音。 画。
一瞬で、 大きな距離を埋める事が可能な、 技術は。
時に。
互いの想い逢いに利用される術と、 成り得るけれど。
其処には。
触覚が、 必須で在った筈なのだ。
至近距離下で、 必ず触れ逢うで在ろう、 其の手を。
想いで包んだ自身の、 其の手に、 置き換える事で。
初めて。
技術を、 想い逢いの場に、 持ち込めた筈なのだ。
けれども。
個別に受容され、 決して交わる事の無い筈の、 感覚を。
想いは、 脳裏に、 創り出して了うのかも知れない。
欠けて居る筈の、 感覚を。
他の感覚から誘発する事で。
想いは。
単独の源から、 複数の源に由来する情報を、 創り上げて了うのかも知れない。
「どうしよう。」 「触ってないのに。」 「声だけでイッちゃった・・・。」
受話器の向こうで。
丘の上の人の、 恍惚の声は。
惑いの声へと遷移した。
---------- References Jun.22 2006, 「満を持した崩壊でしょうか」
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