雲間の朝日に想うこと


< 手の届かぬ刻でしょうか >


手元に欲するのは、
日常なのだ。

互いの、
手の届かぬ領域に在る、
其の刻なのだ。




其れ故に。



身に纏い身に付ける、
何らかの形を、
贈り逢い。


肌身離さぬ、
携帯や、
鍵束へ。

其の形を、
添えるのでは無いのだろうか。








其れとも。




互いを貪る、
其の特別な一瞬の、
近似値として。


非日常的な其の刻を、
欲したのか。


想い返す術として。



















 「自転車に乗っている小坊主の画像。」
 「欲しいな。」



坂の街の人は。

普段とは懸け離れた其の画を、
欲した。













普段を。

其の日其の日の、
お互いを。


欲して居る筈なのにね。





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References
 Jul.15 2007, 「不要な証なのでしょうか」







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2007年07月31日(火)


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History
2006年07月31日(月) 触れずに音も鳴らせるのですか
2005年07月31日(日) 胸の話では無いのでしょうか
2003年07月31日(木) 触れずに残る痕跡も在るのですか



< 裏も嗅ぎ盗る唇でしょうか >


其の意図や、
其の意味を、
理解せぬ儘でも。


模倣は。

時に、
同等の効果や技能の向上を、
もたらすから。




観て、
真似て、
喰らう事で。

其れを、
自身の糧とするのだけれど。









他者の行動を、
逐一、
なぞり行く事は。



同時に。



真似た対象すら気付かぬ、
其の裏をも。

一瞬に、
映し盗って終うのかも知れない。















決して。

其の手を、
誤魔化しの手段として用いた事は、
無い筈なのに。




 「あー嫌だ!」
 「小坊主とおんなじ!」


姫は。

娘から、
俺の裏を嗅ぎ盗って居るのだろうか。



















今日も。

娘は、
口を尖らせて。


 「ちゅ〜♪」


覚えたての言葉で。

必死に、
姫の御機嫌を伺う。






自身の悪戯を誤魔化す為に。





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References
 Jul.06 2005, 「口先だけで操る心算ですか」







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2007年07月26日(木)


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History
2005年07月26日(火) 要を外して進めと言うのですか
2004年07月26日(月) 気になる制約ですか
2001年07月26日(木) お前の大切な友達じゃないのか



< 想いの基礎が在る故でしょうか >


別段、
拘りを有する程の規模では、
無い筈だけれど。


何故に。

毎年、
其の日を待ち望み、
気に掛けるのだろうか。





個が、
複と成り。

互いの想いを、
重ね逢わせ始めた頃の、
其の礎は。




想像以上に。

互いの想いを支える、
強固な、
岩盤なのかも知れない。

















初めて。

姫と、
出歩いた場所。



きっと。


真の意味での、
互いの一歩目は。

其処に在る。





















娘の、
御迎えの合図の文と、
共に。


 「残念だけれどお祭りは無しだね。」


姫から。

雨足が、
そして落胆が、
強まった事を知らされた。








今夜も。

今年も。


記念の夏祭りに、
手が、
届かない。





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References
 Jul.21 2006, 「捨てられる想い出でしょうか」
 Jul.17 2005, 「譲る気も無い日付でしょうか」
 Jul.20 2004, 「必要な時に居ない雄でしょうか」
 Jun.19 2004, 「今日は記憶に値する記念日ですか」







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2007年07月20日(金)


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History
2006年07月20日(木) 同じ笑顔と言い切りますか
2005年07月20日(水) 何を持参して来るのでしょうか
2004年07月20日(火) 必要な時に居ない雄でしょうか



< 不要な証なのでしょうか >


想いに。

形など、
不要だけれど。


想いを刻んだ、
其の、
証として。


形は、
成立し得るのだ。





其れ故に。





両の掌の隙間から零れ落ちる、
砂の様な想いに。

霞の向こうで消え入りそうな、
一寸先の想いに。


確固たる形を欲して終う。












けれども。








其の形は。

時に、
想いを阻む矛盾として、
自身の奥底へと杭を打ち込んで来るのだ。



鋭い尖端を、
研ぎ澄ましながら。
















 「私。」
 「なぜ結婚しているんだろう。」



初めて。

坂の街の人は、
一瞬、
其の形に囚われ掛けた。















何も知らぬ俺には、
何も応える術が無いと。

知って居るのにね。





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References
 Jul.11 2007, 「想いの味は如何でしょうか」







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2007年07月15日(日)


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History
2004年07月15日(木) 嫉妬の裏返しでしょうか
2003年07月15日(火) 後五分は創れませんか
2001年07月15日(日) 他人が気になりますか



