決して、 特別な場では無く。
平易な、 何の変哲も無い処にこそ、 真が宿り。
飽く迄。
其の、 平易の積み重ねこそが、 芯を創るけれど。
微弱な信号は。
容易に、 雑踏の中へと埋もれて終うから。
其処に、 想いが無ければ。
平易の蓄積は、 案外、 容易では無い。
もう、 其の言の葉に返す、 想いは。
恐らくは、 残って居ないのだろう。
其れ故に。
此れ程迄に、 揺れ戸惑うのだ。
久しぶりに。
「おはよう。」
「おはよ〜。」
言の葉が、 姫から打ち返され。
一瞬、 怯んで了う。
本当は、 知って居たのだろうか。
俺からの、 毎朝贈る想いに。
もう一年も、 姫は、 応えて居なかった事を。
---------- References Jun.19 2011, 「千切れた芯は結い直せますか」
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