雲間の朝日に想うこと


< 求める想いが異なるのでしょうか >


其の日一日が。

想いの溢れた、
佳き日で在ったから。



感謝の意を、
最大限に込めて。


必死に、
我慢をしたのだ。







想いに応える想いが、
溢れ出て。

其の感触に、
迸る寸前の想いを。


必死に、
封じ込めなければ。






想いが創った、
此の一日への感謝が。


圧倒的に、
足りぬ気がしたから。















 「本当に、私で感じてる?」


姫は、
不安そうに言うけれど。


 「何で我慢するのよ!」


姫は、
半分お怒りだけれど。














行為に、
俺が込める気持ちは。

何時でも、
姫への感謝が、
其の大半を占めるのだ。










快楽は、
二の次の雄が居ても。

良いんじゃない?





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References
 Apr.02 2004, 「想いを込めて触れてはいけませんか」


2004年05月31日(月)


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History
2003年05月31日(土) 嵐に喧嘩を売れますか
2002年05月31日(金) 放っておけますか



< 明日は何度挑めるでしょうか >


真夜中に。

互いの想いを、
濃密に交わした事は。


良く、
覚えて居たけれど。




明け方の、
戯れの最中に。

お互い、
眠りに陥った事も。



しっかり、
覚えて居たけれど。













真夜中の、
第二試合は。



完全に、
記憶の外なのだ。












 「小坊主、覚えてないの?」

 「本当に二回?」

 「うん♪」



心身共に、
充実した朝の。

最初の会話で。






何故に。

明日の心配を、
しなければならないのだろう。















明日は、
特別な日だから。

明日は、
特別な日なのに。








実弾が、
若干不足気味で。


何度も挑めるのか、
姫の想いに応えられるのか、
不安だよ。


2004年05月29日(土)


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History
2003年05月29日(木) 逞しく在りますか
2002年05月29日(水) 実現しますか



< 次は其処に名を載せても良いですか >


如何に、
物理的な距離が、
離れて居ようとも。

何れ程、
精神的な距離ですら、
乖離して居ようと。


形として、
残存する事実を。




決して、
俺の眼前に現れた事の無い、
其の繋がりが。

形式として、
残存して居るのだと。





初めて、
現実的に認識したのは。

其の紙だったから。
















 「区役所にいるよ。」
 「婚姻届もらいに来たの。」


冗談で始まる、
姫の、
其の文は。



 「婚姻届もらいに来たの。」
 「だったら幸せなんだけどね。」


其の二行を。

俺に伝えたいと、
想って居たのだろうけれど。






俺は。













 「だったら幸せなんだけどね。」
 「国民健康保険の用事だよ(笑)」


此の二行が。

十二分に幸せを内包すると、
想ってしまうのだ。















新たに。

姫の名が、
筆頭に記された、
保険証。





 「ほら。」


姫は。

報告の為に、
其れを魅せたのかも知れないけれど。














報告ににやけた、
俺の想いを。

悟られなかったか、
少し不安だ。


2004年05月28日(金)


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History
2003年05月28日(水) こんな風な子で正しいですか



< 二人の子供の心算でしょうか >


嫉妬の際に、
纏わり付く様に。

足下へ忍び寄り、
身体を擦り付けながら回る、
其の行動と。



僅かに、
異なる振る舞い。






高次の機能を、
持たぬ代わりに。


辺縁に備わる、
鋭い本能が。


何かを、
訴えるのかも知れない。








 「こいつも心配して居るんだよな。」

 「そう想うよ。」





手遊びを、
互いが争う姿と勘違いして。

心配して、
泣き喚く犬。


画面から届く、
映像には。

可愛らしい犬が在るけれど。




此の猫も。



足下に擦り寄る事で。

同じ意図を、
常に伝え続けて来たんだ。














仲直りの貢献者を、
撫でながら。


 「子供みたいなものなのかな・・・」


一つの出来事を、
想い出す。















類似する言葉を吐いた、
姫の息子が。




少しだけ。

自分の息子に近付いた、
そんな気がした。





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References
 Mar.21 2004, 「血が通う事は無い関係でしょうか」


