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2004年06月30日(水) |
「社会保険庁 「年金流用」新たに222億円 職員宿舎を建設」自民党はこれを放置して、年金改革法を強行採決したわけです。 |
◆記事:「社会保険庁 「年金流用」新たに222億円 職員宿舎を建設」
社会保険庁による年金保険料の「無駄遣い」問題で、政府は二十九日、大規模保養基地「グリーンピア」や厚生年金病院の職員用宿舎建設費にも保険料を「流用」していたことを明らかにした。総額は約二百二十二億円にのぼる。また、社会保険業務センターの職員用テニスコートやバスケットコートの建設費も保険料で賄っていた。一方、政府は批判が強い社会保険大学校のゴルフ練習場を廃止する方針を打ち出したが、新たな「流用」の発覚に国民の批判はさらに高まりそうだ。
「流用」は長妻昭衆院議員(民主党)の質問主意書への答弁書で明らかになった。答弁書によると、今回新たに判明した保険料を使った職員宿舎は全国二百六十五件。建設費は厚生年金病院関係分が約百十二億円、厚生年金会館などのその他の社会福祉施設関係分が約九十二億円、グリーンピア関係分が約十五億円、年金資金運用基金関係分が約二億六千万円。
政府は病院職員宿舎については「緊急呼び出しに対応できる体制が必要」とし、その他の福祉施設やグリーンピアの職員用宿舎については「地域の住宅事情や業務の必要性を踏まえ、年金の福祉施設と一体的運営するもの」と説明しているが、家賃(使用料)の多くが一万円未満と割安で、千円台や無料など一般庶民の感覚と大きくずれたものも含まれていた。
社会保険大学校のゴルフ練習場関係では、用具購入・維持に充てた保険料(平成十−十五年度)は、ゴルフクラブ二十本とボール七百個、ネット補修費の合計で約十二万円。このほか体育館、グラウンド、テニスコートの維持費にも計約四百十万円(平成十−十五年度)の保険料を使用。さらに、社会保険業務センターでも、職員用テニスコートの建設費に約四百二十万円、バスケットコートに約三百五十万円を「流用」していた。
政府はゴルフ練習場建設の理由を「研修は長期間滞在して行うものがあり、職員の健康維持・管理、円滑なコミュニケーションに資する運動施設として設置」と説明。社会保険業務センターも「職員の健康維持・管理」と理由づけた。
ゴルフ練習場に関しては「廃止する方向で見直す」ことを明らかにしたが、無駄遣いの実態がとめどもなく明らかになる状況に、与党内からも「年金法の理解を得ようとするわれわれの努力が泡と帰しかねない」(自民党閣僚経験者)との懸念の声が出ている。(産経新聞) [6月30日3時55分更新]
◆コメント:人が汗水流して働いて稼いだ金を・・・・。
4月26日にも書いたのだが、あまりにもひどいので、再び取り上げる。
私たちが、年金掛け金を納めるのは、その金が直接自分に返ってくるわけではないが、社会福祉上、順繰りに負担することはやむを得ないと考えているからである。
当然、国は年金掛け金を、年金を支払うためだけに貯めて、或いは運用して増やしているものだと考えて、いちいち使途を検証しない。検証しないのは国を信用しているからである。
社会保険庁の役人どもを許し難いのは、その信用に応えようとせずに、信用されていることをいいことに、私たちが一所懸命に働いて納めた金を、こともあろうに、自分たちの遊びのために使っていたことである。こういうのは、サギと呼ぶのがふつうである。
4月26日の稿を読んで頂けるとわかるのだが、なんとこのような年金掛け金の流用は、累計5兆6千億円に及ぶ。坂口厚生労働大臣がはっきりとそのように発言しているその答弁も簡単に聞くことができるから、一度お聞きになることをおすすめする。
日本人はまことにおとなしい国民である。これが、中米や南米、ヨーロッパのラテン諸国だったら、多分、暴動が起きるだろうと思うのである。それぐらいひどいことをしているのだが、多分、この役人たちは既成事実化している事柄に関しては今でもきっと当たり前だと考えているに違いない。
◆未納や資金流用対策をせずに、保険料の引き上げを決めた、小泉政権
30数パーセントに及ぶ未納者がいて、さらに、少なくとも5兆6千220億円にも及ぶ年金流用がなかったら、年金保険料は十分足りているはずなのに、そちらはほったらかしで、今現在、まじめに年金保険料を納めている人からより多くの金を取る、という法律を強行採決したのが自民党という政党である。あきれてものがいえない。正直者が馬鹿を見るとはこのことだ。
今までこのことが明るみに出なかったのは、社会保険庁の隠蔽が巧みだったのか、うすうす気づいていたのに、国会議員が誰も追求しようとしなかったのか。多分その両方だろう。
そのことはけしからんが、今回この問題を明らかにした民主党の長妻衆議院議員の仕事は評価されるべきだろう。
2003年06月30日(月) 希死念慮
2004年06月29日(火) |
「多国籍軍参加きちんと説明 人道支援中心−石破氏」人道支援だけの多国籍軍などあり得ない。 |
◆記事1:多国籍軍参加きちんと説明 人道支援中心−石破氏
石破茂防衛庁長官は29日午前の記者会見で、自衛隊のイラク多国籍軍参加に関連し「湾岸戦争時の(ような)多国籍軍に参加し『海外で武力行使や武力での威嚇を行うのではないか』との印象を国民に与えているならば、そういう誤解に対し、きちんと説明しなければならない」と述べ、あくまで人道復興支援を中心に活動することを強調した。
バグダッド国際空港周辺で航空機への攻撃が後を絶たないことから、航空自衛隊部隊の空輸活動では「当面(同空港へ)飛ばすことは考えていない」との考えを重ねて示した。
◆記事2:テロ情報でサマワ警戒態勢 知事が対策の策定を指示 (共同通信)
【サマワ29日共同】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワを州都とするムサンナ州のハッサン知事は、米主導の占領当局からイラク暫定政府に主権が移譲された28日、州政府幹部を招集、テロ情報に基づき「27日夜以来、州内を警戒態勢下に置いた」と述べ、治安担当幹部らに緊急対策の策定を指示した。
具体的にどのようなテロ情報に基づくのかについて、知事は明らかにしなかった。[ 2004年6月29日8時18分 ]
◆コメント:人道支援だけの多国籍軍などありえず、多国籍軍の指揮権は人数が最も多い国の指揮官がなるのである。
昨年3月20日、イラク戦争がが始まって以来、今日まで、私は日本政府の 対イラク政策にずっと反対し続けてきたが、それは、いうまでもなく、小泉純一郎内閣総理大臣が虫が好かないなどという個人的・情緒的・小児的動機によるものではない。日本国憲法に照らし、すべて、政策決定が間違っていたからである。
まず、米国のイラクに対する武力行使は大量破壊兵器があろうがなかろうが違法な行為であったのに、安易に(同日中に!)これを支持したこと。
米国との同盟を重視する(機嫌をとる)という理由でイラク復興支援特別措置法を強行採決したこと。
政府はイラク復興支援特別措置法で定められているのは人道支援活動だけのごとく吹聴するが、「安全確保活動」という項目が明確に規定されており、これは、戦争中のアメリカを助けること、つまり「後方支援活動」を行うことであり、それは集団的自衛権の行使を禁じた日本国憲法第9条に違反する可能性が高い。
12月9日、ついに自衛隊派遣を決めたこと。これにより、本来日本の自衛隊は日本を守るためだけに存在する最低必要源の実力であったのに、その本質を逸脱し始めたこと。12月9日の小泉首相の記者会見では、「武器弾薬は輸送しない」と断言したのにもかかわらず、空自の証言によれば、それは真っ赤なうそで、実際には武器弾薬の輸送を行っていること。
そして、これは、マスコミに対する怒りであるが、こういう一番大事な、「公約違反」「違憲行為」を重大視せずに、ろくに取り上げなかったこと。
これらを放置し、既成事実化させてしまったことが、今回の多国籍軍参加というとんでもない決定を、こともあろうに、小泉首相が独りで勝手にブッシュにしてしまったことの遠因となっている。それに対する国民の反省も怒りも見られないこと。
私はこれらの歴史的経緯すべてに反対であり、不満と恐怖を覚える。
何度も書いたとおり、多国籍軍はそれぞれの国の軍隊が集まったものであり、国連の軍隊ではない。国連平和維持軍ならば、費用も国連が負担し、指揮官も国連が決定し、どこの国の軍隊が何人、いつからいつまで駐留するか、など全部お膳立てがすんでいる。
しかし、多国籍軍は、内乱が起きている国を武力で鎮圧するために、いける国は軍隊を送ってくれというものなのであり、その本質からいって、武力行使を目的としている。多国籍軍では、人数が一番多い国の軍隊の長が指揮権を持つのが、慣行であり日本独自の指揮系統などと勝手な言い分が認められるわけがないのに、あたかも認められるかのように政府は言っており、それをマスコミがそのまま伝えていること。
冒頭、記事1に引用した石破防衛庁長官がいっているような、多国籍軍で人道支援活動というのは、ほとんどコメディに近い。戦争中で、弾が飛び交っている中で道路の補修をしたり、水道の水を運ぶのか。
できるわけがないではないか、4月にサマワの宿営地のそばに迫撃砲の弾が2発落ち、日本人人質が誘拐されたら、10日間も宿営地から外に出なかったのだ。いまさら、多国籍軍じゃない。
武力を行使したら、完全に憲法9条に違反するのだ。この60年で初めて。
外務省、防衛庁の役人、制服組はそのあたり百も承知だろうが、小泉純一郎内閣総理大臣はたぶん「多国籍軍とは何ですか」?と質問したら、明確な回答ができないと思う。それでも日本人の40パーセントはこの男を支持しているとは、あたかも悪夢を見ているかのようだ。
2003年06月29日(日) 「地球温暖化を防ぐにはもはや手遅れである事を、諸々の兆候は示している」国連環境プログラム、1999年報告書
2004年06月28日(月) |
「集団的自衛権行使は容認 改憲問題で首相表明」あんまり調子に乗るなよ。 |
◆記事:集団的自衛権行使は容認 改憲問題で首相表明
小泉純一郎首相は27日のNHK討論番組で、憲法問題について「米軍が攻撃されても(自衛隊が)米軍と共同行動できないのはおかしい。憲法ではっきりさせることが大事だ」と述べ、日米安保条約などに基づく共同行動を円滑化する観点から、集団的自衛権の行使を認めるための憲法改正を行うべきだ、との考えを表明した。
同時に戦力としての自衛隊の存在や、自衛隊の国際貢献活動を憲法に盛り込む必要性も重ねて強調。「集団的自衛権は現行憲法では行使できない」としている政府の憲法解釈の変更については否定した。
首相はこれまで「自衛隊と共同行動している米軍が攻撃された場合の対応を研究する必要がある」との考えを示しているが、集団的自衛権行使の必要性について具体的に言及したのは初めて。
自民党憲法調査会は来年11月に取りまとめる改憲草案では「自衛権の保持」との文言を明記し、個別的、集団的自衛権を包含して容認する方向で議論を進めている。
◆定義:集団的自衛権
集団的自衛権は、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利。これまで日本政府は「権利はあるが、憲法解釈上、行使は許されない」との立場。
◆コメント:集団的自衛権を認めたら、アメリカにつきあって世界の果てまで戦争に行かねばならなくなる。
小泉首相の発言は相変わらず不明確だ。「米軍が攻撃されても(自衛隊が)米軍と共同行動できないのはおかしい」という場合の、米軍とは「在日米軍」を指すのか、米国本土にいる大多数の米軍も含むのか。
在日米軍を意味するのであれば、在日米軍が攻撃を受けると云うことは、日本の国土に何らかの物理的脅威が生じているはずであり、日本国民の生命・財産に危険が及んでいる状態であるから、それに対抗することは、日本国独自の自衛権の行使であり、つまり個別的自衛権の行使と解釈すれば済むことである。
しかし、単に米軍と云えば、何の限定的修飾語が無いのだから、世界のあらゆるところに散らばっている米国の陸海空軍すべてを指す。集団的自衛権の定義からすれば、日本が憲法で集団的自衛権を容認したら、世界のどこかで米軍が攻撃をされたら馳せ参じなければならない。
実際には、戦後の武力紛争でアメリカが一方的にいきなり武力攻撃を受けたということはなくて(911は戦争ではなくて犯罪だ)、アメリカが攻撃を仕掛けているわけで、厳密に解釈すれば、そういうときには、日本は米軍を助ける必要は無い、ということになるが、それは理屈であって、現実には、アメリカが戦争を始めたら日本が手助けをする、ということになろう。
アメリカは大量破壊兵器の証拠をでっち上げてイラクを攻撃して、1万人をこえるイラク人を殺した殺し屋だ。現代国際社会において、戦争は原則的に犯罪なのだ。
小泉純一郎内閣総理大臣の情けないところは、どこまでも、今現在において、世界で最も危険な戦争犯罪人であるブッシュ大統領と同性愛関係にあるのではないかと言うぐらい、アメリカにべったりと追従するところである。
ブッシュはキリスト教原理主義者であり、ネオコンであり、これらの過激な思想集団は本心では、白人優越主義で、日本人をバカにしているのである。かつてブッシュは「白人のキリスト教徒しか、天国には行けない」と口にして(大人になってからである)父母にたしなめられたというほどの、低脳児なのだ。こんなやつに、日本がナメられているかと思うと、腹が立って仕方がない。
とにかく、日本国に集団的自衛権を認めると云うことは、戦争という国際社会における犯罪に積極的に関与する可能性を高めることである。戦争に積極的に関与することを国際協調というのなら、そんな国際協調はしなくて構わない。するべきではない。
集団的自衛権により、世界中の戦争に巻き込まれることになったら、自衛隊員が足りなくなり、徴兵制がとられる可能性も高い。石破防衛庁長官が「徴兵制が違憲とは思わない」と国会で答弁したことがあるのは、有名である。
日本人は、アメリカにつきあって、地球の反対側の戦争に参加して、彼の地で死ぬかもしれないのである。そこまで、日本国民は覚悟があるのか。私個人としては、そんな覚悟は偉くも何ともないと考えている。戦争はどのみち人を殺すことである。そんなことに勇気を使う必要はない。
世の中が、「戦争をしよう」というときに、あくまで「戦争をするべきではない」という主張をするためにこそ、勇気を用いるべきだ。それがどれぐらい勇気がいることなのか、は、この本を読むと良く分かる。
今度の選挙で、自民党が勝ったら、日本人は、戦争を目指していることを意味する。
2003年06月28日(土) 英首相府とBBC全面対決 「謝れ」「謝らない」 BBCいいぞ。頑張れ。
2004年06月27日(日) |
「この国を想い、この国を創る」(自民党CMでの小泉首相)←あんたが滅ぼそうとしてるんだよ。 |
◆素朴な疑問:日本では、「愛国心」も「反戦」も異常なことなのか?
日本は誠に変な社会である。戦争に反対することは、健全な感情だと思うが、公然とそれを表すと、「反戦左翼」となって共産主義者にされてしまう(日本国憲法は思想信条の自由を保障しているのだから、たとえ共産主義者であっても、そのこと自体で差別されては、本当はいけないのであるが)。
そして、「国を愛する」とか「愛国心」(同じことだが)などという言葉を口に出せば、「あいつは右翼ではないか?」と、なんだか妙な宣伝カーに乗って大音量で軍歌を鳴らしながら町中を走る人々と一緒にされてしまう。愛国心の強制は危険な行為だが、個人の信条として祖国を愛するというのは、普通のことではないかとおもうのである。
このように、日本では、戦争に反対することも、祖国を愛することも異端的なものとみなされているようだ。ということは、論理的に考えて、「日本を嫌悪し」、「戦争をしたがる」のが「正常な人間」だということだ。そんなバカな国があるだろうか?
