< 何故の御機嫌伺いでしたか >
出発の寸前に届いた、 一通の文。
出発の瞬間を見通していたかの様に、 刹那の時間に割り込んで来た音。
聞き慣れない着信音は、 時間に追われた最終作業の手を、 いとも簡単に凝固させた。
「何時に出発するの?」 「気を付けて楽しんで来てね♪」
何程の物か。
出掛けに届いたメールは、 只の質問文じゃないか。
「もう直ぐ空港に向かうよ。」 「急ピッチで準備中!」
何程の事か。
返信したメールだって、 只の会話じゃないか。
大した意図など、 きっと無い。
大した意味など、 何も込められていない。
俺からの手紙が減っているから、 気になっただけだ。
御機嫌伺い序での文以外に、 何の選択肢が在るんだよ。
あの人からメールが来る事など、 皆無に等しいから。
あの人からメールが届くと、 未だに勘繰り、 未だに戸惑いを覚えます。 |
2003年07月06日(日)
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