2004年05月27日(木)


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History
2003年05月27日(火) 少しで良いから成長出来ますか
2002年05月27日(月) 今更わざわざ言う事ですか



< 本当に寄り添うための刻ですか >


出掛けの喧噪。

毎朝繰り返される、
忙しない刻。




加えて。


共有の時間を、
手放せずに。

限界迄、
傍に寄り添うから。




余計に、
喧噪が増加する。











其れでも。

二人が、
寄り添いたいと願うなら、
構わないけれど。



姫の理由は、
其処に無いのだ。












 「行かなきゃ。」

 「もう五分待って。」

 「もう行かなきゃ。」

 「嫌だ、五分だけ。」


今朝も、
姫は駄々を捏ねる。














僅か数分で。

姫は、
戦闘態勢に入れるから。










貴重な、
もう五分は。




愛では無く、
所詮、
悪戯の口付けに、
費やされるだけなんだね。






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References
 May.17 2004, 「何の為の化粧ですか」


2004年05月26日(水)


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History
2003年05月26日(月) 無事なら良いと想えないのか
2002年05月26日(日) 無駄な抵抗は止めませんか



< 定位置は何処ですか >


酒精と、
体温と。


風呂上がりの、
上気した身体を。

徐々に冷ましながら。



真横に寄り添う、
其の相手が。


一言呟いた。



 「小坊主が居なくなったら。」
 「何処に行くのかな?」









俺の膝の温かさに、
其の身体を埋め。

心地良さそうに、
眠る猫が。



呼んでも居ないのに、
尻尾を振る。












 「何処に行くのかな?」

 「姫の膝でしょ?」


俺が居なければ。


此の猫は、
俺の次に効率良く温もりを得られる、
姫の膝で。


心地良さそうに、
眠るに違いないけれど。















 「姫の膝でしょ?」

 「じゃぁ、私は。」
 「小坊主と一緒じゃ無いって事?」


姫は。

其の風景を想いに乗せて、
其れを拒絶する。











 「違うよ。」


此の猫が、
俺の膝の上を定位置にする様に。







今の、
俺の右隣の、
其の場所こそが。



姫の定位置でしょ?





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References
 May.23 2004, 「想いを託した本ですか」
 May.04 2004, 「過ちは素直に認めませんか」


2004年05月25日(火)


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History
2003年05月25日(日) 弱音の吐き合いなのでしょうか



< 少しだけ力を抜けませんか >


如何に努力や才能を駆使して、
表現したとしても。


言葉も。
振る舞いも。

決して、
想いと等価の物では無いけれど。





想いと裏腹の、
言葉や振る舞いが。

必要以上に、
産まれる関係だろうから。







きっと。

何か、
在ったに違いないのだ。














二年近くも、
傍に在り続けるのだから。



帰宅の瞬間に。


 「酔っ払っちゃった!」


そう口にしながら、
笑顔で出迎える姫の。

其の表情と、
其の振る舞いが。





異常性の伴う物だと、
認識するのに。

数秒の刻すら、
必要とはしないと言うのに。
















 「どうした?」
 「何か在った?」

 「ん?」
 「何にも無いよ。」


こんな時。









笑顔を絶やさず、
意地っ張りで、
我慢ばかりの姫の。

力をふっと抜いてやる、
其の術が。



何時まで経っても、
手に入らない。






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References
 May.13 2004, 「本音は何処に在るのでしょうか」
 Aug.27 2003, 「試す言葉が傷を産まないのでしょうか」


2004年05月24日(月)


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History
2001年05月24日(木) 初めての記念になりますか



