雲間の朝日に想うこと


< 初めてばかりで惑いませんか >


自身に眠る、
其の姿を。

他者の介在に因って、
初めて、
目の当たりに知覚した時。





果たして、
悦ぶのだろうか。

其れとも、
戸惑うのだろうか。

或いは、
躊躇うのだろうか。










唐突に、
眼前で溢れ出した、
自身の想いは。

俄には、
受け容れ難かったに違いない。




未だに。

其の想いを、
持て余して了うのだから。


お互いに。


















 「多分。」
 「小坊主しか知らない。」
 「私だって知らなかったし。」


他者の触れた指に応じて、
溢れ出す自身も。


 「愛してるって言ったのは。」
 「小坊主がはじめてなのよ。」


他者の想いに応じた、
其の言葉も。




坂の街の人は。

初めてだと、
そう、
口にして。














俺は、
余計に戸惑い。

殊更、
其の過去に想いを寄せて終う。





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References
 Jul.27 2003, 「進まぬ想いも想いでしょうか」







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2007年06月27日(水)


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History
2004年06月27日(日) 避けて通れぬ壁ですか
2003年06月27日(金) 雲の上まで飛んで行けますか
2002年06月27日(木) まだ遠慮が必要なのですか



< 飛び交う想いは懺悔でしょうか >


其の一点一点に、
注視出来ぬ状況下で在る事など。

重々承知の上で、
其処へ、
誘ったのだから。




例え一瞬でも、
其の、
姿を捕らえ。

互いを想えたのならば。


其れで、
十分なのだ。








けれども。






其の、
視線の一端は。

一瞬たりとも、
直接、
其の光へとは向かわず。




其の間に。

必ず、
幼気な姿を介在させて終う。














一昨年以来の。

増した暗闇の中に、
点々と放たれ始める淡い光に。



 「ほら見える?」
 「蛍だよ〜。」



姫は。

唯、
娘の事ばかりを想い続けた。


















そうだね。










一昨年、
姫と観た蛍は。




宿した命を諦める。

宿した命を絶つ。



揺れながらも、
一度、
結論を下した後の、
光だった。





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References
 Jun.21 2005, 「本心は望まぬ出来事なのですか」
 Jul.11 2005, 「第一希望は離別でしょうか」







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2007年06月23日(土)


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History
2006年06月23日(金) 触れずに辿り着けるのですか
2005年06月23日(木) 酒を呑む様に成ったのですか
2004年06月23日(水) 未だ隠れ家が在るのですか
2003年06月23日(月) 繋ぎの種が必要ですか



< 縒り逢う様に在るのでしょうか >


互いが、
互いに、
絡み合う様に。

傍で、
流れて行きながらも。


飽く迄、
其の束を結わえるだけで。

決して、
交わる事の無い流れ。










二筋が触れる事で。


必然的に。

対流や、
渦流や、
分流や、
合流が、
生じて終うのだから。





互いが合流して創られる、
太き、
強き、
其の流れよりも。



寧ろ。


交わる事無く、
並列に、
縒り逢わされて行く、
束の方が。

強固でしなやかな、
結び付きなのかも知れない。
















あの子の、
誕生日を祝う文に。




 「夏には結婚の予定〜。」
 「因みに別の人(笑)」

 「何だよ。」
 「別れたら俺の所に来るって言ってたくせに(笑)」

 「だって〜ぇ。」
 「あの時小坊主には彼女いたじゃん・・・(笑)」


あの子が応じた、
普段より若干軽めの文を、
眺めながら。














互いのあの時が。

既に、
幾度も在る事に気付き。





此れからも。

噛み逢わぬあの時だけを、
積み重ねて行く様に、
想うのだ。





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References
 Jun.22 2005, 「波乱と感じるべきなのでしょうか」
 Aug.02 2004, 「挑発の応えに成り得る質でしたか」
 Jun.23 2003, 「繋ぎの種が必要ですか」
 Jun.24 2002, 「惑わす力をお持ちですか」







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2007年06月21日(木)


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History
2005年06月21日(火) 本心は望まぬ出来事なのですか
2004年06月21日(月) 脱げる相手なのですか
2003年06月21日(土) 幸せ太りに変えられるでしょうか



< 偶然欲しただけでしょうか >


果たして、
本当に、
日々が積み重なって居るのかどうか。

時に、
半信半疑に陥るけれど。


区切りの日付を跨ぐ事は。

日々が続いて居る其の証拠程度には、
相当するのだろうか。




其れ故に。




喧噪の中でも、
其の、
一つの区切りを意識する事が。



想いに、
値するかの様に。

眼前に、
偶然を呼び込むのかも知れない。












十日程前に。

俺の中に、
浮かんで居た画を。


僅か数日前に。

不思議と、
姫は呑みたがった。






















何時もの、
紅い葡萄酒では無く、
三鞭酒で。

偶然、
姫が欲しがった、
三鞭酒で。



互いの、
五年目の記念日を祝う。












乾杯に、
私も混ぜろと言わんばかりに。

空箱を抱え、
走り回る娘を。


必死に抑えながら。




 「どうしたの?」

 「今日で五年でしょ?」

 「覚えてたの?!」


俺が覚えて居た事が意外だと言う論に、
すり替えて。


姫は。

此の日を忘れて居た事を、
誤魔化すけれど。






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2007年06月19日(火)


