< 忘れた頃の影では在りませんか >
付与された、 其の膨大な容量の内の、 極僅かしか。
用いずに済む故か。
其れとも。
其の、 識別に至る複雑な過程で。
事細かに、 細分化されて了う故か。
決して、 其処に疑念など無く。
事実を記して居る以外の、 何者でも無いのに。
視覚に与えられた筈の、 莫大な機能が。
何時の間にか重みを失い。
其の、 一文字一文字の、 軽さに惑い。
殊更、 想いを乱す。
呑み会帰り。
泥酔の記憶が、 未だ真新しい夜半に。
「歩いて帰る。」
「ちゃんと歩けてる?」
「おやすみ。」
「もう家に着いたの?」
声の無い、 無機質な文字だけの遣り取りが続き。
「着いた。」
「そんなに駅から家まで近かったっけ?」
「私と小坊主ちゃんの間柄と同じ感じぃ。」
態と応えぬ、 其の、 あの子の謎掛けの。
言の葉の真偽を。
必死に、 探り続けた。
もう忘れちゃったのかな。
忌まわしい恐怖と遭遇する、 其の可能性が。
今は、 零じゃ無いって事も。
---------- References Sep.03 2014, 「最期の約束を破れますか」 Dec.24 2013, 「賭事の様な恋愛でしょうか」 May.23 2012, 「何処かに楯は在るのでしょうか」 Apr.27 2012, 「謎掛け程度に軽い事柄でしょうか」 Apr.14 2012, 「此れで離れて行くのでしょうか」
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2014年09月30日(火)
---------- History
2012年09月30日(日) 何を贈れるのでしょうか 2011年09月30日(金) 試練では無いのでしょうか 2009年09月30日(水) 何に効く薬の心算でしょうか 2007年09月30日(日) 嫉妬が在るのは何れでしょうか 2005年09月30日(金) 想いすら一つに成って居ないですか 2004年09月30日(木) 帰らぬ事が想いでしょうか 2002年09月30日(月) 声が聞こえましたか 2001年09月30日(日) あきらめとは違いますか
< 消えて保てる想いでしょうか >
其れが、 表出せぬ事は。
穏やかに過ごす為には、 望ましい事だけれど。
其れが、 表出せぬ事で。
内なる変化は、 日々の外へと追い遣られる。
其れ故に。
其の身体を、 絡め取られる日々は。
他己と自己との、 其の差を。
徐々に、 徐々に、 深めて抉るのだ。
続く過ち。
「怒られちゃった。」 「三回は言ったよねって」
ふと、 あの子が零す。
言われた事を記憶出来ぬ身体。
少しずつ、 少しずつ、 其の機能を削り続ける、 病巣は。
其の内。
寄す処の想い迄も、 奪い去り兼ねないのだけれど。
其れでも。
日々に必要な、 其の機能を失う位なら。
自身が、 消え去る事の方が。
未だ、 幾分増しなのだ。
---------- References May.30 2014, 「もう一度忘れて終えば続くでしょうか」
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2014年09月24日(水)
---------- History
2006年09月24日(日) 封じた想いが生きるでしょうか 2005年09月24日(土) 験担ぎだと笑うでしょうか 2004年09月24日(金) 恋人関係に戻れますか
< 最後の最初は後幾つ在りますか >
一つ、 一つ、 区切りを積み重ね行く事で。
着実に。
終着点へと、 歩んで居るのだろうか。
其れとも。
一つ、 一つ、 区切った筈の終着点が。
曖昧に。
唯、 繰り返されて居るのだろうか。
最たる期限のもたらす、 意識が故に。
最たる後ろに、 殊更、 浸食されて了うけれど。
本当は。
最たる初めてなのだ。
「最後の昼食だね。」
「最後が拉麺?」
「最後の夜も済ませたし。」
「明け方近くだったのに?」
最後の晩餐。
あの子が、 そう口にしたあの日から、 一年近く。
こうして、 顔を逢わせる度に。
幾つもの、 最後が。
増えてくれるのかな。
---------- References Oct.06 2013, 「手を離せますか」 May.08 2013, 「心を残せば又逢えますか」 Apr.29 2013, 「もう一度逢える道中でしょうか」
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2014年09月22日(月)
---------- History
2006年09月22日(金) 時代遅れの想いでしょうか 2005年09月22日(木) 羨望される選択に育つでしょうか 2004年09月22日(水) 中腹は未だ遠いのでしょうか 2002年09月22日(日) 自分を取り戻せましたか 2001年09月22日(土) 責任って何者ですか
< 狡いのは何方でしょうか >
其れは、 自身の与り知らぬ領域で、 形作られる物。
幾ら願えども。
其処に、 関与する事など、 不可能で。
幾ら謀ろうとも。
其処に、 利や悪意を差し込む事も、 出来ぬのだ。
其れ故に。
以前の、 何かと。
競べて居るかも知れぬ、 其の言葉尻に。
一瞬、 嫉妬し。
直後に。
其の、 言の葉の意味する位置を、 探り当てて。
余計に嫉妬する。
「此れ。」 「狡い。」
「俺のせいじゃないでしょ。」
「こんなに激しくした事。」 「無かったじゃん。」
「嫌いだったんじゃ無いの?」
