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JIROの独断的日記
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2004年07月31日(土) リコーダー(縦笛)というのは、皆が考えているような、幼稚な楽器ではない。

◆日本で「縦笛」として用いられたリコーダーの悲劇。

 

誰でも、小学校と中学校で「縦笛」を習う。その扱われ方がいい加減なので、この楽器は偏見を持たれてしまった。ある日記作家さんが(その方の日記によれば、テレビでどこかの「有名人」も云っていたらしいが)、学校時代に習ったあの縦笛は、社会人になってから役に立った試しがない。あんなものは無駄だ。と書いていて、非常に腹が立って、悲しくなった。


◆「役に立つもの」だけを教えるのが教育ではない。

 

そもそも、楽器を習うのは「役に立つ」ためではない。「役に立つ」をあえて「金儲けに役立つ」という意味に解釈するならば、そもそも、教育は金儲けに役立つ事ばかりを教えていてはいけない。役に立たない知識や芸術を楽しむのが人間のインテリジェンスである。それがないから、拝金主義の下品な人間が出来る。

 役に立たないものは要らない、というのであれば、小説も、音楽も、絵も、映画も、全く無駄であり、この世から放逐すればよい。繰り返すが無駄を楽しむのが人間が高等動物たる所以である。

 もっとも、この日記作者さんは「縦笛など、役に立たない」というのは、ご自身の嗜好される音楽にとっては何の役にも立たない、という意味であるらしい。ハーモニカなどは将来ストリートをやるときに少しは役に立つかもしれないなどと書いてある。冗談じゃない。ストリートミュージシャンって、日本人はカタカナにすると何でも有り難がるが、日本語では、古来ああいうのは「大道芸人」という。大道芸人になるために役に立つものを義務教育で教えるとしたら、それこそ問題だ。

 大道芸人は大嫌いだ。音楽をなめている。私はロンドンでも大勢大道芸人を見たが、いきなり地下鉄の中に入ってきてギターをかき鳴らして、がなり始め、1曲終わると、空き缶をもってカネをくれ、とせびるのである。音楽はそのような甘いものではない。音楽を人に聴かせて、お金を取るということは、大変な修練を必要とするものである。

 きれいなドレスを着て、ピアノリサイタルを開催する女性、オーケストラでヴァイオリンを弾く男女を見ると、普通の人たちは、「どうせ裕福な家に生まれた、お坊ちゃん、お嬢さんで、大した苦労も知らないのだろう」と、僻みも加わって、思うようだが、とんでもない話で、彼ら、彼女たちは子供の時から何時間も毎日楽器の練習を続け、レッスンでコテンパンに絞られているのである。


◆音楽は厳しいものだ。

 町の音楽教室とはことなり、プロを養成する音大でのレッスンの厳しさは想像を絶っする。普通の人間よりも遙かに音楽的才能に恵まれているはずの生徒が、1日に8時間も10時間も練習してレッスンに臨んでいるのに、先生が気に入らないと、いきなり楽譜を取りあげて、床に叩きつけ「そういうのを、デタラメというんだ!」とか女の先生が「あんたなんか、死になさい!」と烈火のごとく怒るのは、日常的風景である。

プロの音楽家はそういう試練を経て来ている。

 先の日記作者さんは、どうせなら、キーボードかギターを教えるのがいいが、予算的に無理そうだから、「ハモり」を教えるのがいい。これならカネがかからないと書いていて、私の血圧は上がった。

 あのねえ。以前、テレビでやっていた「ハモネプ」なんてのはね。あれこそ、デタラメというのだ。アカペラなんてそもそも、限られた、非常に良い耳の持ち主にしか、できないことである。絶対音感を持っていることは最低限の必要条件であり、全く十分条件ではない。声のハーモニーを完璧に調和させるためには1オクターブを単純に12に分けた、「平均率」という音程では駄目で、純正調という音程をも使えなければならない。

 詳しく説明すると長くなるが、ピアノの鍵盤で「ド・ミ・ソ」を押さえるときれいな和音として聞こえているようだが、本当は濁ったひびきなのである。完全に調和させるためには、ドミソのミをごくわずか、低くしなければならない。プロの合唱団員はそういうことが出来る人たちである。はっきり言って生まれつき非常に鋭敏な耳をもっていなければ、無理である。


◆リコーダーのプロ演奏家が存在する。彼らも、そういう試練を経ている。

 

リコーダーが縦笛と呼ばれ、幼稚な楽器と見なされるようになったのは、息を吹き込めば誰にでも音が出せることと、プラスチックの大量生産が可能で費用がかからない、というだけの理由で、日本の音楽の授業で安易に取り上げられたからである。音楽教師は、ピアノは弾けるが管楽器の経験はない。だからデタラメを教える。

 管楽器の演奏上、発音する際に、舌で一瞬息の流れをせき止めた後にこれを解放することで、音の頭をクリアにする「タンギング」という技術が必要であり、また、管楽器である以上、長い音を音程が揺れないようにしてならす「ロングトーン」という訓練をしないといい音が出るようにならないが、学校の音楽教師はそんなことは知らない。タンギングをしないで、フウフウと息を吹き込むから、あのような間抜けな音になるのである。


◆ルネサンスからバロックにかけて、「フルート」と云えば、リコーダーのことだった。

 

本来、歴史の古い、由緒正しい楽器なのだが、上に述べたような、間違った導入のされ方をしたために、日本では誤解されている。バッハのブランデンブルグ協奏曲第2番のフルートソロのパートは、アルト・リコーダーを想定して書かれている。

 音楽をいくら言葉で説明しても仕方がないので、リコーダーとは、本来これほど、素晴らしい音色と、表現力をもった楽器なのだ、ということを知ってもらうために、考えた。

 プロの演奏家で現在世界で最も人気があるのが、ミカラ・ペトリという1958年7月にデンマーク、コペンハーゲンで生まれた女性奏者。美人である。リコーダーがあまりに地味なのでこれを少しでも世界に知らしめるための、天の采配ではないかと思われるほどだ。天才です。8歳でプロデビュー。ものすごく上手い。

 沢山CDを出しているけれども、ベニスの愛/リコーダー名曲集を勧めます。特に、表題になっている「ベニスの愛」というのは、1970年のイタリア映画に使われ、有名になった、マルチェルロというバロック時代の作曲家が書いたオーボエ協奏曲をそのまま、リコーダーで演奏しているものだが、ま、兎に角、聞いて下さい。背筋がゾクゾクっとする。

ちなみに「ベニスの愛」という映画は大変ロマンチックで悲しい作品である。あらすじの一部は以下の通り。



水の都ヴェニス。彼(トニー・ムサンテ)は別居中の彼女(フロリンダ・ボルカン)を駅に迎えた。彼は彼女をつれてヴェニスの街を歩く。二人の胸にはあの輝くような青春の日々が蘇える。学生時代に知り合い、激しい恋に燃えそして結婚した二人……。しかし才能豊かなオーボエ奏者として将来はオーケストラの指揮者を目指す彼にとって、結婚生活は大きな障害となり・・・

最後、泣けますよ。「冬ソナ」どころじゃないですよ。

 同じCDにパガニーニの「無窮動」という作品が収録されている。オリジナルはヴァイオリン曲。4分30秒ほどの曲ですが、ずーっと、早い16分音符を引き続ける、一カ所つまずいたら、おしまいというスリリングな曲。これをなんと、管楽器であるリコーダで演奏している。私は生でも聞いたことがあるけれども、すごいテクニックが必要なのである。「循環呼吸」といってね。息を吐きながら吸うのです。

 口の中に空気をためておいて(頬をふくらませるわけです)、その空気を吐いている間に、鼻から肺に吸気するわけです。そんなバカな、と思われるかもしれないが、同じ管楽器で、トランペットのウィントン・マルサリス、ロシアのセルゲイ・ナカリャコフ(以前NHKの朝ドラ「天うらら」のオープニングを吹いた人)が、コンサートで大勢の聴衆の前で、今や普通のことのようにやっている。ちなみに凡人には出来ません。

 要するにこのCD一枚で、貴方のリコーダーに対する認識は革命的展開を遂げるでしょう。

 それから、CDではないけれど、リコーダーの広場というサイトが有るから、見て下さい。アマチュアのリコーダーアンサンブルが90以上も登録されている。更に、リンクをたどると世界中にこれほどリコーダー愛好家がいるのかと驚かされる。

 興奮したので、ひどい文章になってしまった。

 兎に角、世の中先入観で物事を判断してはいかんです。ネットが普及して、何かを調べるということに関して、もの凄く便利な世の中になったのですから。人間は誰でも、世の中の殆どのことは知らないのです。


2003年07月31日(木) 「わずか数日でPTSD兆候 宮城地震被災者に強いストレス」 「数日」ではPTSDとは言えないが、早く専門家によるケアが必要だ。

2004年07月30日(金) 「雅子さまは『適応障害』 病名公表、自身で決意 」説明が中途半端です。

◆記事:雅子さまは「適応障害」 病名公表、自身で決意 (共同通信)

 

宮内庁の林田英樹東宮大夫は30日の定例記者会見で、長期静養中の皇太子妃雅子さま(40)の病名について「適応障害」と初めて公表した。関係者によると、雅子さま自身が医師らと相談した上で病名公表を決意したという。発表前に天皇、皇后両陛下にも経緯を報告した。

 「適応障害」の原因について、林田氏は医師団の見解として「皇太子妃という特別な立場、懐妊や流産をめぐる問題、公私の区別をつけにくい多忙な生活に伴うストレスがあった」と説明。その結果、不安や抑うつ気分が現れたとしている。

 現在の治療は、日々の生活環境をストレスのないものにすることと精神療法が中心だが、少量の薬物療法も併用しているという。

 林田氏は「病状は改善傾向にあるが、不安を中心とした症状は依然ある」と現状を説明、当面は「公務復帰を具体的に検討するより、まずは心のエネルギーを高めるような私的活動を優先していただく」としている。[ 2004年7月30日17時27分 ]


◆コメント:「適応障害とは何か?」を説明しなければ結局、未知のままではないか。

 

引用した記事を読んで、一見して奇妙に感じる。雅子さまが「適応障害」という病気であることは、わかった。

その原因として、「皇太子妃という特別な立場、懐妊や流産をめぐる問題、公私の区別をつけにくい多忙な生活に伴うストレスがあった」ことも、分かった。不自然ではない。

 現在行われいる治療法として、ストレスの無い(ということはあり得ないと思うが)環境を作ることと精神療法が中心であること。精神療法ってのは、要するにカウンセリング。医師との面談です。これも分かった。

 しかし、そもそも「適応障害」とは如何なる病気で、そのように診断した根拠は何か、ということが、全く説明されていない。これでは、結局、ある「未知」が別の「未知」に形を変えただけのことである。世の中、こういう説明が実に多く、聞いた方も分かった気分になるが、この例でいえば、「適応障害とはなにか?」を説明できなければ、理解したとはいえないのである。

 精神科の病気の診断と治療の指針として、世界的に使われている基準が二つある。

 一つは、アメリカ精神医学会がまとめた、「精神疾患の診断・統計マニュアル第4版」(Diagnotic and Statistical Manual of Mental Disorders version4略してDSM-4という)である。 もう一つはWHO(World Health Organization=世界保健機構)が作った、「国際疾病分類」(International Classification of Diseases 10 略してICD10)である。


◆どちらの基準でいっているのだ?

 

DSM-4とICD-10はどちらも使われていて、重なる部分も多いが、如何せん、疾病の分類や診断基準が少しずつ違う。だから、真理を明らかにして、世間の余計な憶測を排除しようという目的で、今回の病名公開を決めたのであれば、より、医学的に厳密に説明するべきである。

 手元の資料で私が調べた所に寄ると、DSM-4を元に「適応障害」を説明した人は次のように書いている。



症状:適応障害は主な症状によって、次のように細かく分けられています。

1. 抑うつ気分をともなう適応障害 :重くゆううつな気分に加えて、涙もろさや絶望館がある。

2. 不安をともなう適応障害 :神経質、心配、過敏などが見られる。

3. 不安と抑うつ気分が入り混じった適応障害

4. 行動障害をともなう適応障害

たとえば怠学、破壊、無謀運転などの行動障害をともなう 診断基準 一見、強い不安や恐怖にさいなまれる「不安障害」やゆううつな気分に苦しめられる「感情障害」などに似ているようですが、そういった従来からある診断分類には当てはまりません。

 言い換えれば、不安障害や感情障害のような症状があり、そのために日常に支障をきたしていない物を適応障害と呼ぶということが出来ます。

 もっともよく見られているのは「抑うつ気分をともなう適応障害」です。多くはうつ病でもなければ気分変調性障害でもないレベルのうつ気分があり、原因は明らかにストレスであるとういとき、こう診断されます。


 雅子様が公務を執行出来ないほどの状態であることを考えると、上の説明の中の「不安障害や感情障害のような症状があり、そのために日常に支障をきたしていない物を適応障害と呼ぶということが出来ます。」というくだりは、明らかに当てはまらない。

ということは、医師団が云う「適応障害」はICD-10の分類に従っているのであろうか。

 本当は、素人がこんな本を勝手に読んで分かった気になってはいけないのかもしれないが、私は医学生が教科書として使う「標準精神医学」(医学書院)という本を持っているので、これで調べた。この本はどちらかというとICD-10を基準にしているからである。 この本によると、「適応障害」とは、



  • 成因:ストレスフルな状況に順応する時期に発生する苦悩状態であり、ストレス因がなければそうした状況は発生しなかったとかんがえられるもの。
  • 症状:多彩であると同時に、それらのうちのどの症状も、それだけではより特異的な診断を確定するほど顕著でも重篤でもない。「抑うつ気分・不安・心配」などの精神症状が中心である。
  • 経過と予後:「生活の変化」から1ヶ月以内に発生し、症状の持続は通常6ヶ月以内である。ただし、「遷延性抑うつ反応」の場合だけは、2年以内の持続が認められる。
  • 治療:抑うつ気分や不安に対しては、その程度によって抗うつ薬や抗不安薬を投与する。精神療法を駆使してストレス耐性を改善する努力がなされることも必要である。ストレス因を早期に除去するための環境調整も患者の安全にとって必要である。
  • DSM-4との違い:DSM-4では、症状発現の時期がストレス因の開始から3ヶ月以内とされている。また症状は、ストレス因子の終結後、6ヶ月以上持続することはない、と規定されている。

 

このように見ていると、本日の発表は、ICD-10の診断基準に近いように思われるが、これは素人の知ったかぶりに過ぎない。とにかく、繰り返すが、病名を発表するのであれば、中途半端は、良くない。 病気になったことは、雅子さまの恥でも、罪でも無いのだ。


2003年07月30日(水) 「之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。」 国会の議事録を見るとなかなか面白い。

2004年07月29日(木) バッハとヴィヴァルディの命日は同じだったとは、気がつかなかった

◆バッハの同時代には大作曲家が大勢いるんです。

 

昨日なんですがね。ヴィヴァルディが1741年7月28日没。バッハは、1750年7月28日没。

 今では、バッハが音楽の父なんて言われているけど、当時はヴィヴァルディの方が人気があったんですね。イタリアが音楽の中心地だったからね。一番人気があったのが、これはドイツ人だけどテレマンという人。

 「パッヘルベルのカノン」という曲、好きな人が多いと思うのですが、パッヘルベルは、バッハの先生です。

 バッハもね、なんか面倒くさそうに思われてるけれど、きれいなメロディーが多いですよ。ブランデンブルグ協奏曲というのがあります。これの2番、3番、5番。休日の朝、とかおすすめですね。


 

クラシック嫌いな人が多いのは、学校の授業で無理矢理好きでもない歌を歌わされたり、作曲家の生まれた年を覚えさせられたり、いきなり楽譜の書き方をやらされたり、要するに「お勉強」だという意識が刷り込まれちゃったのだと思うのです。残念です。

 私が音楽教師だったら、片っ端からきれいなメロディーの曲とか、楽しい曲を聴かせますね。で、感想文など一切書かせない。好きな言葉ではないが、「情操教育」というのが有るとすればそういうことだと思うのですね。で、人それぞれ好みがあるが、クラシックはきれいなメロディーの宝庫なのです。何百年もの長い間の評価に耐えて現代にのこっているわけだからね。

 そういうのを聴いて、じーんと感動する、という経験を子供の頃にしないから、段々人間が殺伐としてくるのだと、私は「独断的に」判断しています。クラシック聴くのに知識はいりません。 

清水和音っていう、私と同い年ぐらいの上手いピアニストがいる。この人なかなかユニークでね。若い頃、世界有数のコンクール、ロン・ティボー国際コンクールで優勝したので、NHKがインタビューしようと自宅を訪ねたらいなくて、散々探し回ったんだけど、なかなか見つからない。学校にもいない。やっと見つけたら、友達のうちで麻雀してたのね。それから、学生時代チンピラとけんかして歯を折っちゃったり。面白い人ですが、今ではいい大人ですから真面目にピアニストをやっている。

 それで、彼がリサイタルをやるときには若い人、子供にも聴いて欲しいといって、500円の席を用意するのです。全部500円じゃ破産しちゃうけどね。一部。それで、クラシックのコンサートに行くと大抵プログラムがあってそこには、曲目解説といって、七面倒くさいことが書いてあるのが普通なんだけど、清水さんは、そういうのを配らないのです。先入観や理屈抜きで、音楽だけ聴いてくれというわけですね。いいですね。


◆バッハとリヒテルとヤマハ

 

で、バッハを聴いて、割といいではないか、と思ったら、平均率クラヴィーア曲集っていうのを聴いてみてください。これは、24曲からなる曲集が1巻と2巻とあって、全部聴いたらとても長いけれども、一つ一つはそんなに長くない。どこから聴いて、どこで止めてもいいです。気が向いた所を聴けばいい。

 このCDでピアノを弾いているのはスヴャトスラフ・リヒテルという名人です。「18世紀のモーツァルト、19世紀のショパン、20世紀のリヒテル」といわれるぐらいの、超大ピアニストです。

この人が嬉しいことに、日本のヤマハの楽器をずっと気に入って弾いてくれていました。このCDで使われているのも、勿論ヤマハのピアノです。以前、書いたけど、リヒテルというのはすごく真面目で、誠実な紳士なのです。これぐらいの大名人になったら威張っている人も多いのに。


 

リヒテルはあるとき、「私のピアノを作ってくれている人たちにお礼がしたい」というので、しかし、飛行機は大嫌いなので長いこと船に乗って、日本の浜松のピアノ工場にやってきました。ここのピアノ技術者達が苦労に苦労を重ねて、リヒテルの満足がいくほどのピアノを作ったのです。

 リヒテルは大ピアニストだから、普段は超一流のホールで欧米の着飾った紳士淑女を聴衆としているわけです。それに比べたら、ヤマハにはホールが無くて会議室を急遽会場にしたぐらいだし、聴衆は作業服を着た、日本人のピアノ職人ばかりです。

 ところが、リヒテルは云いました。「私にとって、今日ほど緊張する演奏会はありません。何故なら、今日の聴衆は、最もピアノを愛している人ばかりなのですから。」・・・・。聴いてみたかったな・・・。

音楽の父バッハの代表作を、20世紀指折りのピアニストが、日本人が作ったピアノで演奏するこのCDを聴いていると、浜松で演奏したときのリヒテルの真摯な様子が想像できるような気がします。永遠の名盤です。


2003年07月29日(火) 「星の数は地球上の砂粒の10倍 豪天文学者ら」 億、兆、京、さてその次は・・・

2004年07月28日(水) 「民間のことだから、わたしが言う問題ではない」UFJ・三菱東京で、小泉首相。ホントに分かってないね。

◆記事:「わたしが言う問題ではない」=三菱東京・UFJの仮処分で小泉首相

 

小泉純一郎首相は27日夜、東京地裁がUFJと三菱東京の統合交渉差し止めの仮処分を決定したことについて「民間のことだから、わたしが言う問題ではない」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。 (時事通信) [7月27日21時2分更新]


◆記事2:自民党のサイト「小泉改革宣言」より抜粋

二. デフレに勝ち抜く日本へ

景気・雇用・中小企業に重点、新技術・新産業の創出

1.不良債権問題の早期解決

(1)金融再生プログラムを着実に実施し、2004年度末に不良債権比率半減

●「金融再生プログラム」にもとづき2004年度末までに主要行の不良債権比率を半減させて不良債権問題を終結し、日本経済再生に不可欠な金融機能を健全化させる。

(2)金融機関経営の健全化推進

●不良債権問題が金融機関経営の健全性を損ね、自己資本の空洞化等が指摘される現状を踏まえ、不良債権処理を円滑化するための税制や、金融危機を起こさせないための新たな公的資金注入の枠組みを検討する。


◆コメント:我が国の内閣総理大臣は、基礎学力が不足していると判断せざるを得ません。

 

記事1の言葉を読んだときには、驚いた。「民間のことだから」?

 記事2を読んで下さいよ。小泉改革の2番目に「不良債権問題の早期解決」をあげている。そして、主要行の不良債権を半減「させる」ことを公約として、掲げている。主要行って、銀行ですよね。銀行って民間企業ですよね?

