自身を、 移し採る様に。
或いは、 削り取る様に。
貴重な時を懸け、 貴重な技術を注いで、 共に、 進み行くのだから。
導きには。
非常に多くの想いが、 煮詰められて居る。
其れ故に。
削り取る様に、 自身を注げぬ相手など。
所詮、 軽微な対象なのだ。
相手を想うからこそ。
相手に足りぬ、 経験や、 技術を、 自ら提供して。
相手の支え足る自身を、 築き上げるのでは無いのだろうか。
不安な想いや、 臆病な想いに、 何れ程、 駆られて居るか。
想像すらせぬ相手に、 半ば、 失望をする。
配慮出来ないのだろうか。
「此の産婦人科って。」 「妊婦教室もやってるの?」
「通うの?」
「一緒に通わなくて良いの?」
「小坊主だけ通うべきだって。」 「みんなで笑ってるよ?」
姫は、 全てを笑いにして。
俺の不安で、 遊んで居るのかも知れない。 |