雲間の朝日に想うこと


< 触れずに音も鳴らせるのですか >


未だ、
水気など在る筈の無い、
浴室に。

確かに、
水音は木霊したけれど。




下方から響く、
其の、
水の音が。

果たして、
何を意味するのか。


其の因に。

本当は、
気づかなかったのだ。








何れ程、
五感を研ぎ澄まして。

一つ残らず、
眼前の情報を絡め獲ろうと、
居ようとも。




腕の中で、
必要以上に俯く温もりを、
訝しんだ、
其の時迄は。



音の源が。

受け容れの為に、
泉から溢れた想いで在る事になど、
気づかなかったのだ。












其れ故に。



注視のため、
余計に応答して居た、
回路が。

より強い好奇心を、
誘発して終ったのだろうか。









開き掛けの、
門扉と、
其の周囲を潤す、
想いとを。

混ぜ逢わすかの様に。






 「ふふ、そっか。」

 「何?」

 「こうやって動かすと鳴るんだね。」

 「あ、馬鹿っ。」





腕の中の温もりを、
左右に、
動かしては。



卑猥な響きを。

執拗に、
奏で続けた。















形状の変化を伴わずには居られない、
自身に比して。

殆ど、
其の外見を変える事無く在る、
相手に。



少しだけ、
悔しさを覚えたのかな。





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References
 Jun.23 2006, 「触れずに辿り着けるのですか」







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2006年07月31日(月)


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History
2005年07月31日(日) 胸の話では無いのでしょうか
2003年07月31日(木) 触れずに残る痕跡も在るのですか





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