それに金融庁検査を入れて、どんどん尻を叩いて、不良債権を減らすようにさせるということですね?

 思いっきり、「民間のこと」に介入しているではないですか。それでいて、昨夜はその不良債権を更に減らす、健全行を増やす計画が頓挫するかもしれないとなったら、「民間のことだから私の云う問題ではない」だって。大笑いですよ。この人は、何を考えているのかな。

 いや、コメントを述べないのは正しいのです。しかし、云わない理由を述べるならば「司法の独立に鑑み、行政府の長である自分が今、コメントすることは控えさせて頂く」というべきなのです。

 フランスの思想家、モンテスキューが「法の精神」で唱えて以来、三権分立が現代国家の基本ですね。裁判官が裁判を行うにあたって,いかなる権力,いかなる人,いかなる集団からも干渉を受けず,指揮命令にも拘束されないことが大切です。それは、ちゃんと日本国憲法にも書いてあります。



日本国憲法第76条第3項 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 

総理大臣は内閣つまり行政府の長ですから、司法権(裁判所)の判断に干渉してはいけないのです。それは、絶対にいけない。だから、昨夜小泉首相が、ノーコメントだったのは、結果論としてはOKですけどね。

 言いぐさがあまりに見当違いで恥ずかしい・・・・。民間のことだからっていいますが、銀行法や証券取引法には、総理大臣が必要と判断したら、銀行や証券会社に対して監督当局(金融庁や金融庁の証券取引等監視委員会ですね)が検査を行い、場合によっては行政処分をすることが出来ると書いてある。だから、それは構わないのです。金融改革は小泉改革宣言の目玉。一番解りやすい。しかし、小泉首相は自分は何も分からないから、竹中平蔵さんに任せっきり。途中で報告は受けていることは間違いない。けれども、きっと、小泉首相は何も聴いていないのでしょう。


 

小泉首相は参院選の選挙運動期間中にも訳の分からないことを云いました。それは、安全保障問題に関してでした。小泉首相は、日本国憲法を改正して「集団的自衛権」を行使できるようにするべきだといいました。その例として、「日本が攻撃を受けたときに、在日米軍と協力して行動できるようにしたい。」とテレビではっきり言ったのです。

 これも、頓珍漢な発言です。集団的自衛権とは、自国が攻撃を受けていなくても、同盟関係にある他国が第3国から攻撃を受けたら、自国に対する攻撃と同等と見なして防戦する権利のことです。

 我が国が侵略攻撃を受けてそれに対して自衛隊が防衛出動することは、我が国自身の問題で、個別的自衛権の行使というのです。それに対してアメリカが日本を援助したら、アメリカが集団的自衛権を行使しているのです。日本じゃない。憲法を改正する必要はないのです。そんなことも分かってないの?と、私は驚嘆しました。

 どうも、単なる言い間違い、などというレベルではないですね。これらをみると。小泉首相は国内法に関しても国際法に関しても、ごく基本的なことが分かっていない。論理性がないのは、今までこの日記で幾度と無く指摘したとおりです。やはり、小泉純一郎内閣総理大臣は指導者としての能力に問題が有ると思われます。


2003年07月28日(月) 「日銀発表に1年以上も誤り…CP発行残高を拡大公表」 日銀に「業務改善命令」を出した方がいいね。

2004年07月27日(火) 「UFJと三菱東京の統合交渉、差し止め仮処分決定」竹中さん、大変なことになりましたね。

◆記事:UFJと三菱東京の統合交渉、差し止め仮処分決定

UFJ信託銀行との経営統合を白紙撤回された住友信託銀行が、UFJホールディングス(HD)と三菱東京フィナンシャナル・グループ(FG)との経営統合交渉差し止めを求めた仮処分申請について、東京地裁(鬼沢友直裁判長)は27日、交渉を差し止める仮処分決定を出した。

決定は、UFJHDと住友信託が交わした基本合意書について、「独占交渉権を定めた条項は法的拘束力があり、住友信託が一定期間第三者の介入なくUFJ側と交渉する権利を保障した」と判断。

UFJHDが三菱東京FGなどとの統合交渉を続ければ住友信託に著しい損害が生じる危険性があるとして、UFJ信託の営業を住友信託以外の第三者に移転したり、合併させるための協議を行わないよう命じた。(読売新聞) [7月27日17時30分更新]


◆コメント:竹中さん、小泉さん、どうするの?

 今日のニュースの意味をまとめてみます。

 2週間ほど前に、UFJが三菱東京に統合を申し出た経緯を書きました。


 竹中さんという人は、経済学者ですが、アメリカのシンクタンクに在籍していたこともあって、アメリカ式の銀行経営を理想としているところがあります。国際業務を営む銀行は米国でも2つしかない。日本で4つもメガバンクが有る必要は無い。というわけで、金融担当大臣に就任したときから、不良債権を償却させた上で、銀行の数を減らしたいと考え、最初からUFJに狙いを定めていたようです。

 昨年の8月から、金融庁がずっとUFJに居座って、資産内容を調べていた。UFJが「これは不良債権ではありません」といっても、「いや、回収の見込みが立っているとはいえない。不良債権だ」という具合に締め付けていった。

 UFJの大口融資先には、ダイエー、双日ホールディングス、大京など、業績不振先が沢山ありました。これは、UFJの責任ではない。しかし、業績不振であるということは、これらの企業から、ちゃんと元利の返済を受けられるかどうか、怪しいということです。金融庁の目は厳しかった。


◆3割ルール

 

3割ルールというのが、銀行には課せられています。3割ルールとは、金融庁に提出している経営健全化計画の最終利益目標(1351億円)を3割以上下回った場合に金融庁が業務改善命令を出し、2年連続で同命令を受ければ頭取退任などを迫られること。

最終利益が400億円ほど下振れすれば、3割ルールにひっかかるので、UFJは必死に保有株を売りに出して、3000億円ほど捻出しました。さらにだめ押しで、UFJホールディングス傘下の信託銀行であるUFJ信託を売却しようとしていました

 UFJ信託はトヨタや日立という優良企業を持っているから、少なくとも2千億円で売れると云われて、実際に住友信託に売ろうと、交渉を進めていた。


◆致命的な「検査忌避」

 

しかし、まずいことが発覚した。金融庁の検査があまりにきびしいので、UFJが、業績が不振の融資先に関する資料をどこかに隠しておいたことが、バレてしまった。

これは検査忌避といって、一番まずい。これで、完全に金融庁はつむじを曲げて、UFJをいじめ抜くことを決意したのでしょう。6月18日に4つの業務改善命令が金融庁からUFJに発せられました。

とても、9月決算を乗り越えられそうにない、とあきらめたUFJは三菱東京に身売りすることを決めた。もう、目の前にはそのことしかなくて、以前から、UFJ信託を売る約束をしていた住友信託に、あの約束は無かったことにしてくれ、といいました。無茶です。


◆怒った住友信託

 

住友信託は、すでにUFJ信託と合併するものと思っていたので、随分準備を進めていました。それだけ費用もかかっている。それをいきなり反故にされたので、怒ってしまった。それで、東京地裁に、UFJが三菱東京と合併する約束よりも、うち契約の方が先立ったのだから、差し止め請求をしていました。

 その結果が今日、出たのです。東京地裁はUFJと三菱東京の合併に「待った」という決定を出しました。最も青くなっているのは当事者であるUFJと三菱東京でしょうが、結果的にUFJを追い込んだ金融庁の担当大臣、竹中さんは、金融再編という「小泉改革の象徴」が頓挫しかねないことになってしまいました。
 住友信託が、最初、UFJを訴える!と怒り狂っていたときに、竹中さんは「民間企業同士の問題。私は知らない」とすげない答えでした。今度はそうはいきません。どうするの?UFJはこのままだと、合併できなくて、収益も上がらず、9月中間決算を越えられないですよ。折角金融界全体で減り続けていた不良債権が増えて、日本の金融界に対する世界のマーケットの信用が再び地に落ちますよ。The Economist誌なんて、今回の合併を相当評価していたのだから。


 小泉純一郎内閣総理大臣。人ごとみたいな顔をしているけれども、最終責任は、金融問題を、全部竹中さんに丸投げしていた貴方に有ることをお忘れ無く。金融改革は順調といっていたけど、ヤバいですよ。かなり。こう考えると、小泉政権の業績って、なんだったのだろう?


2003年07月27日(日) 「自衛隊を派遣し、憲法の枠内での活動をするのは、論理的帰結である。」←大新聞のバカさ加減

2004年07月26日(月) 「小泉首相 五輪選手団壮行会に出席 『期間中は夏休みも』」それどころじゃないでしょう?

◆記事1:小泉首相 五輪選手団壮行会に出席 「期間中は夏休みも」

小泉純一郎首相は24日、東京都内で開かれたアテネ五輪日本代表選手団壮行会に出席し、「今年はぜひオリンピックが開会する8月13日から閉会する29日まで夏休みをとろうかなと思っている」と五輪期間に合わせた長期夏休み計画を披露し、会場を沸かせた。

 首相は52年前のヘルシンキ五輪の際、ラジオに耳を傾けていた思い出を語ったうえで「(五輪期間中に夏休みが取れれば)テレビにかじりついて、私どもの思いを選手の体に送り込みたい」と選手を激励した。(毎日新聞)


◆記事2:復興支援の遅さに驚き=治安理由にならぬ−日本に強い不満表明・ムサンナ州議長

【サマワ24日時事】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワを州都とするムサンナ州のアハメド・マルゾク州評議会議長は24日までに時事通信社のインタビューに応じ、陸自の活動に対し、「日本の復興支援の遅さに驚いている」「自衛隊の活動が単なるプロパガンダで終わってほしくない」などと厳しい言葉を並べ、日本に対する強い不満を表明した。

 同議長は17日に行われた日本外務省サマワ事務所側との会談でも、日本側の支援が州側の期待をはるかに下回っていると述べ、失望感を表明していた。

 マルゾク議長はまず、「日本は高度な技術力で戦後復興を成し遂げた。われわれは同じように電力、水道供給施設などのインフラ整備を期待している。日本は実行すると約束してくれたはずだ」と述べた。

 その上で、治安情勢について「なぜ日本はバグダッドではなくサマワを選んだのか。それはサマワの治安が安定しているからだ」と指摘。「日本が治安を理由に大規模な事業が展開できないと説明することに非常な違和感を覚える。治安を言い訳にすることはもはや受け入れられない」と主張した。 (時事通信) [7月24日17時1分更新]


◆記事3:会期7日程度に短縮へ 与党、民主の攻勢かわす

 

自民、公明両党は30日召集の臨時国会の会期について、1カ月を要求する民主党との妥協点として検討していた12−15日間を、1週間程度に短縮して決着を目指す方針を23日固めた。民主党が年金改革法廃止法案の提出を見送る公算が大きくなったと判断したためで、参院選の躍進で勢いづく民主党の攻勢をできる限りかわす狙いもある。

 民主党は廃止法案を提出しても否決が確実なことから、徹底審議による世論へのアピールを想定していた。だが与党が1カ月の要求を受け入れないため「徹底審議されないなら提出を見送るべきだ」との判断に傾いている。廃止法案の否決で区切りがつけば、秋の臨時国会で社会保障全般に関する協議に応じざるを得ないとの警戒感もあるようだ。(共同通信) [7月23日19時12分更新]


◆記事4:首相手法に危機感を 報道と読者委員会 (共同通信)

共同通信社は24日、外部識者でつくる第三者機関「報道と読者」委員会の第15回会議を東京・東新橋の本社で開き、小泉純一郎首相の政治手法、皇太子発言と報道の在り方をテーマに論議した。

 前広島市長の平岡敬委員は、小泉首相の政治手法について「年金改革、自衛隊のイラク多国籍軍参加も十分な説明がないまま決めた。メディアが厳しく批判しないと、国会の崩壊につながる」と危機感を表明した。

 明治学院大法科大学院教授の渡辺咲子委員は、首相が参院選後も政権を担当していることについて「(参院選で)支持が得られなかったら、衆院を解散して民意を問うのが憲法の筋道だ」と問題提起。日本総合研究所理事長の寺島実郎委員は、報道機関の世論調査に関し「(参院選では)保守化していたサラリーマンが年金問題で危機感を高めた。社会構造の変化に踏み込んだ分析に欠けている」と述べた。


◆コメント:テレビでオリンピック観戦よりも、サマワに行ってきたらどうですか?小泉さん。

 

全く、この前の参議院選挙はなんだったのか?小泉純一郎内閣総理大臣をはじめ、誰も責任を取ろうとしないが、国民は、年金改革法や自衛隊の多国籍軍参加に関して異を唱えているわけで、それに対して、国政の最高責任者である小泉首相は、まだひとことも説明をしていない。

 本来ならば、記事4で、明治学院大法科大学院教授の渡辺咲子委員が主張しているように、「(参院選で)支持が得られなかったら、衆院を解散して民意を問うのが憲法の筋道だ。」が、今解散したら完全に負けると分かっているから解散しない。

 当然7月30日に始まる臨時国会では、これらの問題に関して野党はしつこく追求すべきだし、小泉首相もせめて臨時国会の会期ぐらい十分にとって、いい加減、詭弁に終始するのは止めて、真面目に国民の問いに答えるべきである。

 それなのに、記事3にあるとおり、与党はなんと、臨時国会を7日間で終わらせようと云う。このこと自体、与党が自らの政策に自信が無く、会期が長引くと不利になると考えている証拠である。

 小泉首相は相変わらずのノーテンキぶりで、「冬のソナタ」のヒロインにあって鼻の下が長くなったと思ったら、次はオリンピックの壮行会に出てちゃらちゃらしたことを云っている。

 「(五輪期間中に夏休みが取れれば)テレビにかじりついて、私どもの思いを選手の体に送り込みたい」って、小泉さん、あんたねえ。貴方の命令で何百人という自衛官がイラクに今も駐留して、先日は集団食中毒を起こしたり、苦しい思いをしてるわけでしょう。それに、「イラクには人道復興支援に行くのです」となんども貴方は云っていましたね?

 しかし、記事2を読んで下さい。イラク人は要するに、陸上自衛隊は何もしてくれない、と思っているのですよ。つい、一週間前の記事にもありますよ。


 

17日の日本外務省サマワ事務所側との会談で、陸自を含む日本側の支援が、州側の当初の期待をはるかに下回っていると述べ、失望感を表明した。(共同通信) [7月18日22時3分更新]


 

云っておくが、私は今でも、自衛隊のイラク派遣には反対である。

しかし、とにかく、サマワの人々は、日本人がテロにやられないように守るから、しっかりやってくれと言っていたのである。それが、陸自は何だかんだ理由をつけて、宿営地の中だけで、作業をしているばかりで、全然イラクの復興支援には役に立っていない、と、もはや、完全にあきれられている。これはまずい。

 彼らが本気になって怒り出したら、日本人を狙っているテロの情報を持っていても教えてくれないだろう。こういう状況になったのは、よく考えないで憲法違反の自衛隊派遣を行ったのが原因である。小泉首相が陸自をイラクに駐留させているのは、アメリカのご機嫌伺いが目的であったことが、最早明らか。全ての最終責任は小泉純一郎内閣総理大臣にある。こんなことなら、さっさと撤収するが良い。

 人道復興支援といえば、新潟と、福井には何故、もっと大量の自衛官を派遣しないのだ?これこそ、自衛隊の正規の任務の一つ、災害派遣出動(自衛隊法第83条第1項)でしょう?日本で災害に遭い、困った人をほったらかしている。イラクでも377億円も血税を投じて建設した宿営地が存在するばかりで、イラク人にはちっとも感謝されていない。一体何を考えているのか?


 

繰り返すが、小泉首相と自民党・公明党は先の参院選で、年金改革法や自衛隊の多国籍軍参加に関して国民から、"No"という意思表示を突きつけられたのに、誰も、責任を取らず説明もせず、国会での再審議もろくにしないで七日間で終わりにしてごまかして押し切るつもりである。

 そのあと、小泉首相は自衛隊の最高指揮官であり、自衛隊がイラクで不信感を買いつつあるヤバい状況にあるというのに、そんなことは全く無視して、二週間夏休みを取って、テレビでオリンピックを見て、「私どもの思いを選手の体に送り込みたい」のだそうだ。

 それどころじゃないでしょう。オリンピック見ているヒマがあるなら、サマワに行って来るべきだ。ちなみに、イラクに兵隊を派遣した主立った国で、閣僚がひとりもイラクに行っていないのは、日本だけだ。


2003年07月26日(土) 「イラク復興支援特別措置法が成立」 日本人が死んでもいいのだね?
2002年07月26日(金) 物騒なことばかり・・・

2004年07月25日(日) 「ジャンボなお見舞い2億円 豪雨・福井、匿名で当せん宝くじ届く」無条件に尊敬します。

◆記事1:ジャンボなお見舞い2億円 豪雨・福井、匿名で当せん宝くじ届く

集中豪雨で大きな被害を出した福井県の西川一誠知事は二十四日、二億円の当せん宝くじ券一枚が災害見舞金として郵送されてきたことを明らかにした。差出人は不明で、添えられた便箋(びんせん)には「不幸にも被害を受けられた方々に少しでも援助になれば幸い」と記されていた。

 宝くじ券は、六月に抽せんがあった「ドリームジャンボ」の「06組198955」(一等)。

 二十二日消印の速達で、二十三日、知事あてに届いた。県が銀行に鑑定してもらい本物であることを確認、銀行で保管している。寄付した人の意向を受け、消印の地域も公表しないという。

 この封筒を最初に開けた県総務部の今冨広子さん(五六)は同日、「手紙を見て驚きましたが、筆跡や文面には温かい誠実な人柄を感じました」と振り返った。

 便箋は、ボールペンできちょうめんな文字で書かれており、差出人に関しては「わたし個人の勝手な印象では、少しお年はいってらっしゃる方かなと思います」。



【宝くじに添えられていた手紙(要旨)】
 前略、新聞、テレビニュースで福井豪雨の被害を知りました。
 天災の豪雨で多くの方々が被害に遭われたことに対して心から御見舞い申し上げます。
 さて、不幸にも被害を受けられた方々に少しでも援助になれば幸いと思い幸運に恵まれた宝くじ当選券(弐億円)一枚を同封して送ります。
 現金でなく申し訳ありませんがあくまでも匿名の寄付ということにしていただきたく、よろしく取り計いお願い申し上げます。
 本来ならば直接持参すべきところですが、大変失礼と思いますが、住所氏名は記入しません悪しからずお許しください。
 七月二十二日 匿名 西川一誠知事殿
 (用字用語は原文のまま)(産経新聞)[7月25日3時15分更新]


◆コメント:良いニュースは大きく取り上げられないね。

 

私は、この寄付をした方を無条件で、尊敬します。 

仮に、大金持ちが2億円寄付したとしても、勿論それは立派なのだが、どうもこの話をいろいろ調べると、普通の人が折角、自分にもたらされた幸運を、困っている人に全額寄付したということだから、なかなかできることではない。

 こういうのを「陰徳」というのだ。人に知られない(行為は知られるが誰がやったかは知られない。賞賛や見返りを求めない)善行ということですね。
 我が身に当てはめて考えてみた。恥ずかしながら、私だったらとても出来そうにない。だから尊敬する。



 

中国の戦国時代の思想家、孟子は「人間の本性は善である」という「性善説」を唱えた。「井戸に落ちようとしている幼子を見れば、誰でも駆け寄って抱きとめるだろう」という例を用いて、それを示した。

 無論、人間に醜いところ、残酷な所があるのは十分承知していたが、人間が持っている高貴な優しい部分に期待を託した。

 昨今の人間世界を見渡すと、ニュースというのは、9割方、人間が起こした悪行や、失敗を伝えていることに気づく。インターネットが出来て、誰もが世間に自らの意見を表明することが出来るようになったら、人をけなしたり、傷つけたりする表現に満ちあふれている。私は、孟子は間違っていたのかと、しばしば思った。

 しかし、そう考えているのは早計であった。世の中ではもっと多くの「良いこと」が行われているに違いない。ただ、そういうことはニュースにならないのだろう。人は、他人の善行を褒めるよりも、他人の失敗や悪行を非難する方に興味を抱く。マスコミはそういう大衆の欲求に応える方向に動く。

 人の善行をたたえることは、悪行をけなすことよりも難しいのだ。が、それではいけないのだろう。いい話をもっと積極的に見出すべきだ。

 2億円を寄付した見知らぬ方に幸福が訪れることを祈る。


2003年07月25日(金) 「衆院本会議 内閣不信任決議案を否決 」結果は分かりきっているが、野党の言っている事は妥当だと思う。

2004年07月24日(土) 「テロ計画防ぐ機会10回も逃す…米調査委が報告書」要するにブッシュは自国民を見殺しにしたのです。

◆記事1:テロ計画防ぐ機会10回も逃す…米調査委が報告書 (読売新聞)

【ワシントン=永田和男】2001年9月11日の米同時テロに関する独立調査委員会(9・11委員会)は22日、約1年8か月にわたる活動を締めくくる最終報告書を発表した。

