雲間の朝日に想うこと


< 無事なら良いと想えないのか >


繋がらぬ電話。
届かぬメール。

自身の状況すら伝える事を許されず、
途方に暮れる。



次々に届くメール。
次々にかかる電話。

友人や親類からの便りは在れど、
貴女の声は無い。




焦りと共に、
貴女が錯乱してやしないか、
不安感も高まる。















何度も何度も接続を試みて。


 「無事です。」


僅か五文字の文を、
漸く貴女の元に届けた時。

俺の周囲で起きた物事を、
貴女は頭の片隅にも置いていなかった。






貴女から、
貴女の家から、
俺の携帯に電話しろと指示して。

現状を把握して、
少しでも可能性の高い方法を、
貴女に指示して。



 「地震大丈夫だったの?」
 「無事だよ。」

 「揺れなかった?」
 「揺れた。」

 「大きかったよね。」
 「荷物は全部崩れ落ちた。」


やっとの想いで、
貴女の声と束の間の安心感と幸せを、
手に入れたけれど。













其処まで俺は、
貴女を想う必要もなかったのか。




崩れ散乱した荷物の山を、
片付けながら。

漠然と浮かび来る寂寥感を、
どうしても消せない。


2003年05月26日(月)


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2002年05月26日(日) 無駄な抵抗は止めませんか





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