< 変化を付けて罰が当たるか >
常に変わらぬ想いが、 普段と変わりの無い声や文が、 目の前に在れば。
安心感に富んだ想いを満喫出来ると言う事実に、 偽りは無いけれど。
「今日も忙しいの?」 「忙しいよ。」
毎日の会話が、 一組の対になった言葉の交換で終了して仕舞うのならば、 余りに寂し過ぎる。
何の変化も無い事に、 倦怠感を感じて。
少しだけ悪戯をする。
「何か違う事言ってよ。」 「え?」
「後30秒。」 「えっと・・・」
「後15秒。」 「ええっと・・・」
「後5秒。」 「今日も忙しかったの?」
瞬時の反応を、 臨機応変に振舞う事を、 貴女は苦手だと言うけれど。
俺が受話器を握る時間帯など、 貴女はとっくに知っているじゃないか。
当たり前の様に穏やかで、 何の変哲も無い幸福。
当たり前の事過ぎる故に、 忘れがちな幸せ。
大切な宝には違いないけれど。
この程度の香辛料なら。
時折利かせてみたとしても、 良いんじゃないか。 |
2003年06月10日(火)
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