 567ページの報告書は、情報機関が国際テロ組織アル・カーイダによる攻撃計画を防ぐ機会を10回も逸してきたと批判。中央情報局(CIA)や連邦捜査局(FBI)を統括する閣僚級ポストの新設など、情報機関の抜本的改革を勧告した。

 トーマス・キーン委員長(元ニュージャージー州知事)は記者会見で「政府はテロとの戦いに対処できたとは言えない」と語り、情報機関の失態を糾弾した。

 報告書は<1>後に同時テロ実行犯となる2人がバンコクに立ち寄った際、監視を怠り、2人が米国に入国してからも適切な処置を取らなかった<2>実行犯の一味で同時テロの前月に拘束されたザカリアス・ムサウイ容疑者の尋問が不適切だった――など、米史上最悪のテロを阻む好機をいかせなかった10の事例を列挙した。


◆記事2;逃した10の機会(毎日新聞)

1.00年1月

 CIAは、後に同時テロ実行犯となる、ハリド・アルミダール容疑者が、国際テロ組織「アルカイダ」がクアラルンプールで開いた会議に参加したことを察知した。しかし、米入国監視リストへの掲載を米国務省に要請せず、同容疑者の米国ビザ(査証)の保有もFBIに通知しなかった。同容疑者は1年8カ月後、国防総省にアメリカン航空77便で突入した。

2.同

 アルミダール容疑者はこの後、観光客を装いバンコクに移動、ロサンゼルスから米国入りした。複数の国にまたがった同容疑者の移動を追跡する体制をCIAが取らず、同容疑者のビザにも問題がなかったため、入国を阻止できなかった。FBIはこの時点で同容疑者の米入国を知らなかった。

3.00年3月

 アルミダール容疑者に同行していたナワク・アルハムジ容疑者(後の77便ハイジャック犯)が、同年1月15日、バンコクからロサンゼルスに出発したとCIA本部に報告された。だが、アルハムジ容疑者も監視リストには載らず、FBIにも通知されなかった。

4.01年1月

 CIAはイエメンで00年10月発生した米駆逐艦「コール」爆破テロに関与したとされるタウフィク・アタシュ・ハラド容疑者の身元を確認した。しかし、またしてもFBIへの連絡は行われなかった。

 同容疑者は、アルミダール容疑者が出席したクアラルンプール会議に参加。アルカイダが一時的に計画していた東南アジアテロの準備も担当した。

 ◇「無視」された警報

 <ブッシュ政権時代>

5.01年5月

 「対米テロ近し」の情報が世界各地から集まり、「警報が常時点灯していた」(テネット前CIA長官)ため、CIA担当者は関連情報を精査、アルミダール、ハラド容疑者らに関する疑惑情報を改めて確認した。だが、この時もFBIへの連絡は行われなかった。

6.01年6月

 FBIのテロ分析官がFBIニューヨーク事務所のコール事件の捜査官らと面会。FBI分析官は、コール事件に関与していたアルミダール容疑者に関する米国家安全保障局の情報を持っていたが、規則に従い捜査官には提供しなかった。情報収集活動と犯罪捜査を隔てる「壁」が原因だった。

7.01年8月

 FBI分析官は、入国管理官にアルミダール容疑者の情報を照会した結果、同容疑者が00年1月に米国に入国していたことを突き止めた。しかし、「壁」が再び情報共有を阻んだ。


 ◇全体像の欠如

8.01年8月

 FBIのミネアポリス事務所の担当者は、同時テロ計画に関与していたザカリアス・ムサウィ被告が飛行機の操縦訓練を受けていることを察知、ハイジャックを疑った。 しかしFBI本部は「証拠不十分」などを理由に、同被告に関する徹底捜査を許可しなかった。

9.同

 CIAは、同時テロを計画したとされるハリド・シェイク・モハメド被告が、テロ実行のために米国に人を送っているとの情報を入手した。だが、時期が8月後半とテロ直前であり、時間切れとなった。

10,同

 結局、FBIとCIAは、アルミダール容疑者やムサウィ、モハメド被告らの活動を個別には把握していたが、すべてを結びつけ「ハイジャック機による米国内での連続テロ」が進められているとの全体像を描くことに失敗した。最終報告書は「米政府のいかなる行動も、テロ阻止には結びつかなかった」と指摘している。


◆記事3;テロをわざと防がなかった大統領(田中宇の国際ニュース解説2002年1月24日付より抜粋)

「また、マイク・ルパートというアメリカのジャーナリストが各種の報道記事を調べたところによると、2001年6月にはドイツの情報機関BNDが911のテロを察知して米当局に通告し、9月の事件発生直前には、イランとロシアの情報機関などが米当局に対して警告を発している。ケイマン諸島では、ラジオ局のリスナー参加型の生放送番組に911の発生を警告する電話がかかってきて放送されたりした。これらの警告を、アメリカ政府の最上層部はすべて無視したのだった。」


◆コメント:アメリカはこういう恐ろしい国なのです。

 

ブッシュは何故、テロが起きる可能性が極めて高かったのに、阻止しようとしなかったかというと、要するに自分や国家の中枢にいる政治家達の金儲けのためである。信じられないが、どうも、本当らしい。

 ワシントンD.C.に拠点を置き、軍需産業に投資を行うことを事業とするカーライルという会社があり、この会社の役員にはパパ・ブッシュの他、名だたるアメリカの政治家が名を連ねている。




  • ジョージ・ブッシュ    元大統領 カーライル顧問
  • コリン・パウエル     国務長官 元カーライル顧問
  • フィデル・ラモス     元フィリピン大統領 カーライル顧問
  • フランク・カールッチ    元国防長官 カーライル顧問団長
  • ジェームス・ベーカー   元国務長官 カーライル顧問
  • ジョン・メージャー    元英首相 カーライル顧問
  • パク・テジュン      元韓国首相 カーライル顧問
  • アルワリード・ビン・タラル王子 サウジ王子 カーライル投資家


という具合である。そして、ビンラディン一族はサウジアラビア有数の大富豪であることはよく知られているが、、このカーライルに巨額の投資を行っていた。明らかになっているのは200万ドル(約2億円)だけだが、それ以外にも大金が投資されている。これにより、ビンラディン家はかなりの投資利益をあげたらしい。

ブッシュは、「テロリズムとの戦い」を頻繁に強調するが、実は、テロリストに商売を通じて儲けさせていた、同じ穴のムジナなのである。この疑惑は、911テロの直後から米国内で取りざたされていて、ブッシュはその疑いを打ち消すために、必死なのである。

テロとの戦いと云いつつ、テロリストであるビンラディン本人を捕まえずに、イラクが大量破壊兵器を持っていて、それが、テロリストの手に渡れば、またアメリカが攻撃されるという、危機感を高めるために、アルカイダによる911テロを黙認し、その後、攻撃の矛先をイラクに向けたのだろう。

ブッシュ個人もそうだし、アメリカという国はこのように信じられないほど、汚い、非人道的な手段を用いる狡猾な国である。かつて、ルーズベルトは日本の暗号を全て解読し、通信を傍受しており、真珠湾攻撃がいつ、どのように行われるか、全て知っていたが、米国民の反日感情を高めるために、あえて、ハワイの太平洋艦隊には知らせなかった、ということについては、以前書いた。また、自由の国と喧伝するが、世界で一番マスコミ統制が厳しいのがアメリカであることも、よく知られた事実である。

時の政権にある者が政治的謀略(自らの権力を維持するための)や、私欲のために自国民すら欺くのが、アメリカである。米国はことあるごとに、「日米同盟の重要性」をちらつかせて、小泉首相を手なずけているが、自国民すら見殺しにする国を信用して、日本がアメリカの従僕のごとく振る舞うのはあまりにも危険である。


2003年07月24日(木) イラク派遣で首相「非戦闘地域分かるわけない」 ← 開いた口が塞がらない・・・

2004年07月23日(金) 「自殺者、過去最多3万4千人」 「どういう事情かわからないが・・」小泉首相 ちゃんと資料を読んで下さいよ。

◆記事1:自殺者、過去最多3万4千人=経済苦激増、初の8千人超−03年警察庁まとめ

 

昨年1年間の全国の自殺者は3万4427人で、前年より2284人(7.1%)増え、統計を始めた1978年以降最多になったことが22日、警察庁のまとめで分かった。働き盛りの40、50代の男性を中心に「経済・生活問題」が動機の自殺が激増、初めて8000人を超えた。

 人口10万人当たりの自殺者は27.0人で、前年比1.8人増加。自殺者のうち、成人男性が2万4329人で全体の7割を占めた。

 自殺の原因・動機は、病苦などの「健康問題」が1万5416人と最多で、「経済・生活問題」が8897人、「家庭問題」2928人、「勤務問題」1878人だった。

 経済・生活問題の激増が目立ち、前年比957人(12.1%)の増。6年連続で過去最悪を更新し、最少だった90年(1272人)の7倍に膨れ上がった。うち、40代の男性が1853人、50代の男性が3031人で、合わせて半数以上を占めた。 (時事通信) [7月23日6時4分更新]


◆記事2:経済の改善努力は必要=自殺者増で首相

 

[東京 23日 ロイター] 小泉首相は、昨年1年間の自殺者の数が3万4427人となり、統計開始以来最多を記録したことについて、「事情はいろいろあり、経済だけではない」としながらも、経済の改善努力は必要だ、との考えを示した。

 小泉首相は、自殺者数が増加していることについて聞かれ、「どういう事情かわからないが、あまり悲観的に思わないで、がんばっていただきたい。理由はなかなかわからない。厳しい状況だと思うが、できるだけ少なくなるような対応が必要だ。これだという特効薬がないので困っている」と述べた。

 また、経済・生活問題を原因とする自殺が目立つが、今後構造改革をどのように進めるのかと聞かれ、「事情はいろいろあり、経済だけではないと思う。しかし、経済状況を改善する努力は続けていきたい」と答えた。


◆記事3:(3月26日)自殺でも保険金支払い義務/最高裁が初判断 1年経過後

 

契約から1年間は自殺による保険金を支払わない特約がある場合、1年経過した後の保険金目的の自殺について、保険会社に支払い義務があるか否かが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は2004年3月25日、「自殺の動機、目的が保険金取得だったとしても、保険会社は免責されない」との初判断を示した。その上で、東京都内にある防水工事会社の保険金支払い請求を棄却した2審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。


◆コメント:1日に100人自殺している世の中なのですね。

 

暗いニュースだけど、誰も取り上げたくないだろうから敢えて取り上げる。

 自殺者が3万人というのは、昨年の交通事故死が1万人を遙かに下回ったのであるから、やはり異常である。自殺者は根性がないのだ。現実から逃避した卑怯者だ、とののしる人は、きっと今でも大勢いるだろう。しかし、うつ病研究で有名なシカゴの精神科医クレイネスは、



「今まで死にたいと思ったことのない人は、教養のない人である。つまり、折にふれて死を考えることは誰にでもあることで、別に異常ではないのである。人生に希望が大きければ大きいほど、不安や絶望は大きい。もともと、人生に希望がなく、「どうなっても良い」と考えている人には、不安や絶望もない。」


と述べている。教養のないは多分(uneducated)の訳だろう。これは、十分に納得のいく見解である。

 だが、実際に自殺を実行に移すとなると、やはり、相当精神的に病的な状態、病的に抑うつ的な状態にあると考えられ、自殺者の8割はうつ病が関係しているのではないかともいわれる。

 うつ病は脳内神経伝達物質のバランスが崩れることによって惹起される疾病であり、インスリンが足りなくて発症する糖尿病と、病気という点では同一である。一方は脳という臓器で、他方は膵臓という臓器で起きるのが違うだけだ。

 しかし、精神論・根性論の好きな日本人には、このような簡単なことも理解したがらない人が多いので、うつ病にかかった人が、精神科の受診が遅れて、希死念慮が昂じて、ついには自殺を実行するという経過があることは、まちがいない(勿論、それが全てであるとは、云わないが)。要するに啓蒙が足りないのが一つの要因である。

 小泉首相は、「冬のソナタ」のチェ・ジウさんに会うときや、3月30日に、漫画家の藤子不二雄Aさんや里中満智子さんらでつくる「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」が小泉首相を訪ね、コミック本など出版物にも音楽CDなどと同様に著作権料を徴収できる「貸与権」を認める著作権法改正案の今国会での成立を求め、陳情書を提出したところ、小泉首相は「知的財産の一環として非常に大事だ」と答え、理解を示すなど、成功している人には親切だ。

 ところが、以前、自殺遺児の代表が同じように首相官邸を訪ねたときのニュース映像を、私ははっきり、覚えているのだが、小泉首相は、ものすごく冷たい表情だった。「知るか」と云わんばかりだった。この人は、基本的に人の不幸は何とも思わない人なのである。弱者を助けるのが政治の大きな役割ではないのだろうか?

 今日のコメントでも(記事2を読んで下さい)、自殺者について、「どういう事情かわからないが」と平気で述べているが、記事1を読めば一目瞭然で、昨日、警察庁は自殺者の動機別の数まで出しているのだ。ちょっと目を通せば、分かることだ。それを平気で「分からない」という。この人の軽率さが顕著に現れている。

 問題は全く異なるが、「イラクの非戦闘地域がどこなのか、私に分かるわけがない」というのと、共通の姿勢である。分からないのは、分かろうとしないからで、何故分かろうとしないかというと、興味がないからである。どういう動機で自殺者が増えているのか、イラクのどこで自衛隊員が死のうが、知ったことではないというのが、恐らく、この人の本音である。

 記事3は載せようかどうしようか迷ったが、最高裁が今年の3月に、「自殺でも保険金は支払われなければならないという判決を下した。これで、多分、今年はもっと自殺者が増えるだろう。

 全ての自殺が、経済的な理由、マクロ経済に関係するものではないだろうし、全てが小泉首相の責任だとは、勿論云わないけれども、自殺者が増加しているというのは、経済政策と全く無関係でないことも確かである。不良債権を減らした結果、つぶれた会社も多い。路頭に迷った人も多いのだからね。もう少し真剣に考えてくれてもいいのではないかな。

 「改革」を口癖にする小泉純一郎内閣総理大臣だが、人を死に追い込むような「改革」は、正しいわけがない、と少なくとも、私は考えている。


2003年07月23日(水) 未知の分野の知識を得る方法
2002年07月23日(火) 実名報道

2004年07月22日(木) 「<米国務副長官>常任理事国入り、憲法9条改正が条件」 アメリカに指示されるいわれはない。

◆記事:<米国務副長官>常任理事国入り、憲法9条改正が条件

【ワシントン佐藤千矢子】アーミテージ米国務副長官は21日午後、訪米中の中川秀直・自民党国会対策委員長と国務省で約40分間会談し、憲法9条について「日米同盟関係の妨げの一つになっている」との認識を表明、改正に強い期待感を示した。そのうえで「国連安保理常任理事国は、国際的利益のために軍事力を展開しなければならない役割も大きい。それができないなら、常任理入りは難しい」と述べた。国際貢献のため武力行使も可能にした自衛隊の海外派遣を認めるなどの9条改正を行うことが、日本の常任理事国入りの条件になるとの認識を示唆したものだ。

 会談後、中川氏が記者団に明らかにした。米政府はこれまで日本の常任理事国入り問題について、日本が米国に次ぐ多額の国連分担金を支払っていることなどから、特に条件をつけずに強い支持を表明してきた。アーミテージ副長官が、憲法9条改正を事実上、常任理入りの条件とする発言を行ったのは、米政府としての本音を伝えるとともに9条改正に寄せる強い期待感を示したものと見られるが、日本国内で「外圧」との批判を呼ぶ可能性もある。

 中川氏の説明によると、会談で同氏が「憲法見直しの議論を始めなければならない時代にきた」と述べたのに対し、アーミテージ副長官は、憲法改正は「日本国民自身が決めること」と断ったうえで、個人的見解として「憲法9条は日米同盟関係の妨げの一つになっている」と指摘した。


◆コメント:常任理事国入りの条件をアメリカが決める権限はない。

 

アメリカは国連安保理の常任理事国の一つであるというだけで、国連のルールを決める権利は無い。ましてや、たかが国務副長官に偉そうに内政干渉されるいわれはない。

 日本が常任理事国入りを狙うかどうか、憲法を改正するかどうかは、あくまでも日本国内の問題であり、いくら同盟国とはいえ、言葉が過ぎる。

 そもそも、国際連合というのは、正しい訳語ではなく、United Nationsは「連合国」という意味である。つまり、第2次世界大戦の戦勝国が今の常任理事国なのである。決して、世界中の国の民主的な投票によって決まったわけではない。

 だから、国連憲章には未だに「敵国条項」という条文が残っている。



第107条【敵国に関する行動】
この憲章のいかなる規定も、第二次世界戦争中にこの憲章の署名国の敵であった国に関する行動でその行動について責任を有する政府がこの戦争の結果としてとり又は許可したものを無効にし、又は排除するものではない。


 

「敵であった国」とは、日本やドイツである。これらの国には何をしても良いのだ、と云う意味だ。しかしいくらなんでも、第2次世界大戦が終わってから、半世紀以上も経つのに、こんな条項を残すのはひどい、というので、「1995年の国連総会に於いて、同条項の国連憲章からの削除を求める決議が圧倒的多数で採択された。ただし、安全保障理事会改組問題の難航で、国連憲章の改正に支障を来しており、同条項の削除自体は未だ実現していない。 」なんだか、訳が分からない。要するに、まだアメリカは日本をかつての敵国だったと意識したいのだ。

 だから、アーミテージには何の権限も無いが、仮に、彼の言う通りに憲法9条を改正したとしても、今度は別のことで難癖をつけて、日本の常任理事国入りを邪魔しようとするだろう。アメリカが邪魔をしなくても、他の国が妨害するだろう。


 

日本は、本当にアメリカにいいように利用されている。アメリカの巨額の財政赤字を支えているのは、日本である。日本政府が毎年巨額の米国債を購入しているおかげで、米国政府は財政破綻を免れている。要するに、アメリカは日本から巨額の借金をしているのだ。ブッシュのサルや、アーミテージのゴリラは、それほど、偉そうなことをいえた義理か?何なら、今すぐ耳をそろえて、全額米国債を買い戻してくれよ。アメリカは破産するぜ。

 日本は、安保条約で守ってもらっているという意識が強すぎるが、takeだけではない。アメリカに十分にGiveしているのだ。小泉さん、毅然としろよ。毅然と。


 

ついでだから、他の国についても言及しておく。

 例を挙げ始めると切りがないが、日本ほど多額のODA(政府開発援助)を行っているのに、世界に認識されていない国はない。中国なんか、この20年で6兆円以上のカネを日本から受け取り、その資金で、北京や上海に鉄道を造り、病院や学校を建て、あらゆるインフラを整備したのだ。中国が豊かになったのは、あれは、日本のカネのおかげなのだ。

 しかし、中国人も汚い。中国政府は、日本からの援助でこれらの設備が出来たことを全く国民に知らせていないのだ。そして、いつまで経っても、戦争の時の事を持ち出して、謝れ、を繰り返す。いくら何でもフェアではないとおもう。戦争中に日本が犯した悪事が事実だとしても、日本からの6兆円で、信じられないほど豊かになったのも、また事実だからだ。

 もうそろそろ、日本も尻を端折った方がいいのではないか。世界は日本からカネを受け取るのが当たり前と思っている。一度、綺麗さっぱり止めてみればよい。どれだけ、日本のカネがありがたかったか、世界は初めて分かるだろう。


2003年07月22日(火) 自衛隊をイラクへ派遣することに反対する理由。
2002年07月22日(月) 猛暑とうつ病

2004年07月21日(水) 「伝説的指揮者、カルロス・クライバー氏が死去」たまには音楽の話を書かせて下さい。

◆記事:伝説的指揮者、カルロス・クライバー氏が死去

 

【ウィーン=島崎雅夫】19日のスロベニア通信によると、伝説的なオーストリアの指揮者カルロス・クライバー氏が13日、死去した。17日にスロベニア東部の町コンシチャで葬儀が行われた。74歳だった。 スロベニアは夫人の出身地で、同氏は昨年12月に死去した夫人の横に埋葬された。数か月前から闘病生活を送っていた。

 1930年7月3日、ベルリン生まれ。30年代のナチスドイツの台頭で、父親でオーストリアの指揮者エーリッヒ・クライバー氏と共にアルゼンチンに逃れた。欧州には52年に戻り、主にドイツ国内で指揮者として活躍した。

 80年にオーストリア国籍を取得し、89年と92年にはウィーン・フィルを率いてニューイヤー・コンサートで指揮者を務めた。奔放な生命力をたたえた勢いある音楽作りが身上。世界トップレベルの人気と実力を兼ね備えながら、年に1、2度しか指揮をせず、カリスマ性を高めた。

 演奏曲目を極端に絞り、ベートーベンやワーグナー、R・シュトラウスらのごく一部の作品を繰り返し演奏、深い解釈で魅了した。
 日本には計5回訪れたが、特に最後の94年のウィーン国立歌劇場との公演は、R・シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」で名演を残した。(読売新聞)


◆コメント:天才ってのは、どうしてまとめて世に出て来て、去ってしまうのかね。

 

最近、憂鬱になるニュースに関する文章ばかり書いているので、たまには、好きな音楽のことを書きます。

最近、いかにも巨匠と呼びたくなる音楽家が少なくなりました。ピアニストも、バイオリニストも、指揮者も、ものすごい才能というのは、ある時期にまとめてわーっと出てきて、一挙にいなくなってしまうのですね。

 カルロスクライバーは天才です。お父さんはエーリッヒ・クライバーという、やはり大指揮者でした。しかし、親父は息子が音楽の道に進むのに反対しました。だから、カルロスクライバーは工科大学出身で、専門は化学なのです!

