< 俺は必要無いのですか >
真夜中に突然鳴り響いた音。
受話器を取る前に、 きっと貴女だろうと言う確信があった。 最近の貴女が不安定な事は、 俺が一番良く知っている自信があった。
案の定不安で半泣きした貴女の声は、 小刻みに震えていた。 けれども俺の声を聞いて落ち着いた後の貴女は、 まるで別人の様な口振りだった。
「貴男が私を必要としている限り」 「新しい人が出来るまで」
貴女は今の形を続けたいんだ。
そしてそれは、 俺が違う人を好きになった時にのみ壊れる事を 宿命付けられた形なんだ。
お互いがどういう状況になろうと、 他の形は存在しない形なんだ。
俺が貴女に贈った「負い目」と言う言葉は 間違いでしたか?
俺と貴女の関係は、 対等な関係だと言えますか?
俺が貴女を必要としている時だけで良い。 俺が貴女の側に居たいと想う時迄で良い。
そんな一方通行の関係で構わないんだ。
「それならそうで構わない。」 「新しい人の事を考えよう。」
心の中で呟いた俺の声が、 ずっと小刻みに震えていた事を・・・
貴女は気付いたんだろうか? |
2002年07月10日(水)
---------- History
|