< 必要な時に居ない雄でしょうか >
最悪を、 想い浮かべた儘。
如何にしても、 離れなくなっただけかも知れない。
此の後に続く、 夜祭りの予定と、 突然浮かんだ、 所用とを。
天秤に掛けて。
後者に、 不安と言う重りを、 載せ過ぎただけかも知れない。
本当に、 駄目に成るとは。
決して、 想って居なかったとしても。
其れ故に。
俺が最優先にすべき事は。
約束の一時間以内で、 此処に戻って来る事だったから。
「可愛い後輩に、」 「届け物でもすれば良いじゃない!」
「普段通りに、」 「一時間以上掛ければ良いじゃない!」
喧嘩混じりの其の言葉を、 修正する事より。
誤解混じりの其の認識を、 修復する事より。
所用を終わらせ、 戻って来る事だったから。
直後の電話にも、 直後の電信にも。
反応すらしなかったのだ。
姫の文を、 数十分後に取り出して。
姫の逆上と。 姫の後悔と。 姫の想いと。
まさかの事態を考えた。
「出血止まらない!」 「テーピングすれば止まるよね?」
部屋へ飛び込んだ、 俺の目に。
飛び込む泪と、 飛び込む紅い模様。
俺は如何して、 肝心な時に傍に居ない?
例え其の因が、 猫の爪だとしても。
安心より、 後悔が先に出る。 |
2004年07月20日(火)
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