想いや、 実力や、 可能性を併せて。
お互いに、 其の山を描いたならば。
方や、 既に山頂を過ぎ、 急激に降り行く位置で。
方や、 やっと其の麓に到達し、 此れから、 本格的に登り始める位置。
刻一刻と失われる、 其の高さは。
躊躇や、 猶予や、 選択肢を、 容赦なく簒奪し。
不安や、 怯えを、 増幅させるけれど。
十分な高さを得ずに、 慌てれば。
或いは、 急激な速度で登ろうとすれば。
足らぬ想いや、 酸素不足で。
其の先の破綻を呼び覚ます事は、 間違い無い。
二人の描く山の、 其の軌跡が。
重なると想った事など、 一度も無いし。
其の傾斜ですら。
揃って欲しいと願った事も、 一度も無いけれど。
姫が、 向こうの麓に降り立つ前に。
せめて、 山の中腹まで辿り着きたいと、 切に願う。
姫の、 月の遅れは。
何を呼ぶ?
---------- References Aug.08 2004, 「想いも結晶も壊れて了ったでしょうか」 |