雲間の朝日に想うこと


< 今読まなくて良いのでしょうか >


読める筈の無い文が、
受信箱に在った。

旅先では、
手に入れる事の出来ない想いを、
時を経て受けた。



 「時間がある時に読んで。」



冒頭の言葉とは、
裏腹で。


其の想いを受け取る刻が、
後で良い筈は、
無いのに。













年下の彼氏や、
年上の彼女。

同じ年齢差を持つ二人の、
数々の意見。




並べられた其の意見は、
俺に向けられた言葉に違いないけれど。







其れを、
既に理解して居て。

其れでも、
的確な想いが届けられぬから。







姫の不安を、
消し去れないのだ。














遠出の度に届く文。

遠征の度に、
不安を増幅させる姫。










時々。


其の存在の脆さに、
狂いそうになる。


2004年04月28日(水)


----------
History



< 若芽を摘めてますか >


両極端の想いが、
微妙な天秤の上に同居して。

瞬時に入れ替わる。



其の不安定な想いを、
正確に感知して。

綻んだ想いを、
補修出来れば良かったのだ。






笑顔で無事を喜んだ、
直後に。


 「涙が止まらないの。」


電話口で、
突然泣き出した時。



其れを嬉し涙なのだと、
勘違いせずに。











安心を提供するには。





既に発生した、
過去の過失。

其れを、
決して繰り返さぬと、
想いに誓う。


其れと同時に。



記憶の還る土壌の発生を、
事前に察知して。

産まれた若芽を、
摘まねばならないのだから。
















姫に幾ら感謝しようと。
姫を幾ら想おうと。




 「小坊主が留守の間、毎日。」
 「携帯電話から聞こえた女の笑い声が。」
 「耳から離れません。」




若芽を摘まねば。

其の想いは、
伝播しないんだ。





----------
References
 Apr.21 2004, 「行為の選択を誤ったのでしょうか」
 Apr.13 2004, 「二人では何処へも行けないのでしょうか」


2004年04月26日(月)


----------
History



< 細工を施した御守りですか >


旅先に届いた、
御守り。


確かに其の機能は。

無事を祈る想いを籠めた、
或る形だけれど。



距離を埋める為の、
術として。

二人を近付ける為の、
形でも在るから。




目一杯、
綺麗に飾った姿なのだ。












嬉しいけれど。











其の姿は。

決して御守りでは無く、
逆に不安を喚ぶ種でしか無い。


















着飾って、
化粧を施した、
姫の画像に。


添えられた言葉。



 「今から飲み会です。」












態と、
添えたんだろ?






>> postscript

遠出から戻りました。
少し過去に戻って書かせて下さい。


      小坊主


2004年04月25日(日)


----------
History
2003年04月25日(金) 本当に同じ国に居るのでしょうか



< 挫けぬ理由は残る希望故でしょうか >


一方的に構築された、
事実とは、
異なる行為を。

想像の枠で増幅させ。


其の行為が、
恰も現実に成されたかの様に、
現実の物と認識されて。


勝手に話が進む。





不本意だけれど。





例え偶然の、
一年に一度在るか無いかの、
希な着信でも。

真夜中に、
電話が着信する相手が、
存在する。


其れは現実で。

勘気を被るには、
十二分の事実だから。






耐えられる。











違うか。





どれだけ、
非難を受けようと。

どれだけ、
蔑まれようと。



 「こんな酷い事ばかり言ってて。」
 「私嫌われちゃうね。」

 「嫌い?」
 「俺は好きだよ。」



未だ其処に、
希望が残って居るから。


故に耐え切れる。










一度破った約束。

其れを姫は、
常に意識して来たのだろう。


 「其れだけは言わない様に。」
 「頑張ったんだよ。」


其の想いを、
強く強く、
感知出来るから。









姫を嫌いに成る理由には、
該当しないんだ。





----------
References
 Mar.18 2004, 「護れぬ約束でしたか」






>> postscript

少々遠出を致します。
来週後半には戻って参りますので、
其れ迄お休みさせて下さい。


      小坊主


2004年04月23日(金)