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History
2006年06月19日(月) あなたのお家は何処ですか
2005年06月19日(日) 時のみが知る応えでしょうか
2004年06月19日(土) 今日は記憶に値する記念日ですか



< 向き逢う気には成らないのでしょうか >


真剣を交える、
其の場に。

確かに、
相応しく無いかも知れないけれど。



其の場に、
緩衝材が存在する事が。

互いの拠り所にも、
成り得るから。



切っ先を鈍らせる、
笑気は。

全否定される物では無いのだ。







けれども。






飽く迄。

其れは、
真剣が交わる事が前提で。



端から交える気の無い、
其の場に。

笑気など、
招かぬ方が良い。

















正負両極の、
数々の想いを解き放ち。

正面切って、
俺に、
受け止めさせて置きながら。


自身は、
斜に構えて。

此れからも、
想いの圧を逃がして終おうと、
するのだろう。















一向に、
正面へ向き逢わぬ気の姫に、
痺れを切らし。


 「あのさ。」
 「結構真剣に聞いてるんだけれど。」


怒気を込めて放った、
言葉を。


 「左へ受けながす〜ぅ♪」


姫は。

明後日の方向に、
熨斗付きで、
放り投げて終うのか。
















此れ迄も。

此れからも。


想いは、
届かなくて当たり前なんだろうな。






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2007年06月16日(土)


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History
2005年06月16日(木) 嫌だから陰性と言うのでしょうか
2004年06月16日(水) 相手の自分を許容出来ますか
2003年06月16日(月) 恋煩いだと片付けて良いのでしょうか
2002年06月16日(日) もう少しだけ潜ってますか



< 薄まって行くのでしょうか >


自身と、
利害の競合する雄で。

敵視すべき存在には、
違いないけれど。



一方で。


互いの想いを、
繋ぎ、
緩衝して。

鎹の様な、
味方で在ったに他ならないのだ。









其れ故に。






刻々と、
変化を遂げて行く、
環境に於いて。


互いの、
想いの中から。

其の存在が、
薄められ行く事は。





言わば。

片腕を、
もがれる様な物なのかも知れない。




















 「黒猫に贈ったの?」
 「誕生日プレゼント。」

 「まだなんだよねぇ。」














俺より、
ほんの数日だけ早く、
誕生日を迎える。

俺より、
ほんの数日だけ早く、
姫の家に来た。


大切な黒猫を。









祝えぬ儘。

もう、
ひと月が過ぎた。





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References
 May.13 2006, 「共通項には値しないのでしょうか」
 May.13 2005, 「俺より想いが深い日なのですか」

 Jun.19 2006, 「あなたのお家は何処ですか」
 Jun.19 2004, 「今日は記憶に値する記念日ですか」







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2007年06月13日(水)


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History
2006年06月13日(火) 減算ばかりでしょうか
2005年06月13日(月) 義務化した行為と言うでしょうか
2004年06月13日(日) 別れ話に先手を打てますか
2001年06月13日(水) 振り上げた拳を納められるか



< 鎹を抜いても想えて居ますか >


日々の、
歩みの中で。

格段に、
占有率の高い作業が、
在れば。



補完され、
或いは補完すべき、
其の作業も。

其の、
占有率の高い作業へ、
強固に、
結び付けられる。









其れ故に。







互いが、
互いを、
補完し合って。

歩みを、
進めて居るとしても。





必然的に。

互いを縒り逢わせた、
其の結晶へ、
依存して終うのかも知れない。

















ふと。









互いの想いは。


鎹と言う、
或る一点を介してのみで、
交換されて居る事に。


気付くのだ。













個と、
個で、
在り続ける事が。


飽く迄。

想いで支え合う為の、
前提なのにね。






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2007年06月10日(日)


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History
2006年06月10日(土) 間合いを謀って居るのでしょうか
2005年06月10日(金) 選んだ言葉は適切ですか
2004年06月10日(木) 眼前に信は無いのでしょうか
2003年06月10日(火) 変化を付けて罰が当たるか



< 進まぬ想いも想いでしょうか >


自身の行く先を見据え、
一歩、
一歩、
進む事を。

意識して、
選択して終うけれど。



本来は。

目的地など、
定められぬ物なのかも知れない。









飽く迄。

其の端緒は、
混沌下で開かれたのだから。



漂い、
混沌の儘で在る事こそ。

寧ろ、
自然な事なのかも知れない。


















何を希うのか。

何処かへ、
目標を定めた瞬間に。



始まりの前提が。

崩れ、
失われて終うのだ。




















 「どこへ向かうんだろう。」
 「どこかに向かいたいわけではないんだけれど。」


ふと、
坂の街から零れた言葉は。











行く先の見えぬ霧中で。

迷い、
藻掻き、
惑おうとも。



其の、
樹海に在り続ける事を、
是とする。


其の証だね。





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References
 May.14 2007, 「制動装置に成るのでしょうか」







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2007年06月05日(火)


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History
2006年06月05日(月) 言葉は飲み込む存在でしょうか
2005年06月05日(日) 中身の無い象徴ですら拒絶ですか
2004年06月05日(土) 別れに値する理由は何れですか
2003年06月05日(木) 母子で表札を架け替えましたか
2002年06月05日(水) 自棄になる必要がありますか





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