戦争に反対することが異端と見なされる社会ほど危険なものはないが、小泉純一郎氏が内閣総理大臣になって、公然と「憲法改正」の意志を表明するようになってから、次第にそのような風潮が醸成されつつあるように感じる。
◆小泉氏は改憲により、歴史に名を残そうとしているようですね。
日本が、変な方向に向かいだしているのは、極く単純化して云えば、小泉という人の私欲が原因である。
彼が本気で改憲を目指していることは明らかだ。去年の衆議院選挙の時の自民党マニフェストにもはっきりと書いてある。このところ、日本の首相はせいぜい2,3年で交代していたが、小泉首相が2期目を任期までつとめると、5年になる。
5年以上首相をつとめたのは、戦後では吉田茂、佐藤栄作、中曽根康弘ぐらいしかいない。小泉が3期目をもしつとめることになると、この「歴史的宰相」の系列に入れちゃう。入りたくて仕方がない。それが、小泉首相のホンネだろう。
しかしねえ。3期目までやらせたら、本当に憲法改正までいってしまうかもしれない。それは主に九条を改正しようということです。平和憲法を変える。戦争をしたいのですな。そうすれば、占領軍に押しつけられた(戦争放棄の九条を提案したのは、幣原喜重郎ともいわれており、アメリカに押しつけられたとはにわかに断定できないのだが)憲法ではない、日本人による「自主憲法」を制定した内閣総理大臣ということになる。すなわち、歴史に名前が残る、その後の日本がどうなろうが、知ったことではない、というのが小泉氏の気持ちでしょう。たぶん。しかしね。冗談じゃないよ、私欲によって平和憲法を変えられては、たまったものではない。
◆地球憲法第九条 A Call for Peace
という本を書いて、日本国憲法9条の理念は、世界中に広めるべきだ、という活動をしているアメリカの退役軍人がいる。チャールズ・オーバービー(Charles M Overby )という人物で、オハイオ大学名誉教授。1926年、モンタナに生まれ、というから、今年78歳だ。
朝鮮戦争のときに兵役にとられ、B-29爆撃機の副操縦士を務めた。戦争はこりごりだと思った。その後ウィスコンシン大学でPh.D.を取得して現在はオハイオ州立大学名誉教授。
1991年、湾岸戦争後に、世界平和のためには日本国憲法第9条の精神を世界に広めないとだめだというので「九条の会」をアメリカでつくった。「地球憲法第9条」という本は、その思想を綴ったものだが、その中で、次のように書いている。
この本は、世界で最も有意義な戦争に対する法的な差し止め命令たる、日本国憲法第九条への敬意を込めた、1つの主張をなすためのものである。
第二次大戦の業火と大量殺戮の中からあたかも不死鳥のごとく、国際平和と公正への一連の新しい原則が生まれ、日本国憲法第九条にその安住の場を求めた。
勝者と敗者の双方によって日本国憲法に位置づけられた戦争の放棄は、普遍的にしてかけがえのない宝物であり、お互いの未来へのモデルとして世界がこれを失うような勿体ないことはできない。人間にとって不可避な争いごとを解決するために非暴力的な手段があり得ることを示唆している憲法第九条は、新しい時代におけるわれわれにとっての羅針盤であり生き残りのための指針たり得る。
この本は講談社から2001年に出版されたけれども、残念ながら絶版なのだ。対訳本は。私は、仕方がないのでアメリカのAmazonに注文した。
◆世界的に評価されようとしている条項を日本がつぶしてはだめではないか。
上に引用した文章は、感動的だ。アメリカ人でも良心的な人がいる(当たり前だが)。他の国の憲法の条項を世界的に広めようなんてことは、なかなか思い立っても実行に移せるものではないが、もうじき80歳になろうというこの先生はやっているのだ。
というのに、我が国の首相は「こんなの、時代遅れ」という軽薄な言葉と歴史に名前を残したいという、私心がために、世界的にも評価が高い憲法第9条を安易に変更しようというわけだが、こんな思想と人物を支持してはだめだ。
2003年06月27日(金) 5歳の男の子から両親を一瞬にして奪った、酔払いトレーラー運転手 職業人としての自覚
2004年06月26日(土) |
イラク復興支援と言っているのは、小泉君だけだよ。 |
◆イラク人は、自衛隊がきたことを喜んでいない、それどころか、日本に憎悪を抱きつつある。
いろいろ、イラク関係の資料を当たってみて、改めていろいろなことが分かった。以下に記すのは、ほんの一部である。
- イラクの人々は、元々親日的だった。
- 今回、日本はアメリカの要求に屈して、自衛隊を送り込んできたことなど先刻承知であること。
- しかし、彼らは軍隊など欲していない。本当に欲しいのは雇用機会であり、給水なんていうのは、自分でできているのだ、ということ(軍隊よりも企業にきて欲しいのだ)。
- 軍隊の格好をした自衛隊がこのままイラクにイラクに居座れば、米国の味方、すなわちイラク人の敵と見なされて、殺されるだろうと忠告していること。
◆コメント:小泉君はイラクを敵に回しつつあり、それは、国益を脅かす重大な誤りなのだ。
日本は、石油資源の8割を中東に依存している。だから、日本がアラブ諸国から嫌われてはいけない。これは日本の常識である。
アラブ諸国は、アメリカこそテロリストだと見なしている。アルジャジーラのみならず、中東のマスコミは日本人が想像する以上に、日本の事情が分かっている。
つまり、日本は憲法によって武力の行使を堅く禁じられているのに、アメリカの「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」(地上軍を派遣しろ)という命令に隷従して、戦後初めて、外国に軍隊を送るのだ、ということははじめから分かっているのである。
不勉強な小泉首相は、もしかすると本気で、「人道復興支援」がイラク人に受け入れられて喜ばれていると考えているのかもしれないが、実際は、冷めた目で見られている。冷めた目のうちはまだよかったが、おそろしいのは、次第に、「日本人の野郎、悪魔のアメリカ人の味方をしやがって」という憎悪に変化しつつある、という事実である。
人道支援活動にしても、何もしていない。
たとえば、人道支援活動の一つに、「給水事業」があげられていた。川の水を浄化して飲料水として、住民に供給するという計画だった。しかし、実際には自衛隊が作り出す水は、「自衛隊自身が宿営地で使い切ってしまうぐらいの量しかできない」のだという。
実は、サマワには大規模な浄水場があって、1日、2千4百万リットル(自衛隊の300倍)の浄水能力がある。全然困っていない。自衛隊は情けないことに、この浄水場にタンクローリーを乗り付けて、浄水場の水をもらって、町中に運んでいるだけだという。下手をすると、イラク人の仕事を奪ってしまっているのである。
小泉首相が大得意で口にする「イラク人のための人道支援活動」の実態はこの程度のことである。こんなことをするために、国民の血税を377億円も使って、サマワに宿営地を造営したのである。
イラク人からすれば「何、やってんの?水なんか運んでくれなくていい。我々の欲しいのは仕事なんだよ」というわけである。
情けないのは、実態をきちんと報道しない日本のマスコミである。サマワには確か、現在日本人ジャーナリストは2人しかいない。ほかは、バグダッドにいるのだ。これでは、第2次大戦中に大本営発表をそのまま伝えて、戦意高揚に協力した、愚かな新聞と変わらないではないか。
日本に帰ってきたときに散々な目にあって、おそらく今もPTSDに苦しんでいる高遠菜穂子さんは、イラクのストリートチルドレン、学者などのインテリ、市井の一般大衆、農民など、あらゆる階層のイラク人に接した、たぶん、イラク人の感覚をもっとも良く分かっている日本人の一人である。その経験から得た情報は、そこらの外交官や政治家よりも遙かに信頼性がある。
その高遠さんがイラクの激戦地区で、ふつうのイラク人にインタヴューしたとき、返ってきた言葉は、「日本の自衛隊?シロウトだろ?やめとけ。殺されるのがオチだ。」というものだった。軍服を着ている者は占領軍(米英軍)と見なす。というのである。
自衛隊がイラクに来るのは、イラク人を助けるためではなく、アメリカに追従するためであることは、もはや、現地では周知の事実なのである。
このようにして、小泉首相がイラクに自衛隊を派遣することにより、日本はイラク人のみならず、アラブ諸国全体からも敵と見なされるようになりつつある。
石油を売ってもらえなくなったら、日本は、心肺停止状態に陥った人間のようなことになる。小泉首相はどれほど、日本の国益を損ないつつあるか、正確にシミュレートできていない、と思われる。誠に愚かな宰相である。
2003年06月26日(木) 技能五輪国際大会、日本勢「金」6個で3位 昨日に続き、いいニュース。
2004年06月25日(金) |
「イラク同時テロ 死者100人超す」 早く自衛隊を撤退させるべきだ。 |
◆記事1:イラク同時テロ 死者100人超す
【バグダッド=蔭山実】イラクの五都市で二十四日、相次いで発生した襲撃事件や車爆弾テロで、AP通信などによると、一連の事件による死者は米兵三人を含めイラク人警察や民間人など計百人以上、負傷者も三百二十人を超えた。
警察署や病院の前で連続して自動車爆弾が爆発した北部の都市モスルでは、死者が六十二人に増え、二百二十人が負傷。現地では夜間外出禁止令が出され厳戒体制が続いている。
一方、イラク暫定政権のアラウィ首相は二十四日、イラク暫定政権側への今月末の主権移譲期限を前に、全二十六省庁への権限移譲が同日完了したことを明らかにした。
この日権限が移譲されたのは国防省、内務省、財務省、法務省などで、アラウィ首相は「独立、主権国家に向けて動きだす」と述べた。(産経新聞) [6月25日16時21分更新]
◆記事2:陸自部隊50−60人が下痢 イラク南部サマワ宿営地 (共同通信)
11日までに防衛庁に入った連絡によると、イラク南部サマワの陸上自衛隊宿営地で50−60人の隊員が下痢の症状を訴え、体調を崩した。防衛庁は食中毒の可能性があるとみて、原因の解明を急いでいる。
自民党筋によると、数日前から連日30数人−60数人が高熱や嘔吐(おうと)、脱水症状を訴え、食中毒症状に近い、という。
政府は、今月末のイラクへの主権移譲後に編成が予定されている多国籍軍に自衛隊を参加させる方針を決めており、派遣部隊の健康管理の在り方が問われそうだ。
防衛庁関係者によると、隊員の下痢の症状は日常的に起きており、第1次部隊から第2次部隊に交代した直後だけに、水や環境の変化も影響しているとみている。
◆記事3:自衛隊駐留、イラク人の支持5割割る 地元紙調査
陸上自衛隊が駐留するイラク南部ムサンナ州サマワの地元紙が3月末から4月初めにかけて実施した世論調査で、陸自駐留を「支持する」との答えが49%にとどまった。同紙は陸自がサマワ入りする直前の1月にも調査を行っており、その時点では派遣に「賛成」が90%を超えていた。
月に2回程度発行される「アル・サマワ」が20日付の紙面で公表した。3月29日から4月7日にかけて、18歳以上の男女2000人を対象に聞き取り調査した。
陸自駐留については「支持」が49%で、「不支持」の47%をわずかに上回った。「日本部隊(陸自)の派遣はサマワの利益になるか」に対しては「いいえ」が51%、「はい」が43%だった。
◆コメント:自衛隊がイラクに駐留する意味が無いばかりか危険である。
小泉純一郎内閣総理大臣は、多国籍軍に自衛隊を参加させる、と息巻いている。しかしながら、記事1で分かるとおり、イラクは完全に内戦の様相を呈しており、危険きわまりなく、この地で多国籍軍に参加して人道支援活動だけをおこなうなどということは不可能である。
それから、記事2は2週間ほど前のものであるが、日本人の多くは気がつかなかったのではないだろうか。サマワの陸上自衛隊員は脱水症状を起こすほどの下痢に苦しんでいる。なんと集団食中毒にかかっていたのである。そんな状態で、人道支援活動もへったくれもない。
記事3はさらに古いものだが、1月にはサマワの住人の90%が自衛隊がくることに期待を抱いていたのに、4月のはじめには、もう、半分以下の住民しか、自衛隊の存在を支持していない。要するに、自衛隊は、地元民がやって欲しいことを行っていないのだ。
それでも、小泉首相は自衛隊をイラクにとどまらせて、多国籍軍に参加させようとしている。既成事実を作り上げることによって、「あれほど、イラク復興に貢献した(実際は全然していない)自衛隊を、違憲のままにしてよいのか」といって、「軍隊」にしようとしている。改憲の意志をあれほどはっきりと示しているのも、そのためだ。
しかし、24日のイラク国内の同時テロでは100人以上が亡くなっている。今まで、小泉首相は驚くべき強運に恵まれて、自衛隊員の死傷者をだしていないが、多国籍軍としてイラクに留まったら、何が起きるか分からぬ。
そして、戦後60年間、日本は一度も自ら武力を行使することなしに平和を維持してきたのに、戦乱の中ではついにその歴史が崩れてしまうかもしれない。その一線を越えることは日本現代史上の大事件、大問題なのだ。
今、日本は、再び戦争をする国になるかどうかの岐路に立っている、と言っても過言ではない。小泉首相は、危険だ。にも関わらず、小泉内閣支持率48%って、日本人は一体、何を考えてるの?
2003年06月25日(水) ウィ―ンフィルに日本人が入団!信じられないほどの栄誉。
2004年06月24日(木) |
道路公団民営化法案、参院で可決し成立 中身はひどい。小泉は「民営化」の三文字だけが欲しかったのだ。 |
◆記事:道路公団民営化法案、参院で可決し成立(6月2日)
【東京 2日 ロイター】 参院は2日午前、本会議を開き、日本道路公団など道路4公団の民営化法案を与党の賛成多数で可決、成立した。
道路公団改革は、郵政民営化と並び小泉改革の本丸として位置付けられた。
民営化法案は、道路4公団を約40兆円の債務や高速道路の資産を持つ独立行政法人の機構と、道路公団を3分割するなど合計6つの高速道路の建設、料金徴収、管理を行う民営化会社を設立する。2005年度内に民営化し、45年間で債務を返済し機構は解散する仕組み。民営化して10年後に民営化の枠組みを見直す。
1日に開かれた締めくくり質疑で、小泉首相は民営化の意義を強調すると同時に、「(ガソリン税など)道路特定財源は見直すべきである」と指摘した。金利が上昇したらどうなるのか、などとの野党側の指摘に対し、「可能性を言われては切りがない」などと切り返した。2004/06/02 12:48
◆コメント:道路公団改革の本質は何だったか。
私が一言で、小泉純一郎内閣総理大臣を評するならば、「言語はあるが、思想がない人物」ということになろう。
「道路公団民営化」は郵政事業民営化と並んで、小泉首相が登場したときから、散々ぶちまけてきたが、今月2日、年金問題で国会がごたごたしている間に、ドサクサ紛れに成立してしまった。しかしこれは、とんでもない内容なのである。めまいがする。
道路公団を何故改革しなければならなかったかというと、道路公団は郵貯、簡保から借金をして高速道路を作ってきた(財政投融資というやつだ)。そして、高速道路が完成したら、通行料で、郵貯への借金を返す、という仕組みを考えた。その仕組みで運営されているのが、日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団の4つの特殊法人である。四公団合計の借金は40兆円もある。
◆料金プール制
はじめの計画では、通行料で、郵貯への借金を返せば、高速道路は無料になるはずだった。しかし、いつまで経っても、無料にならない。
これは、「料金プール制」を採用しているためだ。いろいろな高速道路から通行料が入る。これは、ひとまとめにしてしまう。東名高速の通行料は、東名高速を造るために借りたカネの返済に充てられるのではなく、今、建設中の高速道路のために借りたカネの返済にも使われている。全ての高速道路を一本につなげている、と考えても良い。
したがって、新しい高速道路を作り続ける限りは、「完成した高速道路」は無いのだ。
だというのに、道路公団は、あまり採算が取れそうにも無い道路を、これからもどんどん作ろうとしている。これは、道路族議員と、土木業者と、国土交通省(昔の建設省)が癒着しているからだ。
◆政治家・業者・官僚の癒着
新しい高速道路の建設が続けば、土木業者は仕事が取れて儲かる。道路族議員は業者から御礼にリベートをもらい、選挙の時には強力な後押しをしてくれる。
また、道路料金を徴収したり、高速道路を管理したりするファミリー企業は、道路官僚の天下り先だ。実際は仕事などないだろう。座っているだけで給料がもらえて、退職するときには何千万、何億、というカネが懐に入る。
◆民営化はこの癒着を断ち切るため、のはずだった。
民営化とは、道路公団を民間会社にすることである。つまり資本主義原理を導入することにより、収益の極大化を目指すわけだから、儲からない道路の建設計画などは、立ち消えになるはずだった。そうすれば、新たに借金をする必要はなくなり、今現在の40兆円を返済することに専念できる。
6月2日に成立した法律では、形だけ、会社は民間になる。しかし、新会社の株の3分の1は国が保有する。これでは、完全に民営化されたとはいえない。国が新会社の方針に口出しできてしまう。人事にも影響を及ぼすことができる。具体的には、新会社には、情報公開法や官製談合防止法や入札契約適正化法が適用されない。談合・天下り・献金という構造は温存・隠蔽されたままとなる。
そして、全国で合計1万4千キロになる高速道路建設計画は保持される。数十年先まで、高速道路建設が続くことが決まってしまったのだ。
◆変わったのは、道路公団が株式会社になっただけ。
料金プール制も維持される。今までとなんら変わりが無い。新会社に借金を押し付け、今までの基本計画はなんらかえず、最初から採算が取れない道路は税金で作る。
しかし、小泉純一郎内閣総理大臣にとって、そんなことはどうでも良いのだ。
国土交通省の役人が、道路の説明に官邸に赴いても、総理大臣は全然聞いていないそうだ。興味がない。首相にとって重要なことは、実質ではない。
「道路公団を民営化した」という「形式的事実」を大得意で、吹聴することなのである。
「道路公団民営化」という言語がすべて。国の財政が将来どうなるか?知ったことではない。これが、小泉純一郎内閣総理大臣の本質である。信じたくないが、日本国の指導者はこのような人物なのである。
その事実を良く見極めて、参議院選挙で、投票しましょう。
2003年06月24日(火) 「<過労度診断>アクセス殺到でダウン 中央労働災害防止協会HP」 如何に皆が疲れているか・・・
2004年06月23日(水) |
「航空自衛隊は武器・弾薬の輸送は行わない」(12月9日 小泉首相) その後、どうなったか? |
◆記事1:2003年12月9日 小泉内閣総理大臣記者会見「イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について」
【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。
【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。
【質問】 行わない。
【小泉総理】 行いません。
【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。
【小泉総理】 そうです。
【質問】 そういうことですか。
【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。
◆記事2:自衛隊イラク派遣 武器持つ兵士輸送も−−福田官房長官、可能の見解
福田康夫官房長官は10日午前の記者会見で、イラクへ派遣する自衛隊の活動から武器・弾薬の輸送を除外する考えを小泉純一郎首相が示したことに関して「(兵員が)普通に携行するような武器ならいいと思う」と述べ、武器・弾薬を携行した米軍など他国軍隊の兵員輸送は可能との考えを示した。 (毎日新聞2003年12月10日東京夕刊から)
◆記事3:2003年12月16日参議院外交防衛防衛委員会 閉会中審議 議事録より
○小泉親司君:じゃ、総理、お聞きしますが、あなたは武器弾薬の輸送は行いませんと言われましたが、ということは、一つ一つ点検して選び出して、それを別々にして運ぶ、こういうことを指示なさるんですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君):基本計画、この支援法の中では武器弾薬も輸送することはできると、しかし、私は、実施要項、武器弾薬はしないと。この中で、それぞれ協力する場合に、自衛隊員だって武器携行する場合あるでしょう。それも武器弾薬の輸送に入るかというと、そこは入らないんじゃないですか。私は、そういう面において、兵員が武器を携行していく場合、それを、兵員を輸送する場合にそれは武器、お互い協力活動をしているわけですから、そのときにまでこれまでも武器弾薬の輸送というふうには言えないんじゃないかと言っているんです。
◆記事4;武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める
【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。
イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。
津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。
これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。(共同通信)[4月8日13時26分更新]
◆コメント:小泉首相は約束を破る。
記事1から4を順に読んで頂くと、殆ど説明は不要といっても良いぐらいである。
昨年12月9日、自衛隊をイラクへ派遣することを政府が決めて、小泉首相が記者会見した(例の憲法前文を長々と引用したのもこのときである)。
記事1はその記者会見における質疑応答の、最後の部分である。極めて明確に、「武器弾薬の輸送は行わない」と小泉内閣総理大臣は断言している。
ところが、記事2が伝えているとおり、政府のスポークスマンである福田官房長官は、なんと、翌日、12月10日、舌の根も乾かぬうちに、兵器の輸送は可能である、と言っているのである。こういうことを平気でできてしまう、厚顔さが政治家には大切な資質なのであろう。
そして、当然野党はこのことを問題視した。それが記事3である。
1週間後、国会が閉会中の参議院閉会中審議で、共産党の小泉親司議員(同じ小泉で紛らわしいが・・・)の質問に対する、答弁で、小泉首相は「兵員が武器を携行していく場合、それを、兵員を輸送する場合にそれは武器、お互い協力活動をしているわけですから、そのときにまでこれまでも武器弾薬の輸送というふうには言えないんじゃないかと言っているんです。」と発言している。
この調子で小泉首相という人は発言をすぐ翻すのである。首相が、全国民に向けてテレビ中継までされた記者会見の席で、つまり公式に、自衛隊は武器を運ばない、と約束したのだから、運んではいけないのである。
それ以前に、交戦中の同盟国の後方支援は集団的自衛権の行使に含まれ、それは日本国憲法に照らして、行ってはいけないのは、明らかなのである。
しかしながら、記事4では航空自衛隊が、実際に武器を携行した米兵を運んだ、とはっきり証言している。軍事オタクと呼ばれる人々に言わせれば、日米同盟を考慮すれば、米国の兵員を輸送すること、そして、兵隊が武器を携行しているのは当たり前だ、とか言うのだろうが、そういう問題ではない。軍隊の常識がどうなっていても、それを日本国憲法の上位に位置させてよい、という論理は成り立たない。憲法が日本国の最高規範だからである。
内閣総理大臣が、一旦、武器・弾薬の輸送を行わないと明言したのに、説明もなく、その約束が破られている。
これが、小泉首相に一貫して見られる、「いい加減さ」である。
問題は異なるが、小泉氏は首相になるときに、国債発行残高30兆円は超えない。ペイオフは予定通り実行する、如何なる反対にあっても、8月15日に靖国神社に参拝する、と公約したのだが、全てを破っている。
特に、国債30兆円に関しては、国会の答弁で「これぐらいの公約違反は大したことない。」と発言して、流石に大問題になったのは覚えておられる方も多いだろう。
一国の宰相が、自ら国民に約束したことに関して、その程度の認識しか持っていないということは、致命的な問題であり、内閣総理大臣にふさわしい人格を有していない、といえると思う。
今般、自衛隊を多国籍軍に参加させると小泉首相は主張していて、しかし、人道支援活動しか行わない、と言っているが、前例から考えて、その約束が極めて簡単に破られる可能性は極めて高い、ということを私は警告したい。つまり、本来、日本を守るためだけに存在するはずの自衛隊がイラクまで行って、能動的に武力を行使する、という完全な違憲行為に及ぶ危険性が高いのである。
こんなことは、軽々しくアメリカの大統領に約束するべきではなく、国会の審議を経ないで、閣議だけで決定する問題ではない。小泉首相の思考過程においては、国民主権という概念が殆どない。つまり民主主義社会の指導者というよりも、独裁者に近い存在になっていることを、警戒するべきである。
2003年06月23日(月) 6万年ぶりの火星大接近
2004年06月22日(火) |
「イラク戦争は今でも正しいと思っている」(小泉首相) そうですか。それでは伺いますが・・・。 |
◆記事1:昨年(2003年)3月20日、アメリカがイラクに対して武力行使を開始したときの首相談話要旨
政府が20日午後発表した小泉純一郎首相の談話の要旨は次の通り。
我が国は一貫してイラクの大量破壊兵器問題について、国際協調のもと平和的解決を目指し独自の外交努力を続けてきた。しかしイラクは12年間にわたり、17本の国連安保理決議に違反し続けた。国際社会が与えた平和的解決の機会を生かそうとせず、最後の最後まで国際社会の努力に応えようとしなかった。
このような認識のもと、我が国自身の国益を踏まえ、かつ国際社会の責任ある一員として、我が国の同盟国である米国をはじめとする国々によるこの度のイラクに対する武力行使を支持する。
◆記事2:<イラク>大量破壊兵器の捜索指揮したCIA特別顧問が辞任
【ワシントン中島哲夫】米中央情報局(CIA)のテネット長官は23日、イラクの大量破壊兵器捜索を指揮してきたCIA特別顧問、デビッド・ケイ氏が辞任したと発表した。
ケイ氏は同日、ロイター通信に対して「イラクは湾岸戦争(91年)の後、生物・化学兵器の大規模生産を再開せず、大量の備蓄はなかった」との判断を示した。イラクでの大量破壊兵器の米側捜索責任者が大量の備蓄の可能性を否定したことで、ブッシュ政権がイラク戦争前、フセイン政権打倒の大義名分として主張した「大量破壊兵器の差し迫った脅威」は、存在しなかったことがほぼ確実になった。
辞任発表後、ケイ氏はロイター通信との電話インタビューで、(1)湾岸戦争終結時点で存在した生物・化学兵器は、国連の査察とイラクの独自対応を通じて廃棄された(2)これらの兵器の大規模な生産をイラクが再開しなかったことを示している(3)90年代中ごろ以降、これらの兵器の大規模な備蓄は存在しなかった――との趣旨を明言した。 [2004年1月24日16時24分更新](毎日新聞)
◆昨日(6月21日)日本記者クラブ主催の党首討論での発言。
小泉首相:「米国支持は、正しい選択だった。(多国籍軍参加について)私は十分説明していると思っている。
◆コメント:小泉内閣総理大臣は合理的な思考が出来ない。
私は、何も難しいことを言っているわけでもないし、屁理屈をこね回しているわけではない。ただ、論理的、客観的に、歴史的事実を元に考えるのみである。
アメリカはイラクが大量破壊兵器を持っているから、これを破壊するために、イラクを攻撃するのだといった(本当はその理由も、国連憲章では許されていない)。
小泉首相は、大量破壊兵器を破壊するために行われるアメリカの武力行使を支持する、と言った。
今年1月、大量破壊兵器捜索の第一線にいたCIA特別顧問は、辞任して、ロイター通信に対して「90年代中ごろ以降、これらの兵器の大規模な備蓄は(イラクに)存在しなかった」と述べている。
最早、日本はアメリカを支持する根拠は、客観的に判断して、存在しない。
それにもかかわらず、小泉内閣総理大臣は、「アメリカを支持したことは今でも正しいと思っている」そうだ。
この男はバカに相違ない。
挙句に多国籍軍に参加して人道支援活動だけ行う、という。
これは、ユニフォームを着て、野球の試合に加わって、ショートか、サードかどこでもいいが、ポジションを与えられて、球が飛んできても、ただ座ってみています、というようなものだ。こういうのを「たわ言」というのだ。
多国籍軍に参加して、イラクの混乱した治安を鎮圧するのは、たとえ弾を撃たなくても、「武力による威嚇」に相当し、それは、いうまでも無く日本国憲法第9条に違反するのである。許してはいけないのである。
いい加減にしろよ、小泉。お前、頭悪いな!