< 想いを託した本ですか >


普段なら、
真っ先に優先される筈の事を、
後回しにしてでも。


其の本を読めと。


彼処迄強い口調で、
言った訳は。

今も未確定だけれど。





普段にも増して、
自分の振る舞いを最優先に、
物事を動かし。


其の本を読めと。


言った口調は、
相変わらず強くて。

今も変わらないけれど。









彼の時より。









肩肘張らずに。

少しだけ、
前へ進んで来られたのだと。



そう解釈して良いだろうか。















 「ほら。」
 「此の犬も袋に入るんだよ!」



絵本に登場する、
其の犬の振る舞いが。

俺の膝で眠る猫と、
全く同一だと。


自慢げに話す姫が。














言葉に出来ず、
素直に贈れぬ想いを。

其の本に、
託して居るのなら。













少し早いけれど。

極上の、
誕生日の贈り物だよ。





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Books
 「最後まで一緒にいたい人は誰ですか」 青春出版社






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References
 Sep.23 2003, 「運命は他に在るのでしょうか」


2004年05月23日(日)


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History
2003年05月23日(金) 消して消えない旋律でしょうか



< 既に消せない傷でしょうか >


一つ一つ、
約束を実現して魅せて。

一歩一歩、
信を獲得出来るとしても。



信に値する想いが、
育つ迄に。

少し、
時を費やし過ぎたかも知れないから。







如何に、
想いを贈り続けても。

其の傷を癒す事は、
既に出来ないのだろうか。













過去の過失は。

姫の奥底の、
何処迄深く侵襲したのか。



姫の想いの中に、
負わせた数度の傷は。

塗り固めても、
決して固まる事は無いのだろうか。













姫の不安を、
打ち消す事が出来る様にと。


 「これからも好きで居てもらえたら。」
 「この傷も消えるかな?」

 「消して魅せる。」


強い口調で、
言い切ったけれど。














不安を否定出来ないのは。

寧ろ、
俺の方なのだろうな。






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References
 Apr.21 2004, 「行為の選択を誤ったのでしょうか」
 Apr.13 2004, 「二人では何処へも行けないのでしょうか」


2004年05月22日(土)


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History



< 意思をも曖昧にしませんか >


僅かな変化には、
何事も無かったかの様に、
振る舞い。

大きな擾乱には、
徐々に徐々に事が変化する様に、
其の場を操作する。



緩衝領域。



二つの想いが、
境界で融け逢い。

其処に、
曖昧が産まれれば。


限り無く、
心地良いけれど。









一方に、
強い意思が在る時には。





其の領域は。

変化を拒む、
只の障壁でしか無いのだろうか。















心地良さを傷付けぬ様に、
近寄り。

少しずつ、
壁の内側へ侵入して。


手と手が、
触れたなら。




自身の優しさが、
自身の背伸びが、
相手の想いを融かして。


近寄れて居ると、
想うから。














其の壁の内に、
入る余地が在るのか。

或いは永遠に、
壁の内部には入れぬのか。


意思を有する身に、
其れだけを指し示して欲しいと、
渇望するんだ。















緩衝溶液に、
想いを注ぎ過ぎて。



何時の間にか。

想いが破綻し、
其の場が、
強酸で満たされた世界に成ってしまう、
其の前に。






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References
 Jan.29 2003, 「何を言えれば良かったですか」
 Aug.07 2001, 「別れは切なかったですか」


2004年05月21日(金)


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History
2003年05月21日(水) 名前を拒んでいませんか
2002年05月21日(火) その言葉は最後にもらえませんか