< 想いの味は如何でしょうか >


勝手に、
自身の内側から生じた像で。

其処に、
外界からの刺激など、
存在しない。





其れ故に。


念じた想いが届いた、
其の結果、
生じた出力では無くて。


飽く迄。

偶々、
其の刻に脳裏に造創られた出力に、
過ぎないのだ。










其れでも。






其の偶然は、
印象深き事柄として、
刷り込まれ。


偽薬の様に。

互いの想いを、
記憶へ、
刻み込んで行くのだろうか。








現実には。

何の報酬も、
附与されぬのに。





















 「桃好きだったよね。」
 「小坊主に食べさせたいと想って買って来たの。」

 「丁度食べたいと想ってたよ。」
 「伝わるんだねぇ。」













坂の街の人は。

俺を想い、
初物の桃を味わい始めた。





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References
 Jul.09 2007, 「想えば現実に届くでしょうか」







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2007年07月11日(水)


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History
2005年07月11日(月) 第一希望は離別でしょうか
2004年07月11日(日) 噛み合わぬ幸福感も在るのでしょうか



< 想えば現実に届くでしょうか >


自身に在る知識と、
自身に具わる想像力とを、
駆使して。


自身には視る事の出来ぬ、
互いの環境を。

必死に、
脳裏に映し出すのだけれど。





幾度と無く、
此の耳に入れたとしても。

僅か一度、
此の眼に焼き付ける事の方が、
優位だから。



時に。

届かぬ想いに、
歯噛みを繰り返すのだ。









必死に浮かべた、
其の像は。

所詮、
自身の創造し得る範囲からは、
飛び出せない。


そして。


自身の贈る想いの、
其の範囲も。

自身の創造し得る範囲以上には、
所詮、
届かぬのかも知れない。




















 「全く別の世界だもの。」
 「分からなくてあたりまえ。」
 「大事なのは分かりたいと想うことなの。」


放った想いは。

現実に在る世界観へは、
到底響き難い想いで在る事に。



坂の街から返る想いで。

初めて、
気付かされる。





















 「小坊主は。」
 「聞こえないひとを私以外に知ってる?」















其れだけじゃ無い。



俺も、
坂の街の人も。

抑も、
お互いの何も、
知っては居ないよね。





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References
 Jun.27 2007, 「初めてばかりで惑いませんか」







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2007年07月09日(月)


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History
2004年07月09日(金) 選択出来ぬ退路でしょうか
2002年07月09日(火) ちゃんと見送ってくれていますか
2001年07月09日(月) 逢いに行っても良いですか



< 其れでも願いは叶うのですか >


年に、
僅か一度切り。

其の機会を、
必ず逃さぬ強固な想いに、
肖って。




此の手に在る、
願いを。

小さな紙切れに刻み込み、
希うのだ。





其れ故に。




貴重な機会へ、
決して、
戯れの想いなど混ぜぬ様に。

殊更丁寧に、
想うのでは無いのだろうか。












娘の、
冒涜された願いへ。

彦星と、
織姫が、
罰を下さぬか。



ふと、
怖れを抱く。








 「笑ってしまいましたよ!」

 「可愛らしい願いごとですね!」


保育園に飾られた、
娘の、
願い事を。

保育士の面々は、
嬉々して居るけれど。





















娘の、
貴重な短冊を奪い。






 「すまっぷのなかいくんがぱぱになりますように」
 「いたりあじんとけっこんできますように」


姫は、
自身の願望を刻み込んだ。






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2007年07月07日(土)


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2006年07月07日(金) 渡れぬ川も一歩の証でしょうか
2005年07月07日(木) 未だ周囲は不安要素でしょうか
2004年07月07日(水) 火を消して終うのですか
2002年07月07日(日) 目覚めの声がもらえますか



< 脱ぐ為の訓練でしょうか >


初めてで在る筈の、
其の、
出来事に対峙して。

然程、
慌てずに対処出来たのは。


恐らくは。

嘗て、
其の痴態を、
此の眼に焼き付けて居たからなのだ。






其れ故に。





寝起きの、
娘の片言と。

在る筈の無い、
冷んやりとした水気にも。



無意識に。

平然と、
応じられたに違いない。


















確かに。

姫の、
言葉通りなのだ。


何れ程、
拒絶の想いを強くしようとも。




















 「何ではいてないの?」

 「パンツ履かせ忘れたんだろ?」

 「さすが私の娘ね♪」

 「履かせ忘れと脱いだのは全然違うだろ・・・。」



姫は。

誇らしげに、
自身を継ぐ娘の姿を、
誉め。






 「ちっち〜ぃ!」


娘は。

母の戯れに耳も貸さずに、
濡れた寝間着に、
手を触れるけれど。





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References
 Jun.21 2004, 「脱げる相手なのですか」







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2007年07月03日(火)


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History
2006年07月03日(月) 下手なのでしょうか
2005年07月03日(日) 手玉に取られて居るだけでしょうか
2004年07月03日(土) 別れた方が幸せですか
2002年07月03日(水) 変わって無いですか





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