しかし、同時に、この馬鹿の率いる政党が、公明党との連立で絶対安定多数を衆議院で確保してしまった責任は、他ならぬ我々有権者にあることを反省すべきだろう。同じ悪夢が参議院選挙で繰り返されるのだろうか。
2003年06月22日(日) ウィンブルドン・パーク・ロード
2004年06月21日(月) |
「モー娘。地球温暖化、防ぎ隊っ!!」 だめですな。これは。 |
◆記事1:2050年、20億人が洪水で被害・国連大の研究所が予測
【ワシントン13日共同】世界的に急増している洪水の被害が今後さらに深刻化し、2050年には現在の2倍に当たる約20億人が大洪水の危険にさらされるという予測を国連大学「環境と人間の安全保障研究所」(ドイツ・ボン)がまとめ、13日発表した。
異常気象の増加や海面上昇など今後予想される自然環境の変化に加え、発展途上国で土地や水を入手しやすい河川敷などの低地に人口集中が続くとみられることが大きな要因。同研究所は、洪水の予測や警報システムに資金を振り向けることが急務だと指摘している。
予測によると、特に深刻な被害が懸念されるのは中国やインド、インドネシアなど以前から洪水が多発しているアジアの途上国。アジアでは1987―97年に約22万8000人が洪水で死亡、世界の洪水による死者の9割以上を占めた。
ヤノシュ・ボガルディ研究所長は「洪水の予測など事前対策費用は現在、洪水後の救済費用の1%程度しかない。早急に予防策中心に切り替えなければ、被害の拡大は避けられない」と警告している。 [2004年06月13日 (日)](共同)
◆記事2:気温上昇による海底のメタンガス放出、温暖化をさらに加速
メタンガスの悪夢:海底や永久凍土の中に眠っている膨大なメタンガスが放出された場合、地球温暖化が急激に加速するおそれがあるという警告がこのほど発表された。永久凍土はすでに地球温暖化の影響により一部が解けだし、メタンガスの放出も始まっている。メタンガスは、温室効果に関し、二酸化炭素に比べて21〜25倍もの悪影響があるとされている。
海底には膨大な量のメタンガスが埋蔵されている。ノースカロライナ州沖合にある2つの小さなメタンガス田だけでも、埋蔵量は少なくとも約36兆立方メートルに達するという。この大量のメタンガスのほんの一部が空気中に放出されただけでも、温暖化は大幅に加速する。
そうなれば、地球温暖化が歯止めなしに進むという悪夢のシナリオが現実のものになると、マーク・ライナス氏は話している。メタンガスの放出によって温暖化が進み、さらにメタンガスが放出されるという「終わりのない悪循環」が起きる可能性があるという。
「ガスの放出が一定量に達すると、海底で大規模な地滑りが起きて大陸斜面[大陸棚から深海へ至る急斜面]が崩れ始め、最大で高さ15メートルの津波を引き起こすおそれがある。そうすると海岸にある都市の数々はまるごと飲み込まれてしまう」と、ライナス氏は警告している。(Hotwired)[2004年5月21日 2:00am]
◆記事3:モー娘。地球温暖化、防ぎ隊っ!! 千葉・幕張メッセでイベント
◆深刻テーマ、楽しく考えるぴょん ◆
モーニング娘。による初の文化祭「熱っちぃ地球を冷ますんだっ。」が19日、千葉・幕張メッセ国際展示場で開幕した。「STOP!地球温暖化」をテーマにしたイベントで、初日だけで3万人を動員。一日の動員数ではモー娘史上最多記録となった。
◆ 2日間で7万人超を動員 ◆
開会式で実行委員長を務めるリーダーの飯田圭織(22)が「みんな一緒に頑張ろう!」とゲキを飛ばすと、メンバーらはこぶしを突き上げ「オーッ!」と叫ぶなど気合十分。
ステージでは、石川梨華(19)と道重さゆみ(15)による期間限定ユニット「エコモニ。」がテーマ曲を披露。メンバーらによる爆笑コントやクイズ大会も行われ、地球温暖化防止の大切さを分かりやすく伝えた。
男性ファンらは大歓声で奮闘するメンバーを応援。来年開催される「愛知万博」の中村利雄事務総長も激励に訪れた。きょう20日には小池百合子環境相が訪れる予定で、主催者は「2日間で7万人を超えるのではないか」と話していた。
◆コメント:この、劇的な、絶望感。
地球温暖化に関する情報は、秘密でもなんでもなくて、この日記で何度も公開した地球環境概況2000を読むと、はっきりと、「地球温暖化を防止するのは既に手遅れ」という言葉が書いてある。
今般、参議院選挙が行われるにあたって、各政党は早くも公約を掲げているが、とりあえず票を獲得するためには、年金、イラク、デフレ対策などを主張した方が効果的なので、地球環境のことなどについては、ただの一言も書いていない。この、「ただの一言も」というところがすごい。5年前に、国連環境計画という専門家の集団が地球温暖化防止の緊急性を唱えているというのに、世界中の国の政党はそれぞれ「とりあえず議席を増やす」こと自体が究極の目的となってしまっている。
記事1は、将来洪水が増えるだろうということで、今の世界人口の3分の1が洪水の被害を受ける・・・って、ノアの箱舟じゃないんだから、もう、この世の終わりでしょ。そんなに水浸しになったら。
そして、記事2は、現在、主に問題とされている温室効果ガスである二酸化炭素の20倍もの温室効果を持つメタンガスが、海底から、すでに噴出し始めているという。ロシアの永久凍土の下にも、メタンガスが大量に閉じ込められていることは以前書いた。だから、何とか手を打たないと大変なことになる。
その後、記事3を読んで、私は卒倒しそうになった。この国の政治家、役人、国民、いずれもが、地球温暖化のもたらす絶望的な結末に関して、全く真剣に考えていないことが、この記事には、端的に示されている。地球温暖化をネタに、モーニング娘でひともうけ出来ればいいわけである。なるほどね・・・。
温暖化を防ぐには、化石燃料を燃やすことによる発電を減らす。そのためには電力消費を減らすこと。大気中のCO2を取り込んで、圧搾して、地中に埋め込む、ということが実際に行われているが、今のペースでは間に合わない。
私たちは、普通に暮らすことができる自然環境は永久に続く、と考えてしまうが、事実はそうではないことが科学的に証明されている、ということを、怖いけれども、認識しなければならないのだ。
2003年06月21日(土) <アンマン事件>五味記者を懲戒解雇に 毎日新聞 五味記者は日本に帰れただけでものすごく幸運だ。
2004年06月20日(日) |
「それではワトソン君、殆ど全ての問題の解決に有効な世界共通の方法を実践しよう」(シャーロック・ホームズ) |
◆記事1:日本人の半数不眠 3割が自覚症状ない潜在的不眠症 (毎日新聞)
日本人の半数に不眠症の疑いがあることが、村崎光邦・北里大名誉教授(精神医学)らの全国調査で分かり、6日、仙台市で開かれた日本睡眠学会のシンポジウムで発表された。不眠はうつ状態や心臓疾患の要因として知られているが、調査では、自覚症状のない「潜在的不眠症」が3割に上ることが判明した
不眠症状の有無は、世界的に用いられている「アテネ不眠尺度」という方法で、寝つき、睡眠への満足感、日中の眠気など8項目の回答で判断した。その結果、不眠症の疑いのある人は49・4%に上った。このうち「よく眠れていない」と認識している人は20・9%で、約3割が自覚症状がないことが明らかになった。
「よく眠れない」と答えた人に、不眠解消のための行動を聞いたところ、「何もしていない」が57.4%、「アルコールを飲む」が30.3%だった。
国立保健医療科学院が97年に実施した全国調査では、睡眠障害があると推定された人は男性17.3%、女性21.5%で、今回の結果はこれを大きく上回った。
大脳は睡眠によってのみ休むため、不眠は大脳の情報処理能力の低下を招き、ストレスの蓄積、食欲低下、頭痛、腰の痛みなどを引き起こす。うつ病や心臓疾患、糖尿病が多いとのデータもある。村崎名誉教授は「自覚症状のない不眠症の疑いのある人が、こんなに多いことに驚いた。途中で目が覚めやすくなるアルコールに頼るなど、不眠への対処法が理解されていないことも問題だ」と話している。[2002年7月6日 (土)]
◆記事2:眠れない大人たち〜広がる健康被害〜(クローズアップ現代)
日本人の睡眠時間はこの40年で1時間近く減少(7時間23分)、夜10時の就寝率も70%から20%と、急激な短眠化・夜型化が進んでいる。
睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が夜になると減少し「夜更かしするほど眠れない」悪循環を生むメカニズム分析が進む一方、睡眠不足が鬱病や痴呆など深刻な健康被害の原因となっていることが明らかになってきた。親につられて睡眠不足になる子供が増えているが、睡眠が不規則な子供は3角形をきちんと描けない割合が通常の4倍以上になるなど、脳の認知機能と運動機能との統合能力に遅れが見つかっている。
最新研究が明らかにする「短眠化が体を蝕む」衝撃の実態を、企業や自治体が取り組み始めた睡眠不足対策と共に伝える。(2004年6月8日 (火)NHK「クローズアップ現代」
◆コメント:日本人がカリカリして事件・事故が増えている原因のひとつは寝不足だ。
冒頭に引用したのは、イギリス、マンチェスターのグラナダテレビという放送局が1984年から製作した、テレビドラマ版「シャーロックホームズ」(NHKでも放送された。今はDVDになっている)の一場面で、ホームズがワトソンに向かって云った台詞である。
その当時は私は学生で、不眠などとは無縁であったし、「何をもったいぶった事をいっていやがる」としか感じなかったのだが、数十年を経て、思う。このホームズの台詞は、真理を言い当てている。
「日本人がカリカリして事件・事故が増えている原因のひとつは寝不足だ。」と、簡単に科学的に結論付けることは、出来ないだろうけれども、私はほぼ間違いなく、関係があると、直感的に感じている。
既に、過去に起きた、いくつかの世界的大事件、たとえば1979年にアメリカのスリーマイル島での原発事故(冷却水がどんどんへって、炉心が溶けた。原子炉容器の底が抜けなかったのが、不幸中の幸いで、容器全体が溶けていたら、チェルノブイリと同じ大惨事になったことは確実。)とか、スペースシャトル・チャレンジャー号の爆発事故は、ヒューマン・エラーで、その原因は作業員の睡眠不足にあった、という調査結果が出ている。
最近の日本は、しばしば感ずるのだが、私が子供のころとは、絶対に雰囲気違っているのだ。社会が変化するのはあたりまえだろう、と云われそうだが、そういうことではない。要するに世の中全体がカリカリしているのだ。皆、怒りっぽい、攻撃的、凶悪犯罪が多い。また、不祥事が多い。ケアレスミスが多い。
日本人の脳が環境ホルモンか何かの影響で変異を起こしているのではないかと思ったが、これは、専門家の研究を待とう。
記事2で、引用した、NHKが毎日放送している「クローズアップ現代」は、毎回大変興味深いが、先日、不眠を取り上げていた。それを見ていて、今の日本社会の問題のかなりの部分は、寝不足と関係がある、と思われたのである。
記事1(昨年の記事だが)ではなんと、「日本人の半数が不眠」だという。何故不眠になるのかというと、昨日の日記に書いたとおり、うつ病の症状としての不眠もあるが、これは、卵とニワトリで、不眠が続いたことがうつ病の原因になっている場合もあるのだ。
では、何故、不眠になるかといえば、少々乱暴に断言すると、「眠れるときに、早く寝ないから」だ。
夜起きているから、体内時計(概日リズム)が狂うのだろう。夜、寝ないでPCに向かって、2ちゃんねるなど見ていると、そもそも「夜は狂気の時間」と言われるように、昼間だったら、何とも思わないことにも腹が立って、ののしりあったり、特定の人物を攻撃したりするのだろう。昔から、「夜に手紙(特にラブレター)は書くな」というのは、昔の人の知恵だったのだろう。
子供が荒れているのも、大人と同じぐらい夜更かしして、テレビゲームやインターネットで遊んでいることと、大いに関係がありそうだ。
日本睡眠学会のサイトを読んでいてなるほど、と思ったのは「ヒトの睡眠の特殊性」という項目である。
ヒトの睡眠とほかの哺乳動物の睡眠は,生物学的には本質的に同じである。ノンレム睡眠とレム睡眠とが組み合わさって睡眠単位が構成されていること,生物時計の管理下に1日周期のリズム(概日リズム)を示すこと,眠りの不足分をはねかえり睡眠として埋め合わせることなど,すべて共通している。
しかし,動物たちはヒトのように連続して長く覚醒しつづけたり,連続して長く眠りつづけることはしない。つまり,1日に何回も眠るパターンを(多相性睡眠)を示す。
これに対し,複数の睡眠単位をつないで1日1回の長い睡眠期(単相性睡眠)にすることによって,概日リズムの休息の位相と同期させてしまったのが典型的な現代人の眠りである。
これは学校や職場の時間割りに拘束されて,睡眠は人為的な制約のもとに,社会的ないし文化的に管理されるためである。つまり,ヒトの睡眠は自然のままではなく加工されたものである。
なるほど。哺乳動物である人間も、本来は、他の動物のように、寝たり起きたりしているのが自然なのだ。今の睡眠習慣は、産業革命以降の社会システムに合わせるように「加工された」睡眠なのだ。これは、目から鱗が落ちる思いである。
加工された睡眠でも、それを守っているうちは、まだ問題がなかったのに、その眠るべき時間帯にまで、起きているから、余計おかしくなる。
昼食後に眠くなるのは当たり前で、それでも無理やり起きて、午後2時から会議なんかやったって、眠いのだから、生産性は低い。みんな機嫌が悪くなる。いいことは何も無い。
他の哺乳動物の睡眠と覚醒と繰り返すパターンにやや近づけたのが、ラテン諸国のシェスタ(昼寝)の習慣だろう。なるほどね。日本人は真面目だからな。「寝る」=「怠ける」という意識がどうしてもある。仕事時間に昼寝なんか、とんでもない、というのが、日本人、特にサラリーマンの大半の感覚だろう。
しかし、思い切って、この辺の社会習慣を導入したらどうだろうか。そもそも、日本人の今の生活様式、衣食住だって、欧米文化の物まねなんだから。昼寝の習慣も、社会的に定着させようと思えば、出来ないことはないのではないか。
それから、深夜テレビは禁止。深夜営業も禁止。深夜残業も禁止。テレビは石油ショックの後、本当に深夜放送禁止という時代があったのだ(これは省エネが目的であって、趣旨は違うけど)。残業の禁止というのは、そんなの無理だと言うけれども、サラリーマンは結構、無駄な仕事をしているところがあるのだ。
私は、病気がもっと悪い頃に、残業を禁止するというドクターストップが出て、診断書をもらって、会社に提出して、そのとおりにしたことがあるのだが、そのときの経験で分かったのだ。たいていの仕事は今の3分の2、上手くやれば半分の時間で片付けることが可能である。
勿論、本当にどうしても忙しくて毎日12時前には帰れない、というサラリーマンが大勢いることは、私も、十二分に承知している。しかし、それは、そういう状況を放置する会社が間違っている。日本では、「会社が個人に甘えている」のだ。
シェスタの習慣は、私がここで書いただけでは、すぐに実現しそうに無いから、まずは夜、早く寝ることだ。眠れないとき、どうするか?
