其処に在る想いは。
単一では無く、 飽く迄、 複数の想いが渦巻いた、 其の結果だから。
其の瞳から、 視線を逸らさずに。
一つ、 一つ、 丹念に。
想いを、 拾おうとするのだけれど。
其の、 渦巻いた想いの、 出所は。
直ぐに、 姿を変えて了うから。
独占か。 我慢か。 顕示か。 自省か。 誇示か。 希望か。 自虐なのか。
捕らえた筈の想いは、 するりと、 掌から逃げて行く。
恐らくは。
俺の嫉妬が、 想いを捕らえ切れぬ、 理由だろう。
「今日はもう誰も抱いちゃ駄目よ。」
「・・・。」
「嘘。」
「・・・。」
「あ、でも、やっぱり駄目。」
帰り際に残された、 意思表示は。
至福の時間の証に違いないけれど。
そう口にした、 坂の街の人は。
帰ったら、 きっと、 抱かれて終うのだろうな。
---------- References Sep.29 2007, 「子供心も必要でしょうか」
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