 ところが、どうしても音楽への道をあきらめきれず、20歳をすぎてから、本格的に勉強を始めました。勉強といってもヨーロッパで指揮者の勉強をするのは歌劇場での下働き(歌手に稽古をつけたりね)から始まるので「修行」って云う方が近い。しかし、二十歳になってから、プロの指揮者を目指して、名指揮者になるなんてことは、普通絶対にあり得ないのです。やはり、ものすごい天才だったのでしょう。

 カルロスクライバーは変人です。芸術家には変人が多いけど、これほど、勝手気ままに仕事をして、それが認められた人は他にはいません。

まず、滅多に指揮をしない。一年に何回か。時には何年も振らない。何故か?振る(指揮をすること)気がしないから。で、急にウィーンフィルを振る、なんて、二週間ぐらい前に発表になると、耳が肥えたウィーンの聴衆が争って、チケットを買いに殺到する。二年ぶりにウィーンウィルを指揮をする。何を演奏するかといったら、二年前と全く同じ。普通、ホサれますよ。

 変人たる第二の所以は、レパートリーが極端に少ない。モーツァルトの交響曲は33番と36番だけ。ベートーベンは4番、5番、6番、7番だけ。ブラームスは2番と4番だけ。オペラは「椿姫」、「オテロ」、「ラ・ボエーム」、「カルメン」だけ。あとはヨハンシュトラウスのウィンナーワルツとか、少々。これ、普通なら、「ナメとんのか?お前?」というか、プロの指揮者としては認められない。

 この「極端に少ないレパートリーを」、「何年かに一度」、「気が向いたときだけ振る」という、とんでもない人なのに、それでも、ものすごい人気がある。それは、一旦演奏すると、本当に「芸術は、爆発だ!」というような(いつも大きな音で演奏する、というような単純な話ではありません。)、全身全霊を込めた名演をするからです。

 私は残念ながら、生演奏を聴いたことがない。しかし、同じ指揮者のカールベームという人が亡くなったときに、カルロスクライバーが追悼演奏会を開きました。そのときの一曲がベートーベンの第4交響曲というのですが、これは、ベートーベンの交響曲の中でも最も地味というか、目立たない、派手さがない曲と見なされているのです。普通は。ところが、この時に、クライバーがバイエルン国立管弦楽団という一流のオーケストラを振った「4番」はすごい。この曲、こんな迫力のある曲だったのか、と唖然とします。そういう風に思わせる所が、才能です。

 終楽章(第4楽章)はもともとプレスト(きわめて早く)という指定なんだけれども、ここまで早く演奏したのは、後にも先にも聴いたことがありません。いくら名手揃いのバイエルン国立管弦楽団といえども、必死になって追いつこうとしているのが、よく分かります。

 4番の終楽章には、ファゴットの難しいソロがあります。短いのだけどね。指がややこしい。このCDがそのときのライブですが、ついにファゴットが吹ききれないで、音を飛ばすところがあります。この一流クラスのオーケストラでそういうことが起こるのは、きわめて珍しい。

 しかし、そんなことは問題ではない。ジャケットのクライバーの指揮姿を見て下さい。ものすごい集中、情熱の爆発が伝わってきます。このCDには演奏終了後の観客の熱狂的な拍手、ブラボー、絶叫も収録されています。

 まあねえ・・・。クラシックになじみの薄い方にベートーベンの4番というのも何だけど、この演奏はね。本当の名演です。滅多にありません。音楽とは本来、こういうものなのです。聴いてみて下さい。


2003年07月21日(月) 「けちな奴等だ。自分で自分のした事が云えないぐらいなら、てんでしないがいい」(坊っちゃん)

2004年07月20日(火) 「世論調査:内閣の不支持率44%に 支持率40%を上回る」そりゃ、そうなるでしょう。

◆記事1:(7月19日)世論調査:内閣の不支持率44%に 支持率40%を上回る(毎日新聞)

毎日新聞は17、18の両日、参院選の結果を受けた全国世論調査(電話)を実施した。小泉純一郎内閣の支持率は40%で、参院選期間中の前回調査(7月2〜4日)と同率だったが、不支持率は5ポイント増の44%と同内閣では過去最高になり、01年4月の内閣発足以来3年3カ月で、初めて支持率と不支持率が逆転した。年金制度改革法に関する設問では「法律をつくり直すべきだ」との回答が78%に達した。参院選で自民党が敗北したのに同法を見直す姿勢を見せないことへの反発などが不支持率を上昇させたとみられる。

 不支持率は6月調査から3回連続で上昇した。不支持と答えた人の93%が「年金制度改革法をつくり直すべきだ」と答え、不支持の中心的な理由になったことをうかがわせている。また、不支持の人の81%が自衛隊のイラク多国籍軍参加に「反対」と答えた。内閣支持率は、景気回復の遅れが響いた前回調査、田中真紀子前外相の更迭をきっかけに下がり続けていた02年6月調査と並んで過去最低だった。

 年金制度改革法については自民支持層でも「つくり直すべきだ」(65%)が「このままでよい」(28%)を大幅に上回った。「つくり直すべきだ」は民主支持層で91%、「支持政党なし」の無党派層で86%に上った。


◆記事2;(6月5日)年金改革法が成立 野党提出の決議は否決

 

年金制度改革関連法は徹夜の与野党攻防の末、5日午前の参院本会議で自民、公明両党の賛成で可決、成立した。ただ民主、社民両党が欠席した上、倉田寛之議長と民主党出身の本岡昭次副議長が議事をめぐって対立するなど憲政史上例のない異常事態となり、負担増と給付削減を求め国民生活に深くかかわる年金改革は大きな汚点を残した。

 保険料未納、年金一元化などの論議は深まらないまま終わった。

 野党は5日未明、倉田議長や坂口力厚生労働相、国民年金保険料未納閣僚ら11人の問責・不信任決議案を提出した。倉田議長、坂口厚労相以外は取り下げたが、午前4時20分すぎに開会した参院本会議では、倉田議長に代わって議長席に座った本岡副議長が直ちに散会を宣言し退席した。

 参議院規則第82条では「議事が終わったときは、議長が散会を宣告できる」と規定。この後、倉田議長が議事日程に上っている年金法案の採決が終了していないことから同規則に基づき散会宣言を無効とした。(共同通信) [6月5日11時59分更新]


◆記事3:(6月14日)多国籍軍参加、米兵輸送も従来通り 小泉首相

小泉純一郎首相は14日夕、多国籍軍に参加した場合、航空自衛隊が行っている米兵輸送などの「安全確保支援活動」について「今までと同じだ。日本の主体的な判断で、日本の指揮下で行う」と述べ、従来通りの活動が可能との認識を表明した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 これに関連して、細田博之官房長官は午後の記者会見で、自衛隊の活動内容や多国籍軍との関係について一両日中に政府の統一見解をまとめる考えを示し「明確な説明ができる」と強調した。

 多国籍軍参加の理由について「入らないことのデメリットがある。(活動継続は)新政府と何らかの取り決めを結ばない限りできないが、(主権が移譲する)6月末までには間に合わない」と述べ、自衛隊の法的地位を確保するために参加が必要との認識を強調した。(共同通信) [6月14日19時40分更新]


◆記事4;(7月12日)自民敗北、民主が50議席 改選で与党過半数割れ

第20回参院選が11日投開票され、自民党は選挙区、比例代表で49議席にとどまり、勝敗ラインの改選51(欠員含む)を確保できず、与党でも改選過半数割れした。民主党は比例第1党となり、改選38議席から躍進、自民を上回る50を獲得した。公明党は改選の10から11に増やす一方、共産党は改選15が4に減り、社民党も2で「2大政党」の流れが加速した。

 自公両党は非改選と合わせ、参院の安定多数(129)を占めたとして、小泉純一郎首相の続投方針を確認したが、2大争点となった年金、イラク多国籍軍への自衛隊参加問題が痛撃した形で、首相の政権運営は厳しさを増しそうだ。


◆記事5:(7月14日)年金法撤回せず=小泉首相と自公幹部確認

 

小泉純一郎首相は14日夜、都内の中国料理店で公明党の神崎武法代表、自民党の安倍晋三幹事長ら与党幹部と会談した、首相は、民主党が年金改革法の白紙撤回を求めていることについて「撤回の議論があるが誤った認識だ」と述べ、あくまで拒否する考えを示した。


◆コメント:普段おとなしい日本人がこれだけ怒っているのに、それが分からない、というだけで政治家の資質に欠ける。

 

今の日本って、小泉批判をするとサヨクになってしまうの?おっかないねえ。そのうち、治安維持法が復活するのかね。

 それはともかく、記事1は最新の世論調査の結果で、小泉政権の支持率を不支持率が初めて上回った。そして、全体の約8割の人が、「年金制度改革法を作り直すべきだ」と考えており、小泉不支持の8割が多国籍軍参加に反対している。

 記事2〜5は、このような事態を招いた歴史的背景を時系列的に並べたものである。

 記事2を良く読むとわかるのだが、年金改革法は、強行採決されたと思ったが、これは無効だね。一旦、散会しているでしょう。散会した後の採決は無効なんですよ。「倉田議長が議事日程に上っている年金法案の採決が終了していないことから同規則に基づき散会宣言を無効とした。」と書いてあるが法案採決が終了しなくても散会は出来るのですよ。だから、散会の取り消しは出来ない。従って、散会後に採決された年金改革法は無効だ。なんだよ、これ。インチキの手続きで法律が成立したなんて云うなよ。とんでもない話だぞ。

 記事3は小泉さんが調子に乗りすぎた好例である。はじめは、多国籍軍で人道支援活動だけをする(そんなことは出来るわけがないので、私は反対なのだが)と云っていたのに、ここでは、「米兵輸送も従来通り」だと。12月9日に小泉純一郎内閣総理大臣は、武器弾薬の輸送は行わないと明言したのです。米兵を輸送することは、武器弾薬の輸送を当然、伴う。小泉首相はこのようにして、どんどん約束を破ってゆく。


 

その結果、先週の参議院選挙がどのような結果になったか、忘れた人はいまい。記事4のとおりである。年金と多国籍軍参加に国民がこれだけはっきりNOという意思表示をしているのに、記事5に見られるように、それを無視して年金法を撤回せず、などというものだから、世論調査を見ると、ますます世論は激昂してきている。

 本当は、衆議院を解散して、民意を問うべきなんですがね。30日に臨時国会が始まってそれから解散して公示して、ということになると、選挙は夏休みの最後の頃となる。選挙運動をしても有権者は帰省中だったりして、訳が分からないことになる。投票率も上がらない。あまり現実的に有意義な選択とは言い難い。

 せめて、臨時国会で年金と多国籍軍はまともに議論してほしい。小泉首相はいまさらどうしようもないかもしれないが、あの詭弁を弄する癖は、止めろ。あれは、本当に国民をバカにしている。

 昨年の国会で、野党議員に「非戦闘地域を一つでも挙げることができますか」と問われ「私に分かるわけがない」と小泉首相が答えたときに、私は、これほど無責任な首相が存在して良いわけがないと思った。

 国会議員一人には、1日あたり40万円の税金が使われているのだからな。真面目にやれよな。


2003年07月20日(日) 人間を類型的に判断するべきではない。「素直な良い子」が、必ずしもキレる訳ではない。

2004年07月19日(月) アメリカはジェンキンスさんが脱走兵であると断定する根拠を示せ。無罪推定原則。

◆記事1;<米大統領>ジェンキンスさんは「脱走兵」との認識を強調(6月8日)

 

【サバナ佐藤千矢子】ブッシュ米大統領は8日の小泉純一郎首相との会談で、拉致被害者の曽我ひとみさんに対する「同情」を表明しながらも、夫のジェンキンスさんについては「脱走兵」との認識を改めて強調した。日本国内で訴追免除への期待が高まるのとは裏腹に、イラク問題を抱える米国が軍規律を厳格に運用しようとしていることを浮き彫りにした。


◆記事2:7月10日付朝日新聞より抜粋。

夫ジェンキンスさんは、1965年に北朝鮮に行った。当時、北朝鮮軍の侵入を防ぐために韓国に駐留していた米軍の軍曹だった。38度線付近をパトロール中に姿を消した。間もなく、北朝鮮側がラジオでジェンキンスさんの「亡命」を発表。その後、宣伝放送で米兵に逃亡を勧めたり、宣伝映画に出演したりしたと伝えられている。


◆記事3:「脱走兵の証拠ない」国防総省「手紙ない」と回答 ジェンキンス氏の甥が述べる(5月21日中日新聞)

【ワシントン=豊田洋一】拉致被害者、曽我ひとみさん(45)の夫の元米兵チャールズ・ジェンキンス氏(64)の甥で、米ノースカロライナ州に住むジェームズ・ハイマン氏(42)が20日、本紙の電話取材に応じ、「おじが脱走兵だという証拠を米政府は持っていない」と述べ、ジェンキンス氏が北朝鮮から日本に出国しても、米政府は脱走罪で起訴すべきでないと強調した。

 ジェンキンス氏は在韓米軍に配属されていた1965年、北朝鮮との間の非武装地帯で姿を消した。米軍は兵舎に残されていたという母親あての置き手紙を、脱走の根拠にしてきた。

 しかし、ハイマン氏が情報公開請求により、その手紙の開示を求めたところ、昨年3月に「国防総省からそのような手紙は存在しないと回答があった」という。


◆記事4;無罪推定原則「世界人権宣言」(1948年12月10日第3回国際連合総会において採択)より抜粋

第11条1項 犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する。


◆コメント:米国はジェンキンスさんを脱走兵と決めてかかっているが、証拠が無い。

 

日本のマスコミは、米国の云うことをそのまま受け入れて、ジェンキンスさんが「脱走兵」であるという前提で、報道を行っていて、日本国民もインターネットの掲示板を見ると、その前提に何も疑問を抱かず、「ジェンキンスさんは犯罪者なのだから、裁かれて当然」などと、分かったようなことを書いている奴が大勢いる。

 しかし、私はまずアメリカに問いたい。

「脱走兵」の定義はなにか?

ジェンキンスさんを「脱走兵」と断定する根拠はなにか?

 アメリカは、イラクに大量破壊兵器があるという証拠が何もなかったのに、「証拠はある」と大嘘をついてイラク戦争を開始して、イラク人を1万人も殺した国である。簡単に信用できない。


 

記事2にあるとおり、ジェンキンスさんは、1965年、38度線付近をパトロール中に行方が分からなくなり、3週間後に、北朝鮮がジェンキンスさんの亡命を発表した。

 普段は信用しない北朝鮮の発表を、アメリカは、こういうときだけ、何故、無条件に信じるのだ?そもそも自由世界から、わざわざ北朝鮮に「亡命」する人間がいるだろうか?その後、宣伝放送で米兵に脱走を勧めたりした、というが、北朝鮮に強要されれば、そうせざるを得ないではないか。要するに、彼も拉致被害者なのだろう。そんなこと、皆、想像がつかないかな。

 記事3は、アメリカの国防総省が唯一の脱走の証拠としていた「ジェンキンスさんが母親宛に書いた手紙」を保管していない、という。つまり、物的証拠は何もない。

 このように見てくると、アメリカは、北朝鮮が、「ジェンキンスさんは北朝鮮に亡命した」と発表した事実だけを根拠に、かれを「脱走兵」と見なしていることがわかる。そんな無茶苦茶な論理を通用させてはいけない。

 記事4。「疑わしきは被告人の利益に」とか「無罪推定原則」は誰でも聞いたことがあるだろう。これは、日本の国内法だけではなく、世界人権宣言で採択された、審理手続上の証明に関する原則なのである。国連総会がこの原則を採択している以上、国連加盟国は全て、「無罪推定原則」を前提に、司法手続きを行わなければならないのである。念のため書き添えると、米国も、日本も、国連加盟国である。

 従って、ジェンキンスさんが脱走兵であるという明確な証拠が提示されてもおらず、審理も行われていないのに、「ジェンキンスさんは米国へ身柄を引き渡されたら、厳しい処分を受けることは間違いない」などということを、公器たるマスコミが軽率に書いたり、放送すべきではないし、世論はジェンキンスさんは、無罪であると推定しなければいけない。それが正しい物の考え方である。


2003年07月19日(土) 小泉首相答弁 大量破壊兵器で「強弁」根拠「水かけ論だ」 ←どういう思考パターンなんだ?

2004年07月18日(日) <曽我さん一家>インドネシアを出発 今夕、羽田に到着 一家が再び離散するようなことがなくて、本当に良かった。

◆記事: <曽我さん一家>インドネシアを出発 今夕、羽田に到着

【ジャカルタ西脇真一】拉致被害者の曽我ひとみさん(45)と夫ジェンキンスさん(64)▽長女美花さん(21)▽ニ女ブリンダさん(18)の一家4人は18日午前8時36分(日本時間同日午前10時36分)、ジェンキンスさんの日本での治療のため、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港から政府がチャーターした日航機で出発した。同日夕、羽田空港に到着し、そのまま東京都内の病院に直行する予定。

 出発にあたり曽我さんは「インドネシアでの10日間は、私たち家族にとって生涯忘れることのできない良い思い出となると思います」などと、同国政府や国民、在留邦人に感謝するメッセージを発表した。

 午前7時15分、家族は滞在先のホテルのロビーに姿を見せた。ジェンキンスさんは曽我さんと手をつなぎ、つえを片手にゆっくり歩いた。後に美花さんとブリンダさんが続いた。ジェンキンスさんはグレーのスーツ姿で北朝鮮のバッジは外していたが、美花さんとブリンダさんはブラウスに着けていた。

 曽我さんは歩きながら「ありがとうございます」と述べ、ジェンキンスさんは玄関まで来ると後ろを振り向き、手を振りながら日本語で「サヨナラ」と声を上げ、空港行きのバスに乗り込んだ。(毎日新聞) [7月18日11時21分更新]


◆コメント:何とか、曽我さんが平穏に暮らせますように・・・。

 

本当は、ひどい話なのである。曽我ひとみさんは、日本国の主権を侵害して領土に侵入した北朝鮮工作員により、勝手に外国につれて行かれた。祖国の日本は、事態を知りながら、数十年間、彼女を見放した。

 それでも、曽我さんは北朝鮮で家族をつくって暮らしていた。1年9ヶ月前に小泉首相が突然やってきて、金正日の意向で、彼女だけ、突然祖国に帰ることになった。日本に帰ることが出来たのはよかったが、夫と娘には1年9ヶ月連絡も取れなかった。その間の不安と焦燥は察するにあまりある。

個人の意向を完全に無視した、日本と北朝鮮政府の都合によって、家族は引き離されたのである。

 北朝鮮との交渉は遅々として進まなかったが、選挙前の人気取りを目的とした小泉首相の再訪朝により、一家の再会はあっさり実現した。日本国が早くからもっとやる気を出していたら、1年9ヶ月もの間、この一家に苦難を与えずに済んだ筈だ。


 

だから、曽我さんにしてみれば、すべて理不尽なことの連続であるが、上に引用した記事にあるとおり、曽我さんはひたすら、周囲への感謝の意を表している。本来、曽我さんは被害者なのであって、そんなに平身低頭する必要はないのである。

 曽我さんがやたらと低姿勢なのは、そうしないと叩かれることを、イラクでの日本人人質事件などを見て、学んだからだろう。日本人にはそういう嫌らしさ、醜さ、がある。他の帰国した拉致被害者が、地元の市役所に就職したときに「世の中が不況で失業者も大勢いるというのに、良いご身分だな」という嫌がらせの電話があったという。何という狭量さ、卑怯さであろう。

繰り返すが、家族が一緒に暮らすのはあたりまえで、それを早期に実現できなかった日本政府が悪いのである。(勿論一番悪いのは、北朝鮮だが)。曽我さんは悪くない。今までの苦労を思えば、インドネシアで滞在したのが高級ホテルだったとしても、それぐらいの恩恵を受けたっていいじゃないか。1年9ヶ月前に、帰国した直後、佐渡の曽我さんの家には暖房設備が何一つ無かったというのだから。政府もちゃんと面倒見ろよ。今までほったらかしにしすぎだったんだよ。

 私が何を言いたいかというと、曽我さん一家の一挙手一投足が、詳細にテレビで報道されているが、彼女たちが帰国してから、嫌がらせをするようなまねは、人間の心を持った生き物ならば、絶対にするべきではない、ということだ。それが心配なのだ。

 夫のジェンキンスさんは相当身体の具合が悪いようだ。北朝鮮ではジェンキンスさんは、かなり厚遇されていたようだが、北朝鮮の医療体制そのものが劣悪だから、4月に行った開腹手術の縫合痕が化膿して、未だに治っていないという。なんだ、そりゃ。話にならない低レベルじゃないか。氏の年齢を考え、あの衰えた様子を見ると、危ないかもしれない。