精神科へゆくことだ。不眠の治療は精神科の領域である。別に怖いところではない。昨年、処方箋がなくても薬局で買える「睡眠改善薬」なるものが登場したが、あれは、抗ヒスタミン薬、つまり鼻炎用カプセルと同じ。ここで詳しく書いた。処方薬の方が安くて、確実に効く。精神科の薬など恐ろしい、と思うかもしれないが、私なんか、5年飲んでいる。別に、廃人になんかなっていないでしょう?
生兵法は大怪我の元。まずは専門家に相談するのがいい。餅は餅屋だ。
2003年06月20日(金) 「マトリックス・リローデッド」と「寅さん」
2004年06月19日(土) |
「『病名ついていないと理解』=雅子さまの症状に東宮大夫」 そうじゃないでしょう。 |
◆記事1:「病名ついていないと理解」=雅子さまの症状に東宮大夫
宮内庁の林田英樹東宮大夫は18日の記者会見で、静養中の皇太子妃雅子さまに関し「メンタル面の専門家が対応している」とする一方、「体調が悪いからといって必ず病名がつくとは言えない。医師から病名を聞いておらず、診断がついていないと理解している」と述べた。一部雑誌の病名報道には「憶測で事実ではない」とした。
雅子さまの症状については、ご自身が1月に公表した所感の中で「心身の疲労」に言及。宮内庁は詳しい状況や医療体制は「今の段階では申し上げにくい」(同大夫)としている。 (時事通信)[6月18日18時1分更新]
◆記事2:DSM4(精神障害の診断と統計マニュアル第4版)
【大うつ病の診断】
- 下記の9項目のうち5項目以上が、1週間以上にわたって続く場合に診断されます(ただし、5項目の中に1か2が含まれること)。
- うつうつとした気分がほとんど毎日続いている。
- 何をしても、興味をもって取り組めないし、喜びも感じられない。そんな気分がほとんど毎日続いている。
- 特に食事療法をしていないのに体重が減少したり、増加したりする (例えば一ヶ月で体重の5%以上の変化が見られる)。 または、食欲がなくなったり、増進したりする。
- 十分な睡眠がとれなかったり睡眠過多になったりするのがほとんど毎日続いている。
- すごくあせってイライラしたり、まるで元気がなくなったりする状態が、ほとんど毎日続いている。
- 理由もないのに疲れやすくなったり、気力が減退したりする状態がほとんど毎日続いている。
- 自分は全く価値のない人間だと深く思ったり、自分はとても罪深い人間だと思い込んだりする状態がほとんど毎日続いている
- 思考力や集中力がなくなって、何かを判断したり決断したりする能力がなくなる状態がほとんど毎日続いている。
- 死について繰り返して考えるようになった。特別な計画はないが自殺したいと繰り返し思ったり、どうやって死のうかと計画を立てたり考えたりする。
【軽症うつ病の診断】
- 次の2点に当てはまる場合に、軽症うつ病の可能性が高いと診断されます。
- 抑うつ気分(ゆううつで不安、イライラした気分)がほとんど一日中続くような日が、そうでない日よりも多く、少なくとも1年間同じような状態が続いている。
- 1.で述べた抑うつ状態に加え、下記の6項目の症状のうち少なくとも2項目以上が、1年も2年も続いている。
- 食欲減退かまたは過食
- 良く眠れない不眠か、寝すぎてしまう過眠
- 気力の低下、または疲労
- 自尊心の低下
- 集中力の低下、または決断困難
- 絶望感
◆コメント:ジレンマがあって、コメントが難しい。
コメントが難しい。相反する論理があるからだ。
私が以前から抱いている疑問は、皇族の方々の病名は、通常、あまりにも簡単に発表されてしまうが、それで良いのか?ということだ。
個人がどのような病気に罹っているかという事実は、プライバシーの最たるものである。医師は患者の病名を他人に漏らすことを医師法で禁じられている。この原則が、皇族には全く適用されない。
昨年の1月18日、天皇陛下は東大病院で前立腺がんの手術受けられたが、術前より、「前立腺がん」という生命に関わる大病であるにもかかわらず、宮内庁は全く意に介さない様子で、記者会見を開いて発表した。陛下のお許しは流石に得ていたのだと思うが、どうして皇族ならば、病名をかくも迅速に公表しなければならないのか。
今、話題となっている雅子さまにしても、以前、御懐妊なさったが、誠にお気の毒ながら、暮れも押し詰まった12月30日に流産なさったことがある。
このときも、テレビのニュース速報は「稽留流産」(けいりゅうりゅうざん)という用語を用いて、さっさと全国民に伝えた。流産はいずれ発表しなければならないにしろ、当時の雅子様のお許しを得ていたのだろうか、疑問が残る。
仮に、雅子さまが許可していたとしても、普通に考えて、流産した直後の女性の精神状態は、抑うつ的になるか、不安定になるか、とにかく完全に平静ではないはずで、そのようなときに、判断を仰ぐこと自体の妥当性に問題がある。
そして、「稽留流産」という専門用語を用いたこと。単なる「流産」ではいけなかったのか。「稽留流産」と聞けば、調べることが出来る。その結果、
「治療は、子宮の内容物すべてが排出された場合、必要でない(完全流産)。ただ内容物の一部だけが排出された場合(不全流産)は、子宮を空にするため吸引掻爬術が行われなくてはならない。 もし胎児が死亡しているが子宮内に残っている(稽留流産)なら、医師は、通常吸引掻爬術によって、胎児と胎盤を取り出さなくてはならない。子宮を収縮させて、そしてその内容物を外に出させる、オキシトシンのような薬物が後期の稽留流産には使われる。」
というようなことまで、分かってしまうのである。そういうことを、全国民に知られてしまうのは、気の毒だ。宮内庁やマスコミはそこまで考えていただろうか。
◆精神科だから、発表しないのか?自分たちが病気の原因を作ったのが原因だからか。
このように、天皇陛下のガン、雅子さまの流産のときは、淡々と病名を発表した宮内庁が(今回は東宮大夫)、今回はやたらと隠したがっている。これには、主に二つの理由が考えられる。
1.精神疾患への偏見。
2.雅子さまが、精神的な面でケアを受けるようになった原因の、かなりの部分は、皇太子殿下の、先日の波紋を呼んだご発言「雅子のキャリアや人格を否定するような動きがあった」からも推測できるとおり、自分たち自身(東宮御所の役人)であることが明らかになるのを恐れて、保身を図っている。
多分、その両方だろう。だいたい、診断名がついていないというのは、甚だ、怪しい。
とにかく、メンタル面の専門家というのは精神科医のことだろう。臨床心理士(カウンセラー)だけとは考えられない。臨床心理士は医師ではないから、もともと「診断」を下すことは出来ないのである。東宮大夫が「診断名は聞いていない」と云ったのは、治療に当たっている人々に精神科医が含まれていることを、暗示している。
そして、精神科医が見ているのであれば、何ヶ月も経過しているのに、診断がつかないということは、まず、ありえない。私は、自慢にならないが、5年以上精神科に通っている患者であり、入院したこともあり、いろいろな患者と精神科医を見てきた。
それぐらいで精神医療の全てが分かったつもりになってはいけないことぐらいは承知しているが、経験からして、診断がつかないということはない、と、ほぼ、断言できる。
多くの精神科医は自らの経験に基づいて診断を下す。しかし、それだけではあまりに主観的だというので、アメリカ精神医学会が発行している「精神障害の診断と統計マニュアル第4版」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders version4)という、分厚い本があり、これが、一応世界基準になっている。
記事2はその抜粋である。「大うつ病」というのは、Major Depressionの訳で、躁うつ病ではない、ということ。それから、抑うつ感が軽い、軽症うつ病(昔は「抑うつ神経症」といい、今は、本当は、「気分変調症」というのが正しい)でもない、という意味だ。小うつ病という病気があるわけではない。
原本はもっと細かく条件を規定している。全ての精神科医がこれを杓子定規に当てはめているわけではないが、ある程度の参考にはなっている。だから、何ヶ月もかけて、診断がつかないということはありえず、本当に診断がついていないのなら、すごいヤブ医者で、東宮御所は、そんなヤブに雅子さまを診させているのか。といわれてもしかたがない。
ガンや流産のときには、あれほど何のためらいも無く、病名を公表していたくせに、今回はメンタル面の専門家に診てもらっているが、病名は聞いていない、とは、如何にも妙である。
本来、プライバシーを重んずるという観点からは、ガンもうつ病も安易に病名を公表するべきではない。しかし、病名を発表するのならば、精神疾患であっても発表しないと、余計な憶測を呼ぶ。雅子さまとて、監禁されているわけではないのだから、巷のうわさを耳にしたり、目にしたりすることがおありだろう。
抑うつ状態にある人が、自分に関する「憶測記事」を読んだりしたら、余計に悪くなる。うつ病ならば、そのように発表して「分かっただろ。もう、余計なことは書くな」といえば、国民も納得するだろう。納得するべきなのである。
以下は、完全に私個人の憶測であるが、雅子さまは、多分皇室に入られてからの長い間の強いストレスにより、反応性のうつ病、ないし、抑うつ状態にあるのだろう。そして、そのストレスの正体は他ならぬ、宮内庁の誰かが関係していることが、容易に推察される。東宮大夫が病名は聞いていない(そもそもだな、聞いていないなら、聞けよ)と言い張るのは、それが明らかになるのを恐れているからであろう。
2003年06月19日(木) 「アルカイダが日本潜入計画」 何故、アルカイダが日本を狙うのか。
2002年06月19日(水) サッカー騒ぎはもうやめ!
2004年06月18日(金) |
「多国籍軍初参加を閣議決定 基本計画を変更」 こんな重要なことを国会で審議せずに、又、選挙前に決定するべきではない。 |
◆記事1:多国籍軍初参加を閣議決定 基本計画を変更
政府は18日午前の閣議で、イラク主権移譲後に編成される多国籍軍に自衛隊を参加させるため、イラク復興支援特別措置法の施行令改正と、自衛隊派遣の基本計画の変更を決定した。同時に自衛隊が多国籍軍の指揮下に入らず主体的に人道復興支援活動を行うと明確にした「政府見解」も閣議了解した。
自衛隊が多国籍軍に参加するのは初めて。小泉純一郎首相の説明や、九条との関係などの憲法論議が不十分との批判が出ている中で、「戦時」派遣の自衛隊活動はあいまいさを残したままで新たな段階に入った。
政府見解は、自衛隊は多国籍軍の「統合された司令部」との間で「連絡・調整」を行うが「司令部の指揮下に入るわけではない」と独自の指揮権を維持することを強調し、こうした立場について米英両政府の了解を得ていると明記。「憲法との関係で許されないとしてきたいわゆる多国籍軍への参加に関する従来の政府見解を変えるものではない」としている。(共同通信)[6月18日12時57分更新]
◆記事2:日本国憲法前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
◆コメント:小泉首相の憲法曲解と独断専行はとんでもない愚挙である。
昨年、自衛隊をイラクへ派遣することを、自民党が強行採決したあと、さすがに説明する必要がある、と思ったのか、12月9日に小泉内閣総理大臣が出てきて、一席ぶったのだが、そのときに、小泉首相が、憲法前文を引用したことを覚えている人は多いだろう。
憲法前文を読むと分かるが、3つの部分から出来ている。
第1の部分は、国民主権を謳ったものだ。第2の部分は、徹底した平和主義である。特に、このセンテンス「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」というところが重要である。日本は平和を守ることにより、国際社会で名誉ある地位を占めたい。というのが、憲法の精神である。
そして第3の部分は国際協調を唱えた部分である。小泉首相は自衛隊をイラクに派遣するときに、「自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって」という部分だけを引用して、他の国も兵隊を派遣しているのだから、日本も自衛隊を派遣するべきなのだ、という主張をしていたが、これは、全然間違っている。日本が国際社会で名誉ある地位を占めたいと、いうのは、あくまでも平和主義を通じて、で、あって、武力行使に加担、協力することを通じて、ではないことは、明らかだ。
この憲法の草案はアメリカ人が作ったものだが、あくまでも平和を基調とする思想は人類の理想として、いつの時代にも通用する、普遍的な正当性を有している。
小泉首相は感覚的な言語を発することが多い人物である。いつだったか、「今の憲法は時代遅れ。」と云っていたが、どうも、彼は平和を堅持することが時代遅れと考えているようだ。そうでなければ、自衛隊を、こともあろうに、戦争中の国に派遣される軍隊である多国籍軍に参加させるなどという、恐ろしいことを、国民の真意を問うことも無く(つまり、選挙の前に)、閣議で決定することなど出来るはずが無い。
小泉内閣総理大臣が行っていることは、せっかく日本が60年間維持してきた平和主義を、放棄しようとするもので、極めて危険な思想であるといっていい。
2003年06月18日(水) 「米成人の16%にうつ病の恐れ、米研究グループ試算」 それぐらいありふれた病気だということだ。
2004年06月17日(木) |
「北朝鮮、心臓専門病院を準備=韓国にノウハウ打診−情報当局が関心」この意味、わかりますね?長くないぜ。 |
◆記事1;<北朝鮮>携帯電話が使用禁止に 列車爆発事故に関連?