----------
History
2003年04月23日(水) 求めなければ良いと思いませんか



< 正誤は本質では無いのでしょうか >


勘働きが、
当たる筈は無い。


勘働きに該当すると、
想われる行為など。

例え重箱の隅を穿ったとしても、
無い。


けれども。


其の行為が
正しいか正しくないか。

其の正誤は、
本質的な問題では無いのだ。









非の、
在る筈が無い場所に、
煙が産まれた。

其の事実が本質だ。







誤解など。

想いで包んだ会話を触媒に、
分解可能な物だけれど。


 「私の勘違いだったとしたら・・・」
 「疲れました。」


想い故に産まれた、
其の歪みは。


会話では、
きっと修復出来ぬ物。










姫を想い続ける事が。

如何にしても、
姫の自信に繋がらない。






何時になったら。



乗り越えるべき壁は、
其の高さの全容を、
俺に知らしめてくれるのだろうか。

壁をよじ登る手口を、
俺は何時、
手に入れられるのだろうか。











 「好きだから嫌な思いをするなんて。」
 「嘘の恋愛。」

 「私は大切な人に。」
 「不安を与えたりしたくない。」



姫の言う其の想いは、
俺も同じだけれど。



如何にしても。

其の不安を、
取り除けないんだ。





----------
References
 Apr.20 2004, 「穿入の理由は何でしょうか」
 Apr.17 2004, 「不安の因は自分に在りませんか」


2004年04月22日(木)


----------
History



< 行為の選択を誤ったのでしょうか >


行為が、
嫉妬を喚んだなら。

未だ、
修復の方策が在る。



けれども。

不安が暴発して、
迷走を始めてしまったら。





想いが創り上げた壁が。

全てを、
跳ね退けてしまうから。





其の壁が消える迄、
時を、
待たねばならないのだろうか。











少々離れた土地からの、
久々の近況報告。



受話器越しに聞こえた、
女性の笑い声は。

的確に、
姫の猜疑心を増殖させた。





 「もしも・・・私のカンが当たってたら。」
 「私はあなたを絶対に許さない。」

 「私の勘違いだったとしたら・・・」
 「疲れました。」












確かに、
真夜中に届いた電話。

疑心や不安を産むには、
十二分な電話。







けれども、
隠し事が必要では無いから。

姫の目の前で、
俺は電話に出たんだけれどな。


2004年04月21日(水)


----------
History
2003年04月21日(月) 赤児の様でしたか
2002年04月21日(日) 望みを隠せませんか



< 穿入の理由は何でしょうか >


伝えた決心は、
最近産まれた物では無い。



初めから。

あの言葉を伝えた、
其の時から。



俺の想いは、
何も変わっちゃいないんだ。








 「本当にずっと。」
 「一緒に居てくれる?」


問いの言葉に。

保証を返せる程、
俺に力は無いけれど。




少なくとも。

年下の男が、
十も年上の女を、
選ぶのだから。














姫が、
決心を決心と認識し、
想いを改めたのが。

何故今なのか。


未だ、
理解の範疇に、
入って来ないけれど。




徐々に変遷し、
少しずつ形を変えた言葉が。

初めて、
姫の境界線から中へ、
想いを、
穿ったのだろうか。









想いは、
身体の核で産まれた物だから。











初めから。


 「おむつ替えてやるって言ったでしょ?」


此の言葉を伝えた、
あの時から。






俺の想いは、
何も変わっちゃいないんだ。





----------
References
 Apr.19 2004, 「決心を動きに移行出来ますか」
 Oct.05 2003, 「最初から相応しい相手ですか」
 Mar.07 2003, 「不安を口にする権利が有るか」
 Jan.29 2003, 「何を言えれば良かったですか」


2004年04月20日(火)