 曽我ひとみさんはすでに覚悟しているのだろう。それが、「インドネシアでの10日間は、私たち家族にとって生涯忘れることのできない良い思い出となると思います」というメッセージになったのだろう。泣ける。

 そしてまた、曽我さん一家が帰国の途に就いたことをテレビで見ていた横田めぐみさんのご両親はわがことのように、嬉しそうな様子を見せていた。自分の娘については、生死さえ判明していないのに、他人の幸福を喜べるとは、何と、立派なことか・・・。


 

人の世はどうしてかくも理不尽なのか。


2003年07月18日(金) 病気や病人を理解しようとしない者は怠け者である。

2004年07月17日(土) 「社保庁328人が個人情報閲覧、500人以上処分へ」政治家の狡猾さは殆ど芸術的だ。

◆記事1:「社保庁328人が個人情報閲覧、500人以上処分へ」

厚生労働省は16日、社会保険庁職員が業務外で個人の年金加入記録を閲覧していた問題の内部調査結果を発表し、同庁職員328人の業務外閲覧が判明した。坂口厚生労働相は幹部と職員の処分を行った。

 同庁の真野章長官を訓告し、給与返納(俸給月額の10%)1か月としたほか、霜鳥一彦社会保険業務センター所長ら8人と、実際に閲覧した職員11人を厳重注意処分にした。最終的な処分者は500人以上となる見込みだ。

 内部調査によると、業務外閲覧した職員328人のうち、社会保険業務センター職員は11人で、残る317人は地方の社会保険事務局や社会保険事務所に勤務する職員だった。


◆記事2:年金改革法、条文ミスは40か所…政府発表・修正へ

 政府は16日、年金改革関連法を精査した結果、条文の直し漏れが計40か所にのぼったと発表した。

 国民年金法や厚生年金保険法などを改正する法案を作成した際、新たな条文を挿入したことにより、前後の条項にずれが生じる誤りが30か所あった。このほか、正確な定義をせずに法律の略称名を用いるなどの軽微なミスが10か所あった。

 条文の直し漏れについて、政府は30日召集予定の臨時国会で、衆参両院の議院運営委員会理事会の了承を得て、ただちに官報に正誤表を掲載して修正する方針。新たな法改正は行わない考えだ。

 細田官房長官は16日、年金改革法の条文直し漏れ問題で、秋山收内閣法制局長官を訓告処分とした。法案審査の監督責任が理由だ。秋山長官は内閣法制局の阪田雅裕次長、石木俊治第4部長、大沢範恭参事官をいずれも訓告処分とした。秋山長官と阪田次長、石木部長は、給与の一部(俸給月額の10%)を1か月返納する。

 内閣法制局で法案審査事務を巡り処分者が出るのは初めてだ。

(読売新聞) [7月17日0時0分更新]


◆コメント:政治家は、これで、「年金関係の役所は厳しく監督している」というつもりなのですよ。

 記事が長いので、要点をまとめると、

1.社会保険庁の職員328人が興味本位で(この記事には書いてないが)有名人の年金加入記録を閲覧していたのは、けしからんと言って、処分する。処分と言っても、社会保険庁長官が一ヶ月、10%の減俸になるだけ。実際に閲覧していた職員のうち11人は「コラッ」としかられるだけ。

2.年金改革関連法の条文を作成していた厚生労働省の事務方が、新しい条文を挿入したことにより、現行法の中で、修正しなければいけない箇所が沢山出来るわけです。これは、年金関連法に限ったことではなくて、どんな法律でも改正があれば、このような作業が必要になる。それは普通のことだけれども、今回、こういう作業で、ミスが40カ所以上も発見されたということ。で、ミスをした事務方を処分するという。しかし、これも、訓告と、給料の10%を返納させるだけ。


◆ごまかすのは、よせ。

 

現在の国政において、社会保障問題の本質は、先の参議院選挙で、年金関連改革法案に対して国民が異を唱えたことである。、政治家が行うべきなのは、本案をもう一度審議し直すことである。

 ところが、昨日の日記で書いたとおり、自民党・公明党は年金法案を撤回する気はない。しかし、国民の年金に対する目は厳しいことは承知している。

そこで考え出したのが、事務方の木っ端役人のミスを厳しく(全然厳しくない。訓告と、給与10%返納)監督していますよ、というポーズを大げさに報道させて、国民の怒りの矛先をかわそう、ということだ。

 こういうのを、「国民を愚弄している」というのだ。このような、あまりにも魂胆が見え透いた小手先の「処分」で、ごまかされるほど、国民はバカではない。

 まず、社会保険庁で、有名人の年金加入状況を個人的興味で閲覧していた328人とはまた、随分細かいね。どうやって特定したのであろうか?そういうことを突き止めることができるのならば、今まで、どうして年金未加入、未納者の発見にそのエネルギーを注がなかったのか。その怠慢が責められて然るべきである。

 それに、社会保険庁の職員が突然、「個人的興味から閲覧」し始めたわけではあるまい。ずっと前からやっていたに決まっている。そういうことが出来るというのは、仕事がヒマである証拠だ。減俸じゃなくて、職員を減らすべきだ。


 

2.の内閣法制局に対しても、同様のことがいえる。年金改革関連法に限って、有史以来初めてミスをしたのではないだろう。細かい事務作業を人間がやっているのだから、いままでも他の法律で同様の見落としがあったに違いない。

 ミスをするのはある程度仕方がない。しかし、今までに、このようなミスが報道されたのを、見たことも聞いたこともない。これは、問題だ。何も知らされぬまま、こっそりと訂正されていたのだろう。

間違いが発見されるまでの間に、間違った条文によって不利益を被った国民がいたに違いない。ヤブヘビでしたねえ。野党はこの点追求するがいい。

 繰り返すが、以上は事の本質ではない。

 本質は、「年金改革関連法そのものが再審議されなければいけない」ということだ。それをテレビも新聞もキャンペーンしろ、と云いたい。真実の報道も結構だが、「有るべき形」を示すのもマスコミの役割だ。マスコミが云わないなら、国民が気がつかなければいけないのである。


2003年07月17日(木) 「勤勉さ」の正体  誰のために生きているのか。

2004年07月16日(金) 「年金法廃止要求は拒否 自公党首が確認」 何のための選挙だったんだよ。

◆記事:年金法廃止要求は拒否 自公党首が確認

小泉純一郎首相は14日夜、都内のホテルで公明党の神崎武法代表らと夕食をはさみながら会談し、民主党が求めている年金制度改革法の廃止には応じない方針を確認した。

 年金改革では(1)与党と民主党の3党合意に基づいて、社会保障制度全般を見直す協議に民主党の参加を呼び掛け、建設的に議論する(2)社会保険庁の「解体的な見直し」を断行する−ことでも一致した。

 参院選結果については「非改選を合わせて自民、公明両党で安定多数を確保した。逆風の中でも政府、与党の政策全般は支持された」との認識で一致。自公で結束して政権運営に当たるとともに、年金改革や自衛隊のイラク多国籍軍参加について国民の理解を求めていくことでも合意した。


◆記事2:自民支持率、初の首位転落 内閣不支持は5割 本社調査 (朝日新聞)

 

参院選の結果を受け、朝日新聞社は12日から13日にかけて緊急の全国世論調査を実施した。政党支持率で民主が29%、自民が27%となり、55年の保守合同以来初めて自民が他党を下回った。選挙結果で民主が自民を上回ったことには、62%が「よかった」と肯定的だった。参院選の大きな争点になった年金問題については、さきの国会で成立した年金改革法を「白紙に戻した方がよい」と撤回を求める回答が79%にのぼった。小泉内閣の支持率は39%で、不支持率は50%と初めて5割台に達した。


◆コメント:5日前の選挙で、国民は今の年金法と多国籍軍に反対の意思を示したではないか。

 

選挙の日の日記に書いたが、繰り返す。参議院で今回、改選しなかった議席と合計すれば、自公で過半数を確保している。これはストックである。しかし、自民党は改選議席を確保出来ず、民主党はなんと38議席から50議席にまで、数を増やした。この、流れ、フローをよく見ろ、と小泉純一郎内閣総理大臣に訴えたい。

 記事2の世論調査の結果を見ても、年金改革法の撤回を求める国民の回答がなんと、8割に達している。これらの情報を与党首脳が知らない筈がない。

 要するに小泉首相の3年間、とりわけ最も最近の懸案事項である。年金改革と自衛隊の多国籍軍参加を、首相だけの裁量で決めてしまったことに、国民は怒っているのである。

 主権者たる国民の意向を問うのが国政選挙であり、今回ほど、時の政権に対する評価が明らかに現れた選挙は少ない。

 にも関わらず、自公連立与党は、主権者の意思を無視して、以前の政策を遂行しようとしている。これは民主主義ではなく、最早、独裁政治である。とんでもないことだ。


2003年07月16日(水) 幼児殺人の詳細を報道するのはやめろ。結局単なる好奇心じゃないか。

2004年07月15日(木) 「逆風の中、よく頑張った」(小泉首相)←久々に笑ったよ。ありがとう。

◆記事:小泉首相:「逆風の中よく頑張った」すり替え発言連発

小泉純一郎首相は参院選での自民党敗北を受け13日、「逆風の中でよく頑張った」との発言を連発した。年金問題や自衛隊の多国籍軍参加など政府自身の対応が逆風を生んだことを無視して健闘を強調するすり替え論理だけに、「典型的な詭弁(きべん)」(民主党幹部)との批判も出そうだ。

 首相は同日の閣僚懇談会や政府与党連絡会議で「逆風の中でよく頑張ったと思う。改革に取り組む考えは変わらない」と強調、自民党の49議席獲得は善戦とアピールした。

 閣僚からも「強気論」が飛び出している。公明党の坂口力厚生労働相は同日の記者会見で「年金への批判があるなら、私のところが一番(票が)減って共産党が一番にならねばならないが、逆だった」と強引な論理を展開し、年金問題が逆風を生んだとの見方を否定した。

 ただ、さすがに謙虚に反省を述べる声も一部の閣僚にはあり、金子一義・行政改革担当相は「構造改革の3年間の評価が必ずしも理解されていないという意味で負けは負け」と指摘。亀井善之農相は「イラク、年金など説明不足であったという点は十分考えられる」と述べ、政策課題をめぐる政府・与党の説明不足に言及した


◆コメント:何でも「プラス思考」ならば、いいってものではない、という見本。

 

巷の書店には、必ず「自己啓発」(私の大嫌いな言葉・・・)のコーナーに「プラス思考のすすめ」という類の本がたくさん、並んでいる。いつも見かけるということは、売れるのだろう。

 人生においては、過度に悲観的だったり、過去の失敗に拘泥するのは、確かにあまり、生産的ではないし、何よりも本人が、いつも不安や後悔にさいなまれていて、損だ。しかし、だからといって、世の中なんでもプラス思考すればよいというものではない。

 本日、冒頭に掲げた小泉首相の言葉は単純バカのプラス思考のはた迷惑がどういうものかをよく表している。「逆風」を招いたのは、他ならぬ小泉首相自身の思慮不足の言動や政策、強引な国会運営が招いた結果であるにも関わらず、この人は、あたかも、自然災害に遭ったかのような口ぶりである。自民党員は全員、「負けたのはおまえの所為だろ!」と思っているはずである(でなければ、バカだ)。

 人間、失敗したときには、反省して、しかし、ただ無闇に落胆するだけではなく、何故失敗したか、を分析することによって経験を積み、思慮深くなっていくものであるが、小泉純一郎内閣総理大臣は、可哀相に、還暦を過ぎても、この基本的な人生の知恵を学んでいないようだ。そういう人をいつまでも日本の宰相にしておくのは、恥ずかしい。


◆郵政3事業民営化のギャグ、いい加減にしなさい。

 

小泉政権の次の「改革」の目玉は、郵政事業の民営化である。郵政3事業とは、郵便、郵便貯金、簡易保険のことである。つまり、これらを民間企業にするということである。

 郵便事業はさておき、郵便貯金と簡易保険はいずれも金融業である。従って、民営化されれば、市中銀行や、民間生命保険会社と同様に、金融庁による特別検査を受けなければならない。

 金融業を営むに当たっては、国際決済銀行(BIS)のバーゼル銀行監督委員会が決め、主立った国々の金融監督当局が合意した、国際的な基準(BIS規制)をクリアしなければならない。それは、国際業務を営むのであれば、自己資本比率が8%、国内だけで営業するのなら、自己資本比率が最低4%に達していなければならない。

 昨年、りそな銀行が国有化されたのは、銀行が決算書を作成して、それを監査法人(公認会計士がたくさんいる会社で、企業の経理が正しく計算されているかどうか点検する)が調べたら、自己資本比率が4%に達しているとは認められない、と、判断したからである。

 その結果、銀行を監督する役所である、金融庁が公的資金(税金)をりそな銀行に注入して、自己資本を増強して、つぶれないようにし、その代わり、あとはりそなに任せられない。国の銀行として常時監督する、という決定がなされたのである。

 何故、銀行はつぶさないのか、というと、銀行は銀行間取引で他の銀行(海外も含む)から資金を借りたり、貸したりしているので、りそながつぶれると、海外の銀行が資金繰りに窮してつぶれてしまうかもしれない。また、銀行は国内経済においても、決済機関としての役割があるから、うっかりりそなをつぶすと、りそなに当座預金を持っている会社は、不渡り手形を出すことになる。このように、一つの銀行がつぶれると、ドミノ式に、日本と世界が大混乱におちいるのだ。


 

さて、郵政事業民営化に話を戻そう。郵貯と簡保が民間金融機関になったらどうなるだろう?郵貯と簡保が国民から預かったおカネは、財政投融資といって、国の事業に貸している。最も大がかりなのは、道路公団への融資だ。その金額は40兆円にものぼる。全然返済されていない。不要な高速道路を建設し続けている所為だ。

 返済されない債権であるから、不良債権だ。すごい金額である。そして、注目すべきは、郵貯、簡保の自己資本比率は0.8%しかない、という事実である。

 りそなは、自己資本が4%に少し満たなかったということで、公的資金注入→国有化という経緯をたどったのは、今述べたとおりである。郵貯・簡保は0.8%。ここに、金融庁の検査が入る。あっという間に、公的資金注入→国有化。

 なんだよこれは、すごろくか?「ふりだしにもどる」か?

 小泉改革とか云っているが、まじめにやってくれよ。公約にギャグを入れるのは止めてください。


2003年07月15日(火) 「嫌な事があったら、何か人に親切なことをしなさい」(小学校の担任の先生)

2004年07月14日(水) UFJいじめもいい加減にして、国の700兆円の借金はどうするのですか?小泉さん。

◆記事1:UFJ、三菱東京と統合へ

経営立て直しを迫られている大手銀行グループのUFJグループは14日、三菱東京フィナンシャル・グループに対し、経営統合を申し入れることを決めた。不良債権比率が8・5%と4大銀行グループで突出して高いUFJは、単独の生き残りが困難と判断した。UFJ信託の住友信託銀行への売却は、白紙撤回する意向を住友信託に伝えた。経営統合が実現すれば、総資産は約190兆円と、みずほフィナンシャルグループを上回る世界最大の銀行グループが誕生、日本の4大銀行グループは3つに再編される。


◆記事2:(6/18)検査忌避など4項目、UFJに改善命令・金融庁発表

 

金融庁は18日、UFJホールディングスとUFJ銀行に対し、同庁の検査を通じて貸出先に関する資料を組織的に隠ぺいしていたなどとして、検査への対応など4項目で業務改善命令を発動した。7月下旬までにそれぞれの改善計画を作るよう求め、四半期ごとに進み具合を点検する。銀行に4つの改善命令が同時に出るのは初めてで、異例の重い行政処分。2004年3月期に大幅赤字を計上したUFJは経営の健全化に加え、信頼回復も急務となる。


◆記事3:(7/3)UFJ筆頭株主のモナコ投資会社、株保有率引き下げ

 

UFJホールディングスの筆頭株主であるモナコの民間投資会社、ソブリン・アセット・マネジメントが2日、UFJ株の発行済み株式数の保有比率を5.11%から3.92%に低下させたことが明らかになった。UFJが今後、増資に踏み切ると1株あたりの価値が希薄化するため、ソブリンは増資に先立ちUFJ株を売却し利益を確定したとみられる。


◆記事4:(7/7)プロミス、UFJと提携解消交渉へ

 

消費者金融大手のプロミスはUFJ銀行との提携を見直す方向で交渉に入る。両社は消費者金融会社「モビット」を共同出資で運営しており、プロミスは近く、モビットの共同出資関係の解消についてUFJに交渉を申し入れる。プロミスは6月に三井住友フィナンシャルグループの出資を受け入れることで合意、UFJとの提携見直しが必要と判断した。ただ、UFJ銀の親会社であるUFJホールディングスは7日、「モビットは重要な戦略会社で、UFJ側から資本関係を見直すつもりはない」との見解を示しており、交渉は難航が必至だ。


◆コメント:金融庁に睨まれて、行き場を失ったUFJ

 

記事1は、今日のトップニュースだから、皆さんご存じだろう。

 何故、UFJが東京三菱に身売りしなければならなくなったのか?その事情が記事2〜4に(これだけではないけれども)載っている訳です。

 UFJは何故このような決断をせざるを得なくなったか?

 非常に単純化して云えば、金融庁の検査で散々いじめられたからである。

確かに商売も他のメガバンクに比べると下手なのだが、金融庁の検査の際に資料の一部を隠した、というのが、お役人さんの逆鱗に触れたのですね。金融庁は、刑事告訴も考えるなんていうものだから、真っ青だ。そしてそれが引き金になって、6月18日に一度に4つも業務改善命令を出された。それが記事2だ。

 日本の銀行には昔から、大蔵省(現在の財務省)や日銀が検査に入っているのだが、こんなのは前代未聞。もう、死刑宣告みたいなものだ。4つの項目について、7月20日までに経営健全化計画を提出しろ、という。具体的には、不良債権を減らす方法、収益(儲け)をもっと出す方法、中小企業向け融資を増やす方法などを、1ヶ月で考えろ、と云われたわけである。無理に決まっている。

 記事3は、UFJの筆頭株主が、成り行きを見て、株を売りに出した。あまりUFJの株を持っていると危ないと思われてしまった。それが、他の投資家にも影響する。UFJの株価はますますさがる。という悪循環に陥った。

 記事4はなんと提携先のサラ金にまで、見放されたということで、失礼だが、相当、惨めである。プロミスはUFJはやめて三井住友銀行と提携することに決めた。


◆銀行いじめは大衆ウケする、「小泉改革」のシンボルマーク

 

小泉さんは、内閣総理大臣になった時、自分では低迷する景気を、どうしたらいいか解らなかった。この人は、何も知らない人だ。

 そこで、竹中さんを登用し、銀行を締め付けて、無理矢理不良債権を減らした。結果多くの会社がつぶれたが、小泉さんはそんなことはどうでもよい。「銀行の不良債権を減らし、景気拡大への端緒を作った」とアピールできる。改革の中でも一番解りやすい。「不良債権額」という数字を見せればよいのだから。

 政治家は狡猾だ。小泉首相は経済そのもののことは、多分全く解っていないが、一般国民が、給料の高い銀行員に反感を抱いており、銀行が叩かれれば喜ぶことを知っているのである。

 参院選で敗北はしたが、改革を進めているということをとりあえず世間にアピールしないといけない。竹中金融相は、13日、わざわざ「UFJには、しっかりとした業務改善計画を提出してもらいたい」と、とどめを刺すような発言をしていた。なんだか、あまりにもUFJいじめが激しいな、と私は思っていた。そうしたら今日の大ニュースである。


◆民間の改革は進行しているが、財政はさっぱりじゃないか。

 

兎に角、竹中大臣がハッパをかけて、せっせと4大メガバンクをいじめた結果、殆どの銀行の不良債権は減り、収益は改善し、自己資本比率も高まった。

しかし、国の金庫番は何をしているのであろう。国の借金は700兆円。人間はあまりにも大きい数量は実感が沸かないので、あまり騒ぎにならないが、クーデターが起きてもおかしくないぐらいの、もう日本はおしまいだというぐらいの超、超、超弩級の大借金を抱えている。これは、ひとえに内閣総理大臣の責任である。

 しかし、参院選の最中、自民党の人間で、この700兆をどうやって返済するのか。財源と返済計画を示した人を、私は知らない。

 これだけUFJいじめをするなら、国の財政も何とかしろよ。小泉さん。500万円以上もボーナス受け取っていたけどさ。率先垂範する気が無いのだよね?貴方は。

 伊藤忠商事の丹羽社長なんか、業績が低迷した会社を建て直すという難事業に成功した人だが、社長に就任してから1年半、無給で働いていたのですよ。そして、社長の送迎車も廃止。天下の伊藤忠商事の社長が電車通勤していたのですよ。

