許す事と、 許さない事。
其の許容量が、 個々人に、 委ねられるとすれば。
其れは、 懐の深さなどと、 称されるかも知れないけれど。
其の範疇に、 内包されるべきでは無い、 領域が。
本当に、 存在するのだろうか。
順序を、 要に据えるのか。
其の質が、 優先されるべきか。
僅か其れだけの、 違いだけれど。
きっと、 根元に横たわる相違点に、 違いない。
「ねぇ。」 「許してくれないの?」
「俺が許すじゃなくて。」 「姫が許せるかどうかでしょ?」
「小坊主のは違うの。」 「私のはそうなの。」
「何故?」 「違いが分からない。」
雄が、 理解不能の女心に、 手を焼き。
雌が、 理解不能の男心に、 翻弄される事を。
許す許さないの土俵に、 本来、 上げるべき物では無く。
新聞や、 化粧品を、 飛苦無代わりに放った、 行為は。
其の土俵で、 裁かれるべき事だと。
姫は、 そう主張するけれど。
其の場に二人を導いた、 俺の振る舞いを。
性差と、 無神経と。
其の程度の言葉で片付けて、 終われやしない。 |