----------
History
2001年04月20日(金) 今の二人に通じる意地ですか



< 決心を動きに移行出来ますか >


相手の内に、
何らかの不足を感知する事は。


若しくは。

自身の内に、
不足が在ると自覚する事は。



共に過ごす決断を。

決定的に、
支配する事だと想うけれど。





其処に、
想いを加えるから。



其の不足を埋め。

先へ進み行く事を、
可能とするのだろうか。




厳然たる不足は。

消える事無く、
其処に在ると言うのに。














 「決心。」


想いを鏤めた文が、
姫から届く。








 「小坊主が決心したと言ってくれたから。」
 「私も決心。」
 「早くシコリを無くして、小坊主に着いて行く。」


姫が口にした、
独立を含んだ想い。










けれども。

俺自身は、
今も未だ変化を遂げては無い。



自身で感じる、
不足を。

未だ内に、
棲まわせ続けて居るのだ。















 「そんなわけで。」
 「大根煮えました。」


其の後ろに並ぶ、
良い匂いに。

より強く、
惹かれて居る以上。







上手く行く筈、
無いよ。





----------
References
 Dec.24 2003, 「本当に間に合うのでしょうか」


2004年04月19日(月)


----------
History
2003年04月19日(土) 本当は何が詰まった文ですか
2001年04月19日(木) 沈黙に気持ちを乗せているのですか



< 想いを封じて聞けませんか >


振れぬ袖だと、
両手を挙げる事へ。

想いは、
疑念を植え。


振れぬ袖を、
目一杯振って魅せる虚が。


想いに因って、
真へと差し替えられる。





自身に無い経験を、
埋めようとする術は。

情報から取り出すしか、
無いけれど。


其処に想いを混ぜれば。

人から得る情報が、
情報では無くなってしまうから。



決して、
自身の想いの蓋を、
開けてはならぬのだ。












花見の宴で。


 「今年はどうされるんですか?」


唐突に、
後輩が問うた。



持ち合わせぬ情報に、
脚色を加えても。

何の益も無いのだから。


 「去年は『来るかも』とか言ってたけれど。」
 「お嬢次第じゃない?」


そう答えたけれど。








後輩には届かない。









自分は、
何の情報も持たぬ事。

そして後輩は、
情報を欲して居る事。


明確な事は、
其れだけの筈なのに。











年に一度の体育の日。



気分屋である筈の、
御嬢が。

或る行事の相手役に、
四年間続けて俺を選んだ事。


想いを有した後輩には、
鋭い爪痕に、
成って居るから。




 「GWは来るらしいですよ。」

 「おお、そうなの?」
 「連絡無いから良くわからんよ。」


必死に彼は、
要らぬ情報を残して行った。










何だよ。
何処が大丈夫なんだよ。





----------
References
 Dec.21 2003, 「見えるから見えぬ物でしょうか」
 Nov.20 2003, 「爪の先に甘い毒を仕込むのですか」


2004年04月18日(日)


----------
History
2003年04月18日(金) 予感は正しいのですか



< 不安の因は自分に在りませんか >


求めて止まない物は、
形では無いと。

曖昧に感じ取って居るから。


望んで止まない物は、
想いに在ると。


曖昧に感じ取って来たから。



其の曖昧さを、
丁寧に感知しつつ。

求める処を、
探し続けて来た。





姫は既に、
形を有して居る。

俺の未知の領域に、
其の形が在る。


未知を明確に感じ取る事は、
出来ぬから。


試行錯誤で探すしか、
方法は無いのに。








 「私の友達が。」
 「八歳年下の彼氏と結婚したんだって。」


姫から届いた、
一通の困惑。











 「中学生と小学生の子供も一緒に。」
 「その報告を聞いた時。」
 「すごく不安になった。」


中学生と小学生の子供も一緒?


姫の息子が受験を終える迄は、
俺と姫の事は二の次と、
確認した筈だろう。




 「何故一緒にいたいのか言葉に出来ない小坊主と」
 「このまま一緒にいても良いんだろうか・・って。」


何故一緒に居たいか言葉に出来ない?


