其の言葉の半分が、 冗談であれば良いと。
そう想い、 そう願うけれど。
言葉が産まれた瞬間は。
其れはきっと、 本音に満ち溢れた物で。
想いの欠片も無い。
「帰って来ないで。」
電話口から届く声に。
自身の耳を、 先ず疑う。
善意と、 想いとを、 煮詰めた筈の行為も。
もしかしたら、 悪意に満ち溢れた行為なのだろうか。
自身の、 想い違いの可能性は。
常に、 零では無いけれど。
想い遣りを籠めずに、 初めから、 自分の都合のみを埋めて放つ言葉は。
きっと、 悪意以外の何者でも無い。
深夜になろうと、 翌朝になろうと。
此の場所に戻る事が。
然程の行為で在るとは、 想えないのに。
「そんなに遅くなるなら。」 「帰って来ないで。」
姫は、 事も無げに言い切って魅せる。
---------- References Sep.12 2004, 「お帰り代わりの平手打ちですか」 |