< 経験は御墨付きで埋められますか >


抱える其の重さを、
知らぬから。

抱える其の重さは、
想像でしか手に入らぬから。


多くの世界や、
多くの苦難を、
自身より知る相手には。

本気で、
一歩を踏み出さねば、
ならないのだ。




一度、
其の形を保有した者と。

未だ、
其の形を知らぬ者。


其の形が、
然程大した事が無いと、
例え、
後に知ったとしても。





現時点で。

経験値を、
絶壁の様に感じるのだ。











如何に、
対等を演じたところで。

自身の頭では、
何れ程理解したと想っても。



尻込みして、
武者震いして。

少しだけ、
相手に降りて来て欲しい時が、
其処に在る。












其れ故、
俺にとって。


姫の友人や、
同じ立場から産まれた、
後押しの言葉は。

相手の想像を、
遙かに上回る力と重さを、
有して居るんだ。












 「姓をどうするか。」
 「二度も小坊主に確認して安心していたでしょう?」

 「うん・・・」

 「姫の言葉を受け止められるのは。」
 「小坊主しかいないでしょう?」

 「分かってるよ。」




経験者且つ、
第三者から。

御墨付きが在れば。






どんな時でも。

相手を支えて、
前に進める気がするんだ。





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Acknowledgment
 I was impressed by your diary, 雪子.
 I have sympathy for his feelings and words and always cheer for your darling!
 Thank you.






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References
 May.09 2004, 「前科を繰り返したのでしょうか」
 Apr.17 2004, 「不安の因は自分に在りませんか」
 Feb.03 2004, 「自覚に縛られ自壊するのでしょうか」


2004年05月20日(木)


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History
2003年05月20日(火) 解れた糸が絡まっていませんか



< 軍配の要らぬ勝負でしたか >


擦れ擦れの間隙で、
誘いを仕掛け。

踏み留まり。


まるで誘われたかの如く、
振る舞う事で。

相手を誘う。



 「意地張らなければ良いのに。」

 「小坊主こそ。」



誘いに乗らぬ相手の、
懸命な姿に。

決して負けぬと、
想いを新たに築き直す。







僅か数粍。



力尽くで
相手を引き寄せれば。

届く距離。



けれども。

決して自らは、
踏み込んではならぬ距離。














 「キスするのやめる?」
 「我慢出来る?」


姫の、
挑戦的な其の態度に。


 「良いよ。」
 「本当に姫は我慢出来んの?」


俺は、
旗幟を鮮明にしたから。




懸命に、
我慢をしようと。

意地でも、
妥協を許さずに。


姫の、
根負けと、
吠え面を、
楽しみにして。




自身を律して、
一日を過ごして来たけれど。











風呂の中で。

何方からとも無く、
重ねた唇の、
結末は。











 「嬉しい?」


嬉しそうに尻尾を振る、
姫の笑顔でした。





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References
 May.17 2004, 「何の為の化粧ですか」
 Feb.01 2004, 「弄ぶ口付けを楽しめませんか」


2004年05月18日(火)


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History
2002年05月18日(土) 俺を見ていたのですか



< 何の為の化粧ですか >


柔らかい、
其の膨らみに、
紅を乗せ。


つい寸前迄の、
猫撫で声を。

意識の外に駆逐すれば。



戦闘態勢の、
完成。







直前迄とは、
明らかに異なる、
其の表情で。


迫り来るんだ。















 「何でティッシュで拭くのよ?」
 「私の事、嫌いになったんでしょ!」


姫は、
苛烈に俺を攻めるけれど。






紅い唇の痕跡を、
此の身に纏った儘で。


しかも其の痕は。

金色や銀色に輝く、
金属片を、
含んで居ると言うのに。




家を出られる筈が、
無いだろう?










ほら。

姫だって。









俺が唇を重ねると。

また姫は、
嫌な顔をする。






















朝御飯は、
納豆しか無いと。


そう言ったのは、
姫だろ?





