< 解れた糸が絡まっていませんか >
例え遥か離れた地であっても、 予備記憶として状況と心情を保存する何かが、 何処かに存在すれば良かったのだ。
「今日書類提出して。」 「今週末引越しです。」
紙切れ一枚の重みを、 自身で支え切れずに居る故に。
「あんな男に騙されたかと想うと。」 「自分が情けなくて自己嫌悪です。」
決して戻らぬ時を、 無理矢理戻そうと試行錯誤して、 一種の興奮状態に陥った故に。
妙な時間帯に、 珍しい時間帯に届いた、 普段より長めの文。
思慮深さを身に纏い、 未だ床に在る可能性を十分理解し、 迷惑と言う言葉も知りながら。
敢えて其れでも届けようとの意志を、 強く感じ取る事の出来る文。
「最後まで情けない男でした。」
君の強い口調が。
別の戸棚に何らかの意図を隠した儘、 虚勢と勢いで事態を受け止めている印象を、 際立たせている様に感じた。
啀み合いだとしても、 負の活力に満ちた離別でも。
残る想いが無ければ、 鋭利な刃物で断たれた絆なら、 安心出来る。
何故君が、 「思う」では無く「想う」を用いたのか。
何度と無く考える。
---------- References May.09 2003, 「仲間の輪はもう縒れませんか」 |
2003年05月20日(火)
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