互いの間に。
何れ程、 想いが在ろうとも。
互いの間に。
大きな、 認識の相違が棲んで居るのだ。
不確かで、 甘美で、 幻想的な、 想いと言うまやかしで。
其の、 目に触れさせたく無い、 亀裂に。
蓋を、 添えて在るだけなのだ。
其れ故に。
一見、 何の脈絡も無い様な、 切っ掛けでも。
軽々と、 反応が生じて了うのだろう。
事の、 嫌悪に因らず。
今の俺と、 今の姫が。
規定の路線に、 護られ難い存在で在る事は、 事実で。
そして何より。
姫には、 依然、 歩み寄る気が毛頭無いと。
意思が、 独立心が、 言葉に潜んで居る。
「両方世帯主って書くの?」
「片方は代表者で。」 「もう一人はその他だよ。」
「何で私がその他なの?」 「世帯主二人じゃないの?」
「違うみたい。」
「嫌なんだけれど!」
想いの通りに、 楕円を、 塗り潰す事など。
許されては居ないんだね。 |