秀でた能力は。
武器として、 自身を支える筈だけれど。
時に、 其の武器に依存する事で。
自身の可塑性を、 奪い去る。
想いを贈る、 其の術として。
本来は、 多種多様な手段を、 許されて居る筈なのに。
其の殆どは。
視覚入力を必須の条件に成立する制約を、 内包して居るのだ。
其れ故に。
物理的な制約は。
互いの術を、 次々と封印し。
文字か、 音声か。
残された手段の、 乏しさと、 其の手段を遣いこなす、 困難に。
天を仰ぎ、 想いを飲み込む事を、 強いるのだろう。
傍に居さえすれば。
手を、 繋いでさえ居れば。
今、 隣で眼を見て居れば。
呼吸や、 体温や、 表情が。
其の飲み込んだ言葉を、 引き出せるのに。
画面に映る文字や、 電波で飛ばされる音声では。
想いの奥深さを。
きっと、 伝えられない。
---------- References May.28 2006, 「汚さずには居られませんか」 May.18 2006, 「何から話せば良いでしょうか」
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