其の言葉で、 一つの線に繋がった。
スカートの儘。
寝床に潜り込んだ、 其の姿の奥が。
何故に。
一糸も身に纏わぬ、 素肌で在ったのか。
「あのね、小坊主・・・。」 「下着知らない?」
起き抜けの、 其の言葉一つで。
眼前の現象が、 認識可能な形へ変貌した。
姫は何処かに、 脱ぎ捨てて居たのだ。
遠来の友人の、 帰途を見送る時には。
既に下着を履かぬ儘で、 現れたのだ。
酩酊下。
記憶など、 殆ど無いであろう状態で。
姫に其れを強いるのは、 酷なのだろうか。
安心か。
例え嫌いだと暴れようと、 傍に控える姿は、 俺に他ならないから。
気を張る必要など無いからか。
其れとも、 相手か。
気が置けぬ友人だから。
例え異性でも、 下着を纏う必要は無いと。
気の緩んだ想いが、 身体が、 そう主張するのか?
「外に脱いで来ちゃったのかな・・・」
目の前の姫は。
只せっかちに、 其の姿で俺を待って居たと。
そう想って、 一晩過ごしたのに。
---------- References Jun.20 2004, 「彼女の何を知る雄でしょうか」 |