晴れぬ疑問が一つ。
ただしこの疑問は 奴にとって最大且つ最強の疑問。
唐突に放たれた矢。
「俺は旦那に養われているのか?」
親友の言葉は、 自分の弱さを覆い尽くせぬ苛立ちと、 そしておそらくは、 正確な事実の代理人だ。
就職先を探し続けつつも、 未だ其の突破口を探し当てられぬ奴の彼女が。 親へ依存し寄生する人間を、 極端に嫌っている奴の彼女が。
息子一人を抱えて、 生活の糧を何処から手に入れる?
未だ籍を抜かずに居る、 旦那と言う男からしか無いだろう。
半同棲に在りながら。
「でもな、受け取らないんだ。」
奴の食費や生活費を一切受け付けぬ、 彼女の言葉。
「『要らない』と『遣り繰りは上手』の一点張りなんだ。」
「踏み込まなきゃ駄目なんじゃない?」
「其処しか道は・・・無いよな、やっぱ。」
僅か一つの疑問であれ、 其れがどれだけの重みと強さを秘めているのか、 俺自身の手も嘗て理解して来たから。
奴が未だ、 社会に飛び出る前の充電期間に在り、 経済力に敏感な想いを抱く年頃である事も、 俺自身の手で嘗て理解して来たから。
旦那の稼ぎで此処に居るなど真っ平御免だと、 其の想いを伝えるしか無い。
彼女と対等の立場に上がるには、 奴の引け目を引け目としておいてはならない。
「早く自立したい。」
口癖の様に繰り返す奴の彼女だって、 現状を良しとしていないのだ。
きっと道は在るよ。
>> I was impressed by this diary. >> Thank you very much for your collaboration, あおい雪. >> Please take care of back-to-back earthquakes.
---------- References Jan.29 2003, 「何を言えれば良かったですか」 Mar.26 2003, 「今度話しても良いですか」 Jun.06 2003, 「如何受け取るのでしょうか」 |