< 未開封でも届く文ですか >
流れて行く文字の列。
画面の小さな窓に、 次々と現れ上方から下方へ消えて行く、 文字の列。
瞬く間に見逃してしまう、 流れ星の様に。
窓から覗く其の姿は、 一瞬の内に消え去って行くけれど。
視界には。
其処だけ文字の色が、 違って映った。
良く見覚えの有るアドレスが。
画面に一瞬現れ、 そしてあっさりと消えた。
良く見覚えの有る顔が、 脳裏に一瞬浮き出て。
そして懸命に其れを消した。
贈り主の欄に、 二つ並んだ貴女の携帯アドレス。
今受け取った数十通の文の中に、 貴女の文字が在る。
受信を必要とした優先事項の解決が先であり、 今は未だ、 其れに触れられぬ状況下だけれど。
今受け取った数十通の文の中に、 貴女の言葉が存在する。
其の事実を悟った所で、 何の益をも齎さないのかも知れないけれど。
貴女と半日近く離れた、 この地では。
未読のメールも、 鋼の様に強い御守りなんだね。 |
2003年07月08日(火)
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