物理的な力と精神的な力。
どちらか一方を選択せねばならぬ時、 果たして俺は、 どちらを優先するのだろうか。
どちらか一方を選択せよと命ぜられた時、 果たして貴女は、 どちらを望むのだろうか。
人が人を支えるのに、 どちらも欠けてはならぬ物だと、 そう認識していても。
認識を想いにして相手に届けるのは、 困難を伴う行為に違いない。
そして俺は、 一方の力のみを駆使する事でしか、 貴女を支えられない。
久々に会う友人と、 久々に楽しい時間を過ごして来たのだろう。
こんな時には必ず、 貴女の文章が軽やかに踊るのだ。
「いろんな人にぶつかって謝ってた♪」 「小坊主と一緒に歩いてた時はそんな事なかったのに・・・。」
去来する驚きと喜び。
貴女が隣に居る時位は、 もう一方の力で貴女を支えたい。
無意識下での想いを、 俺は形にして貴女に届けていたのか。
いや。 違うだろう。
貴女は久々の再会に浮かれ、 周囲に対する注意力が著しく散漫なのだ。
ふらふらと道の真ん中を歩く貴女の姿。
脳裏に浮かんだ映像だと言うのに、 何故此処まで、 俺を不安な気分にさせるんだ。
真っ直ぐ歩けよ。 |