想いを贈り、 紡ぎ続ける事で。
互いの理解を深め、 其の距離を、 徐々に狭めて行くけれど。
互いが近付けば。
より一層、 其の想いの質が、 問われるのだろうか。
時に生じる、 想いの緩みが。
相手の奥底に、 刺さって終えば。
何れだけ、 想いを贈り続けたとしても。
其の歪みは残り。
何時か、 大きな揺れを産むのだろう。
表層に隠れた、 奥底の、 活断層の様に。
本来なら、 徐々に、 信用を獲得して行く筈なのに。
「小坊主って。」 「3年かかって信用をなくしたよね。」
姫は、 其の逆の路を歩んで来たと、 俺に言う。
嫌なら、 離れると宣言すれば良いのに。
信用出来ぬなら、 捨てれば良いのに。
「ここは好きなのになぁ。」
俺の首に腕を巻き付け、 零す姫の言葉に。
俺は、 信を置き、 縋るしか無いのかな。 |