其の日の活動を始めた頃に、 貴女の文が届く。
「おはよ〜」
貴女は一日の始まりを、 俺への想いで満たす。
そして俺は、 貴女の文字から活力を貰う。
定時連絡。
例え一方通行の便りでも、 離れた存在を確かめる大切な行事。
時として其れは、 迷いも産む。
「小さな彼と盛り上がったの。」 「今朝は小坊主の話で盛り上がったの♪」
唐突に発生した話題。
小さな彼と貴女は、 次々に先へと進んで行く。
俺の見えぬ世界が、 次々に形成されて行く。
「何を話したんだよ・・・」
経験の欠如から来る自信の無さ。
其処まで苛々と心を掻き回す必要など、 何処にも無いと言うのに。
僅か一個の心理状態が、 平常心を奪いつつ迫って来る。
「あれ?あれ?何て言ったっけ?」
「小坊主?」
「そうそう♪小坊主!」
逢瀬の時に、 遊びに行く場所を選んだ、 ただ其れだけの事。
俺の名前を思い出せない小さな彼が、 真の姿なのか。
俺の名前を口に出せない小さな彼が、 自ら口に出す事を拒む小さな彼が、 真の姿なのだろうか。
---------- References May.14 2003, 「独りだけ遅れているのですか」 |