< 何故折れたのですか >
寂寥感に搦め捕られ、 其処から抜け出せなくなった時。
妥協の産物として、 何かに縋り、 自身を曲げる事が有る。
甘えであり逃げである事を、 充分に理解して、 其れを自覚していたとしても。
時として耐え切れずに、 弱味を曝け出して縋るのだ。
まるで動物が、 腹を出してボスに乞う様に。
貴女からの愛の言葉に、 俺は想いを返していない。
酔いの上とは言え、 俺が想いを冗談と軽口で打ち返した事は、 紛れも無い事実。
貴女が臍を曲げる事に対して、 異論を差し挟む余地など蟻の大きさ程も無い。
俺が貴女に弁解する権利など、 端から認められていない筈なのに。
許せぬ行為は許せぬ行為だと貫く事は、 そんなに苦痛か?
俺に対して、 何故妥協を選択するんだ?
「呑み会で酔っぱ。」 「そんな時の返事にムッとした私がダメなんだな・・・」
「なんで貴女が謝る?」 「悪いのは俺じゃないの?」
相手の想いに応えず、 一方的に謝罪を受け、 馬鹿が付く程惨めだからか?
何故か怒りが込み上げ、 口調は荒くなり、 余計に俺の立場を自分で貶めた。
苛苛しさの原因は、 きっと恐怖感だ。
妥協の積み重ねが歪みを生み、 其の歪みが、 何時の間にか互いの絆へ牙を剥く。
其れはアイツが選択した道じゃないか。
俺は貴女を失いたくない。 |
2003年05月05日(月)
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