 「聖域無き構造改革」というのは口先ばかり。小泉首相本人は聖域なのだ。「人生いろいろ」発言もその現れ。指導者として失格だ。


2003年07月14日(月) 「人命救助で中学1年の兄と小学校5年の妹に感謝状 埼玉」世の中、捨てたものじゃないよ。

2004年07月13日(火) 「予想外れ1000円取られた」(麻生総務相) 小泉内閣、失言暴言の系譜。

◆記事1;「予想外れ1000円取られた」参院選議席で麻生氏発言。

 

麻生太郎総務相は13日の記者会見で、参院選の議席予想に絡み「おれも(予想議席数を)入れたんだけど、外れてカネを取られた。1000円取られた」と述べ、議席予想で金銭を賭けていたと受け取られる発言をした。選挙執行を管轄する総務省の責任者としては不謹慎だと批判を集めそうだ。
 細田博之官房長官は同日午後の記者会見で麻生氏発言について「本人に確認したわけでないが(麻生氏側から)伝わってきているところでは、冗談めかして自分もここまでの議席は予測していなかったとの趣旨で言ったようだ」として、賭けの事実は否定した。


◆記事2:「集団レイプは元気があって正常」自民・総務庁長官(2003年11月2日の記事)

自民党の太田誠一元総務庁長官は10月26日午後、鹿児島市内のホテルで開かれた少子化問題などをめぐる討論会で、イベント企画サークルメンバーの早大生らが女子大生を集団暴行した事件について「集団レイプする人はまだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と述べた。


◆記事3:「自衛隊の行く所、活動する所が非戦闘地域だ」石破防衛庁長官(2003年12月5日)

石破茂防衛庁長官は5日夜のテレビ東京の報道番組で、イラクに自衛隊を派遣する際の条件となっている「非戦闘地域」について「自衛隊の行く所、活動する所が非戦闘地域だ」と述べた。イラク復興支援特別法上の「非戦闘地域」という考え方が、治安の実態よりも観念的な概念であることを事実上認めた。

 さらに「自衛隊の活動が憲法の枠内で行う、ということが、非戦闘地域という意味だ。安全な所などとは1度も言ったことがない」と強調した。

イラクの治安の悪化に関しては「100パーセント安全な地域など地球上にない。東京でも女子中学生が突然襲われた」と反論。


◆記事4:「どの地域でもテロが起こる可能性はある。国民の皆さんも心構えを」(小泉首相 2004年3月26日)

2004年3月26日、予算成立の日、小泉首相は「どの地域でもテロが起こる可能性はある。国民の皆さんも日頃から外出する際に心構えを」と呼びかけた。


◆記事5:◇首相「人生いろいろ、社員もいろいろ」◇岡田代表「それが総理の言うことか」(2004年6月2日)

 

小泉純一郎首相=と岡田克也民主党代表=が2日、衆院決算行政監視委員会で、初の「直接対決」に臨んだ。約1時間の応酬は当初、淡々と進んだが、残り5分になって首相の厚生年金加入時に勤務実態があったかどうかをめぐって白熱。首相が「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろ」と開き直ると、岡田氏は「それが総理大臣の言うことか」と声を荒らげ、質問を打ち切った。


◆記事6:「元気な女性多くなったのか」 佐世保事件で井上防災相 (2004年6月4日)

 

井上防災担当相は4日午前の閣議後の記者会見で、長崎県佐世保市で小学6年生の女児が同級生の女児にカッターナイフで切られて死亡した事件について「元気な女性が多くなってきたということですかな」などと語った。これに対して細田官房長官は「誤解される発言。訂正すべきだ」と求めたが、井上防災相は「真意が伝わっていない」などとして、訂正や撤回には応じない考えを示した。与野党からは軽率な発言との批判が出ており、今後も尾を引きそうだ。


◆記事7:谷垣財務相:「放火は女の犯罪」「首切り男の犯罪」講演で(2004年6月5日)

 

谷垣禎一財務相は5日、岡山市内で自民党支持者らを集めて開かれた講演の中で、長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件について井上喜一防災担当相が「元気な女性が多くなってきた」と発言したことに関連し、「八百屋お七」を例に挙げて、「若いころ、放火は女性の犯罪だった。男もやりますが、どちらかというと女の犯罪。カッターナイフで首を切るのは女性もやるが、圧倒的に大人の男の犯罪でした」と述べた。


◆コメント:こうしてみると、小泉首相の下で、いかに自民党が慢心していたかが解る。

 

時系列で並べるならば、麻生大臣の1000円発言は一番下に来るべきだが、選挙で負けてもまだ、懲りないバカがいる、ということで、一番上に置いた。これをきっかけに、過去の、閣僚の問題発言を並べてみた。小泉政権がいかに「いい気になっ」ていたか。傲慢だったかがわかる。

 今日の麻生大臣は1000円が問題なのではない。どうせ賭けていたに決まっている。それはどうでもいい。問題なのは、自民党の、不真面目な、へらへらと国民をナメきったような態度が国民に嫌悪されているということが、麻生氏はまだ、解っていない、という事実だ。もう少し利口な人かと思った。


 

記事2,6,7はいずれも犯罪に言及したものだが、そのすさまじい無神経さに改めて驚く。自民党員の諸君は、つい、数日まで、順風満帆と思っていたわけで、その気持ちが絶対にこれらの失言の根底にある。人間、慢心すると、ここまでバカで不謹慎な言葉を口にしてしまう。しかも、若造じゃない。いい年をした大人が、である。権力の持つ恐ろしさの、一つの現れ方、といっていい。


 

記事3は石破防衛庁長官の発言だ。これは、厳密には失言ではない。自分で十分に意味が解った上であえて、「自衛隊のゆくところが、非戦闘地域だ」と述べているのである。イラク復興支援特別措置法で何のために、戦闘地域と非戦闘地域を区別したのか、これでは、意味がない。サギである。こういうことを平然と言ってのけるのも、小泉内閣がまだ高い支持率を保持していたためである。

 それにしても、自衛隊が戦地へ赴く危険を、東京で女子中学生が通り魔に襲われた事件を引き合いに出して、「どうせどこにいても危険なのだから、イラクへ自衛隊を送っても良いではないか」という粗雑、かつ幼稚な論理には驚く。自衛隊は日本が戦争に巻き込まれるかもしれないという問題。通り魔の危険は犯罪対策の問題であるのに、2つを同一視するすさまじいバカさ加減。


 

しかし、私が一番腹が立つのは、記事4と5である。

 記事4「テロが日本でも起きる可能性があるから、皆さんも気をつけるように」。一体誰の所為で、日本がテロの危険なんかに晒されなくてはならなくなったのだ?大量破壊兵器がないことが明らかになったのに、まだアメリカを支持して、自衛隊をイラクに派遣した、小泉純一郎内閣総理大臣、貴方自身ですよ。日本人の生命を脅かしているのは。

 そして、記事5。かの有名な「人生いろいろ」発言だ。何がけしからんのかは、岡田氏の一語で十分だが、たとえ過去のこととはいえ、一国の宰相が、法律を悪用して給付を受ける権利の無い年金を受け取ろうとしている。そして、それが、何故悪いかわからないという。

 やはり、こういう人間が指導者になってしまったのが、日本の不幸の始まりだったのだ。


 

先日、同じ職場の人が病気で亡くなった。実直な人だった。30年もまじめに勤めてきた。皆、葬儀に参列したが、翌日からは、何事もなかったかのように、関係ない話題で、談笑している。亡くなった人など、どうでも良いのだ。

 サラリーマンの小遣いは3万円を切った、と、先日のニュースが伝えていた。まじめに税金や保険料を納め、家族を養い、子供に教育を与え、小遣いを与え、PCや携帯をかってやり、自分は1日千円も使うことができぬ。それでも、我慢して働く。こうした人間が日本を支えている。しかし、死んでも、誰も何とも思わない。空しいものよ・・。働いてないチンピラは偉そうなこと書くなよな。


2003年07月13日(日) 「CIA長官が責任認める イラク情報ねつ造問題で」 ブッシュ、卑怯だぞ

2004年07月12日(月) 「『日本にはがっかり』 陸自活動にムサンナ州知事」サマワの宿営地には300億円以上の税金が使われている。

◆記事1:「日本にはがっかり」 陸自活動にムサンナ州知事

 

【バグダッド12日共同】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワを州都とするムサンナ州のハッサン知事は、12日付イラク有力紙アッサバハのインタビューで「日本にはがっかりした」と述べ、治安の悪化から活動を縮小している陸自への失望感を率直に表明した。

 陸自の支援活動受け入れ先の行政トップが公然と失望感を表明したのは初めて。

 知事は同紙に「陸自の活動は学校やいくつかの病院の修復などに限られている」と述べ「ムサンナ州の社会基盤建設で、われわれは陸自やオランダ軍が実質的な活動をしていると感じることはできない」と指摘した。

 「経済大国」日本からの人道支援が深刻な失業問題などを解消してくれるとの地元の過剰な期待に加え、陸自の活動がほとんどサマワ郊外の宿営地内に限定されていることが背景にありそうだ。(共同通信) [7月12日16時42分更新]


◆記事2:舌戦録:参院選 石破茂・防衛庁長官(毎日新聞)

 ◇どこが憲法違反だ

 石破茂・防衛庁長官「『イラクから自衛隊をすぐ引き揚げろ』と民主党候補は堂々と言ってはばからない。外交政策に責任を持つ政党が社民党や共産党と全く同じ主張をして、憲法違反だとどうして言えるのか。病院を直し、医療指導をし、学校を直し、サマワの人の願いに応えるため暑さの中を自衛官は頑張っている。どこが憲法違反なんだ」(岡山市の街頭演説)

毎日新聞 2004年7月9日 東京朝刊


◆コメント:やっぱりね・・・・。

 

記事2に載っている石破防衛庁長官の言葉を素直に信じると、さも、自衛隊は毎日サマワの町のあちこちで、壊れた病院やら学校を直し、医療支援を行い、地元の人々に感謝されている(とは云っていないけれども)のか、と想像する。

小泉首相も人道復興支援という言葉を何度発したかわからぬ。しかし、3ヶ月の任務を終えてきた陸自の報告は、全く国民の耳に届かなかった。私もいろいろと記事を検索してみたが、サマワの陸自がなにをしているのか、具体的な成果がさっぱり解らなかった。

 これは、おかしい。陸自の宿営地を建設するのに3百数十億円を費やしているし、滞在費用は云うまでもなく、国民が納めた税金で賄われている。

 そして、小泉内閣総理大臣は繰り返し、「戦争に行くのではない。人道支援に行くのだ」と云っていた。だとすれば、軍事的な機密事項には該当しないはずである。陸自がサマワで行った活動の成果は国民に知らされるべきであるが、全く何の報告もない。

民間企業で会社のカネで海外出張して、出張報告を出さないということは許されない(少なくとも、私の勤め先では、そうだ)。こういう所が、小泉政権は誠にいい加減である。


 

と思っていたら、報告がない理由が、記事1を読んでわかった。要するに 大したことをしていないので、報告しようがないのだろう。

 だから、軍隊(小泉首相に云わせると自衛隊は軍隊ですから)を送ったって感謝なんかされないというのだよ。現地が欲しているのは雇用機会の創出である。軍隊にそんなことを要求しても無理だ。商売をしたことがないんだから。

商売は世界に冠たる日本企業の専門分野だ。 しかし、まだ戦争中の国に行って、事業を興して人を雇うというのも無茶な話だ。とにかく治安が悪すぎる。落ち着くのを待つしかない。外人が干渉したって、全然イラク人はまとまらないじゃないか。


 

それにしても、記事2の石破長官の演説には笑わせられる。あんた、国民をナメるのもいい加減にしろよ。そういうウソばかりついてるから、選挙で自民党が負けたんだよ。

イラク復興支援特別措置法で規定されている、「対応措置」は人道復興支援活動だけではない。「安全確保活動」があるじゃないか。空自が米英軍の物資(武器を含む)を運ぶことだ。そしてそれは、私がこの日記で何十回書いたか解らないが、戦争中の同盟国の後方支援であり、集団的自衛権の行使であり、憲法違反なのだ。

何度も書くと、くどいようだが、そのような憲法に違反した活動が今も行われている以上、何度でも指摘する。何度もやっているうちに、「まあ、いいじゃないか」となるのは、日本人の悪い癖だ。安全確保活動の違憲性は、数ヶ月前も、現在も、全く同一である。

 「どこが憲法違反なんだ」だと?こちらが訊きたい。どこが合憲なんだよ?


2003年07月12日(土) 「人身事故のJR電車運転士が自殺、労災を認定」何て気の毒な人なんだ・・・。

2004年07月11日(日) ストック(議席数)ではない。フロー(議席数の変化)に注目すべきだ。

◆記事:与党、小泉首相続投の方針=政権弱体化は不可避−参院選後の政局

 

参院選で自民党が勝敗ラインとした51議席確保が微妙となり、与党は11日夜、小泉純一郎首相の続投で調整に入った。自民、公明両党は非改選議席と合わせ、少なくとも過半数を確保できるためで、首相の下での連立政権を維持する方針だ。ただ、首相の政権基盤が弱体化することは避けられない。

 首相は同日夜、自民党本部に向かうため、東京・東五反田の首相公邸を出る際、記者団が「51議席を下回った場合の責任問題は」と質問したのに対し、「関係ない」と述べた。

 また、自民党の安倍晋三幹事長はテレビ各局とのインタビューで「参院選はその時の政策について国民の声を聴く選挙であり、首相の責任とは結び付かない」と語り、首相は退陣する必要はないと強調した。 

 さらに、「党内で政局にしようという人はいないと思う」と述べ、首相の続投に理解は得られると自信を示した。

 安倍氏自身の責任については「最も重い責任を取ると言ってきた」と引責辞任を示唆したが、「自民党役員の任期は9月までで、政局の安定が重要だ。党内の声をよく聞いて備える責任がある」と述べ、当面は幹事長職にとどまる意向を示した。

 一方、公明党の冬柴鉄三幹事長は「非改選を含め自公で過半数があれば、首相の政治責任にはならない」と強調した。

 安倍氏は厳しい選挙結果を予想し同日夕、都内のホテルで青木幹雄参院幹事長、森喜朗前首相と会談した。(了)(時事通信)[7月11日22時33分更新]


◆コメント:自民党が大きく議席を失ったと言うことの意味。

 

選挙結果を見る場合、自民党プラス公明党で過半数を維持したけれども、その数は減った。昨年11月の衆院選でも同様だ。ストック(議席数)では与党(連合)が優勢だが、フロー(トレンドと云ってもいい。世論の流れ)では、与党は劣勢である。公明党の支持層は政策もへったくれもなく、とにかく公明党に入れるのだから、2回の選挙で自民党が連続して、支持を失いつつあるということである。

 それは、衆院選後、自衛隊のイラク派遣も年金改革法案にかんしても、きちんと国会で審議をせず、首相から国民に対する明確な説明もなく、いずれも強行採決で、法律を決めた自民党に対する有権者の怒りと解釈するのが最も自然である。

 今回の選挙で自民党圧勝などということなら、もう日本国民は完全にバカの集まりと云われても仕方がない、と思っていたが、幸い、そうはならなかった。

 無論、民主党にも問題は多いが、とにかく、今回自民党が勝ったら、何よりも、憲法を改正して、日本が積極的に戦争に関与する国になることに国民が合意したことになったわけで、それが否定されたことを小泉純一郎内閣総理大臣はよく考えるべきだ。

 選挙戦の演説を良く聴いてみると、小泉首相は大衆の感覚に訴えるばかりで、論理的説得性がなかった。小泉さんの云うことにいちいち、「何故?」という疑問を抱いてみるとよい。彼はなんら理由を説明できていない。何故、日本が多国籍軍に参加しなくてはいけないのか?「・・・・」

 それにしても、これだけ大事な選挙で投票率が56%? 棄権した人って、何を考えてるの?


2003年07月11日(金) 「決定的証拠ないまま開戦 イラク戦争、米国防長官が証言」ふざけんじゃねえぞ、この野郎。

2004年07月10日(土) 小泉自民党の狡猾さと危険さを検証する。

◆記事1:領域外での集団的自衛権行使を視野 日本侵略時の対米協力

 

小泉純一郎首相は2日夜のテレビ朝日の報道番組で、先に憲法改正で集団的自衛権行使を容認するべきだとした自らの発言について、日本の領域外での米軍との共同行動を円滑化する観点から、集団的自衛権行使の容認を視野に入れるべきだとの考えを明確にした。


◆記事2:<参院選>憲法問題、自民は争点化避ける

 

小泉純一郎首相が街頭演説などで憲法に触れることはほとんどなく、自民党は参院選で憲法問題を意識的に避けている。「時間をかけた説明を必要とするテーマで、選挙戦にはなじまない」(幹部)との判断に加え、多国籍軍参加問題がクローズアップされることへの懸念と慎重な議論を求める公明党に対する配慮という事情がある。


◆記事3:国民年金保険料 2017年度以降も引き上げ

 

年金改革関連法が成立したことで、公的年金の保険料はこれから毎年引き上げられていく。このうち国民年金について、厚生労働省は「2017年度までに月額1万6900円の水準に引き上げ、以後は固定する」と説明してきた。

 だが、実際に支払う名目額はもっと高くなるうえに、2017年度以降も固定されず、引き上げが続く。厚労省の説明は不十分で、誤解を与えかねない。

 自営業者や学生などが加入する国民年金の保険料は現在、月額1万3300円。年金改革関連法には、来年4月から毎年280円ずつ引き上げることが明記されている。

 ただし、法律に書かれた金額は「2004年度価格」、つまり現役世代の賃金水準が現在のままだとした場合の金額だ。実際の保険料は、この金額を名目賃金上昇率に応じて引き上げた金額になる。

厚労省は名目賃金上昇率を今後長期的に年2・1%(内訳は物価上昇率1%、実質賃金上昇率1・1%)と想定している。この前提で同省が試算したところ、保険料の名目額は2017年度に月2万860円となり、2027年度には2万5680円、2037年度には3万1610円にまで上がる。


◆コメント:重要な問題を説明しないでごまかそうとしているのはやましさの現れ。

 

参院選公示後、今日まで、全政党の党首で一番移動距離が多かったのは、小泉首相だそうだ。4日に、世論調査で自民党劣勢が伝えられ、否が応でも走り回らざるを得なかったのだろう。

 しかし、どれだけ全国を飛び回ろうが、肝心なのは云うまでもなく、有権者に対して、自らの政策を明瞭かつ平易に説明することである。しかし、小泉純一郎内閣総理大臣はこの点において完全に不合格である。

 まず、自衛隊を多国籍軍に参加させることが、どうして憲法違反にならないのか?多国籍軍は混乱した国を武力を行使して鎮圧しようという集団であり、その本質から云って、日本国憲法が固く禁じている武力の行使が不可避である。明らかに9条に違反する。それは、憲法が出来てから60年間、なかったことなのである。このような大事なことを、国民に問い質す前に、何故ブッシュに請け合ってしまったのか、説明が聞きたい。

 そして、記事1のとおり、最近の小泉首相は憲法改正、集団的自衛権の行使を可能にすることに異常なほどの情熱を燃やしている。平和を国是としている我が国が、世界中の戦争に関わりを持つことになりかねない、集団的自衛権を行使するようにならなければならない理由が、全く説明されていない。国際協調などというのはお題目である。軍隊を派遣することが平和をもたらさないことは、アメリカを見れば明らかである。

 記事2に書かれているとおり、この問題を正面から議論するとどうしても、明確な理由がないので、不利になる。だから、選挙期間中は言及を避けているのである。そして、投票率が低くて、選挙に勝ったら、説明もしていないくせに、「国民の合意が得られた」と云って、憲法改正への道をひた走るつもりであろう。目に見えている。


 

記事3を読むと解るが、年金改革法案は、サギみたいなものだ。国民年金保険料は、段階的に引き上げるが、2017年で固定する、と言われれば、誰でも普通は、それ以降は保険料は上がらないのだろうと理解する。しかし、保険料は名目賃金が上昇すれば、当然あがるわけで、賃金が2017年以降、永久に上昇しなくなると云うことは、絶対にない。だから、2017年以降、保険料が上がらなくなるという表現は不適切だ。

 政権政党である自民党、とりわけ国政の最高責任者である小泉純一郎内閣総理大臣は、このことをきちんと説明するべきだった。しかし、ずるい。厚労省が保険料の試算を公表したのは、法案が衆院を通過した後の5月中旬になってからだった。年金改革法はろくに審議もされずに強行採決されたが、強行採決するのは、やましい点がある証拠だと考えてよいことが、この例から、よくわかる。

 一昨日書いたが、小泉首相は、過去に何度も、約束を破っている。ウソをついている。その人物が今度の公約は忠実に実行するだろう、と、どうして考えられよう?


