< 其の場に居るのでしょうか >
家族団欒の場に、 実体として存在しないかもしれないけれど。
家族団欒の場に、 虚像としては存在している。
事実は喜びの素でも有り、 そして事実は、 逆に悲しみや切なさの源でも有るんだ。
質問合戦と称する、 貴女と小さな彼との間で繰り広げられる、 情報交換。
「一番逢いたい人は誰?」
「小坊主!」
小さな彼の解答は、 他の誰でも無く俺自身。
例え一時の熱であっても、 興味本位であっても、 構わない。
小さな彼の想いが、 俺に向かっている想いは、 決して悪意では無いのだから。
けれども。
声を聞く事すら儘ならぬ最近の俺と貴女の間に、 この話題は、 強制的な寂寥感を伴うのだ。
今夜もまた、 愛情と欲情とをごった煮にして。
「昼にあんな事言われたから。」 「敏感に反応してて辛かった・・・」
今夜もまた、 欲求不満をぶつけ合って。
「興奮状態なんだけど。」 「どうするんだよ・・・これ。」
今夜もまた、 身体の通わぬ貴女と、 想いの中で交わる事しか出来なかった。 |
2003年07月25日(金)
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