文字や、 言葉や、 画や、 形や。
自身を、 他者に、 伝播させる為には。
様々な手段が、 在るけれど。
一つ一つの、 手段の内に於いても。
其の使い方如何で、 様々な効果を産み出す事が、 可能なのだ。
其れ故に。
自身の想いが、 相手へ、 伝えられる様に。
文字を選び、 言葉を選ぶけれど。
其処に、 想いが無ければ。
文字や、 言葉の違いを。
感知出来ずに、 終わるのだ。
「小坊主、ごめんね。」
「何が?」
「『遅くなるの?』じゃなくて。」 「『夜、ごはんいるの?』って聞けば良かったね。」
姫は、 そう言って。
今朝、 問いに応えられぬ俺を、 詰った事を。
詫びたけれど。
違うよ。
其の、 言葉の違いに棲む想いを、 感知出来ぬ以上。
俺に、 想いが、 不足して居るだけだよ。 |