切れ切れの非難を口にしながら、 溺れて行くあの子を。
見下ろして。
想いで繋がる事を、 此れ迄、 怠けて居たから。
迷いや疑念や逆向けの想いも、 総て飲み込んで了う、 此の刹那が。
狡く感じるのだと。
奥底に、 想いを埋め放つ。
---------- References Oct.07 2013, 「請われる儘で居て良いですか」 Aug.05 2011, 「自然に手を伸ばせますか」 Jun.20 2011, 「最内に触れた証拠でしょうか」
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2014年09月21日(日)
---------- History
2009年09月21日(月) 受け継がれる笑顔でしょうか 2007年09月21日(金) 同じ先を指差せて居るでしょうか 2003年09月21日(日) 期待を封じて過ごさせていますか
< 待ち伏せしても良いでしょうか >
其処に在る、 在り触れた風景故に。
其の、 積み重ねを想うのだろうか。
非日常の、 稀な出来事故に。
其の、 刹那を想うのだろうか。
在り触れた、 二度目は無いかも知れぬ、 其の刹那を。
丁寧に、 丁寧に。
想い極める。
空港に降り立った、 其の直後。
画面に、 慣れた顔が踊り。
出張先への、 移動の行程と。
普段の、 通勤経路が。
十数分だけ交錯した。
「今日はありがとね。」
「まぁね。」 「近くに居たからさぁ。」
「逢えると想って無かったから嬉しかった。」
「まぁね。」 「私、優しいからねぇ。」
喧噪の駅構内で。
あの子は、 そう応えたけれど。
本当は。
待ち構えて居た様な気がするんだ。
最後かも知れないからと。
---------- References Jul.26 2014, 「夢や目標は無力でしょうか」 Jul.02 2013, 「生殺与奪と言う事でしょうか」
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2014年09月18日(木)
---------- History
2012年09月18日(火) 見て居なかったのだと斬り付けるのですか 2006年09月18日(月) 必然に届くでしょうか 2005年09月18日(日) 焦る姿は滑稽でしょうか 2003年09月18日(木) 時の進みが早過ぎませんか 2002年09月18日(水) 弱気を跳ね除けられますか 2001年09月18日(火) 単純だから純粋な気持ちなんですか
< 無くして無いのでは在りませんか >
一つ、 一つ、 積み重ねた物が。
刹那に、 総て消え失せて終う。
既知で無ければ、 本来、 想像すら困難で在った事柄が。
此の眼前に。
未だ幾つも、 転がって居るのだけれど。
言い換えれば。
其れは、 此の手が未だ何も無くして居ない事の、 証明に。
他ならないのだ。
曖昧な期限を一つ。
唯、 言い渡されただけなのに。
何故に。
此処迄、 想いが錯乱して了うのだろう。
想いも。
未来も。
そして命も。
未だ。
何も、 失っては居ないのにね。
---------- References Jul.26 2014, 「夢や目標は無力でしょうか」 Jul.02 2013, 「生殺与奪と言う事でしょうか」
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2014年09月13日(土)
---------- History
2011年09月13日(火) 会話する気は在るのでしょうか 2009年09月13日(日) 調べに心を寄せられましたか 2005年09月13日(火) 想い以外も縒り逢わせられますか 2004年09月13日(月) 吸い尽くし終えましたか 2003年09月13日(土) 距離を埋める技術なのでしょうか
< 最期の約束を破れますか >
堪えて堪えて堪えて。
其れでも、 堪え切れずに吹き出す、 想いは。
殊更、 強靱な意志で無ければ。
蓋をする事が、 出来ないのだけれど。
其の頑なな意志で。
想いを、 封じて仕舞う事が。
想いの純度や、 或いは強度を。
殊更、 強めて了うのかも知れない。
其れ故に。
意志が酩酊した、 其の刻に。
此れ迄とは、 比較しようも無い程。
想いが、 溢れ出して了うのだ。
更に、 更に、 強い意志で無ければ。
其の想いを、 封じられぬ程に。
泥酔気味のあの子は。
電話越しの涙を、 必死に、 隠しながら。
「私が死んでも。」 「連絡行かないよ。」
已むに已まれず。
約束を一つ、 破いた事を口にした。
今は唯、 無事家に辿り着いて欲しいと。
電話越しに想う事しか、 出来ないけれど。
---------- References Jun.08 2014, 「何を見て居たのでしょうか」 Jul.23 2013, 「風穴を拵える必要が在るでしょうか」 Jul.02 2013, 「生殺与奪と言う事でしょうか」
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2014年09月03日(水)
---------- History
2006年09月03日(日) 嬉しい事では無いのでしょうか 2005年09月03日(土) 感性も近付き行くのでしょうか 2001年09月03日(月) 避けて通れない道なのか
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