようよ。





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References
 Jun.21 2005, 「本心は望まぬ出来事なのですか」
 May.31 2005, 「其の予感は冗談で良いのですか」


2005年07月02日(土)


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History
2004年07月02日(金) 暴発を選択すべきだったでしょうか
2003年07月02日(水) 口を封じてしまいましたか



< 必死に隠した遠慮なのでしょうか >


極限は。

其の身から、
余裕を奪い行くから。



見えぬ様にと、
隠し潜めた想いを。


時に、
表出させるのだ。







其れ故に。




想いが揺さ振られる、
其の時に。


寄り添い、
支える対象を。

人は、
求めるのかも知れない。















揺れながら。

大きく、
揺れながら。


少しずつ、
姫の本音が響いて来る事へ。




零れる笑みを、
必死に、
隠し続けた。












 「息子の事をお願いしたいの。」

 「うん。」

 「受験生だし。」
 「でもちょうどお産になっちゃうから。」

 「うん。」

 「私自身が余裕がなくて。」
 「もっとちゃんと育ててあげられればって。」

 「うん。」

 「受験のことわかるの、小坊主だけでしょ?」
 「私にはわからないから。」

 「うん。」










産んでも、
産まなくても。

出来て居ても、
出来て居なくても。



今回の、
俺と姫の間の結論と、
関係無く。

其れは、
当たり前の役目でしょ?





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References
 Aug.05 2004, 「想いは壁を創って居たのですか」


2005年07月01日(金)


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History
2004年07月01日(木) 夏の華が結ぶ縁なのでしょうか
2003年07月01日(火) 一度きりの言葉じゃいけませんか
2002年07月01日(月) 近いですか





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