平壌で開かれた第9回南北経済協力推進委員会で、北朝鮮代表団関係者が「北朝鮮の携帯電話が先月25日から使用禁止になっている」と韓国側同行記者団に話し、韓国メディアの関心を集めた。北朝鮮が携帯電話を「回収した」との情報は流れていたが、当局者が事実を認めたのは初めて。(毎日新聞)[6月5日18時3分更新]
◆記事2:携帯電話で総書記暗殺? 起爆装置と英紙
【ロンドン13日共同】13日付の英日曜紙サンデー・テレグラフは、北朝鮮・竜川で4月22日に起きた列車爆発事故の現場から携帯電話の破片が見つかり、事故を調査している当局者らが、爆発は携帯電話を起爆装置として使って金正日総書記の暗殺を狙ったものとみていると伝えた。
同紙によると、携帯電話には粘着テープが付いていた。当局者によると、電話の持ち主の捜査が進められたが結果は不明という。
また同紙は、北朝鮮政府がこうした企ての再発を防ぐために国民の携帯電話の使用を禁止したとしている。
事故は、中国訪問を終えた金総書記が乗った特別列車が、事故現場の竜川駅を通過して約9時間後に起きたとみられている。(共同通信)[6月13日13時15分更新]
◆記事3:北朝鮮、心臓専門病院を準備=韓国にノウハウ打診−情報当局が関心
【ソウル24日時事】北朝鮮が、不整脈などの心臓疾患や突然の発作に対応する治療体制を備えた初の専門病院の開設を準備していることが24日、明らかになった。同国事情に詳しい消息筋によると、平壌に10階建て前後の施設を建設し、検査や先端治療用の機器を整備する計画。食料や電力の不足で厳しい経済苦境に直面する北朝鮮が、あえて高度な治療のできる病院を造ろうとすることに、米韓両国の情報当局は関心を示している。
同筋によると北朝鮮は、医師や看護師の専門技術の習得や病院運営に関するノウハウの提供を、韓国の医療関係者に打診している。ソウルの心臓疾患専門医が今年3月、北朝鮮に足を運んだことが確認されているが、この専門病院に関する協力が訪朝理由の1つとされる。 (時事通信)[5月25日7時0分更新]
◆コメント:北朝鮮の崩壊は意外と近いかも知れぬ。
昨日書いたとおり、私は小泉首相という人を評価も信頼もしていない。日本という国がいやになることが、最近多い。しかし、北朝鮮絶望収容所とか、北朝鮮拉致工作員という本を読むと、北朝鮮に生まれなかったのは、実に幸せであったと思う。あの国では将軍様のバッジをきちんと磨いていなかったというだけで、強制収容所へ送り込まれ、苦役と拷問で死んだ人が今日も居るはずである。
世界地図のソフトで計ってみたら、東京-那覇間の直線距離は1560km。東京-平壌は1293kmである。
4年前、韓国映画「シュリ」を見て強烈な印象を受けた。
ラストシーン近くで、で北朝鮮特殊工作員のリーダーが、韓国の諜報員に向かって、「死んだわが子の肉を食う親を見たことがあるかっ!」と絶叫する場面があって、思わず息を呑んだが、これらは脱北者から取材した本当の話しだという。
東京から、沖縄よりも近いところでは、数百万人がすでに餓死しているのに、日本では、毎日、消費期限を過ぎたコンビニ弁当などが、惜しげもなく捨てられている。人間は誰も、好きでこの世に生まれてきたわけではないのに、運命はなんと不公平なことであろうか。
このような、国家が個人の所有物のようになっている国に、主権をおかされて、わが国の国民をさらわれたというのに、何十年もこれを放置してきた、日本政府の歴代の責任者は万死に値する。小泉首相のおかげで10人は戻ったじゃないか、というが、まだ、100人以上も、祖国に帰ることを切望している人々が、今、この瞬間にも、彼の地にいるのだということを我々は、辛くても、無理にでも、意識するべきなのである。
それをだね。この10人で、北朝鮮問題は解決したことにしましょう、といいたげな雰囲気が、自民党には確かにある。これは、政策という以前に、お前らそれでも、人間か?というような話である。
ところが、最近、冷静に北朝鮮情報を観察していると、異変が起こりつつあるように見える。5月に、北朝鮮が携帯電話を目の色を変えて没収しているという記事を読んで、あれ?と思った人は少なくないだろう。
もともと北朝鮮では、超エリート、つまり、金正日に忠誠を誓う、党の幹部など特権階級しか、携帯電話など、持っていないはずだ。それまで没収するということは、金正日は本当に信頼できる人間がどんどん少なくなっていると感じているということだ。きっと、言いがかりをつけられて、強制収容所送りになった者も居るに違いない。また、それをみこして、北朝鮮の中枢部の人間の脱北が進むか、あるいは、本気で、金正日の暗殺を画策している可能性があることが、記事1と記事2から、読み取れる。
そして、記事3が意味するところは明らかだ。
要するに首領様は、心臓が悪いのである。旧ソ連でもこれにそっくりの共産党幹部のための専門病院があった。
ただでさえカネが無い北朝鮮が、国民のために、循環器専門病院など建設するわけが無い。金正日は自分がまだ死にたくないので、なんとか先進的な医療を受けようとしているのである。ということは、すでに何か自覚症状があるはず。
歴史が動くときは、本当に急に動く。ソ連が消滅することも、東西ベルリンの壁がなくなることも、本当に、世界中の誰もが、前日まで想像だにしなかったことなのである。
日本が、アメリカに媚を売るのは北朝鮮のミサイルが怖いからだろう。ということは、北朝鮮の脅威がなくなれば、アメリカも要らない。
今まで同盟で世話になっていてそういう言い方は無いだろう、という人は、歴史の本を読んでください。外交とはそうしたものだ。お互いの腹の探り合い。国家を擬人化してあたかも、人間同士に存在するような「友情」が国家間に存在すると考えるのは、間違いだ。
どうやって、こちらの都合のよいように相手を利用し、相手から利用されないようにするかが、政治家と外交官の腕の見せ所。そう。外交とは、はじめから汚い世界なのだ。
今は、世界中からカネをせびられ、利用され放題の日本が脱皮するチャンスかもしれない。日本人の頭の良さの見せ所が近づいているような気がしてならぬ。
2003年06月17日(火) 人々があまりにも不親切、無愛想。これは東京だけの現象なのだろうか。
2004年06月16日(水) |
「内閣不信任案否決」 ところで総理。イラクの大量破壊兵器はどこにあったのですか? |
◆記事:内閣不信任案を否決 与野党が参院選に突入へ
民主、共産、社民の野党3党は15日午後、小泉内閣不信任決議案を衆院に共同提出した。同日夕の衆院本会議で直ちに採決、与党の反対多数で否決された。第159通常国会は、残る法案処理を経て16日、150日間の会期を終え閉幕する。与野党は7月11日投票予定の参院選に突入。年金制度改革、イラクの多国籍軍への自衛隊派遣問題などを大きな争点に、論戦を繰り広げ有権者の審判を受ける。
衆院本会議では、民主党の岡田克也代表が野党3党を代表して提案理由を説明し「小泉首相は実行力がなく、国民に対し説明責任を果たさず、首相としての資質が決定的に欠如している」と厳しく批判。
その上で、具体的政策について(1)大義なきイラク戦争を支持し、なし崩し的に自衛隊を多国籍軍に参加させようとしている(2)道路公団改革、国・地方財政の三位一体改革など諸改革の決定的遅れ(3)「お粗末」な年金制度改革関連法を成立させ、抜本改革を先送りした−−などの理由を挙げ「不信任することが最善の手段」と訴えた。(共同通信)[6月15日20時15分更新]
◆記事2:多国籍軍参加、検討わずか1カ月前
政府が自衛隊の多国籍軍参加の検討を始めたのは、イラク暫定政府と地位協定を結ぶ交渉が不調に終わった今年5月になってからだったことが15日、明らかになった。
自衛隊は現在、連合国暫定当局(CPA)と地位協定を結んでいる。外務省は当初、これを暫定政権との協定に衣替えするだけで、多国籍軍に参加しなくてもイラクでの自衛隊の法的地位を確保できるとみていた。
ところが占領統治を主導する米英とこれに抵抗する欧州各国との交渉が長引き、多国籍軍の権限や形態も揺れ動いた。このためCPAは、暫定政権が他国の軍隊と比べて制約の多い自衛隊と個別協定を結ぶのは不可能だとの見通しを伝達。これに驚いた日本政府が5月の大型連休明けに急きょ、多国籍軍参加への法的整備に着手したという。
国内の論争を呼んだ多国籍軍参加も、安保理内の駆け引きに翻弄された、付け焼き刃の措置の色彩が濃い。 (07:02)
◆コメント:昨日の内閣不信任案提出が無意味だとは思わない。
昨日、野党が内閣不信任案を提出したことに対して、否決されていることは目に見えているのに、あえてこれを行ったのは、国会閉会前のパフォーマンスで、意味が無い、ということを云う人がいるけれども、果たしてそうだろうか。
連立与党は昨年11月の衆議院選挙で絶対安定多数を確保した。上の論理を適用すると、どうせ、本会議でも全ての委員会でも与党の数がまさるのだから、審議しても与党案に決められてしまう。だから、野党は存在する意味が無いということになる。果たしてそうだろうか?それでは、民主主義というよりも、自由民主党ひいては小泉首相の独裁政権が日本を運営していることになる。数の上では足りなくても、時の政権の施策に対して、野党が常に監視の目を光らせてこそ、民主的な政治というものである。
今国会において、野党にも問題は、勿論あった。特に野党第一党である民主党の、年金未納問題からの躓き方、内輪もめの有様には、心底、失望した。
年金問題もさることながら、自衛隊のイラク派遣が決まって、既成事実化してからは、航空自衛隊がクウェートから米英の武器を携行した兵士を運んでいる、つまり、後方支援を行い、憲法で禁止している集団的自衛権の行使をしていることがほぼ明らかだというのに、これに対して、厳しい追及をしなかった怠慢は大きい。
しかし、「野党第一党がだらしない」ことと、「小泉政権の政策が正しいか否か」は全く別問題である。
昨日、民主党の岡田代表が指摘したことは、正しい。特に、「(1)大義なきイラク戦争を支持し、なし崩し的に自衛隊を多国籍軍に参加させようとしている」ことは、全く小泉首相の暴挙であり、わが国を破滅に導きかねない、危険な行為であるのに、多くの国民がぼんやり見ているだけなのは、情けない。
この日記で何十回も書いたが、人の記憶は不確かだから、また書く。
昨年3月20日にアメリカがイラク戦争を始めた。その理由は「イラクは大量破壊兵器を保有していて、明日にでもそれらがテロリストの手に渡り、アメリカが攻撃されるかもしれない」ということだった。
小泉首相は、アメリカがイラク戦争を始めたその日に、これを支持すると公式に発言した。下はそのときの記事です。デイリー自民という、自民党党内紙。勿論ネットで見ることが出来る。
■ 小泉総理、米国などの武力行使の支持を表明
小泉純一郎総理は20日、米国・英国などのイラクに対する武力行使が開始されたことを受けて総理官邸内で会見し、「武力行使開始を理解し、支持する」と表明した。小泉総理は「イラクは一連の国連決議を軽視し、愚弄してきた」と、平和的解決がならなかった原因はイラクの対応にあったことを強調し、「生物化学兵器などの危険な兵器が危険な独裁者に渡したら我々は大きな危険に直面する」として、大量破壊兵器の廃棄のために武力行使に至った米国の立場を支持した。
いいですね?小泉首相は、「大量破壊兵器の廃棄のために武力行使に至った米国の立場を支持した」のです。ところが、大量破壊兵器は今日まで見つかっていない、CIAの調査団長は今年の一月、「昨年3月20日、アメリカがイラクに対して武力攻撃を開始した時点で、大量破壊兵器が存在するという証拠はなかった」と断言して辞職している。アメリカは嘘をついていた。大量破壊兵器はないのです。したがって、日本がアメリカを支持する理由もなくなったのです。同盟国であることは関係がない。アメリカは同盟国である日本にまで、大量破壊兵器がある、と嘘をついたのである。
そして、これも何度も書いたけれども、国連憲章の規定によれば、たとえ、大量破壊兵器をイラクが保有していたとしても、国連安全保障理事会の決議がなく、また、イラクの側からアメリカを攻撃してきていないかぎり、アメリカは武力行使をすることは出来なかったのである。
はじめからイラク戦争に「大義」など存在しない。現代国際社会において原則的に、戦争は違法行為であり、制裁の対象である。違法行為を支持してはいけない。
大量破壊兵器が見つからないことを野党に追求されたときに、小泉首相は「私はあると思う」という全く意味の無い答弁をした。私はこの発言だけでも小泉純一郎衆議院議員は、内閣総理大臣として不適格である、と考えている。
この人は詭弁の天才であり、論理性、合理性という、普遍的に人を納得させる思考、ないしは言語表現の出来ない人である。論理的思考の出来ない人物が宰相になるべきではない。
一度、読者の方(女性)から頂戴したメールには、「そんなに小泉首相が嫌いですか」と書かれていた。失礼ながら如何にも女性的反応である。天下国家を論じる際には、個人的な好悪(こうお)というような、情緒的な要素を入れるべきではない。私は個人的には、多分小泉さんと話したら、面白いだろうと思う。彼も私もロンドンにいたし、音楽も好きだしね。
しかし、それとこれとは別だ。彼をこの国の指導者にしておくのは危険だ。
2003年06月16日(月) 「オーケストラがやってきた」 山本直純氏の功績
2004年06月15日(火) |
「日本を監視対象国に指定 人身売買の米報告書」ヨーロッパ時代も含めると400年も奴隷貿易をしていたのは誰でしたかね? |
◆記事:日本を監視対象国に指定 人身売買の米報告書
【ワシントン14日共同】米国務省は14日、世界各国の売春や強制労働を目的とした人身売買に関する年次報告を発表し、日本に関して売春目的の人身売買で国際的に暗躍する「ヤクザ」の存在を指摘、今回初めて設けた「監視対象国」に日本を指定した。4段階で2番目に悪い評価。小泉政権は4月に関係省庁の「連絡会議」を設置し事態改善に乗り出したものの、今後一層の努力を迫られそうだ。
国際組織犯罪の取り締まりを強化するブッシュ政権は報告で、人身売買の対象であるアジアや中南米女性の「目的地」となっていながら、日本では法整備や犯罪摘発、被害者救済が十分でないことに警鐘を鳴らした。
パウエル国務長官は記者会見で、人身売買の被害者は世界で60万−80万人に上ると指摘。国務省のミラー上級顧問は「日本は『性奴隷』をめぐる大きな問題を抱えている」と述べた。主要8カ国(G8)で監視対象国は日本とロシアだけ。
国務省は131カ国を法整備・対策の面から「第1」から「第3」の3つに分類。「第3分類」に入った国は制裁対象となる。(共同通信)
[6月15日13時29分更新]
◆コメント:お前らに偉そうなことを言う資格はない。
いうまでもなく、リンカーンが奴隷を解放するまで、ヨーロッパからアメリカに移住した白人たちは、長い間、アフリカの黒人を奴隷として扱ってきた。ちなみに、奴隷貿易を行っていたヨーロッパ人は皆、キリスト教徒である。だから、私はキリスト教ってのは偽善の体系だというのだ。
奴隷貿易が始まったのは16世紀で、それが19世紀まで続くのだが、恐ろしいことに、ヨーロッパのほぼ全ての国が黒人を奴隷として輸入しており、それに対する罪悪感を感じていなかったのである。かの有名なモンテスキューの「法の精神」ですら、「黒人が人間だと考えることは不可能である。彼らを人間であると考えれば、我々がキリスト教徒でないことを認めざるをえなくなる。」としている。開いた口が塞がらない。
アメリカ人も要するにヨーロッパの白人が移住しただけだから、意識は同じである。アメリカ独立宣言には「すべての人間は生まれながらにして平等であり、創造主によって一定の奪いがたい権利を与えられ、そのなかには生命、自由、および幸福の追求が含まれていることを、われわれは自明の真理であると信じる。」と書いてあるが、同時に奴隷貿易を行っていたのである。つまり、黒人は人間ではなかったのである。それが「自明の真理」だったのだ。
そのアメ公がなんだと?日本を「人身売買の監視対象国に指定」だと?どのツラ下げてそんなこと云えるんだよ。大体、何でいつもアメリカがこれほど偉そうに世界を仕切るんだよ。国連決議も何もないのに。しかもですよ。アメリカ自身は、自国を「人身売買の実態の評価」の対象に含めていないのである。こんな「監視」には意義を見出せない。
だから、アメリカを同盟国だから大事にしなければ、なんて言っている人々。アメリカ人は自分の国の過去もろくに顧みようとしないで、こんなおこがましいことを平気で日本に云う奴らなの。日本をその程度にしか見なしていないのです。そのことを良く考えてください。
この人たちに付き合うために、憲法に違反して多国籍軍に参加することなど、もってのほかであると、私は考えます。
2003年06月15日(日) <規制改革>コンビニで大衆薬販売へ 「自己責任」の意識
2004年06月14日(月) |
マスコミは「佐世保少女殺人事件」を取り上げるのを、もう、止めろ。 |
◆事件の悲惨さを訴えているが、視聴率が欲しいだけなのだ。
民放各社は視聴率、週刊誌は売り上げが命。番組や編集担当者はその数字だけで評価される。勢い、視聴率なり、売り上げ部数なり、「数字」が取れる話題をなるべく長く扱う。それだけの話である。いやな話だ。人の不幸でカネを稼いでいるのだから。
何故、このようなことを書くのかというと、Web日記を書いていてアクセス解析をつけてみて、分かったのである。普段、わたしのサイトへのアクセス数は100台だが、かつて、田中真紀子の長女の記事をめぐり週刊文春が出版差し止めになった事件を取り上げたら、サーチエンジンでヒットするせいで、アクセス数が普段の40倍の4000に達した。
そのときに、「なるほど、週刊誌が田中真紀子ネタを血眼になってさがすわけだ」と納得した。それから、何度かそういうことがあった。今回佐世保の事件を取り上げたときも、記事の引用を載せていたため、被害者の少女の名前での検索に引っかかったらしく、凄まじい数のアクセスがあった。
断っておくが、私は、自分の日記へのアクセス数が増えたことを自慢しようとしているのではない。そんなものは自慢にも何にもならない。私は、アクセス数には特別な意味はないと思っている。アクセス数が多いサイトが必ずしもいいサイトだとも考えていない。
しばしば、「いかにして、自分のホームページへのアクセス数を増やすか」などという記事をネットや雑誌で見かけるが、どうしてそんなことにこだわるのかと思う。それは、何年も公開しているのに、誰一人読んでくれないというような極端な場合ならば気になるだろうが、いかにしてアクセス数を増やすかというようなことは、枝葉末節であり本質ではない。
◆いつまでも、事件を報道することによるメリットが認められない。
話がそれたが、要するに、今回の小学生の殺人のように、大衆の好奇心をくすぐる事件を、マスコミはいつまでも、微に入り細にわたって、伝えるが、それはやめるべきだ。
なぜなら、長い期間、報道することによって、同種の犯罪が減るのか、つまり、詳細な報道が模倣犯抑止力を持つか、というと全く関係がないのである。
むしろ逆であって、事件の細部が知られるようになると、同じような性格特性を持つ、つまり、凶暴性を秘めた子供が同じような事件を起こす可能性がある。
◆遺族が気の毒だ。
無くなったお嬢さんの父親は新聞記者だが、日に日に精神状態が悪化し、肉体的な衰弱も激しくなっているという。この父親は、娘が殺されたその血まみれの現場を見たそうだ。学校が呼んだらしいのだが、扱いが酷すぎる。
被害者を病院に搬送しないことを救急隊員を決めたのは仕方がないとしても、こういう、事故や犯罪の被害で、酷く痛んだ遺体に家族を対面させるときは、それなりに、綺麗にしてから見せるものである。そういうことを仕事とする人がいるのである。
それをこの、気の毒な父親は、教室の血の海の中に横たわる愛娘の遺体、クビをざっくりと切られた、その傷口、加害者によって痛めつけられた娘の顔面など、全て見てしまったのだ。気の毒すぎる。もう、一生、一日もその光景が浮かばない日はないだろう。ただでさえそういう、発狂寸前の状態なんだから、マスコミや世間は面白半分に騒ぐべきではない。人の不幸を好奇心だけでもてあそぶものではない。不謹慎だ。
◆それにしても、「犯罪心理学者」ってのは、何の役にも立たないね。
さきほど、こういう事件がおきるといつも出てきて、見当違い、若しくは素人でも言えるようなことばかり、嬉しそうな顔をしてしゃべる学者がまた、テレビに出て、尤もらしく能書きをたれていた。
犯罪心理学者ってのは、一体どういう仕事をしているのだ?その仕事の目的は何なのだ?犯罪を減らすことではないのか?
そうだとしたら、何の役にも立っていないではないか。犯罪者の心理を研究して、犯罪を食い止めることが出来るというのならば、存在価値を認めよう。しかし、いつも、こういう事件になると出てくる犯罪心理学者は、事件が起きた後から、「そのときの犯人の心理は〜だったかもしれない」などと後付けの説明をするだけで、しかも、その内容は、我々素人でも言えるようなお粗末さだ。犯罪はいつまでも減らない。逆に凶悪化しているじゃないか。
この学者さんによれば、今回の事件の犯人の少女は「ちょうど、自我が芽生える時期だったのかもしれない」そうだ。張り倒すぞ、このやろう。当たり前だろ、そんなこと。小学校高学年になるところで、だれだって、自我が芽生えるよ。自我が芽生えるとカッターで人の首を切るのか?バカ。まったく、学者なんてのもいい加減な商売だね。この程度のことをしゃべって、先生、先生と大事にされて、放送局からはこづかい銭が入るわけだろ?