何処が好きかを答える事は、
上手く出来ないけれど。

何故一緒に居たいかなら、
姫が聞かないだけで、
何度と無く伝えて来た心算だ。




 「何故一緒にいたいのか言葉に出来ない小坊主と」


其の言葉は、
姫の口から聞かされた事すら、
無いだろう。











少なくとも。

姫は未だ、
人の持ち物だ。






飛び立つ怖さを和らげてから。
姫の都合を最大限受け入れて。



其の想いが、
優しさでは無いのなら。


其の想いが、
姫の為にならないのなら。






俺は何時でも良い。

自分の都合と、
自身の想いを、
刃として姫に突き付ける用意は、
整って居るんだ。


2004年04月17日(土)


----------
History
2002年04月17日(水) お互い素直になれましたか



< 配慮は足せぬ事情でしょうか >


想いが、
何処に在ろうと。

想いが、
どれ程膨らもうと。


其処には、
限りが存在し得る。

其処には、
想いを上回る存在が在る。






事情。





其れ故、
其の事情が、
想いを妨げぬように。

振り翳さずに済む事情なら、
其の存在を、
表出させずに蓋をする。


或いは、
自身の事情を、
相手に強要する代わりに。

最大限の配慮を、
其の相手に贈る必要が、
在るのではないか。











疑念と不安から。

姫が俺に、
ぶつけた想い。


 「どうせ外では。」
 「私の存在は話せないんでしょう?」



姫の事情を鑑みた振る舞いは、
不必要ならばと。



以来、
姫の話を俺が外で話す時にも。

彼女と言う言葉を、
使い始めた。





けれども。


あの時、
姫自身がどの様に感じて、
どれ程傷付いたか。

そんな事など、
とっくに忘れてしまったんだ。

















 「私の知り合いがね・・・」


姫の職場では、
俺は彼氏では無い。









ほら。


姫は話せないんでしょう?

俺の存在は、
公式な場所には話せないんでしょう?





----------
References
 Apr.11 2004, 「比べれば明確に失格ではないのですか」
 Mar.12 2004, 「都合の良い状態が必要ですか」


2004年04月16日(金)


----------
History
2003年04月16日(水) 説教したのは間違いですか



< 後何年間続けるのでしょうか >


特に強い意志を以て、
其の日を、
記憶に留めた訳では無いのに。

何時の間にか、
此の身に浸潤して居た。




新たな年度が始まり、
少々遅い春が此の地に届く、
其の頃には。


其の寸前迄、
どれ程自身の意識外に居ようと。

何故か、
其の言葉が手元に来る。




 「誕生日おめでとう。」









生誕の日を知った時から。


淡い想いを抱かれた時も、
淡い想いに気付いた時も。

別の雄を選んだ後も、
次の雄を選んだ後も。

次の雄へ嫁いでからも、
其の雄と離別しても。



変わらぬ行為。







其れが半ば、
習慣化して居るのか。

友の一人に、
純粋に祝いを贈っているのか。

少しだけ、
想いの欠片を含むのか。



行為に麻痺して。

自身では、
判断出来ぬ状態だから。














 「毎年ありがとね。」
 「小坊主だけだよ。」


君からの返信に、
唯の意を、
内包する文字が在ると。








未だ、
木々がざわめく。





----------
References
 Aug.03 2003, 「其れは違うと言えないのでしょうか」
 Jan.04 2004, 「理解から逃れたいのでしょうか」


2004年04月15日(木)


----------
History
2003年04月15日(火) 夜桜は切ないですか



< 二人では何処へも行けないのでしょうか >


初めて共に訪れた地で、
初めての二人旅で、
犯した一つの過失が。



不信感を、
深く植え付け。

夢に迄出現して。


時を経て、
丹念に、
丹念に、
強い記憶として、
固化されて行ったから。




どんなに些細な事でも。

どれ程、
関連の薄弱な事象でも。



其の記憶を、
呼び覚まし得る振る舞いは。

鋭く、
想いを切り刻むんだ。







其れだけで、
離別の十分条件では無いのか?









