風が吹けば良いと願った。
強く強く、 風が吹けば良いと願った。
偏西風の勢いが、 力を増せば増す程に。
俺は長く、 貴女の側に留まる事が出来るから。
一週間程前。
そんな想いは、 多量の空気を噴き出しながら空を飛ぶ化け物に、 あっさりと引き裂かれたけれど。
風が吹けば良いと想った。
強く強く、 風が吹けば良いと想った。
偏西風の勢いが、 力を増せば増す程に。
俺は速く、 貴女の側に戻る事が出来るから。
今の今は。
そんな想いを、 多量の空気を噴き出しながら空を飛ぶ化け物が、 叶えてくれるのかも知れない。
「ただいま。」
機上から贈った想いは、 貴女の真上を通過する時に贈った想いは。
貴女に届いたのだろうか。
まさかな。
伝票に囲まれて、 きっと其れどころでは無かったよな。
俺の想いは、 一日の終わりに感じてくれれば、 其れで良いんだ。 |