◆偽善はよせ。
学者じゃなくて、犯罪評論家じゃないか。何の役にも立たない。こういう人間にいつもコメントさせる、テレビ局の神経も全く分からない。多少なりとも、「事件を真剣に考え」ているフリをしたいのだろう。そういうのを「偽善」という。
繰り返す。マスコミは、被害者の少女も、少女の父親がどうなろうが、加害者の少女がどういう人生を送ろうが、全くどうでもよいのだ。ただ視聴率が欲しいから、この事件をいつまでも扱っているだけなのである。いい加減に、この事件を取り上げるのは、止めろ。
2003年06月14日(土) 「退職金16億円全額を軽井沢に寄付 ソニー大賀氏、」 なかなかできることではない。
2004年06月13日(日) |
「集団的自衛権の行使規定を明記、自民が改憲案論点整理」 だから、自民党代議士なんてのはバカだってんだよ。 |
◆記事:集団的自衛権の行使規定を明記、自民が改憲案論点整理
自民党憲法調査会(会長=保岡興治・元法相)がまとめた党憲法改正案の「論点整理」全文が12日、明らかになった。焦点の第9条に関して、「自衛のための戦力の保持を明記すること」が党内の共通認識だとし、「個別的・集団的自衛権の行使」に関する規定を盛り込むべきだとしている。
15日の党政調審議会に報告される。自民党は、この論点整理をもとに今後の党内論議を進め、結党50周年を迎える来年11月に党の憲法改正案を決定する方針だ。
論点整理は、現行憲法の問題点や新たに加える項目を列挙し、論点ごとに、「共通認識」「改正意見」「盛り込むべき内容」「今後の議論の方向性」などを整理している。
総論では、21世紀にふさわしい「品格ある国家」を目指すことをうたい、憲法改正にあたっての重要方針として、〈1〉国際平和に積極的、能動的に貢献する国家であることを内外に宣言する〈2〉新しい権利を書き込むと同時に、義務・責任や国の責務も位置づける〈3〉憲法裁判所制度や道州制など国のかたちの要素を明確にする――としている。
各論では、前文を全面的に書き換えることを確認。現行憲法の基本原則である「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」については今後とも堅持していく一方で、「わが国の歴史、伝統、文化を踏まえた『国柄』」や、家族に関する文言を、盛り込むべきだとしている。
集団的自衛権については、政府は、憲法9条が武力行使を禁じていることなどを理由に「主権国家として保持しているが、行使することは憲法違反」と解釈している。これに関し、小泉首相は「解釈変更ではなく、憲法改正で解決を図るのが筋だ」との考えを示しており、改憲の際に規定の明文化を求める方向になった。
「新しい権利」として、環境権や情報開示請求権、プライバシー権、科学技術の進歩に対応した「生命倫理に関する規定」などを列挙。一方で「公共の責務(義務)」として、「家族を扶助する義務」や「国家の責務として家族を保護する規定」を挙げ、家族を重視する姿勢を打ち出した。(読売新聞) [6月13日3時8分更新]
◆コメント:憲法は何よりもまず、人権規範である。
日本で憲法改正というと、専ら第9条のことで、要するに、日本は公然と武装する国家だと宣言すべきか否か、ということが問題になる。
しかし、憲法の源流はフランス人権宣言であって、憲法の最も大事な役割は、国民の権利、自由を守るということである。
従って、時代の進展とともに、新しい人権が生じて人権規定が増えることはありうる。この意味では、私は完全な護憲派、つまり今の憲法を少しも変えてはいけないと考える立場、ではない。たとえば、記事にも書いてあるような、プライバシー権とか、環境権などが、加えられるのは問題ではない。
ところが、記事によれば、与党は、憲法改正と称して、「集団的自衛権」の規定を加えるといい、その理由として、「国際平和に積極的、能動的に貢献する国家であることを内外に宣言する」ことを挙げているが、ばかばかしいにもほどがある。
軍隊を持って、集団的自衛権を行使して、アメリカが戦争を始めたら、それ行けとばかりに飛んで行くことが、「国際平和に能動的に貢献する」ことになると、本気で考えているのか。
そもそも、国際平和に貢献することと、軍隊を持つこととは、本来、何の関係も無い。軍隊を持っていても、少しも平和に役に立たないことは、昨年3月20日から今日まで、アメリカ合衆国が何をしてきたかを顧みれば、あまりにも明らかではないか。
そして、集団的自衛権の行使を可能にするということは、わが国が戦争に巻き込まれる可能性が増大することを意味する。それは、日本国憲法が前文で保障する、「平和的生存権」を侵すものである。憲法前文では次のように述べられている。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
だから、自民党の「改憲案」が過ちを犯しつつあることは、明らかなのだ。要約すると、
- 憲法の最も大切な機能は、国民の権利・自由を護ることにある。
- 日本を公然と武装国家にすること、集団的自衛権の行使を認めることは、国民の権利の中でも最も根本に存在する「平和的生存権」を脅かすことである。
- したがって、このような、憲法の変更は、憲法の本質に鑑み、無条件に反対である。
以上が私の思想である。
2003年06月13日(金) 「TBSが特集放送を約束 障害者団体の抗議で謝罪」それはいいんですが、発言した医者本人は何故謝罪しないのか?
2004年06月12日(土) |
「だがなあ、アリマ。本当はこの右腕一本だけなんだよ」 (ヘルベルト・フォン・カラヤン) 帝王の孤独。 |
◆世間的に成功している人でも、寂しいのですよ。
音楽家で文章を書く人が、大分増えてきたけれども、指揮者の岩城宏之さんほど、本を出して、しかも、本業で活躍している人はいないだろう。
ピアニストの中村紘子さんも文章が上手くて、「チャイコフスキー・コンクール」と「ピアニストという蛮族がいる」なんてのは、クラシックに興味が無い人が読んでも面白いと思いますよ。どちらに載っていた文章か忘れたが、ホロヴィッツという20世紀の指折りの超大物ピアニストの言葉、「ピアニストには3種類しかいない。ユダヤ人か、ホモか、ヘタクソだ。」なんて、ちょっと興味が湧くでしょう?
話がそれた。岩城さんが書いた「棒振りのカフェテラス」という本がある。これは要するに世界中の一流音楽家の逸話、しかも、岩城さんが実際に会ったり、共演した人のエピソードが面白おかしく、しかし、ときにはしんみりとする文体で書かれている。
岩城さんは、かの有名なカラヤンからも随分気に入られていて、何度も会ったり、指揮に関してアドヴァイスを受けた。カラヤンが1950年代にN響(NHK交響楽団)を指揮するために来日したときに、岩城さんはN響の指揮研究員で、いろいろと下働きをさせられたのが、きっかけのようだ。だから、カラヤンに関するエピソードも書いている。
◆帝王カラヤン
カラヤンは、世界一のベルリンフィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を30年も務めたが、その間、丁度、電子工学というか、録音技術も日進月歩の時代だった。カラヤンは新し物好きで、コンサートと同じぐらい熱心にレコードを録音した。あまりにも次から次へとレコードを出すので、いわゆる、「文化人」からは金儲け主義だと軽蔑された。また、人の世の常で、有名になるほど、賞賛も多いがアンチも増える。皮肉をこめて、「帝王カラヤン」と言われた。
クラシック通を気取る連中に、すきな指揮者は誰か?と訊いて御覧なさい。カラヤンという奴はまず、絶対いないだろう。クナッパーツブッシュだ、アンセルメだ、いやいやワルターだ、いや違う、カイルベルトだとか(ちょっと、古すぎたかな・・・)いうのだ。
しかし、そばで見ていた岩城さんは、みんな何も分かっちゃいない、という。指揮者としてのカラヤンの能力は、努力ももちろんあったのだけど、とにかく並外れているのだ、と。
素人は単に、カラヤンが有名で、金持ち(自家用飛行機を操縦したり、高級車を何台も持っていたり、別荘もいくつも持っていたし、奥さんは、元モデルだし、還暦だったか、70歳記念のエベレスト登山を試みたりとか、やることが派手なのだ)だというだけで、偏見を持っているがそれは、間違っていると。
そして、カラヤンは帝王のように君臨して、傲慢な男だ、というイメージもあるようだが、それも、違う。本当は寂しかったのだ、と書いて、ある逸話を紹介している。
◆「この右手で音楽を表現することを考えているだけなんだ」
カラヤンと同じころにウィーンの音楽院で作曲の勉強をしていた有馬大五郎という偉い人がいる。何が偉いかは、又いずれ書くが、有馬さんのおかげでN響は世界的な指揮者から訓練を受けて一流になれ、1960年に世界演奏旅行に行って、世界中を驚嘆させることが出来たのである。
すごいインテリで、西洋音楽の本質を、その理論を通して正式に学んで、日本人で最も理解していたし、語学の才能があったようで、完璧なドイツ語を話した。ドイツ人が皆、あんな完璧なドイツ語を話す東洋人を他に知らない、といっているのである。
この有馬さんが、何十年も後に、すっかり功をなし名を遂げた、かつての同級生、カラヤンの自宅に食事に呼ばれたことがあった。昔話に花が咲いたが、そのうちに、ふと、しみじみとカラヤンが言ったのだという。
「世界中の人間は、自分のことを、これだけの地位、人気を保っているのだから、さぞや自分が政治的にも、実務的にも、権謀術策的にも、あらゆる手を使っているに違いないと思っていることだろう・・・。そう思われていることは、よく承知している。」と、いいながら、カラヤンは右腕をさすって、
「だがなあ、アリマ、本当はこの右手一本だけなんだぜ。この歳になっても音楽の勉強をし続けて、この右手で表現することをやっているだけなんだ。」と少し寂しげに笑った、という。なんと、孤独だったのだろう。
◆やはり、音楽こそ、彼の全てだったのだ。
カラヤンに、権力欲や、成功願望、物欲が無かったとは云わない。
しかし、彼の晩年の日々を撮影した非常に貴重なビデオ、「カラヤン・イン・ザルツブルグ」を見ると、オペラのリハーサルで、歌手の喉を心配して休ませたり、何度も演奏しているはずのタンホイザー序曲(白い巨塔でかかっていた音楽ですよ)を、天下のウィーンフィルと練習するのに、ヴァイオリンセクションだけ、トロンボーンセクションだけ分奏(他のパートは休ませて、そのパートだけに稽古をつけること)させたり、音楽という芸術に対する、彼の執念が感じられて、胸が熱くなる。
カラヤンは、名マエストロだ。やはり。
2003年06月12日(木) 「大量破壊兵器が発見されなかったら、首相は世界に向けて、国民に対して謝りますか?」(菅直人氏) 誠に適切な質問である
2004年06月11日(金) |
「三菱自元社長、部下の進言聞かず」 それでも日本の製造業かっ! |
◆記事:三菱自元社長、部下の進言聞かず
三菱自動車の元幹部らが車両の欠陥を隠ぺいしていた事件で、逮捕された河添元社長らは、 リコールについて「そんな事をしたら金がかかるだろう」などと言い、 却下していたことが 分かりました。
10日に逮捕された 三菱自動車の元社長、 河添克彦容疑者らは、1996年にリコール検討会という会議を開き、その際、部下から事故の発生予測について 具体的な数字を 示されていましたが、 リコールを見送っていました。
更に2000年には、 リコールについて「そんな事をしたら 金がかかるだろう。それより車が廃車になるのを 待ったほうがいい」 などと言って、 隠ぺいを決めていたことが 分かりました。
河添容疑者は調べに対し、「結果的に死亡事故を 起こさせてしまった」と、 一部容疑を認めている ということです。
一方、石原国土交通大臣は会見で、事件について 「走る凶器で 2人が亡くなった、 防げた事故だった」などと 話しました。 また、国土交通省はリコール隠しをしたとして、 三菱自動車に対して、 道路運送車両法の 20万円以下の過料を課するよう 裁判所に通知しました。(11日 10:32 )[11日20時45分更新]
◆コメント:公器としての製造業。
一連の三菱自動車のニュースを聞いていて、とても日本の「モノを作る会社」、それも世界に冠たる、日本の自動車産業の出来事と思えない。
事実なのだろうが、信じたくない。
車を作る人々の話をテレビのドキュメンタリー番組で見たり、本で読んだりしたけれども、共通するのは、技術者として少しでも良いもの、独創的を創りたいという情熱と、人が乗るものなのだから、という、製品の安全性への責任感である。
それは、いちいち口に出すまでも無く、どの会社のどの車を作るエンジニアも骨の髄まで沁み込んでいた大前提であり、少しでも安全に不安があるときには、最初から設計をやり直すのが当たり前なのである。
そして、良いものを創って、世の人々に喜んでもらいたいというのが、技術屋魂というものであった。
◆スバル360
話が少しそれる。電子書籍でNHKの「プロジェクトX」が一話100円で読める。スバル360という、富士重工の伝説的名車を作った人々の話を読んだときは、目頭が熱くなった。
50年近くも前に、わずか360ccのエンジン、車の長さが3mにも満たないのに、大人が4人乗って、80kmで高速を飛ばし、箱根の山を登り、10万km乗っても壊れない車を作った人々がいた。彼らは「庶民が買える安全な車を造ろう」と考えた。当初は絶対に無理だといわれていたのに、軽量化、独特のサスペンション、高性能エンジンの開発に成功したのである。
技術者の一人に、奥さんが脊椎カリエスという病気を患っていて、余命いくばくも無いだろうと言われていた人がいた。
しかし、奇跡的に、奥さんは回復した。奥さんはそれまで、背中の痛みのためにほんの少し外を歩くことしか出来なかったが、良くなったのだ。技術者は自分が作ったスバル360で病院に迎えにいった。
奥さんは生まれて初めて、自動車というものに乗り、これが夫が心血を注いできたものであることを理解した。奥さんは微笑んで、云った。
「車って、いいものですね・・・。」
◆渋滞が起きてはいけないから、と社葬をさせなかった本田宗一郎。
本田宗一郎は、周知のとおり、一代で、「世界のホンダ」を創った人で、あまりにもいろいろなところで語られているから、詳しくは語らないが、経営者としての、本田さんというよりも、とにかく車が好きで、好きで仕方が無い本田さん、の逸話が魅力的だ。
引退後、奥さんとハイキングに出かけて、本田さんは絵も描くからスケッチブックに写生をしていたら、かすかに、スターターを回すのにエンジンがかからない、トラブっている車の音が聞こえると、もう、いてもたってもいられないのである。スケッチブックを放り出して、車を探して走っていって、俺に任せとけ、といい、赤の他人の車のエンジンルームを覗き込む。そして、直してしまうのだ。
自分が、あの大ホンダの創業者だ、なんていうことはどうでもいいのである。
しかし、車を作る人としての、社会的責任は、十分に自覚していた。立派だったのは、死ぬ前に、自分が死んでも、社葬などするな。車を創ってきた人間として、交通渋滞を引き起こすかもしれないようなことを、させるわけにはいかない、といったことだった。
本田宗一郎さんがご存命でなくて、良かった。三菱自動車のこの不始末は、本田さんには同じ、車を作る人間がしたこととは思えないだろう。ものすごく嘆いたことであろう。
◆日本の製造業の顔に泥を塗るな
と、いっても、もうすでに塗ってしまったが。三菱自動車がやったことは、事故を引き起こしたという直接的な責任だけではない。「日本の製品は安くて丈夫で、安全だ」という、世界に冠たる「日本の製造業」。世界に日本を見直させた、「日本の製造業」の歴史に傷をつけたということなのである。
2003年06月11日(水) 「金融庁、監査法人の査定に介入か」小泉首相も知らぬフリをしてはいけない。
2004年06月10日(木) |
<小6同級生殺害>救急隊員に「惨事ストレス」 PTSD専門医療機関の必要性 |
◆記事:<小6同級生殺害>救急隊員に「惨事ストレス」
長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件で、現場に駆け付けた同市消防局の救急隊員が、凄惨(せいさん)な現場を目撃したことによる「惨事ストレス」とみられる症状を訴え、専門家のケアを受けていることが分かった。亡くなった御手洗怜美(さとみ)さん(12)と同年代の子供がいたことなどが原因とみられる。消防署員の惨事ストレスは、阪神大震災で初めて指摘され、共同研究など取り組みが始まっているが、こうした一般救急でのケースは珍しい。
同市消防局によると、事件があった1日午後0時45分ごろ、現場の市立大久保小から119番通報を受けて中央消防署の救急隊が出動。隊員3人が3階の学習ルームで、怜美さんが倒れているのを見つけたが、既に死亡しているとして、救急搬送は必要ないと判断した。
このうち40歳代のベテラン隊員が事件直後「自分にも被害者と同年代の娘がおり、ショックを受けた。家族との会話ができない」と訴えた。さらに救急搬送しなかったことについて、批判するメールが同署に複数届いたことが引き金になり、自責の念から症状が悪化したとみられる。
消防局では、同隊員に臨床心理士のカウンセリングを受けさせており、別の2人に対するケアも検討している。
「惨事ストレス」は、放置して慢性化すると心的外傷後ストレス障害(PTSD)に進行する可能性がある。消防署員の場合、大災害や火事現場で同僚が亡くなった際などに「惨事ストレス」の症状を起こすことがあるとされる。
95年の阪神大震災では、激震地で救援活動にあたった消防署員約2800人のうち、約3割が震災から1年以上たってもストレスを抱え、約2割がPTSDに悩んでいたことが判明。精神科医や福祉関係者らによるストレス対策のための共同研究などが始まった。
東京消防庁も、グループカウンセリングを導入するなど、各地で取り組みが進んでいる。
◇積極的にケアを
消防隊員のPTSDに詳しい栗田修司・龍谷大社会学部助教授の話
消防隊員が惨事ストレスを受けるという認識は全国に広がりつつあるが、一般救急のケースで、消防局が組織として隊員のケアに乗り出すのは大変珍しい。冷静・迅速な仕事を求められる消防隊員は、その責任感の強さから、診察に行きづらい現実がある。今は「我慢して働くことがいい」という時代ではない。消防局は貴重な訓練を積んだ専門家を守るため、家族などと協力して積極的にケアに乗り出すべきだ。
◆コメント:救急隊員・消防隊員・警察官のPTSDは多いのだ。
今回の少女の犯行現場はかなり凄惨をきわめていたようで、惨事ストレス障害の救急隊員も早く治療しなければ、PTSDに移行することは、明らかで、すでに手当てを受けているとは言え、まことに気の毒である。
悲惨な事件や事故の現場を見て、関わらなければならない消防隊員や警察官、救急隊員などが、PTSDを発症することは、少しも珍しいことではなく、十分理解できる事態である。
それは、全国的に報道された今回のような事件ではなくても、当然起きているのだが、これらの人々は、元来「人を救いたい」という崇高な感情に基づいて職業を選んだので、「救う側がショックで精神状態がおかしくなるようではいけない」と考えてフラッシュバックを我慢しているのではないか、と心配になる。
◆玄倉川で中州から1人ずつ流されていった映像を覚えていませんか?
1999年8月13日から14日にかけて、神奈川県山北町の玄倉川キャンプに来ていた18人が、川の中州でキャンプをしていて、地元の消防団の人々などが、雨が降って増水して危険な状態になりそうだから、引き上げろと注意したのに、云うことを聞かず、翌日、予想が的中して川が増水して、子供を含む18人は中州に取り残された。
狭い場所で、ヘリも使えず、川の流れがあまりにも急なので、消防団員たちも、助けたいのだが、助けようがなく、18人は自業自得とは言え、川岸で何十人もの人々が見守り、テレビカメラまでもが回っている中、1人、また、1人、と、流れに逆らいきれずに、流されていった。これから、確実に死ぬと分かっている犠牲者はもちろん悲惨であるが、それをただ見ている側のストレスも大変なものだった。
そのとき、あるレスキュー隊員が、届かないのは分かっていても、流されてゆく人に思わず、手を差し伸べていたこと。その後、目をつぶって、天を仰いでいた光景が、テレビに映った。現場にいたほかの、関係者も皆同じような精神的ショックを受け、後に、PTSDの治療を受けることになった。
◆だれでも、明日は精神科の世話になるかもしれない。
このように、犯罪、災害、事件、事故に関わることを覚悟している人々ですら、強度のストレスが加われば、精神的平衡を失うのであるから、一般人はなおさらである。事件や事故の被害者になった場合はもちろん、たまたま現場に居合わせたことにより、PTSDになった例は数え切れない。
西鉄バスジャックのバスの運転士さんはついにあの後、バスの運転席に座ることができなくなって、退職してしまった。名古屋の女性通り魔殺人で、殺された女性と一緒に歩いていた女友達は、ショックのあまり、外出できなくなってしまった。ある女優さんは、たまたま、ロケ先で、犯人を追いかけていた刑事が逆に、犯人にメッタ刺しにされて殺されるのを目撃してしまい。何年もの間仕事が出来なくなった。
◆PTSD専門医療機関を作るべきではないでしょうか。
自分は何も悪いことをしていなくても、ものすごい心理的ストレスにより、心に傷を負う可能性は、理論上は(確率的には)万人に等しく存在するのであるから、専門の医療機関を各都道府県に設置することが理想的である。内科や外科にも専門領域があるように、精神科にもそれは、あるのであって、うつ病の専門家が必ずしもPTSDを適切に治療できるとは、限らない。PTSD専門医を大量に短時間に養成するのは不可能だろうが、すぐには出来なくても何もしないのは、良くない。
調べてみたら、アメリカにはNational Center for PTSD (Posttraumatic Stress Disorder )(国立PTSDセンター)という組織があって、病態、治療法の研究、実践に成果を挙げているようだ。
尤もこれは、当たり前で、PTSDというのは、「ベトナム戦争帰還兵症候群」から始まったのだ。
ベトナム戦争から祖国へ戻ってきた兵隊が、戦闘中の恐怖が突如よみがえったり(フラッシュバック)、無気力になったり、アルコール依存、不眠、自殺、とありとあらゆる、精神的問題を抱えることが明らかになった。そして、戦争だけではなく、事故・犯罪・災害の被害者、関係者・目撃者にも応用されたのがPTSDの沿革である。だから、アメリカで研究が一番進んでいるのは当たり前なのである。
日本でもこれだけ、残虐、凄惨な犯罪や事件、そしてDV(Domestic Violence=家庭内暴力)が多発して、それを抑えることが出来ないのだから、せめて被害者の精神的なケアぐらい充実させるべきだろう。
記事の終わりの方で大学の先生が「一般救急のケースで、消防局が組織として隊員のケアに乗り出すのは大変珍しい。」なんて、のんきなことを云っているが、珍しくてはいけないのではないの?