2003年07月10日(木) 幼児を殺害した12歳の少年は死刑が相当である。

2004年07月09日(金) 「曽我さん一家、1年9か月ぶり再会」曽我さんが別人のように強く見えた

◆記事:曽我さん一家、1年9か月ぶり再会

 

【ジャカルタ=黒瀬悦成】北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(45)が9日午後5時10分(日本時間同7時10分)ごろ、インドネシアの首都ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港で、日本政府のチャーター機で北朝鮮から到着した夫の元米兵、チャールズ・ジェンキンスさん(64)、長女の美花さん(21)、二女のブリンダさん(18)と再会した。

 一家の再会は、2002年に曽我さんが帰国して以来、1年9か月ぶり。

 曽我さんは、チャーター機のタラップの下で待ち受け、手すりに頼りながら降りてきたスーツ姿のジェンキンスさんに手を差し伸べ、頭をかかえるようにして抱擁した。

 美花さん、ブリンダさんも涙をぬぐいながら、曽我さんの元に駆け寄った。曽我さんは、美花さんに、日本語と朝鮮語で「ごめん」と語りかけた。ブリンダさんは、曽我さんに向かって朝鮮語で「お母さん」と言った。(読売新聞) [7月9日20時18分更新]


◆コメント:そもそも、拉致事件が無ければこういうこともしなくて済んだ。

 

テレビ・新聞各社はこぞってこの話題を取り上げている。特にテレビは、曽我ひとみさんの行動の一挙手一投足を映像に納めようとして躍起になっている。そして、クライマックスは曽我ひとみさんさんがご主人と娘さんに対面するシーンとなる。当然予想された展開だが、こういう物事の伝え方は、見る人に問題の本質を「どうでもよいこと」であるかのごとく錯覚させる。



曽我さん一家の再会を、「感動的ドラマ」に仕立て上げて、「よかった、よかった」といって、それで終えてはならない。まだ、拉致された日本人が、100人も、この瞬間も北朝鮮にいることを忘れるべきではない。横田めぐみさんのご両親は、決してそういうことは云わない方々だが、今日はつらかったに違いない。自分たちも早く娘に会わせてくれという叫びが聞こえてくるような気がする。



 

問題の本質は、そもそも、北朝鮮の金正日が、日本国の主権を侵害して、我が領土に不法入国した拉致工作員に、曽我ひとみさんを誘拐させたことに他ならない。それさえなければ、曽我ひとみさんは、これほど、日本中の好奇の視線にさらされることのない、「普通の」人生を送っていたに違いない。

 また、北朝鮮が、日本海沿岸の様々な場所で、日本人を拉致しているらしい、ということは、公式には誰も口に出さなかったが、現地の住民たちの間では、何十年も前から、殆ど公然の事実であったし、外務省を中心とする日本政府は、そのことを知っていたのに、見て見ぬふりをしつづけた。



 不法入国により我が国の主権が侵害され、さらに、我が国の国民が、他国へ連れ去られているというのに、何の対処もしなかったのは、外務省の役人が、国交のない北朝鮮と関わりをもって、問題が大きくなり、何かの責任を取らされるかもしれなかったからである。

 要するに、役人や政治家達は、自らの保身のために、他国に誘拐された、同胞を見捨てたのである。

1年9ヶ月前に小泉首相が訪朝して、5人の拉致被害者が帰国したときには賞賛の声が上がったが、それまでのあまりにも長い無為無策の年月を考えると、あれぐらいのことは当たり前、と見なすべきである。得意そうな顔をする以前に、今まで何もせずに申し訳ありませんでしたというのが、日本政府が口にするべき言辞である。


 

1年9ヶ月前に帰国したときの曽我ひとみさんは、顔色がわるく、表情はこわばり、話し方も硬直しているような不自然なトーンだった。

今日、お嬢さん達に会った曽我さんを見て驚いた。確固たる意思を感じた。渡航前に記者会見で曽我さんがいっていたとおり、「必ず、娘を日本に連れて帰る。」つまり、もう2度と離れ離れにはならない。北朝鮮へは帰さない、という決死の覚悟を曽我さんが抱いていることが、はっきりと解った。人の親なら、彼女の気持ちは痛いほど、解る。

 頑張れ、曽我さん。


2003年07月09日(水) 民放は大抵「ヤラセ」である。

2004年07月08日(木) 「自民、新聞広告で民主党批判 民主党はウソつき」←自民党はネガティブ・キャンペーンなどできる道理が無い。

◆記事1:自民、新聞広告で民主党批判…民主は不快感

 

自民党は7日の各一般紙朝刊に、「約束を守らない民主党にあなたは納得できますか?」などと民主党を批判する全面広告を出した。民主党は「わい曲、虚偽で、自民党もこれだけ落ちたかという印象だ」(藤井幹事長)と反発している。

 自民党の広告では、年金問題について、民主党が与党との3党合意を受け入れた後、参院で年金改革関連法の採決を拒否したことを批判。民主党が反対しているイラクへの自衛隊派遣に関しては、今春、菅代表(当時)が国連のアナン事務総長と会談し、多国籍軍への自衛隊参加に前向きな姿勢を示したことを取り上げ、「コロコロ変わる」と指摘している。

 安倍幹事長は7日の街頭演説でも広告を意識し、「民主党はうそつき。党と党との約束は破る、国連との約束は破る。国を任せることはできない」と訴えた。


◆コメント:自民党は約束を守っているでしょうか?

 ネガティブ・キャンペーンはいくら効果があるのか知らないが、下品だ。他人を貶めて自らが政権を取ろうとする。しかもそれが、野党ならともかく政権政党の側からやっている。自信がない証拠だ。そりゃそうでしょう。自民党なんてウソばかりついているもんね。だからこそあきれる。安倍幹事長はこういうことをしないのが、いいところだったのに、見損なったなあ。成蹊出のお坊ちゃんで岸信介の孫で政界のサラブレッド、というのがウリでしょう。人柄でもっているんですよ。貴方は。大して頭は良くないのだから。こういう下品なことをしちゃだめだよ。


◆小泉純一郎内閣総理大臣がいかに、厚顔無恥の嘘つきか。

6月23日に書いたばかりで、そこに詳細を記したが、要点を繰り返す。ネガティブ・キャンペーンを行うべきではないが、あの全面広告に書かれている内容はいかにも雑だ。どうせやるなら、私が6月23日に書いたぐらいの緻密な検証をするべきである。

小泉純一郎内閣総理大臣は、総理大臣になるとき、2001年に表明した公約がある。



  • 国債発行残高は30兆円に収める。
  • ペイオフは予定通りに実行する。
  • いかなる反対に遭おうとも、必ず8月15日に靖国神社に参拝する。

そして、小泉首相はこれらすべての公約を破った。これを嘘つきと云わずして、なんとしよう?


◆自衛隊派遣をめぐる小泉純一郎内閣総理大臣のウソ。

 12月9日、イラク復興支援特別措置法に基づき、自衛隊をイラクへ派遣することを閣議決定した小泉首相は、記者会見を行った。その席上、はっきりと記録されている発言がある。


◆2003年12月9日 小泉内閣総理大臣記者会見「イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について」

【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。



ところが、4月8日の共同通信が報じた記事は次の通り。



◆「武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める」

 

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

 イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

 津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。




 ねえ。小泉さん。こういうのはウソとは云わないのですか?しかも、このウソは憲法に違反しているんですよ。米軍の後方支援をすることにより、集団的自衛権を発動しているのですから。

 自民党は、自分たちがこれだけウソをついていることは棚に上げて、民主党のネガティブ・キャンペーンに2,3億円使ったらしい。政治家の頭の中がどうなっているのか、見てみたい。こういうことを平然と行えるという人格の持ち主は、脳のどこかが未発達であるとか、あるいは、遺伝子に何か、常人とは異なるものがあるに違いない。脳科学の研究対象として、興味深いのではなかろうか?


2003年07月08日(火) 「うつ病に関係する遺伝子の発見」 テーラーメード医療への期待
2002年07月08日(月) 猛暑の美学

2004年07月07日(水) 「社会保険庁長官に損保ジャパンの村瀬氏、初の民間人」民間に投げて、社会保険庁改革が済んだと思っているのじゃないだろうな?/七夕。

◆記事1:社会保険庁長官に損保ジャパンの村瀬氏、初の民間人

 坂口厚生労働相は6日の閣議後の記者会見で、真野章・社会保険庁長官の後任に損害保険ジャパン副社長の村瀬清司氏(57)を起用すると発表した。16日付で正式に発令する。

 トップに民間人が就任するのは、1962年の社会保険庁発足以来初めて。政府は今後、長官以外にも3、40人の民間人を登用し、年金保険料の無駄遣いや個人情報漏えいなど、多くの問題が指摘されている同庁の抜本改革に取り組む方針だ。


◆記事2;年金保険料から事務・人件費1兆1千億円も…国の特別会計

国の31の特別会計(特会)の2004年度予算で、年金保険料や雑収入など、税金以外の財源でまかなわれていた事務費・人件費があわせて約1兆1028億円にのぼることが6日、明らかになった。

 社会保険庁の出先機関などが使う公用車が、今年度だけで226台も購入されるなど、疑問が残る支出もある。

この実態は長妻昭衆院議員(民主)の質問主意書に対する政府答弁書でわかった。それによると、29特会で、税金以外の保険料や手数料収入から計3564億円が事務費に回され、23特会で税金以外の計7464億円が人件費に回っていた。

 事務費では、厚生年金などを扱う厚生保険特会の987億円が最も多く、雇用保険を扱う労働保険特会の754億円、登記手数料などを管理する登記特会の約681億円が続いた。多くはコンピューター経費などだったが、厚生保険特会や自動車検査登録特会など9特会では、計226台の公用車の購入に約3億9千万円が充てられている。


◆記事3:郵便局で6億4000万円紛失 簡保職員、最高300万円

 

日本郵政公社は5日、2003年度に全国の郵便局の窓口業務などで起きた現金の紛失事故が約21万5300件あり、紛失額は総額約6億4000万円に上ったことを明らかにした。

 貯金の払い戻しで多く渡してしまう例などがあり、100万円以上が12件、最高で300万円の紛失事例もあった。

 公社は多くの場合、現金の数え間違いなどが原因とみており、事故を起こした職員への指導のほか、現金受け払いを自動記録する「現金管理機」の設置拡大などで管理体制を強化しているという。

 主な紛失事故の内訳は、1万円以上10万円未満が1万123件、10万円以上100万円未満が356件、100万円以上が12件など。
 300万円のケースは簡易保険を担当した職員が、顧客の家で保険金を支払おうとした際、現金が300万円足りず、紛失したことが分かったという。


◆コメント1:民間人に投げて後は知らんふりをするのが小泉流だからね。

 

参院選での苦戦が世論調査で明らかになったので、国民の不信感がつのっている年金を扱う役所である社会保険庁を改革すると。ただし、民間人に任せるというわけだが、そう簡単にはいかないよ。

 なぜなら、社会保険庁というのは、「職員数はおよそ1万7500人。その95%に当たる1万6600人余りが地方の社会保険事務局とその下の社会保険事務所に勤務している。現在は本庁のトップなどほんの一部の幹部がいわゆるキャリア官僚で、本庁の多くと社会保険事務局の幹部は「社会保険一家」と呼ばれる本庁採用のノンキャリア組。さらに大半を占める地方採用の職員は自治労に加入しており「意識は地方公務員」といわれるような複雑な構造」なのだそうだ。

 これら木っ端役人が簡単に因習を変えるかな?1万6千人も地方にいるのでしょう?長官の他にも数十人のスタッフを民間から募集するという。しかし、この民間からの「新参者」に対しては「社会保険一家」は一致団結して既得権益を守ろうとするであろう。果たして数十人でこの腐りきった役所を変えることができるのであろうか?今日、損保ジャパンの村瀬氏は小泉首相にあったそうだ。そうしたら、首相は例のごとく調子だけはいいから、思い切ってやってくれと激励したという。

 思い切ってやってくれというからには、それなりの強力な権限を村瀬氏に付与しなければだめだ。具体的には、一番手っ取り早いのは、云うことを訊かない奴は、村瀬氏の一存でクビにして構わない。と内閣総理大臣じきじきに権限を付与すべきだ。それぐらいじゃなければ、役人という人種は、とにかく変化をいやがる連中だから、改革なんかできるわけがない。

そして、改革が進まないと、小泉首相は村瀬氏に責任を負わせるつもりであろう。

金融大臣に竹中氏が就任して、大手都銀と「繰り延べ税金資産」の自己資本への算入割合という問題でもめていたとき、メガバンクの頭取たちから、竹中氏が逆に吊し上げられていたときも、小泉首相は知らんふりをしていた。私は良く覚えている。

 小泉首相と自民党はこれで、「社会保険庁の抜本的改革に取り組んでいます!」と宣伝するわけであるが、だまされてはいけない。「社会保険庁を改革する人を民間人から見つけた」というだけの話だ。改革は始まってもいないし、ましてや、成功するか、全く解らない。


◆コメント2:年金保険料流用は5兆6千億だけではなかった。

なんと、特別会計に、年金保険料を勝手に組み込んでいたのである。つい最近、年金保険料の流用について書いた。すでに少なくとも、5兆6千220億円の年金掛け金が、社会保険庁の役人の社宅やテニスコートを作るために使われていたことが解ったが、長妻議員が調べると、芋づる式にいくらでも流用の事実が明らかになる。一体、全部でいくら流用したのか。

 私は、うつ病だが、パニック障害を併発しているので、朝、吐くことがある。最近は血が混じっていることも多い。大げさだが、私は文字通り血を吐く思いで辛さをこらえて働き、給料から、税金や年金掛け金を支払っている。そのカネを勝手に年金支払い以外の用途に使いやがって・・・・。くやしい・・・。


◆コメント3:1年に6億円、客のカネを紛失しただと?

 

郵貯、簡保は公的な日本最大の金融機関である。金融機関は信用だけで成り立っている。1年で6億円・・・・・。これは、最早、金融機関とはいえない。

 「2003年度に全国の郵便局の窓口業務などで起きた現金の紛失事故が約21万5300件あり、紛失額は総額約6億4000万円に上ったことを明らかにした。」

 明らかにした、じゃねえよ、この大馬鹿野郎!あやまれよ。ただごとじゃねえんだぞ。民間金融機関で、客のカネを紛失したなんてことが発覚したら、支店長のクビが吹っ飛ぶんだぞ。

 しかも、郵貯、簡保で客から預かった金は財政投融資資金として、道路公団が高速道路を造る資金として貸し出している。その額40兆円。これが、焦げ付いているんだよ。

超大型不良債権だよ。どうやって責任取るんだよ。今は税金で穴埋めしてるんだぞ。小泉の馬鹿は郵政公社民営化なんていっているが、こんな金融機関を民間企業にできるわけがないだろう。

 ああ、なんだか、もう、まじめに働くのが嫌になった。というか、生きてるのが嫌になるな、こんなひどい世の中で。


◆今日は七夕:おり姫ひこ星伝説 そういう気分じゃないんだが・・・。

むかしむかし、天帝という神様が星空を支配していたころ、天の川の西の岸に、織女(しょくじょ)という天帝の娘が住んでおりました。織女は機織り(はたおり)がたいへん上手で、彼女の織った布は雲錦と呼ばれ、色も柄も美しく、丈夫で着心地も軽い、素晴らしいものでした。

一方、天の川の東の岸には、牛飼いの青年、牽牛(けんぎゅう)が住んでおりました。牽牛は、毎日、天の川で牛を洗い、おいしい草を食べさせたりと、よく牛のめんどうをみる、働き者でした。

天帝は、くる日もくる日も、働いてばかりいる娘を心配して、娘の結婚相手をさがすことにしました。そして、天の川の向こう岸に住む牽牛をみつけると、2人を引き合わせ…

「おまえたち2人は、まじめによく働く。牽牛よ、わしの娘、織女と夫婦(めおと)にならぬか?」

牽牛は恐縮したようすで「天帝様、私のような者には、夢のようなお話しでございます。ありがたくお受けさせていただきます」

織女も、働き者の牽牛をたいへん気に入り、2人はめでたく夫婦となりました。

ところが、一緒に暮らすようになると、2人は朝から晩まで天の川のほとりでおしゃべりばかりをしています。

これを見た天帝は「おまえたち、そろそろ仕事をはじめたらどうだ?」といましめますが、牽牛と織姫は

「はい、明日からやります」
と答えるばかりで、いつになっても仕事をはじめるようすがありません。

織女が布を織らなくなってしまったため、機織り機にはホコリがつもり、天界にはいつになっても新しい布が届きません。また、牽牛が世話をしていた牛たちも、やせ細って、次々に倒れてしまいました。

業を煮やした天帝はとうとう、2人を引き離し、1年に1度、7月7日の夜だけ、天の川を渡って、会うことを許しました。
今でも2人は、7月7日に会えるのを楽しみにして、天の川の両岸でまたたいているとのことです・・・・。


2003年07月07日(月) 沖縄の中学生殺人事件に思う厳罰主義の必要性
2002年07月07日(日) 独りになること

2004年07月06日(火) 「公明が「陰の主役」に 学会票で自民の勝敗左右」議会制民主主義の基本を理解していない日本人

◆記事:公明が「陰の主役」に 学会票で自民の勝敗左右

 

参院選の各世論調査で自民党の不振が伝えられる中、公明党は接戦の1人区を中心に支持母体・創価学会の支援により連立政権での影響力を強めようと躍起だ。自民党の勝敗を左右しかねない「陰の主役」(自民党筋)になりつつある。

 自民党の安倍晋三幹事長は5日夜、小泉純一郎首相(党総裁)らと党本部で選挙情勢を分析、創価学会の全面協力で当選圏内に入りそうな山形、滋賀、奈良、長崎、佐賀など10選挙区をピックアップし、公明党の冬柴鉄三幹事長に協力を要請。冬柴氏は直ちに党県本部に支援を指示した。
 投票率が上がらなければ、日本で最も手堅い選挙マシンの創価学会の組織票は大きな魅力。東北や九州地方などの自民党の選挙区候補は「背に腹は代えられない」と比例代表の公明党候補への投票を呼び掛けているとされるが、公明党内からは「われわれに見返りが少ない」と不満の声も漏れてくる。(共同通信)


◆コメント:特定の宗教団体が、選挙で国の方向を決める力を持っていることは問題だ。

 

日本では、選挙のたびに、「票固め」「組織票」などという言葉が平然と語られており、誰も問題視しないが、民主主義の基本に立ち戻って考えると、非常に誤った慣行である。

 そもそも、議会制民主主義は、国民が主権者なのだが、全員で議会を開くことは物理的、制度的に不可能であるから、各有権者が、自ら思想を持ち、自由意思に基づいて、自分の政治的思想に近い候補者に、無記名で投票し、投票に関しては、他の誰からも干渉や圧力を受けてはならないのである。

 しかし、周知の通り、上に引用した記事に有るように、たとえば、創価学会は公明党の支持母体であり、日本最大の「投票マシーン」となっている。これはおかしい。信教の自由は憲法で保障されているが、同一の宗教を信仰していても、本来、理念、思想はひとりとして、全く同じということはないはずである。それを、創価学会にいれば、公明党に入れると決められている、ということは、思想信条の自由を自ら放棄しているのも同然である。

 たまたま、一番有名な創価学会をあげたが、およそ組織票などというものは、個人は自由意思の主体であるが故に平等なのだ、という、近代民主主義社会の基本を踏みにじるものである。組織票ということは、開票する前から、どの政党におよそ何票入るかが事前にわかっているということであり、これもまた、民主主義の根幹をなす選挙制度における、秘密投票の原則を逸脱しているが、新聞やテレビや、世論は、何の不思議も抱かない。

 選挙における投票行動は、個人の思想・信条、論理的考察のみによって、決定されなければならないのだ。日本人は今だにそれが解らず、ムラ(村)の論理、つまり他人と同じように行動しないと、村八分にされる、という集団主義から抜け切れていない。そんなことで国の未来が決まって良い訳がない。


2003年07月06日(日) 「たばこ注意文言」 身体に悪いのはタバコだけじゃないのですが・・・。
2002年07月06日(土) 人生

2004年07月05日(月) 自民党参院選公約の滑稽「憲法9条を世界にPRすれば平和になるというような状況ではないのです。」軍隊を派遣すると、平和になるの?

