確実に近い確信として、 何れだけ、 事実を感知して居たとしても。
何れの側から、 其の事実が齎されたかで。
意味合いは、 異なって来るから。
其の場に持ち込まれた、 一つ目の切っ掛けを、 軽く流して。
次に持ち込まれるであろう、 相手から、 本気の、 切っ掛けを。
じっと、 待ったのだ。
拒絶の意志は。
自身では無く、 飽く迄、 相手の側にしか存在しないから。
気付いて居ても、 何も、 魅せずに居たのだ。
其れ故に。
「小坊主。」 「嫌なんだけれど。」
其の切り口で。
此れから、 何が語られるか、 一瞬で察知したけれど。
語られる、 其の一言一言が、 何れ程、 本心に近いのか。
逆に、 裏返しの言葉なのか。
慎重に、 見極めねばならない。
「生理来ないんだけれど。」 「一週間も遅れる人じゃないんだけれどな。」 「小坊主が二人も居るんだよ?」 「嫌なんだけれど。」 「籍入れなくて良いから。」 「認知だけしてくれる?」 「でも大丈夫だよ。」 「もうすぐ来そうだから。」
限界迄、 姫は、 隠して居た心算に違いない。
月の悪戯が訪れそうだと、 感じたからこそ、 一気に語られた言葉だ。
姫は、 矢張り嫌なのだ。
---------- References Jun.16 2005, 「嫌だから陰性と言うのでしょうか」 |