性格の、
ほんの一部分が嫌い。

許せない。


そんな対象と、
一生寄り添う事が可能だろうか。






俺以外とならば。

姫は何処でも、
安心して行けるのならば。


離別の選択が、
姫にとって幸福だろう。










 「俺以外の方が良いなら。」
 「選んでよね。」

 「其の考えはずるくない?」
 「私に委ねるわけ?」




そう問われても。


俺は、
離す気が無いのだから。

俺は何時か、
記憶を包んでやろうと想って、
居るのだから。






失格なら、
早く烙印を押して欲しい。






----------
References
 Mar.30 2004, 「何処が好きと言えますか」


2004年04月13日(火)


----------
History
2003年04月13日(日) 貴女に逢いたかったのか



< 比べれば明確に失格ではないのですか >


強くも無い酒を過ごした。



久方振りの、
折角の遠出だと言うのに。

出掛けのほんの僅かな諍いで、
産まれてしまった、
微妙な捻れ。


痼りとして残り兼ねぬ、
互いの後悔を。

堤の桜が、
徐々に、
徐々に、
解いてくれたから。


嬉しくて、
お互いに酒を呑み過ぎた。



其の事実は、
共通理解で在る筈なのだから。






其の言葉は。

想いの内に、
我慢の内に、
未だ留め置いても良いと、

想うのだ。











何時の間にか現れた、
夕闇の深さに、
慌てて飛び起きる。


 「何時?」

 「不味い・・・寝過ごした。」


花見の跡の、
積極的に進めた酔いは。

昼寝の心算を砕き、
必然の焦燥を、
既に創り上げて居た。




約束の皿洗い。


 「手伝って!」


互いの決め事であり、
今朝確認した事には違いないけれど。


眠い目を擦り、
懸命に目を醒まさねば。

手伝い要員として役を果たせぬ事が、
明らかだったから。


 「ちょっと待って。」


猶予を求めただけなのに。





一向に動かぬ身体と、
全く冷めぬ頭の酔い。


 「約束したじゃない!」


姫の頭は、
端から怠惰と決め付け、
徐々に体温を上げて行く。










待ってよ。
五分で良いんだ。


いや。

呑み過ぎて起きれぬ俺を、
非難しても、
一向に構わないから。










其の言葉を吐きながら、
泣かれたら。

過去の事実と比較を縒り併せた、
最終兵器を吐かれたら。









 「旦那がそう言う好い加減な人だったから!」
 「ここまで言わないと動かない人だったから!」
 「すごく嫌なんだよね!!」


俺は、
何も出来ないよ。








其の嫌な旦那に酷似している俺の、
何処が良くて。


姫は傍に居るんだよ?





----------
References
 Mar.30 2004, 「何処が好きと言えますか」
 Mar.17 2004, 「前科を消す術が在りますか」
 Mar.12 2004, 「都合の良い状態が必要ですか」


2004年04月11日(日)


----------
History
2003年04月11日(金) 歓べないのですか
2002年04月11日(木) 見えない道を歩けるか
2001年04月11日(水) 不安を消してはくれませんか



< 対抗すべき脅威の対象でしょうか >


気を許せば、
少し肌寒さを感じる、
微風に。

其の身を委ね、
揺らされながら。


可愛らしく、
振る舞う其の姿。



 「私を観て♪」


未だ可憐な其の姿に、
魅せられた。








 「可愛くて。」
 「綺麗だよ。」


想いの土壌が、
其処に在るからこそ。


其の言葉を、
真っ先に届けようと、
其の文が、
産まれた筈なのに。









帰宅直後。

張り合うかの様に、
負けず嫌いの顔が二つ並ぶ。



 「私を観て♪」

 「私を観て♪」













食卓に上がり。

目の前で甘えながら、
盛んに食欲を意思表示する、
猫と。









 「桜と私」
 「どっちが大事?」


文の着信直後に、
返信を寄越した上で。

更に今、
目の前に顔を近付け、
盛んに対抗心を露わにする、
姫と。












飯。
喰っても良いか?