2003年06月10日(火) 「洪庵のたいまつ」
2004年06月09日(水) |
<米大統領>ジェンキンスさんは「脱走兵」との認識を強調 大統領。確かあんたは、兵役逃れでしたな? |
◆記事1:<米大統領>ジェンキンスさんは「脱走兵」との認識を強調
【サバナ佐藤千矢子】ブッシュ米大統領は8日の小泉純一郎首相との会談で、拉致被害者の曽我ひとみさんに対する「同情」を表明しながらも、夫のジェンキンスさんについては「脱走兵」との認識を改めて強調した。日本国内で訴追免除への期待が高まるのとは裏腹に、イラク問題を抱える米国が軍規律を厳格に運用しようとしていることを浮き彫りにした。
米政府高官は、ジェンキンスさんをめぐる日米首脳のやり取りについて「両首脳は、曽我さんの同情すべき人道的状況や、ジェンキンス氏を取り巻く法的状況について、意見を交換した。どちら側からも、何かをしてくれと頼むことはなかった。しかし、この問題で連絡を取り合っていくことでは合意した」と説明した。
小泉首相が訴追免除や恩赦など「特別の配慮」を公式に要請した場合、ブッシュ大統領としては断らざるを得ないため、日米両政府が事前に、要請ではなく意見交換にとどめるという調整を行った結果とみられる。今後も事務レベルで折衝が続くとみられるが、事態打開は簡単ではない。(毎日新聞)[6月9日14時33分更新]
◆コメント:兵役逃れにえらそうなことを言う資格は無い。
ブッシュはバカなだけではなく卑怯な奴だ。自分は父親の権力を利用して兵役を逃れておきながら、人のことを「脱走兵」よばわりしている。事情を考えろよ。そして、小泉内閣総理大臣は何をモタモタやっているのだよ。
「自衛隊を派遣してまで、味方してやってるだろ?見てみぬフリをしろよ」とブッシュに云えば済むことだ。「さもないと、沖縄で婦女暴行した米兵を全部、無期懲役にするぞ」と。それぐらいいえよ。じれったい。
◆記事2:多国籍軍への参加表明、首相帰国後に適切に判断=官房長官
[東京 9日 ロイター] 細田官房長官は午前の定例記者会見で、国連安保理新決議に基づく多国籍軍への自衛隊派遣について、小泉首相がサミットから帰国した後、適切に判断するとし、現時点で手続きなどは決めていないと述べた。
小泉首相が8日の日米首脳会談で、安保理新決議に基づく多国籍軍に自衛隊を派遣させる意向を事実上表明したとされる問題について、官房長官は、「正確に言うと、そう言っていない。日本として、イラク暫定政権にも歓迎される形でイラク人道復興支援特別措置法に基づく自衛隊の派遣を継続する考えを表明した」と説明し、「今後の問題、自衛隊の位置付けについては、決議の内容をよく検討し、サミットでの各国首脳間の議論などを踏まえ、総理帰国後に、適切に判断する。今のところ、(参加に伴う)手続きなどは、決めていない」と述べるにとどめた。
主権移譲後のイラク統治に関する国連安保理決議が全会一致で採択されたことについて、「非常に意味がある。イラクが、これを契機に、国際協力のもと全面的に復興を果たすことを希望する」と語った。(ロイター)[6月9日12時36分更新]
◆コメント2:冗談じゃない。憲法問題だぞ。小泉一人で決めて良い訳が無い。衆議院を解散しろ。
多国籍軍は、現在存在している混乱を武力によって鎮めるために、行ける国が武器を持って駆けつける、という趣旨の軍隊である。従って、国連平和維持軍とは異なり、戦闘を想定している。一方、自衛隊は、日本国の独立を守るための専守防衛の軍隊である。日本国憲法第9条は、
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
と規定している。自衛隊が、多国籍軍に加わるというのは、この特別に重要な規定に違反する可能性が極めて高くなることを意味する。
昨年11月の衆議院選挙では、このような計画は公約に入っていなかった。従って、本件に関して、首相は国民の信認を得ているとは云えない。直ちに衆議院を解散して国民の意見を問うべきなのだ。その手続きを踏まないのは、独裁だ。内閣総理大臣に憲法を破る権限など、付与されていない。それどころか憲法を最も遵守しなければならない立場である。
私の意見は、過激でもなんでもない。日本は、国際紛争を解決する手段としての武力行使をしない、と憲法で決めている。小泉首相はそれを独断で破ろうとしている。けしからん、ということである。
これでも、小泉首相が正しいと考える日本人は、日本が戦争に巻き込まれたら、率先して最前線に行くことを志願してもらいたいものだ。
2003年06月09日(月) 池田小児童殺傷事件から早や2年。
2002年06月09日(日) 向精神薬
2004年06月08日(火) |
「人間の存在を少しでも明るく照らし出すことが、芸術家に与えられた使命だと信じています。」(カール・ベーム) |
◆カールベームに教わったこと
私は、14歳の時に、「音楽の友」というクラシック音楽の雑誌で、この言葉を読んだときには、恥ずかしながら意味が良く分からなかった。
カールベームは長い間、ウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた、20世紀の大指揮者である。昔風のおっかない指揮者である。
ウィーン・フィルなんて、我々からすれば神様のような名オーケストラだが、リハーサルで絞られていた。ニュルンベルグのマイスタージンガー第一幕への前奏曲、というワーグナー入門曲にちょうどいい曲がある。この楽譜(これは、オーケストラのパートをピアノで弾けるようにした、ピアノ譜だが)この第1小節目の最後の8分音符(上の段)の弾き方がなっていない、というのである。芸術とは厳しいものだと思った。
ちなみに、指揮者になろうという人は、音大の指揮科に入る段階で、これぐらいの楽譜(それも、このようなピアノ譜ではなくて、本物のオーケストラスコア。たとえば、こういうもの)は初見でピアノで弾けるぐらいの、基礎が無いと、お話にならないのである。(もちろん、それだけではない。4声の聴音とかね。4つの音が同時になっているのをその場で楽譜に書くのである)こんなことは、前提条件であって、これが弾けたからといって、指揮者になれるという保証は全く無い。天賦の才が必要だ。
1977年にこのカールベームがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とともに来日した。3月2日、渋谷のNHKホールでベートーベンの交響曲第五番、ハ短調、つまり「運命」が演奏された。私は高校生で、とても高いチケットなど買えるはずも無く、NHK・FMの生中継を夢中になって訊いた。運命の名演には数々あれど、この日の運命は伝説的と言ってよいぐらいの超名演であった。嵐のようなフィナーレ(最終楽章)の一音一音に演奏家の魂が込められているような、渾身の演奏だった。突き抜けるトランペットのG音、ホールの壁が崩れるのではないかというほどの、ティンパニの強打、高音でも絶対にミスをしないウィンナーホルンセクションの神業。
嵐のような拍手がいつまでも続いた。このときに、私はカールベームの言葉が分かった。人間とは、これほどまでに素晴らしい芸術を創り、演奏できる存在であるのを示すこと。それこそ、「人間の存在を少しでも明るく照らし出すこと」だったのか・・・。芸術は偉大である。
◆「武器」よりも「楽器」を
世界の人間が協調しようと思ったら、「武器」を捨てて、「楽器」を持つべきだ。あるいは、お互いの国にオーケストラが出かけていって演奏するべきだ。武器を使って人を殺す訓練をすることなどにエネルギーを費やすのは止めて、楽器を使って、人を幸せにする音楽を演奏できるようになった方が良いに決まっている。
本当に素晴らしい演奏を聴かせてくれたオーケストラの祖国を、私は、心から憎むことが出来ないのである。
韓国人の名指揮者、チョン・ミョン・フン氏は祖父上が熱心な抗日運動家だったこともあり、指揮者になってからも長い間日本に来なかったが、一度、やむをえない事情で来日して演奏をしたところ、日本のオーケストラからも聴衆からも絶賛された。それ以来、日本人への偏見を棄てようと決めた。芸術を介せば、人種など関係ないんだ、と。
平和に必要なのは多国籍軍ではない。多国籍オーケストラだ。
2003年06月08日(日) 「<オウム>元幹部の新実被告が結婚 連絡役の確保狙い?」 まだ、反省していないようだね。
2002年06月08日(土) あの事件から1年
2004年06月07日(月) |
「百年後、関東の夏は九州南部並みに」(気象庁) そんなに甘い問題ではない。/「さっちゃん。ごめんな」憔悴の父親が手記 |
◆記事1:百年後、関東の夏は九州南部並みに
西暦2100年8月。夏空の広がる関東地方は、朝からぐんぐん気温が上がり、各地で最高気温36度を超える――。気象庁は7日、100年後の関東地方の気温について発表した。
典型的な夏の1日を想定して計算した結果、2100年ごろの関東地方は連日猛暑が続き、平均気温で最大1・5度上昇、現在の九州南部に近い気温になりそうだという。
同庁では、これまでにも「地球温暖化予測情報」として、日本周辺や世界全体の予測を公表してきたが、「もっと細かい情報がほしい」との研究者らからの求めに応じて、新しく「都市気候モデル」を開発した。
このモデルは、二酸化炭素など温室効果ガスや都市排熱の効果などを考慮したうえで、関東地方をカバーする200キロ四方を領域として計算。それを4キロごとに区切って、気温、風、湿度を予測した。想定したのは「2100年ごろの夏のある1日」で「風の弱い晴れた日」。
このモデルによると、100年後の日中の気温(最高気温)は、東京北部から埼玉の広い範囲で35度以上になり、埼玉中部では36度を超える酷暑に見舞われるという結果が得られた。
◆コメント:甘い。何故、真実を伝えて危機感を高めないんだ。
私の日記では、過去、何度も取り上げたが、1999年に国連環境プログラムという、世界30カ国、800人の専門家からなる組織が「地球環境概況2000」というレポートのまとめた。GEO-2000: 概況と提言という項を、何故、発表されてから5年も経つのに、日本の国会は問題にしないのか。何故マスコミはもっと大きく取り上げないのか?
ほうっておいたら、21年後には、地球上の3人に2人は水不足に苦しむのだ。目をそらすな。いやでも、読んでもらおう。
◆記事2:地球環境概況2000より抜粋
- もし、現在の消費傾向が続くならば、2025年には地球上の3人に2人が水問題に直面することになる。
- 世界中の珊瑚礁の半数以上が、人類の活動により潜在的に脅かされており、人口の集中する地域では80%が危険な状況にある。
- 有害化学物質にさらされることにより、出生異常からガン発生まで、人類はおびただしい数の悪影響に巻き込まれている。地球規模の農薬使用により、年間350万人から500万人の急性の農薬中毒者が発生している。
- 世界の乾燥地帯の約20%において人類の活動が土壌劣化を起こしており、10億人以上の人々の生計基盤が危険な状況にある。
さらに、
- 地球規模の水循環は、今後数十年間に予想される需要を満たすことができそうもない。
- 土地劣化が農業の生産性と可能性を押し下げている。これらの損失は、農地の拡大や生産性の向上によってもたらされた改善の多くをうち消している。
- 熱帯林の破壊の速度が速く、取り返しのつかない損失を防ぐことができない。失われた森林を取り戻すには何世代も必要であり、森とともに失われた文化は決して回復できない。
- 環境悪化が目に見えるようになるまでには時間がかかり、政策立案者の反応も遅いため、地球上の多くの種が、すでに失われたかあるいは絶滅の危機に瀕している。かつて地球上に見られた多様な生物種の全てを保存するには手遅れである。
- 多くの海洋漁業では、過剰捕獲が続けられており、資源の回復は遅い。
- 人間の活動により、世界のサンゴ礁の半数以上が危機に瀕している。そのうちのある程度は生き残るであろうが、多くは手遅れである。
- 開発途上地域の多くの大都市において、大気汚染問題が深刻化し、多くの住民の健康を損ねている。
- 温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。
◆コメント:環境問題は、海岸のゴミ拾いとか、割り箸を使わないという次元の問題ではないのだ。
環境問題というのは、公園や海岸のごみを拾うとか、紙をリサイクルするとかそういう地味な、「出来れば、取り組んだ方が良い問題」ではなくて、ほうっておけば人類が滅亡する、という問題なのです。昔のかわい子ちゃんニュースキャスターを環境大臣にしておくべきではない。
なんで、日本政府はこれほど簡単な理屈が分からないの?年金よりも、憲法よりも、景気よりも大事でしょ?人類が滅亡したら、全ては終わりでしょ?
小泉内閣総理大臣というひとはほとほと困る。合理的に考えることが出来ない人が人類を滅ぼす。
◆佐世保事件:「さっちゃん。ごめんな」憔悴の父親が手記 (読売新聞)
さっちゃん。今どこにいるんだ。母さんには、もう会えたかい。どこで遊んでいるんだい。
さっちゃん。さとみ。思い出さなきゃ、泣かなきゃ、とすると、喉仏(のどぼとけ)が飛び出しそうになる。お腹(なか)の中で熱いボールがゴロゴロ回る。気がついたら歯をかみしめている。言葉がうまくしゃべれなくなる。何も考えられなくなる。
もう嫌だ。母さんが死んだ後も、父さんはおかしくなったけれど。それ以上おかしくなるのか。
あの日。さっちゃんを学校に送り出した時の言葉が最後だったね。洗濯物を洗濯機から取り出していた父さんの横を、風のように走っていった、さっちゃん。顔は見てないけど、確か、左手に給食当番が着る服を入れた白い袋を持っていたのは覚えている。
「体操服は要らないのか」
「イラナーイ」
「忘れ物ないなー」
「ナーイ」
うちの、いつもの、朝のやりとりだったね。
5人で、いろんな所に遊びに行ったね。東京ディズニーランドでのことは今でも忘れない。シンデレラ城に入ってすぐ、泣き出したから父さんと2人で先に外に出たよな。父さんは最後まで行きたかったのに。なんてね。
でも、本当にさっちゃんは、すぐに友達ができたよな。これはもう、父さんにはできないこと。母さん譲りの才能だった。だから、だから、父さんは勝手に安心していた。いや、安心したかった。転校後のさっちゃんを見て。
母さんがいなくなった寂しさで、何かの拍子に落ち込む父さんは、弱音を吐いてばかりだった。「ポジティブじゃなきゃ駄目よ、父さん」「くよくよしたって仕方ないじゃない」。何度言われたことか。
それと、家事をしないことに爆発した。ひどい父さんだな。許してくれ。
家の中には、さっちゃん愛用のマグカップ、ご飯とおつゆの茶碗(ちゃわん)、箸(はし)、他にもたくさん、ある。でも、さっちゃんはいない。
ふと我に返ると、時間が過ぎている。俺は今、一体何をしているんだ、としばらく考え込む。いつもなら今日の晩飯何にしようか、と考えているはずなのに、何もしていない。ニコニコしながら「今日の晩御飯(ばんごはん)なあに」と聞いてくるさっちゃんは、いない。
なぜ「いない」のか。それが「分からない」。新聞やテレビのニュースに父さんや、さっちゃんの名前が出ている。それが、なぜ出ているのか、飲み込めない。
頭が回らないっていうことは、こういうことなのか。さっちゃんがいないことを受け止められないってことは、こういうことなのか。これを書いている時は冷静なつもりだけど、書き終えたら元に戻るんだろうな、と思う。
さっちゃん。ごめんな。もう家の事はしなくていいから。遊んでいいよ、遊んで。お菓子もアイスも、いっぱい食べていいから。
2004年6月7日
御手洗 恭二 [ 2004年6月7日22時46分 ]
◆コメント:コメント・・・できない。
なまじ、美辞麗句を連ねるべきではない。それは、お父さんの娘を思う気持ちへの冒涜になろう。
2003年06月07日(土) ハチャトゥリアン(「剣の舞」の作曲者)生誕100年
2004年06月05日(土) |
年金掛け金を5.6兆円流用しておいて、年金改革法もへったくれもないだろう |
◆記事1:年金改革関連法が成立
今国会最大の焦点である年金改革関連法は5日午前の参院本会議で、与党などの賛成多数により原案通り可決、成立した。民主、社民両党は欠席した。
参院本会議は5日未明、民主党出身の本岡昭次副議長が「散会」を宣告し、野党議員は退席したが、その後、倉田議長が「散会」宣告を取り消し、休憩に入った後、改めて再開。倉田議長の不信任決議案、坂口厚生労働相の問責決議案などを与党の反対多数で否決した後、年金法の採決に踏み切った。
民主党などは採決無効を訴えており、国会の混乱は来週以降も続く見通しだ。
年金改革関連法は、現行の年金制度の枠組みを維持したうえで、保険料負担を毎年引き上げて、最終的に固定することなどを盛り込んでいる。(読売新聞)[6月5日9時34分更新]
◆記事2:衆議院厚生労働委員会議事録 4月9日 第10号 より。「5兆6千億円流用」
○長妻委員(中略)
さて、お疲れのところ、総理と坂口大臣に年金問題について質問を申し上げます。
私は以前は、国民年金や厚生年金の掛金というのは、てっきり、年金の支払いだけに使われる、こういうふうにずっと信じてきた者の一人でありましたが、実際には、私も、実は恥ずかしながら、国会議員になって初めて、掛金が支払い以外にどんどん使われているというのを知って、ある意味愕然としたわけです。
年金不信の問題、いろいろ原因があると思うんですが、一つは、例えて言いますと、バケツの中に皆様の貴重な預かり金である厚生年金の掛金や国民年金の掛金が入っている、しかし、そのバケツに無数の穴があいていて、だあっと水が漏れている、払っても払っても水が漏れて、本来のところにもそれは行っていますけれども、なかなかそういう水漏れがとまらない、今回もとまっていない、政府の法案でもとまっていない。これが一つ私は大きな問題だと思うわけです。
先ほど何か、小さな話だというようなやじが飛びましたけれども、小さな話じゃないんです。金額でいうと、これは坂口大臣に一言で御答弁いただきますけれども、この年金の掛金が支給以外に、支払い以外に回ったお金というのは総計で大体幾らでございますか。
○坂口国務大臣 これは、もう予算委員会でも御答弁を申し上げたとおりでございますが、五・六兆円、トータルでございますけれども、そういうことです。
長妻委員 これは小さい話じゃなくて、五兆六千億円というすごい金が、年金の掛金が支払い以外に使われているんですよ。すごい話なんです。
それで、グリーンピアの話、私、国会図書館を通じて先進国を調べてもらいました。自国民の大切な年金の掛金でリゾート施設をつくった国というのは日本以外ほかにありますかと。国会図書館、調べて私に資料を持ってきました。いや、こういうことをしたのは日本しかありませんでしたと。これは、何で日本は……(発言する者あり)今、すばらしいというやじが自民党から飛びましたけれども、ちょっとこれはふざけるのもほどがあると思うよ、本当に。まじめに聞いてください。