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References
 Feb.01 2004, 「弄ぶ口付けを楽しめませんか」


2004年05月17日(月)


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History
2003年05月17日(土) 酔っていたからでは無いですか
2002年05月17日(金) 心の隙間を守れるか



< 全てが誤りの選択肢なのでしょうか >


穏やかな日に。

穏やかならぬ文が、
携帯を揺らした。


 「重大な相談があります。」
 「電話したいんですが忙しいですか?」


昔を、
想い孵しながら。

受話器の声を聞き続けた。












離別の手段でも、
離別の代替でも、
無かった。


過去への、
想いの深さが不足して居たとは、
今も想わない。

けれども、
目の前の対象に、
好奇の感情が産まれた事は、
把握して居た。



そして。

困惑と、
混乱は、
間違い無く在った。










 「前彼と別れたから。」
 「小坊主を好きになったんじゃないよ。」

 「前彼と別れるために。」
 「小坊主を好きになったんじゃないよ。」


姫は、
異変の夜を覚えて居ないから。

重複の期間に、
想いの錯乱は存在しないけれど。





 「小坊主は別れる手段として。」
 「私を好きになったフリをしてるの?」


本当に、
貴女が必要無いのか。

其の解答は、
当時は未だ不明で、
今でも不確かで。


其れでも、
姫の瞳に石化させられた事実は。

此の時既に、
姫への感情が肯定で在る故の、
結果論。









何れを選んでも。

想いと行動が、
必ず矛盾して居るんだ。

















遠距離の彼に、
頼れる同僚。

突如降って湧いた、
後輩の苦悩。


 「告白されました。」
 「私も好きな人です。」
 「わからないんです。」
 「遠距離の彼が好きなのか、必要なのか。」

 「そっか・・・。」





肯定か、
拒否か、
同時進行か。

選択肢は、
幾つか在るけれど。



想いが、
定まらぬ今は。


全部正解で、
全部不正解なんだよ。





----------
References
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」
 Jun.25 2002, 「支える資格がありますか」
 Jun.20 2002, 「償うふりが出来ますか」


2004年05月16日(日)


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History
2003年05月16日(金) 共に作り替えては行けませんか
2002年05月16日(木) 二人きりは寂しくないですか



< 本音は何処に在るのでしょうか >


此の、
刃の数々は。

確かに、
自身を傷付けるけれど。


同時に、
自身を奮い立たせる、
最高の武器。





そして此の、
鋭利な言葉の数々は。

確かに、
相手をも傷付ける、
刃だけれど。


きっと。

相手を奮い立たせる、
最高の武器に、
還る事の出来る鋭さでも、
あるんだ。





其れ故。



幾ら鋭く、
此の身を切り裂かれようと。

其れ程、
痛くは無いのだろう。


何れ程、
此の身を抉られようと。

最大の欠点は、
最大の魅力なのだと、
感じるのだろう。















友人の目の前で、
泥酔しながら、
吐き続ける姫の言葉に。

耐え切れず、
気を遣う友人。


 「良く耐えてるね・・・」

 「好きだからね。」

















精一杯、
強がって魅せたけれど。

本当は、
致命傷を負わされたんだ。














俺の、
目の前で。








 「二つ前に戻ろうかな。」
 「片想いだったけど、幸せだったもん。」



今夜も姫は、
鋭利な刃物を振り翳す。





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References
 May.09 2004, 「前科を繰り返したのでしょうか」


2004年05月13日(木)


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History
2003年05月13日(火) 早く分かち合いたくは無いのですか



< 片想いなのでしょうか >


其処に在る想いが、
意図する相手に、
真っ直ぐ向う事を。

幾度と無く、
伝えているのに。



何度と無く形を変えて、
想いを贈り続けても。

何故か、
届かぬ想い。






二人の言葉が。

何時でも、
何処でも、
正しく重なり逢うとしても。



やはり、
届かぬ想い。









 「両想いなんだよね?」
 「私の片思いみたい。」


常に片想いであると。

姫はそう感じ続け、
言い続けて来たかも知れないけれど。












 「俺も。」
 「片想いだって感じる事がある。」


初めて。

同じ想いを抱いて居る事を、
吐露した。

















 「小坊主。」
 「両想いになった?」

 「なったよ!」
 「大丈夫!」



姫の問いに、
そう応えたけれど。








不安にさせたく無かっただけで。


本当は、
未だ良く分からないんだ。


2004年05月12日(水)


