血が通い始め、 息を吹き返した携帯を弄る手。
四半時前から今迄、 片時も脳裏を離れずに居た行為を、 実行に移せた故か。
僅かに震えている。
自動販売機用に据えられたコンセントへ、 形振り構わず充電器を差し込み。
其の食事の真っ最中から、 未受信の文を受け取りに走った。
最初に飛び込んで来たのは、 紛れも無く貴女の文。
期待を胸に、 開封をして見たけれど。
「遅いよ・・・」
貴女らしい擦れ違いに、 留まる事無く、 微笑みと苦笑いが溢れ出る。
お願いだから後五分だけ、 早く贈ってくれないか。
たった五分で良いから。
後五分だけの気遣いを、 俺に与えてくれ。
其の五分に込める想いが、 凄く大切な物だと俺は想うんだ。
そんな貴女が、 愛おしくて堪らないけれど。
「もし私の声が聞きたくなったら。」 「コレクトコールで電話して!」
この文は、 時を逃しては全く意味の無い文だよ。 |