2004年04月10日(土)


----------
History
2002年04月10日(水) 後悔を紡いで前に進めますか



< 季節より大切な想いは無いのですか >


春の暖かさが、
初夏の暑さに近づく頃が。

此の地に、
少々遅めの桜が届き、
人々の想いを魅了する頃が。


鬼門に値する、
時期なのだろうか。




 「小坊主なんか要らない。」


其の一言が産まれる土壌が。

想いの変遷の上位に位置する、
季節の変遷なら。



四季など要らぬ。



不謹慎にも、
そんな想いを描いてしまう。









隣に眠る、
其の愛しい対象が。

心地良さを、
提供してくれるから。


人は、
寄り添い眠りたいと、
そう願うのかも知れないけれど。



隣に眠る、
其の愛しい対象が。

自分の眠りを妨げる、
邪魔物ならば。



十二分に、
別離の条件に昇華するのだろうか。








姫と俺の、
距離が遠ざかる時期。

















抱き締める度に。
抱き寄せる度に。


 「小坊主、暑い!」
 「小坊主、なんか要らない!」


姫の不満が、
辺り一面に飛び散る。









 「今夜もパナウェーブ研究所にしちゃうぞ♪」


そう言いながら。

ふざけてシーツの中に、
無理矢理くるまれる。


そんな時期が、
もう届いてしまったのか。


2004年04月09日(金)


----------
History
2003年04月09日(水) 想いは守護神に成り得ますか
2002年04月09日(火) 望んだ未来が怖いのか



< 迷いと確信は並立しないのでしょうか >


迷いや惑いは。

時に人を、
臆病にさせる一方で。

時に人を、
大きく成長させ、
大きく変革させ得るから。



其れ自身を、
感じ獲る事の出来る心を、
常に愛でて在るけれど。



迷い、
惑いながら。

確固たる部分を、
其処に内包してはならないのだろうか。






想いには自信が在るけれど、
其れだけでは足らない。







人に棲まう、
想像や常識の枠からは。

恐らく、
姫は外れて居る。


年上。
子持ち。
再婚。
未だ既婚。


俺の身内の想定する、
想像や常識の閾値内には。

間違いなく、
姫は含まれて居ない。





それ故に。


何処が好きか、
何が素敵か。

其の型枠を上回る姫の魅力を、
きちんと言葉で伝え、
威圧しなければならないから。





其の説得力を身に纏って、
初めて。

迷いや惑いを、
捨て去る権利を得る筈なのだ。












 「私のこと本当に好き?」
 「迷ったりしてない?」


姫の問い掛けに。


 「在る。」
 「姫を好きな事に迷いは無いけれど・・・」


問を僅かに擦り替えて、
そう答えた俺が、
馬鹿なんだろうけれど。








其処で無いよと、
嘘でも方便を使わない俺だから。




きっと姫は。

不器用だと想いつつ、
俺を信頼してくれるんだと、
そう想う。





----------
References
 Dec.28 2003, 「説得出来るでしょうか」


2004年04月08日(木)


----------
History



< 其れでも欲しい唇でしたか >


其処に滞って居た香りが、
幾ら仄かでも。

其の香りは、
対敵行動を暴発させ得る、
劇薬だから。



瞬時に、
鮮明に、
過去が蘇る。



唇の感触と。

バナナの様な、
嫌な匂い。




今擦れ違った男は。

其の敵とは、
別人な筈なのに。










酔いに委せて、
迷走する其の対象を。

やっとの想いで探し当て、
捕獲した瞬間に。


 「男なんかみんな同じだよ!」


街中の、
人の視線も省みず、
突然大声で泣き出して。



それでも。

皆同じ男に分類される筈の俺に、
必死に抱き付いて、
必死に背伸びをして。



あの時姫は、
俺の唇をせがんだ。









吸い込まれる様に、
口付けた時。

俺は姫への想いより、
軽々しく見ず知らずと会った姫への怒りと、
敵に対する本能で動いて居た。


ついさっき、
別の男に陵辱された此の唇を。

俺の唇で上書きする目的で、
姫に口付けた。






 「俺が消してやる。」
 「だからもう泣くな・・・」



其の言葉は誤りで。

何の想いも存在しない、
陵辱の延長に違いなかったから。











今尚、
劇薬に触れると。

姫にも俺自身にも、
嫌気が指す。











擦れ違い様に。

僅かに嗅覚を刺激した、
此の、
バナナの様な香りは。



きっと、
姫の唇を奪った男の匂いだ。


2004年04月07日(水)