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History
2003年05月12日(月) 気付かせるのが目的でしたか



< 何方に在った重荷ですか >


例え、
如何に自由に振る舞う事が、
許されていようとも。

例え、
如何に自由な想いで、
振る舞う事が出来たとしても。





長い間、
自身の肩に存在し続けた、
重荷は。

足枷には違いない。









如何なる時も、
枷は傍に在り続け。

蓄積した心の凝りに、
蝕まれ。



本来感じる必要の無い、
負い目として。


其れは、
姫自身の中に在り続けたんだ。













其れ故に。

初めて、
蟠り無く想いを突き付ける事が出来た、
此の一晩は。





大きな亀裂を生じ、
確かな傷跡を残した筈なのに。




姫にとっては。

開放感や、
清涼感を伴う、
一晩であったのだろう。















 「あのね。」

 「ん?」

 「初めて。」
 「小坊主の彼女になれた、気がするの。」

 「そっか。」









其の、
姫の笑顔を。

俺は、
初めて見た気がするよ。





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References
 Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」


2004年05月11日(火)


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History
2003年05月11日(日) 貴女の過去は幻ですか



< 膿を出し尽くしただけでしょうか >


前後に並べられた言葉とは、
何の脈絡も無い。

前後に並べられた行為とも、
何の脈絡も無い。


其れ故に。

余計に際立ち、
同時に全く理解の出来ぬ、
振る舞いだけれど。




きっと俺が、
其れを渇望して居たから。




待望の振る舞いの、
其の意図を。

普段よりも早く、
認識出来たのだろうか。




其れとも。


共に過ごす日々が、
相手を見極める眼を、
育てたのだろうか。











何度掛けても、
決して掛からぬ番号が。


液晶に踊った。



 「今から来る?」
 「話し合っても良いよ。」













表面的には、
話し合う為の機会を提供するとの、
提案だけれど。

きっと、
修復を意図する言葉。






いや。

素直な言葉は吐かないけれど、
寧ろ其れ以上。



逢えば、
想いを重ねるに違いないと、
確信した上で、
口にした言葉だから。

姫の想いは、
既に元の鞘に収められた事すら、
指し示す言葉だ。















 「わかった。」
 「今から帰るよ。」



有り難う。

今は一回分、
借りて置くからね。





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References
 Aug.27 2003, 「試す言葉が傷を産まないのでしょうか」
 Aug.12 2003, 「言葉に踊らぬ術が身に付きますか」


2004年05月10日(月)


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History
2002年05月10日(金) 想いの先は届いていましたか



< 前科を繰り返したのでしょうか >


目の前に飛び交う、
鋭利な刃物が。

其の場所を弁えて、
飛んで居る事も。


刃の飛ぶ理由が。

自己防衛の為の、
精一杯の強がりで、
不安の裏返しである事も。



理解して居た筈なのに。




眼前の空間を、
血塗れにした言葉達に。

背を向けた。











一つの殻を蹴破った、
其の結果。

何十年も、
触れる事の無かった外界に、
曝される。



 「三年あれば。」
 「私を幸せにしてくれる男が。」
 「現れるよね。」


眼前で産まれる、
言葉達は。

不器用に、
懸命に、
必死に、
其の不安を伝えようと、
形にした物で。




不安を支える役は、
俺しか担えない。

不安を吐ける対象も、
俺しか担えない。


其の使命感など、
理解して居た心算なのに。













離婚の記念日を。

姫の、
門出の記念日を。


 「酔って居る様なので、メールで贈ります。」
 「憤ける態度で伝わらないなら、嫌と言えば良いよね。」
 「距離を置いて想いが伝わるなら、家に帰ります。」
 「姫が自分の気持ちを確かめる、良いきっかけになるね。」


