< 見守る心境は不思議ですか >
小さな彼に与えられる、 何人たりとも侵す事の出来ない、 絶対の権利。
俺と貴女が、 どれ程強く想い合っていても。
俺自身が、 どれ程強い力を有していても。
俺と小さな彼が、 どれ程強い絆を築き上げたとしても。
唯一小さな彼だけが、 解答権を有し、 必ず答えねばならぬ宿命を背負っている。
彼の父親が会いたいと、 そう願った時には。
何人たりとも 断じて介入など許されないのだ。
小さな彼と父親が会う事を、 俺に告げた貴女の想い。
「悩んじゃった。」
貴女は十二分に感じ取っている。
俺が未だに、 小さな彼に逢っていない事も。
俺があの男の存在を、 恐れている事も。
「俺は大丈夫だって。」
乗り越えねばならぬ壁が有る。
その壁に挑む事も、 その壁を越える自信を得る事も、 俺の中では、 既に通過点として認識されているのだ。
俺があの男を恐れた呼び水は、 貴女の立ち振る舞いであった事は、 俺は貴女にきちんと伝えた。
「大丈夫って言わせてしまったのかな?」 「この前みたいな事はしてないから。」
例え貴女に聞かなくても、 例え貴女が言わなくても、 俺はその事実を知っているから。
だからこうして、 平然として小さな彼を見守れる。
---------- References Oct.23 2002, 「脅威を感じているのか」 |
2003年05月01日(木)
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