◆記事:自民党のサイト憲法改正のポイントより抜粋

憲法9条の虚構性と「現実の平和」創造への努力

 憲法9条では、戦力の保持は禁止され、日本には軍隊はありません。しかし、日本は独立国である関係から、国を防衛するために自衛隊があります。

戦後の憲法論議の中心は、9条と自衛隊の関連でした。

 現在は、国民の多くが自衛隊の存在を高く評価しています。最近では、自衛隊も海外のPKO活動や人道支援活動で汗を流すようになりました。しかし、派遣要員が自己や同僚を守る目的なら武器は使えるが、同じ任務のために離れた場所で活動する外国軍隊や国際機関の要員のためには使えない、といった憲法解釈上の不備が指摘されています。これでは、軍隊としてはおかしな話です。

 また、9条により集団的自衛権が行使できないと解釈されていることについても、「日米同盟の『抑止力』を減退させる危険性をはらんでいるのみならず、アジアにおける集団的な安全保障協力を効果的に推進する上での障害となる」との批判も出ています。

 私たちの目指す9条の改正は、まず自衛隊を軍隊として位置付けることです。次に、集団的自衛権の行使も可能となるようにする必要があります。

 現在は、国際テロリズムや北朝鮮の拉致事件などがあり「憲法9条を世界にPRすれば平和になる」というような状況ではないのです。国及び国民の安全が確保できるような憲法9条の改正をする必要があるのです。


◆コメント:現実にあわせて理想を下げては駄目なのです。

憲法は、フランス人権宣言に端を発している。憲法の目的は何よりも、国民の自由・権利を規定し、これを国家が保証することを宣言することにより、国家が危険な行動に走ることに制約を設けることにあるのです。

 日本は天皇制があるので、第1章は天皇に関する規定になっていますが、その次に通常人権に関する規定が来るのに、わざわざ第9条「戦争の放棄」をだけを独立させて第2章にしているのです。その後に第3章「国民の権利」が続きます。

 これは、いかに、日本国憲法が戦争の放棄を重んじているかということを表しています。第3章で規定されたさまざまな国民の権利、また、憲法前文でふれている「平和的生存権」を保証するためには、なんとしても、戦争をしてはいかんという、強固な意志が表現されていると当然考えるべきです。

しかし、自民党の昨年からの行動は、憲法の精神を見事に踏みにじっている。イラク復興支援特別措置法を制定するときも、自衛隊派遣の基本方針を採択するときも「強行採決」でした。これは、説明できないから力ずくで通す、ということです。

論理的正当性があるならば、誰もが納得できるはずなのです。説明できないのは、論理的に必然性を照明できないからです。当たり前です。アメリカの機嫌を取ることだけが、目的だったのですから。強行採決は、最も非民主主義的な行為です。

 上の「公約」も全く論理的ではない。



「最近では、自衛隊も海外のPKO活動や人道支援活動で汗を流すようになりました。しかし、派遣要員が自己や同僚を守る目的なら武器は使えるが、同じ任務のために離れた場所で活動する外国軍隊や国際機関の要員のためには使えない、といった憲法解釈上の不備が指摘されています。これでは、軍隊としてはおかしな話です。」


 

あれ?12月9日に、自衛隊を派遣することに関して、小泉首相が記者会見を開いたときに,、首相は、武器を使用するどころか、武器弾薬を運ぶこそすらしない。自衛隊は戦争にゆくのではないと断言しました(実際には武器・弾薬の輸送は行われています)。ところがこのセンテンスを読むと、他国の軍隊のためにも武器を使う、武力を行使するつもりであることが、はっきりしている。自衛隊は人道支援だけで武力は行使しないといっていたのは、ウソだったことが、明らかになりました。


 

「また、9条により集団的自衛権が行使できないと解釈されていることについても、「日米同盟の『抑止力』を減退させる危険性をはらんでいるのみならず、アジアにおける集団的な安全保障協力を効果的に推進する上での障害となる」との批判も出ています。」



 

誰の批判ですか?訊いたことがありません。集団的に安全保障を効果的に推進することの障害になる?具体的に説明してもらいたい。意味がわかりません。



「 私たちの目指す9条の改正は、まず自衛隊を軍隊として位置付けることです。次に、集団的自衛権の行使も可能となるようにする必要があります。」



 

何故、わざわざ、軍隊と云わなければならないのでしょうか。

イラクに自衛隊を派遣するときに、私は、各国の新聞(英語で発行されている新聞は世界中にあり、インターネットで読むことができます)を読みましたが、各国とも「日本は憲法の規定により武力の行使はできない。この派遣は第2次世界大戦後、日本が海外に軍隊を派遣する最初の例だ」と、書いていました。世界は、日本は武力行使、当然、集団的自衛権の行使もできないものと見なしているのです。それをどうして、変えなければならないのか。論理的必然性が提示されていません。

 何度も書いたように、集団的自衛権の行使を可能にしたら、戦争好きのアメリカが同盟国なのだから、世界のどこに派遣させられるか解らない。そこで、相手を殺す。当然、世界に日本人を恨む人が増える。こんな、愚かしい政策を推進する自民党の面々は正気の沙汰とは思われないのです。



「憲法9条を世界にPRすれば平和になるというような状況ではないのです。」



 そんなことは、誰も考えていない。能動的に紛争を調停する行動を平和的に推進すればよい。調停役になればいいのです。軍隊を送ったから平和になる、ということはない。イラクに大量の兵力を動員したアメリカの惨状を、これほど、目の当たりにしてもまだそれが解らない自民党は、合理的に物事を考える能力のない人々の集まりと云わざるを得ません。


2003年07月05日(土) イラク復興特別措置法は間違っている。イラク戦争は「大量破壊兵器除去」が目的だったはずだからだ。

2004年07月04日(日) 「領域外での集団的自衛権行使を視野 日本侵略時の対米協力」 いい加減にしろよ、この野郎。

◆記事;「領域外での集団的自衛権行使を視野 日本侵略時の対米協力」小泉首相

小泉純一郎首相は2日夜のテレビ朝日の報道番組で、先に憲法改正で集団的自衛権行使を容認するべきだとした自らの発言について、日本の領域外での米軍との共同行動を円滑化する観点から、集団的自衛権行使の容認を視野に入れるべきだとの考えを明確にした。

 首相は「日本が侵略され米軍が駆け付ける場合、日本の領海、領土、領空なら(共同行動は)個別的自衛権だが、そのほか、途中はどうなるか専門家の法理論、可能性を追求したらきりがない」と指摘。これまで「現行憲法では(集団的自衛権は)行使できない」としてきた政府解釈の変更でなく「憲法を改正した方がいい」と重ねて強調した。「どういう行使の仕方かはこれから議論していく。来秋に自民党が(改憲)素案をまとめるので、(議論を)熱心に展開していかねばならない」と述べた。


◆コメント:どうして、外国で武力行使をしなければならないのか。

先日、小泉があまりに馬鹿丸出しのことを口にしたので、側近が入れ知恵したのだろう。7月1日に書いたが、小泉首相は「「憲法を改正し、日本が攻撃された場合は米国と一緒になって行動したい」と発言したことがある。日本が攻撃されたときに、日本が防衛のために行動するのは個別的自衛権の行使で、もともと憲法の範囲内であり、憲法を改正して集団的自衛権を認める必要などないのだ。

 日本の首相は憲法の一番大事な所に関しても、こんな基礎的な知識もないのである。そのくせに馬鹿の一つ覚えみたいに「集団的自衛権」を口にする。

日本の領域外で集団的自衛権を行使する、とは、アメリカの戦争の助っ人をするために、世界のどこへでも飛んでいけるようにする、ということなのだ。日本国憲法第9条は



日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。


と規定していて、これは、小泉首相が考えているようなことは絶対しないぞ、という誓いである。それを安易に、変えてはならぬ。

 小泉の頭の中は単純だ。「国際貢献、国際協調=自衛隊を海外に派遣すること」という図式しか存在しないのである。軍隊を派遣して、世界的に尊敬されている国などないのだ。


◆10年間世界一のODA提供国だった日本。

日本人は、ずっと前から世界に貢献している。1990年から10年間にわたり、ずーっと世界でもっともODA(政府開発援助)で資金を提供してきた国なのだ。しかし、外人は誰もそれを知らない。これはアピールが不足しているためで、日本政府の失策である。これをちゃんと世界に認識させるべきである。いい加減わかってるだろう、外務省の役人も、政治家も。欧米人や中国人に対しては、「私はこれだけの仕事をしていますよ」と自己宣伝しないと、駄目なんだよ。


◆もしも、世界に日本人がいなかったら。

 

そのほかにも、日本のおかげで、世界中の人間の暮らしがどれだけ便利になったか。故障しない車、7月1日はウォークマンが誕生して、ちょうど25年目の日だった。これのおかげで、世界中の若者が好きな場所で音楽を聴けるようになった。フィリップスと共同開発したコンパクトディスク(CD)は、エジソンが蓄音機を発明して以来、最大の録音・再生技術上の大発明で、それまでとは比較にならないほど、優れた音質での音の再生が可能になった。

 日本の家電。ザルツブルグのモーツァルトの生家の1階に小さいお土産屋がある。そこには東芝のエアコンがとりつけてあった。

 イギリスにいた頃、ずいぶんいろいろな所にドライブしたが、観光名所にはかならず、「写ルンです」がならべてある。

 土木・建築技術。世界各地のダムの建設。ダムといえば日本の技術を借りないわけにはいかない。それから、トンネルだ。ユーロトンネルの開通を助けたのは日本だ。シンガポールの地下鉄を作ったのも日本人だ。

 もしも、日本人がいなかったら、世界は今でもずっと不便な生活を送っているに違いない。これほどの偉業、国際貢献はない。それを世界に知らしめないのは、政府の怠慢だ。そして、よりによって、憲法で禁じている、武力行使によって、世界に認めてもらおうという。馬鹿か。

 ああ、あと16時間で会社か・・・。今週末も家から一歩も外に出なかったな。気力が沸かない。ずっと、布団の上だ。


2003年07月04日(金) 世間は必ずしも人を正しく評価できない。アコーディオンの横森良造さんに思う。
2002年07月04日(木) 天候とうつ病

2004年07月03日(土) 私が、日本はもうだめだ、と考える理由

私はこの季節、特に憂鬱になりがちである。が、それを差し引いても、諸々の兆候から日本はもう駄目だ、とほぼ確信した。

 しばしば「新社会人のための100冊の本」という類の雑誌記事に登場する、デール・カーネギーの「人を動かす」という本があって、一生の不覚ながら、私もあんな本を読んでしまったことがあるのだが、一つだけ正しいと思われる記述がある。

 「人間は、1日の99%の時間は自分のことだけを考えて生きている。」

 様々なblogやら、インターネットコミュニティサイトがある。このENPITUという日記のサイトでは得票ランキングが出される。先月もその前もその前もずっと、総合順位の1位から10位までを占めているのは、「芸能」若しくは「恋愛」である。こりゃ、だめだ。

 先日、ニュースを見ていたら、次のようなシーンがあった。

民主党の岡田代表が、市民集会で、年金の財源として消費税を充てるという説明をした。何か質問は?と参加者に訊くと、あるオバサンが立ち上がり、「岡田さんの顔って怖いから、その顔で消費税とか云われると、なんか、やだ。」

 機関銃を持った私が、その場にいなかったのは、幸いだった。

 女性にも、理屈でものを考える人は大勢いるが、世の中の平均的なオバサン、ないし女性の思考能力を、このオバサンの発言は端的に示している。いや、これは、「思考」ではない。単なる情緒的な反応である。女性は感情で動くのはよく知られている事実である。

 こんなことで日本の未来が左右されるのである。選挙における投票が情緒的な選択であってはいけないのだ、などということは、この類の人々には100年かけて説明しても解るまい。

 来週の選挙では自民党が勝ち、いずれ憲法が改正され、日本は戦争への道をひた走るだろう。怖い顔をした岡田代表より、安倍幹事長の方がハンサムで優しそうだから、という理由で、自民党に投票するのであろう。

 自衛隊のイラク派遣も、憲法改正(改悪)も、年金も面倒くさい。そんなことより、今日が楽しければ良いのだという、刹那主義が日本を滅ぼすのだ。

 そのように考えると、腹が立ってしかたがない。考えても仕方がないのは解っている。他人の思考に介入することはできないし、他人が何を考えようがそれは、その人の自由だ。そんなことは百も承知だが、やり場のない、憤りを覚える。一度これが始まると、しばらく止まらない。

 私は、血圧が高くて薬を飲んでいる。一時期は薬のおかげでだいぶ落ち着いていた。しかし、最近は、上に書いたようなことを、しょっちゅう考えている所為か、また血圧が高い。絶対に因果関係があるとおもう。

それに加えて、小規模な脳梗塞が起きているフシがある。言葉の発音が不明瞭になったり、思考が停止したりする。

 あまり、長くないような気がする。以前、書いたが、私は5年前に自分から死のうとした人間であるから、死ぬのはいっこうに構わない。病死なら保険も降りるから、子供を大学まで出すことは可能だ。家内は喜ぶだろう。

 だから日本がどうなっても良いといえば、良いのだが、本来防げる、間違った道への進行を、世間が無関心であるために、政治家に許してしまうのかとおもうと、たまらない。もう一つ腹が立つのは、自分は身体に障害があって、もし戦争が起きても絶対に兵隊に取られる可能性のない人間が、自衛隊のイラク派遣に賛成したり、自民党の軍国化路線を支持していることだ。これは本当に無責任だ。

 ま、日記が途絶えたら、くたばったと思って下さい。自分からは死にませんが、一度はこういうことを書いておかなければ、と、以前から思っていたので、書きました。

 私の拙い日記を読んで下さった方々、ありがとうございました。


2003年07月03日(木) 「地球温暖化により、既にいろいろと不気味な現象が起きている。」

2004年07月02日(金) 「合理的な思索を蔑視して偏狭な狂信に動いた人々が、日本民族を現在の悲境に導き入れた。」(和辻哲郎著「鎖国 日本の悲劇」序文)

◆和辻哲郎「鎖国 日本の悲劇」序文より

 

太平洋戦争の敗北によって日本民族は実に情ない姿をさらけ出した。この情勢に応じて日本民族の劣等性を力説するというようなことはわたくしの欲するところではない。

 有限な人間存在にあっては、どれほど優れたものにも欠点や弱所はある。その欠点の指摘は、人々が日本民族の優秀性を空虚な言葉で誇示していた時にこそ最も必要であった。今はむしろ日本民族の優秀な面に対する落ちついた認識を誘い出し、悲境にあるこの民族を少しでも力づけるべき時ではないかと思われる。

 しかし人々が否応なしにおのれの欠点や弱所を自覚せしめられている時に、ただその上に罵倒の言葉を投げかけるだけでなく、その欠点や弱所の深刻な反省を試み、何がわれわれに足りないのであるかを精確に把握して置くことは、この欠点を克服するためにも必須の仕事である。

 その欠点は一口にいえば、科学的精神の欠如であろう。合理的な思索を蔑視して偏狭な狂信に動いた人々が、日本民族を現在の悲境に導き入れた。がそういうことの起り得た背後には、直観的な事実にのみ信頼を置き、推理力による把捉を重んじない、という民族の性向が控えている。

推理力によって確実に認識せられ得ることに対してさえも、やって見なくては解らないと感ずるのがこの民族の癖である。それが浅ましい狂信のはびこる温床であった。またそこから千種万様の欠点が導き出されて来たのである。


◆コメント:この民族の癖は今もなお修正されていないように思われる。

 

和辻哲郎(わつじてつろう)先生は大正から昭和期の倫理学者です。偉い、偉い先生です。私が人のことを「偉い」と表現することは滅多にないが、この先生は本当に偉い。
 私の云う偉いとは帝大教授だとか、文化勲章をもらったとか、そんな下らんことでは勿論なくて(ご本人もそんなものには何の執着もなかった)、本当の知識・教養・学識・定見を持ち、かつ謙虚な人格者であるこいうことです。
 この「鎖国」という本は、戦後間もなくかかれました。和辻先生の文章は明解で平易です。誰でも上の文章を読めば、どれがキーセンテンスかわかるでしょう。



「その欠点は一口にいえば、科学的精神の欠如であろう。合理的な思索を蔑視して偏狭な狂信に動いた人々が、日本民族を現在の悲境に導き入れた。」


 

この一言に尽きる。和辻先生は、世界で科学的合理的発見がなされている間に、日本は国を閉ざしていた。それが、日本人の非合理性の温床になっているのではないか、という仮説を検証してゆくのですが、一方で西欧人が十字軍を派遣したり、南米を征服してゆく過程でどのようにひどいことをしたのかも、全部書いてあります。

 それはもう、驚くべき詳細さでかかれています。当時、GHQは翻訳を読んで、頭にきて、和辻先生に執筆を止めるように圧力をかけましたが、和辻先生は「私は、客観的・歴史的事実を記述しているに過ぎない」といって、全く動じなかったのです。

 それは、さておき、和辻先生が50年以上も前に看破した、日本人の性癖は、折角のこの名著による訴えにも関わらず、今もなお、残っているのではないでしょうか。

 テロが相次ぐ、物騒なイラクに自衛隊が多国籍軍として参加したらどれぐらい危険か、憲法に違反する行為を行わざるを得なくなるか、全く「推理力による把握」を行わず、「やってみなければ解らない」と考えている政治家がいませんでしたっけ?

 私は、この国の政治家のみなさんに、是非、この日本史上に燦然と輝く碩学(せきがく=学問のひろく深い人。大学者。)が半世紀以上も前に鳴らした警鐘に耳を傾けて頂きたいと思います。特に、内閣総理大臣をしている方に。


2003年07月02日(水) 株が急騰したといって騒ぐバカ。 ファンダメンタルズはなにも変わっていない。

2004年07月01日(木) 「<参院選>憲法問題、自民は争点化避ける」←何故、避けるのですか?

◆記事1:<参院選>憲法問題、自民は争点化避ける

 

小泉純一郎首相が街頭演説などで憲法に触れることはほとんどなく、自民党は参院選で憲法問題を意識的に避けている。「時間をかけた説明を必要とするテーマで、選挙戦にはなじまない」(幹部)との判断に加え、多国籍軍参加問題がクローズアップされることへの懸念と慎重な議論を求める公明党に対する配慮という事情がある。

自民党は05年11月の結党50周年の党大会で憲法改正草案を公表する方針で、党憲法調査会は15日、戦力保持、集団的自衛権の行使などを盛り込んだ新憲法草案の素案を公表した。同調査会のメンバーは「平和憲法の大転換で、本来なら国民の信を問うべき内容だ」と認める。

しかし、自民党は「草案をつくることを約束しており、ことさら争点にする考えはない」(安倍晋三幹事長)との姿勢。党幹部は「立候補者には『憲法には触れる必要はない』とアドバイスすることさえある」と語る。


◆記事2:「憲法を改正し、日本が攻撃された場合は米国と一緒になって行動したい」(小泉首相)

毎日新聞が参院選に立候補した全員にアンケート調査したところ「2010年までに憲法改正すべきだ」は自民候補者の83%、民主は40%、公明が45%だった。共産、社民は全員が反対した。

 紋切り型表現の公約の一方で、小泉純一郎首相が突出した発言をしている。「憲法を改正し、日本が攻撃された場合は米国と一緒になって行動したい」と意図が不明な発言をして、官房長官から「私も(真意を)聞いてみたい」と言われる始末だ。


◆コメント:本当に「正しい」と思っていないから議論できないのでしょ?

 

小泉首相は、本当に基礎学力のない人である。記事2の発言を見よ。「日本が攻撃されたら米国と一緒となって行動するため」に憲法を改正しなければいけないのだそうだ。

 あのねえ。小泉君。日本が攻撃された時に、反撃するのは、「個別的自衛権の発動」というのです。米国が一緒に行動するのは、米国が集団的自衛権を行使している状態なのです。逆です。しっかりしてください。

 現行憲法も、自分の国がいわれのない攻撃を受けたときに黙って死になさい、とは言っていない。そのための自衛隊。専守防衛のための自衛隊なのです。
 憲法を改正して、集団的自衛権を行使できるようにしたら、アメリカがイラクやイランやアフガニスタンで攻撃されたら、自衛隊を急派しなければいけないのです。そして、日本人が、アメリカ人と一緒に敵を殺すのです。それは、日本国憲法は許していません。

 「許していないから、改正するのではないか!」という馬鹿がいる。違う。憲法は日本国の国家としての基本的な姿勢、戦争はしないという理想・目標・大原則を決めたものなのです。この部分を変えることは、日本が戦争に巻き込まれて、国民のもっとも基本的な人権たる「平和的生存権」をおびやかすことにつながる。だから、変えてはいけないのです。現実を理想に近づけるように努力しなければいけないのです。あくまでも武力を行使せずに紛争を解決すべく、知恵を絞らなければいけないのです。それが9条の意味です。

 現実世界が物騒になったから、日本は「戦争をしない」という理想を捨てて、「戦争ができるような憲法にしよう」という発想は、日本国の政治家として完全に失格です。


◆サマワは非戦闘地域なんでしょ?小泉首相、行って激励してくればどうです?

 

そういえば、思い出した。日本政府の見解によれば、サマワは今もイラク復興支援特別措置法で云うところの「非戦闘地域」でしたね?

ということは危なくないのですね?イラクに兵隊を派遣している国で、指導者が現地を見ていないのは、日本だけですよ。小泉首相。

小泉首相だけではない。閣僚のだれもいっていない。陸上幕僚長はいったけどね。制服組は。シビリアンは行っていないのですよ。何故、行かないのですか?あの馬鹿のブッシュさえ、行ってますよ。

 安全な場所なんでしょ?しかし、猛暑の中で自衛官はつらい思いをしているんですよ。貴方が命じたから。6月中旬には、何十人もが脱水症状を起こすほどの下痢に苦しんだ。集団食中毒です。暑い所での脱水症状は命の危険があるのですよ。

 どうして、見舞いに行かないのですか?ひょっとすると、本当はサマワはとても危ないところなんですか?それを知っていて、自衛官が死ぬのはかまわないが自分は怖いから、小泉首相も軍事オタクの石破防衛庁長官も、行かないのではないのですか?無責任ですね。それでも国の指導者ですか。


2003年07月01日(火) ヴァイオリンを奏する者に三段階あり /<統合失調症>関与のたんぱく質と遺伝子特定

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