俺は、
最悪の結果で飾り付けた。











相手への感謝と、
自身への後悔と。

憎たらしい程、
順序良く浮かび来る想い。



貴女の家庭を壊した瞬間に、
逃げ出した、
前科と。

俺の行為は、
何の違いも成長も無いのだ。















 「幸せをありがとう。」
 「荷物は私の留守の時に取りに来てね。」


姫の言葉に、
眠れぬ夜が明けた。





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References
 Mar.17 2004, 「前科を消す術が在りますか」
 Feb.17 2004, 「何故撥ね返せなかったのでしょうか」
 Jun.25 2002, 「支える資格がありますか」
 Jun.20 2002, 「償うふりが出来ますか」


2004年05月09日(日)


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History
2003年05月09日(金) 仲間の輪はもう縒れませんか



< 知らないふりは許されますか >


周囲の人間で、
其の事実を知らぬ人間は。

唯一、
俺自身だった。



一番身近で、
一番敏感に、
其れを察知せねばならぬのに。

告白で初めて、
気付いた。






平然と、
彼女は言い放つ。



 「一番最初に。」
 「教えたんだよ?」



確かに報告は、
真っ先に手元に贈られて居た。

彼女らしい文で。












 「私くらいの女性が、子供連れて、小坊主位の男と、」
 「婚姻届を出してたんだ。」

 「その子供、役所の人に『○○さん』と呼ばれたら、」
 「『僕○○じゃないよ』と答えてたよ。」

 「笑っちゃった♪」












姫の言葉に、
魅せた苦笑は。



照れ隠しでは無い。


鋭く反応すべき言葉に、
応えられぬ自身を。

恥じた訳でも無い。







其の、
幼気な様子から。

小さな胸の痛みと伴に、
想い出したんだ。





全う出来なかった、
想いと。

貴女を。
小さな彼を。








 「本当に分からなかったの?」

 「うん・・・。」

 「鈍感!」








鈍感を装わなきゃ。

其の場で、
想いを、
見破られそうだったからなんだ。


2004年05月08日(土)


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History
2003年05月08日(木) 希望が無いのですか



< 何方が必要な文字ですか >


其の答えが、
何方であろうと。

其処にはきっと、
本質は無い。



自身の行動には。

自身の意見のみを選択し、
押し通して来たから。



其れでも、
想いをぶつけて来た意図が。


其の行為の本質だ。








迷いでも無く、
不安でも無く。

相手への感謝と敬意。


そして。

ほんの少しだけ欲する、
相手からの励まし。










 「相談があるの。」


珍しい姫の言葉に。

気付かれぬ様、
襟を正す。


 「名字をどうしようかと思って。」













答えは一つだ。

相手が前を向く為に、
背中を押せる言葉で良い。





そして。




何時でも姫は、
俺に後押ししてもらえると。

其の信頼感が、
二人を育んでくれる。












 「自分がこの後生きる為に。」
 「必要な名前にしなよ。」




俺は、
名字に惚れたんじゃ無いよ。





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References
 Apr.19 2004, 「決心を動きに移行出来ますか」
 Jun.05 2003, 「母子で表札を架け替えましたか」


2004年05月06日(木)


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History
2002年05月06日(月) 俺の方が大事だと言えますか
2001年05月06日(日) そんな束縛を通す気なのか



< 何処に行き着く結論ですか >


久方振りに会う友は。

親友であり、
戦友であり、
気心知れた仲間だから。



想いの蟠りや、
想いの惑いを、
投げ付けて。

そして、
整理された想いを受け取る事が、
可能な相手。









久方振りの友と呑めば。

確実に、
想いを変化させて戻るだろうと、
予測して居たから。



帰宅後の、
一挙手一投足が。

大きな意味を、
内包して居る気がして。




怖いんだ。













帰宅した姫の、
言葉が。




俺の想いに応える、
自身の人生の整理を意味するのか。


俺への想いが過ちで。

寂しさのみに依存する今の関係を、
解消する事を意味するのか。




完全に、
見えなくなった。















 「小坊主への気持ちに。」
 「早く結論を出さないとね。」





何の結論だろう。

其の結論の指差す方向は、
何処へ流れ着いて居るのだろう。





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References
 Apr.19 2004, 「決心を動きに移行出来ますか」
 Apr.17 2004, 「不安の因は自分に在りませんか」
 Mar.31 2004, 「信に値しないのは何れでしょうか」
 Mar.30 2004, 「何処が好きと言えますか」