----------
History
2003年04月07日(月) 無理強いしていますか



< 痛みに耐えて迄贈る想いですか >


其れ自身に、
宇宙を住まわせて。

留まる事無く、
常に拡大し続けるから。



陽気も陰気も、
歓喜も悲哀も、
平静も狂気も、
痒みも痛みも、
美麗も妖艶も。


想いの器は、
包み込んでしまうのかも知れないけれど。





痛みに耐えながら、
無茶をして迄。


其の想いを届ける必要が、
在るのだろうか。









 「痛い!」

 「だからやめとけって。」

 「嫌だ!!」


強情で、
聞き分けも無い。




 「でも痛い・・・」

 「だからさやめろって・・・」

 「良いから!」


必要の無い強情に、
尚もしがみつく。






相も変わらぬ姫の、
理解し難い強情っぷりも。

身体を壊して迄、
俺へ向かう想いの顕れと、
解釈せよと言うのか。









どれ程の想いが、
其処に含まれて居ようと。

苦痛で顔を歪めた其の姿など、
要らないのに。







如何して、
そんな時に限って。



捻った腰の、
其の痛みに耐えながら。

無理に身を乗り出して迄、
抱擁を迫るの?


2004年04月05日(月)


----------
History
2003年04月05日(土) 同じ贈り物が欲しいですか



< 想いを込めて触れてはいけませんか >


努力を怠り、
日々を怠惰に過ごす事が。

自身を停滞させ、
或いは退化させ、
魅力を失わせる原因だとすれば。



想う事を怠り、
日々を漫然と過ごす事が。

歩みを停滞させ、
或いは後退させ、
二人の道を壊し兼ねないから。







努力を怠り勝ちの時には。


 「愛が足りない。」


姫は俺へ不満を伝え、
戒めの言葉をくれるのだ。











けれども。










努力を重ね。

目の前の課題に、
真摯に向き合う事で。


物事を前に、
進めて行けるのなら。



想いを重ね。

目の前の相手に、
真摯に向き合う事が。


共に歩んで行く事に、
繋がる筈なのに。









想い、
恍惚の世界へ導こうと、
努力すればする程。


 「遊び人!」


姫はそう表現して、
俺を扱き下ろす。













俺は如何したら良い?


2004年04月02日(金)


----------
History
2001年04月02日(月) リンク先



< 想いを欲張っても良いでしょうか >


想いには。
幾つも種類が在って。

只一つの形に、
定義出来る物では無い。



想う状況や、
想う対象に左右されながら、

其の姿を、
緩やかに変化させるけれど。






自身の眼前で、
相手の発する様々な想いが。

どの様な形の想いでも。


真っ直ぐ、
自身へ向かう想いでなければ許せぬのも、
自然な事。






嫉妬は、
二人の関係を彩る想いで、
良いとは想うから。












飼い猫に、
手遊びを仕掛け。

其の指を噛まれながら、
遊ぶ俺に。



姫はきっと、
自身に備わる知的な武器より、
敵の生命線である動物的本能で対抗しようと、

画策したんだ。













 「がぶっ。」


 「痛てっ。」
 「何妬いてんの・・・」




猫に張り合って、
俺の指に噛み付く姫相手に。








猫に注ぐ想いと、
姫に注ぐ想いの違いを説いても。



無駄なんだろうなと諦めた。





----------
References
 Feb.19 2004, 「至福の時間を奪うのですか」


2004年04月01日(木)


----------
History
2003年04月01日(火) 覚え終わりましたか
2001年04月01日(日) 主な人





Add MyEnpitu

小坊主
MAIL