< 繋ぎの種が必要ですか >
何時までも手元に残る、 土産と称する餌。
互いの距離を縮めるべく、 時が用意した、 機会を提供し得る品。
其の時は互いに、 手渡しの機会を望んだのかも知れないけれど。
流れ。
空気の流れ。 水の流れ。 熱の流れ。 貨幣の流れ。 物の流れ。 人の流れ。 血液の流れ。 気の流れ。
そして。
唯一位置の移動を伴わず、 秘める影響力は計り知れない、 時の流れ。
「会う?」
「週末は忙しいのだ。」 「土曜は誕生日だしね。」
「お茶くらいの時間は?」
「彼氏と一緒で良いんだったら。」
「こらこら。」
時間が解決したあの子の惑い。
時間が未解決にした、 あの子に手渡す筈の土産。
賞味期限と言う、 人を急かす足跡が迫って来た。
「土産どうすんだよ。」
「送って♪」
唯一の解決策で、 事を収めれば良いだろうに。
住処を、 住所を、 送って来た直後に。
「彼女と喧嘩したらいつでもおいで♪」
惑いの種は、 ちゃんと蒔いてから去るんだね。 |
2003年06月23日(月)
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