2004年05月05日(水)


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History
2003年05月05日(月) 何故折れたのですか



< 過ちは素直に認めませんか >


其の姿も、
其の形も、
其の色も。

其の感触や、
其の大きさ迄も。

想い描いた対象とは、
大きな違いが在ると言うのに。




間違える物なのだろうか。




例え後々、
笑い話になろうとも。

相手の想いを削り、
相手の想いを消費させる。


今其れは、
他の雄に向けられた過ちに、
他ならないのだ。









枕に其の頭部を乗せ、
此方を向き、
心地好さそうに眠る、
雄の姿。



朝の気怠さの中。

寝ぼけ眼で、
自身の隣に眠る想いを、
求めるのは。


自然な事かも知れないけれど。











嬉しそうに報告などせず、
もう少し、
反省をしたらどうだろうか。




 「其の雄。」
 「姫に腕枕とかしてないだろうな?」


 「腕枕?」
 「私、小坊主と間違えて抱きしめちゃった♪」
 「ふわふわしてたんだよ♪」



相手を間違えた姫の行為は、
あくまで過失なのだから。












其の雄の振る舞いには、
何の責任も、
問えないのかも知れないけれど。



 「にゃぁ。」



迷惑そうに鳴くならば。

猫の分際で、
俺の真似をする事など、
止めれば良いじゃないか。












早起きで、
三文以上損した気がするのは。

俺だけか?





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References
 Apr.10 2004, 「対抗すべき脅威の対象でしょうか」
 Feb.19 2004, 「至福の時間を奪うのですか」


2004年05月04日(火)


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History



< 我慢の理由は笑顔でしょうか >


溢れる想いを、
塞ぐから。

想いは、
想いとして、
存在出来るのだろうか。



溢れる負の感情を、
抑圧してこそ。


想いが、
想いとして、
存在し得るのだろうか。





そんな筈は、
無いのに。












 「嫌いになった?」


そう問う姫に。


 「ならないよ。」
 「好きだよ。」


そう答える想いは。






何時でも冷静に。
何時でも平静に。

振る舞える理由は。











産まれた感情に。

目を、
背けて居るだけかも知れないけれど。













其の代償に。











俺に向けた、
飛び切りの笑顔が。

手に入るのだから。











痩せ我慢も、
悪くは無いと想うんだ。


2004年05月02日(日)


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History
2003年05月02日(金) 平然として見えますか



< 少しは役に立って居るのでしょうか >


駄目になるかも知れない、
不確かな予定に。

少しずつ想いを重ねて、
積み上げたなら。



想いの壊れた後に。



其の積まれた想いを。

何処へ、
向ければ良いのだろうか。









二人の、
温泉旅行の為に。

少しずつ積んだ、
二人の想いが。


何処へ向かったのか。



既に、
電話も文も届かぬ、
相手だから。

其れを伺い知る事など、
出来なかったけれど。











其の情報を。

あの人の、
文の切れ端から、
手に入れた。















貴女と、
俺の。

積み重ね、
そして壊れてしまった、
想いは。




小さな彼の、
望みを叶える為に。


浦安の公園へ、
届けられた頃だろうか。














不本意かも知れないけれど。

素敵な使い道が在って、
良かった。










此れはきっと。

俺の、
自己満足な想いだよな。





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References
 Dec.31 2003, 「二度目は何を想って居ますか」
 Mar.01 2003, 「これが神が与え賜う褒美ですか」


2004年05月01日(土)


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History
2003年05月01日(木) 見守る心境は不思議ですか





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