形に過ぎない其の絆に、 期待を、 委ねるよりも。
確かに。
互いの在り方や、 互いの想いの実質を、 重視すべきに。
違いは無いのだけれど。
形が産んだ安定は。
互いの在り方や、 互いの想いの実質に。
決して、 無関係では無い筈なのだ。
粘り強く、 形式を創り上げた故に。
もたらされた筈の、 恩恵は。
其れ程、 僅かな物として、 認識されて居た事に。
止め処無く、 乾いた笑いが零れ落ちる。
「結婚して良い事無かったの?」
「無い。」
姫の即答は。
予想の、 範囲内だけれど。
「一つだけあったよ!」
「一つ?」
「携帯の機種変するのに。」 「小坊主のポイントが使える事!」
熟慮の上の、 其の、 姫の解答は。
何時も。
俺を刻んで。
気力を一つ、 奪って、 消し去って終うね。
|