直近の目標に、 違いは無いのだけれど。
其処は、 到達点では無いのだ。
進み行く為に。
飽く迄、 必要と想われる、 通過点で。
寧ろ、 其の先に連なる、 広大な領域に。
事の、 本質が在るのだ。
其れ故に。
互いの想いを、 太く、 縒り逢わせながらも。
其の先の、 膨大な分岐点で、 迷わぬ為に。
互いの人生も、 縒り逢わせねば成らない。
初めから、 其の心算だ。
初めから、 俺は、 意思を伝え続けて来た。
過去に。
姫に。
何が在ったか、 其れは、 知らないけれど。
「息子のこととかも考えて欲しいの。」 「経済的にとかそういうことじゃなくて。」
「姫の息子はどう思ってるか知らないけれど。」 「俺は自分の息子に成るんだと想ってるけれど?」
「遠いから何回もは会えないと思うけれど。」 「一緒に帰ったりして欲しいの。」
「姫の親御さん達だって何が在るか分からないでしょ。」 「姫の御袋さんと住む事だって在るんじゃないの?」
「義母さんには何時会いに行くの?」
「御袋には姫の体調次第って言って在るよ。」 「其れより俺と姫の結論が先でしょ?」
やっと。
姫は土俵に、 脚を踏み入れた。 |