< 仲間の輪はもう縒れませんか >
天気の話。 ドライブの話。
好きな野球チームの話。
伸ばし続けた髪を、 幼い頃から長かった髪を、 短く切った話。
何気無い話題の隙間に、 少しだけ変化を忍ばせながら。
毎日欠かさず届いていたメールが、 急に届かなくなった。
足りなかったんだな。
俺の力も。
君の側で必死になっていた、 俺の仲間達の力も。
一本一本糸を持ち寄って、 どれだけ周囲が其の糸を縒り合わせても。
裂け目の入った絆を引き続ける当事者達には、 決して敵わなかったか。
予測に違わぬ文末など、 見ても意味が無いと思いつつも。
君と、 別れる事になった旦那と、 二人との親友関係は、 きっと崩れてしまうのだろう。
その事実を受け止める為に、 腹を括って画面を先送る。
「別れることになりました。」 「力になってくれてありがとう。」
「重い話でごめんね。」
努めて明るい話題を並べた文面の最後には、 少しの報告と、 お詫びの言葉が添えてあった。
---------- References Apr.30 2003, 「掴んではならぬ腕ですか」 |
2003年05月09日(金)
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