それで、どういう法律でこのグリーンピアが支出されたか。これは、私は「なんでも福祉法」という言葉をつけているんですが、厚生年金法と国民年金法の中に、被保険者の福祉を増進するためなら掛金を使っていいという条文があるんですよ。
それで、これをお聞きしますけれども、結婚式場も福祉ということで掛金でつくられているんですが、結婚式場というのは福祉の増進ですか。(以下、略)
◆コメント:5.6兆円も使い込みをしやがって、何が改革だ。
年金改革法案の成立に当たって、野党が牛歩戦術を取ったのは、時間の無駄であるが、そんなことまでしても抵抗したくなる酷い法案であることは、確かである。法案というか、政府の姿勢の問題である。今までの問題を解決しないで、解決すれば保険料を引き上げなくてもすんだかもしれなかったのに、そういうことをしようという気配すら、なかった。いかにも狡猾、不誠実である。
言い方を変えるならば、与党が年金改革法を、まともに審議しないで成立させようとしたのは、まともに審議するとヤバい証拠であり、まともな法案であるという自信があるのなら、きちんと内閣総理大臣が国民に説明するべきなのである。
最大の問題は、今の役人に都合が良い制度、年金掛け金が社会保険庁の職員の社宅の建築費などに使いたい放題の年金制度の欠陥を、真剣に正そうとしないまま、保険料率を引き上げる法案を通したことだ。まず、無駄遣いを減らし、それでも足りなければ、年金保険料を引き上げる、というのが、常識的な行動だ。
ネット上で年金問題を調べていたら、たまたま、民主党の衆議院議員・長妻昭という人のサイトに行き着いた。そこから衆議院議員の議事録まで読んだが、いい仕事をしている。私は個人的にはどの政治家の後援会の類には属さない。ただ、この人は客観的にみて、正しい手順にのっとった、理屈の通った議論をしている。
この人のサイトを読んで愕然としたのは、国民年金や厚生年金の保険料は、当然、将来、自分に還元される年金の財源としてのみ、蓄えられているのではなくて、社会保険庁の役人に好きなように使われている、という事実である。
記事2は引用が少々長くなったが、衆議院議事録という公文書上に、5.6兆円という巨額の年金掛け金が流用されていることを、厚生労働大臣が認めている、という事実が、明確に記録されていることを示したかったのである。
原本を見たい方は、衆議院会議録に行って、厚生労働委員会をクリックして、さらに、左にインデックスが現れるので、4月9日第10号を選ぶとよい。後は、Ctrl+Fで「長妻委員」をページ内検索すればすぐ見つかる。
また、この部分の音声と画像(これは、RealPlayer。Windows Media Playerを選択するためには、衆議院審議中継を開く)も簡単に聞くことが出来る。坂口厚労相がはっきりと、「5.6兆円でございます」といっている。
我々が支払った年金の掛け金は次のようなことに使われているのだ。
- グリーンピアなどのレジャー施設。ほとんどが赤字垂れ流し。
- 社会保険事務所の建設費。18億6503万4000円(平成15年度〜16年度予算)
- 社会保険庁の幹部が乗る公用車(黒塗りの高級車)。2億8637万1000円・247(平成10年度〜14年度決算)
- 社会保険庁の職員宿舎。例えば横浜市内の高級住宅街にある宿舎は3DKで家賃\21,167。同じ場所で民間の賃貸マンションならば家賃は12万円だという。
- 社会保険庁の職員の健康診断の費用。
- 社会保険庁の職員が仕事帰りに起こした交通事故の損害賠償(全額)。
- その他、社会保険庁の事務費用全般。
これを見て、怒らない人は、自分は鈍感だと思った方が良い。
今日のニュースを読んでいたら、長妻議員が、昨日、また新たな掛け金流用を暴いたという記事を発見した。どうして、マスコミはこういうことを大きく取り上げないで、牛歩戦術は良くないとか、枝葉末節ばかり報道するかな。何度も書くが、そういうのを、Sense of Proportionの欠如というのだ。
◆記事3:<社会保険庁>掛け金から1200万円支出 職員娯楽施設に
社会保険庁が国民年金や厚生年金などの保険料の掛け金を使って、ゴルフ練習場など職員用娯楽施設の建設・維持に98年度以降の6年間で少なくとも1200万円近くを支出していたことが4日、分かった。長妻昭衆院議員(民主)の質問主意書に対する政府の答弁書で明らかになった。(毎日新聞)[6月5日3時3分更新]
◆コメント(続き):だまっているから、政治家と役人はつけあがる。
4月9日の国会答弁の翌日なんて、新聞は、一面ぶち抜きで、「社会保険庁、年金掛け金5.6兆円を流用」と一大事件にしなければいけなかったのだ。こういう大きな問題をきちんと取り上げず、国民も、年金問題なんて、何だか面倒くさいからといって、情報を収集しないのは良くない。なにも難しい話ではないだろう。
- 国民年金は、年金支払い以外の目的、社会保険庁の役人の娯楽費にまで、ものすごい金額が無駄遣いされている。
- 政府はそれをまず正すことをしないで、保険料が足りないといって、年金改革法案を成立させた。
こういうことに対して、黙っているからいけないのだ。
2003年06月05日(木) 「大量破壊兵器に関して、アメリカで政治問題化」 だから、前から言っているだろう。
2004年06月04日(金) |
凶悪な少年犯罪への対策。「犯人をいくら罵倒しても、それは、結局鬱憤晴らしで、同種犯罪再発の防止に役立たない」 |
◆記事:ネットに小6女児の加害者?氏名、法務局が削除要請
佐世保市で小6女児が首を切られ死亡した事件で、補導された同級生の女児(11)だとする氏名や顔写真がインターネットの掲示板に掲載され、長崎地方法務局は2日、「重大な人権侵害」として掲示板の管理者に削除を要請した。
◆コメント:人権はともかく、なんら同種犯罪の予防に役立たない。
これは、また、2ちゃんねるでしょう。酒鬼薔薇聖斗の顔写真を載せたり、少年犯罪が起きるたびに、同じ光景が繰り広げられるが、ここで、判明することは、
「凶悪な少年(少女)犯罪が発生した場合、犯人の顔写真や住所氏名をインターネットで公表しても、同種犯罪の再発を防ぐことは出来ない」
という、経験則である。だって、そうでしょう。酒鬼薔薇聖斗の写真や実家の住所を晒しても、今回の事件が起きてしまったではないか。去年もスーパーの駐車場で、小学生だか、中学生が、幼児をいたずらして、投げ捨てて、殺すという事件があり、同じような「私的制裁」がインターネット上で行われていた。しかし、今回、また、佐世保で少女が事件をこしたでしょう?
要するに、インターネット上でいくら犯人が許せないと掲示板に書いたり、容疑者のプライバシーを明かしたりする行為は、日ごろから鬱憤がたまっている一般大衆が、その不満をはきだすきっかけとして、少年犯罪を利用しているだけで、彼らのストレスは多少発散できたかもしれないが、犯罪の抑止力としての効果は皆無である。
また、被害者の女児が気の毒なのは確かだが、ただ可愛そうだといっていても、これもまた、事件の再発を防ぐという観点からは、意味が無く、多くの場合は、かわいそうだと感じる自分に陶酔、満足しているだけであろうと、推察される。
さて、小泉首相は、この重大な少年犯罪に接したときに、どうしたかというと、「心が痛む」とかなんとか、月並みの極致のごときコメントを一言発しただけである。
仮定上の話であるが、もしも、私が、内閣総理大臣の立場にあったら、まず、ここ10年間の少年犯罪の記録を持ってこさせる。すると、ざっと目を通しただけでも、犯罪の発生件数と、行為の凶悪化が明らかに見て取れるだろう。それを確認したうえで、官房長官、法務大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣、環境大臣、国家公安委員長、警察庁長官、を官邸に召集する。そして、これらの省庁から担当者を出させて、スペシャルタスクフォースを作る。
このチームに、「これらの凶悪少年犯罪における共通点、それは、行為そのものだけでは、もちろん無く、犯行を起こしたものの養育環境、性格特性、脳MRI、fMRIを用いた、脳の構造的、反応的異常はないか、あまり過去のものは難しいが、食生活の調査、採血による、特定栄養素の欠乏などがないかを徹底的に洗い出せ。なにか、手がかりがあるはずだ。」と命を下す。
現代の科学で、何かを見出せるかどうかは分からぬ。しかし、「社会が子供を見守る温かい気持ちを持ち・・・」などと、出来もしない、抽象的なことを云っているよりは、はるかにマシだ。
人を殺そうという気持ち、それを抑えようという気持ち、気持ち=感情は全て、脳の中で起きることだ。そして、脳の専門家によれば、「調べれば調べるほど、脳で起きていることは、化学反応でしかない、ということが分かる」のだそうだ。だから、犯罪対策は出来るだけ、具体的、即物的なアプローチであるべきだ。
2003年06月04日(水) タクシー運転手さんの脳神経細胞は普通の人よりも発達している。
2002年06月04日(火) サッカーぐらいでガタガタいうな!
2004年06月03日(木) |
子供にネットや携帯は不要である。(殺人事件とは別の話) |
◆今回の殺人事件とは別の話です。
今回の12歳の女の子の殺人をインターネットを軸に説明している民放テレビが多いけれども、それは、的外れだと思います。チャットや掲示板では、大人ですら攻撃的になりやすいということなど、みんな、知っています。
問題は、ちょっと中傷されただけで、殺人の衝動が生まれ、抑えられなくなる、という、「自己制御能力の欠如」です。それが、この少女特有のものなのか、ある程度、一般的傾向として、今の日本の子供に出現しているものなのかを、判定して、もしも、後者であるならば、これを修正するためにはどうすればよいのかということです。
◆私の、ものすごく単純化した仮説:米を食わないからセロトニンが不足して、キレやすくなる。
日本人が常食してきた米には、アミノ酸の一種のトリプトファンが含まれています(とうもろこしなどには、トリプトファンはないんです)。トリプトファンは、興奮や怒りを鎮める脳内神経伝達物質、セロトニンの前駆体です。原料です。最近、昔の日本人ほど米を食べないでしょう?それで、セロトニンが不足しているのかな、と、これは、素人のたわごとです。しかし、完全に的外れではないはずです。
◆昔は子供が親の知らないコミュニティに属しているということは少なかった。
昔は、どの家も、外界との接点といえば、直接お客さんが尋ねてくるか、(紙の)手紙か、電話(一家に一台しかないのが普通)しかなかったですね。
だから、親は子供がどういう友達と付き合っているか把握できた。親が知らないコミュニティに子供が勝手に入り込むということはありえなかったわけです。
ところが、携帯を含むネットの世界が出現して、子供がそこに入ることにより、その「ありえなかったこと」がむしろ日常化してしまった。すると、世間には当然悪人も多いですから、トラブルに巻き込まれる可能性が高くなる。
◆昨年渋谷で小学生の女の子がマンションに監禁されていた事件、覚えていますか?
昨年10月に「渋谷で少女30人に売春強要容疑で男女3人を逮捕」という事件があったでしょう?東京・稲城市の女の子たちが、渋谷のマンションに監禁されていた。売春させられる寸前で、発見されたのです。
あれも、携帯電話がなければ、起こりえなかった事件です。携帯電話という発明が悪だ、といっているのではない。子供の人の見る目、判断力なんていうのは、その程度だから管理されなければならないのだ、といいたいのです。親の知らない人間関係は、子供のころは無い方が良い(尤も、親にそれなりの常識と教養が備わっていることが前提ですがね)。
◆調べ物をしたりするのはかまわないけど、制限できないでしょ?
NASAの子供用サイトなど、美しい、有益なサイトが沢山あることは知ってます。そして、子供がアダルトサイトを見られないように、URL制限を設定するとか、一応の手段はあることになっているけど、子供も詳しいだろうからね。そんなのはすぐに解除してしまうんでしょ?
子供は、いけないといわれると、余計に見たくなる。女性の裸なんていうのは、誤解を恐れずに云えば、まだ、可愛いものですが、ネットにはそれよりも、もっと性質の悪いものが蔓延している。それは、某巨大掲示板などでいやというほど見ることが出来る、人間の「悪意」です。
他人を如何にして、陰湿に、精神的に痛めつけるか。ノウハウがいくらでも「学べ」ます。こういう人間の最も醜い面こそ、子供が見てはならないものです。ところが、そういう、悪いことほど、子供は覚えてしまうのです。
私は、自分の子供に、自らは名乗らずに、見ず知らずの相手に「死ね」などという忌まわしい言葉を吐き、相手が傷ついている様子を想像して喜ぶような人間になってほしくありません。
私が、少なくとも愚息に携帯電話やインターネットは不要である、と考えているのは以上の理由によります。
2003年06月03日(火) 医療観察法案を強行採決 委員会可決、今国会成立へ
2004年06月02日(水) |
「書き込みでトラブル?補導女児『殺すつもりだった』」 殺すことが悪いと分かっていて、殺したのだから、本人が悪いのですよ。 |
◆記事:書き込みでトラブル?補導女児「殺すつもりだった」
長崎県佐世保市の大久保小(出崎睿子校長)で、6年生の御手洗怜美(みたらい・さとみ)さん(12)がカッターナイフで首を切り付けられ死亡した事件で、県警佐世保署に補導された同級生の女児(11)が動機について、「インターネット上で、自分のことについて怜美さんが書き込んだ内容が面白くなかった。いすに座らせて切った。殺すつもりだった」と供述していることが、2日わかった。
同署は2人の間でインターネットの書き込みを巡るトラブルが起き、それが事件の引き金になったとみて、慎重に調べている。
◆コメント:完全に殺人の故意があったと認定されるのだから、殺人罪でいい。
犯罪とはなにか。「構成要件に該当する、違法、有責な行為」のことです。
日本の刑法は全部で264条から出来ている。第1条から第72条までは、罪と刑罰に関する一般的なことがら、刑罰の種類とか、正当防衛のように犯罪とならない場合(違法性阻却事由といいます)はどういうケースがあるか、とか。故意と過失の違いとか、共犯とはどういうことか、とか、そういうことです。これを刑法総則といいます。
第73条から第264条にはさまざまな違法行為の型が書かれている。これを刑法各則といいます。刑法各則に書かれている違法行為の型を「構成要件」といいます。たとえば、199条には「人を殺したものは死刑又は無期、若しくは3年以上の懲役に処する」と書かれています。人を殺すことが、殺人罪の構成要件です。
ただし、構成要件に該当していても、違法にならないことがあります。たとえば、外科医がメスで人の体を切るのは、一応、傷害罪の構成要件に該当するし、拘置所の職員が死刑を執行するのは、殺人罪の構成要件に該当するけれども、犯罪にはならない。正当な業務上の行為だからです。こういうのを「違法性阻却事由」といいます。違法性阻却事由には、他にも、有名な「正当防衛」や「緊急避難」というのがあります。
ある行為が1.構成要件に該当し、2.違法性を阻却する事由が認められない場合、3番目のポイントは「有責性」です。本人に刑事責任を負う能力があるかということです。よく、精神障害者がこれで、無罪になったり、罪が軽減されるのに、憤りを覚える人が多いようですが、ここでは、問題にしません。
私が云いたいのは、子供が刑法犯にならないのも、「責任能力がないから」と考えられていることへの異議です。物事の善悪を判断する能力や人生経験がない、ということでしょうが、それは、おかしい。
この事件で、友達を殺した女の子は取調べに対して、「悪いことをした」といっています。明らかに、自分の行為の違法性、非道徳性を認識しています。にもかかわらず、年齢という形式的な区分で、無条件に12歳には責任能力がない、と決め付けるのは事実を捻じ曲げていると思います。
私は、何歳であろうと、自分が悪いことをしようとしていると知りながら、敢えてその行為に及び、人に危害を加えたものは、刑事犯として、罰せられるべきだと考えています。インターネット云々は、全くこの少女の行為の違法性を減じるものではありません。
2003年06月02日(月) 腸閉塞の子供と、消防隊員の死
2004年06月01日(火) |
「「10キロやせました」=番匠指揮官、石破長官に帰国報告。石破長官『やせたね』」 気楽でいいな、石破さん、小泉さん。 |
◆記事1:「10キロやせました」=番匠指揮官、石破長官に帰国報告
イラク南部サマワで約3カ月にわたる復興支援任務を終えた陸上自衛隊第1次部隊指揮官の番匠幸一郎1等陸佐(46)が1日夜、防衛庁で石破茂長官に帰国報告をした。
番匠1佐が「ただいま任務を終え、帰国いたしました」とあいさつすると、長官が「やせたね」と声を掛け、番匠1佐は「はい。10キロぐらいやせました」と応じた。その後、長官は「一人のけが人もなく任務を遂行していただいて、ご苦労さま」とねぎらった。 (時事通信)[6月1日21時6分更新]
◆記事2:海外安全ホームページ:日本人を巻き込むテロ攻撃の脅威
送信日時:2004/06/01
情報種別:広域情報
1.5月29日、サウジアラビア東部のアル・コバルにおいて、外国人が居住す
るコンパウンド(集合住宅地域)に対する襲撃事件が発生しましたが、これに関連して以下のような事項も発生しています。
(1)武装勢力の2人が、コンパウンド内の日本人駐在員の住居に侵入し、偶々居合わせたコンパウンドの外国人作業員が銃撃された。
(2)各種報道によれば、イスラム系のインターネットのサイトにおいて、サウジアラビアのアル・カーイダ関係者と見られる者が、「殺害された中には、日本人も一人含まれる」という声明を発出したとされる(なお、在サウジアラビア日本国大使館では、アル・コバル地区在留の日本人全員の無事を確認しています)。
2.(略)
3.これら事件の背景等は明らかになっていませんが、最近、アル・カーイダ関係者がテロを促しているとも考えられるメッセージの中には、その真偽は明らかになっていないものの、日本が直接の攻撃対象として名指しされていること、及びこのような声明が各地のテロ組織に影響を及ぼす可能性も排除されないことに留意する必要があります。
◆コメント:「やせたね」じゃ済まない。
記事1はサマワにおいて、自衛官が受けているストレスを、明瞭に物語っている。報告を受ける側の石破防衛庁長官は、有名な軍事オタクで、防衛庁の長官室には、ところ狭しと、軍艦、戦闘機、戦車などのプラモデルが並んでいるという。
私は、同じ日本人が、たまたま歩んできた職業のコースから立場の違いが生じたというだけで、本来、日本を守るために作られた自衛隊の隊員である同じ日本人に対して、「戦争中のイラクへ行って来い」と、命令することが許される、という事実が、どうしても納得できないのである。
はてなアンテナを用いても、かの有名な、Webサイト更新チェックソフト「WWWC」を使ってもいいから、たとえばイラク戦争か、自衛隊イラク派遣だけを毎日チェックしてみるといい。
日に日に、イラクが混乱し、人心がすさんで、人を殺すことが日常化していることが分かる。
さらに、記事2を読んで頂きたい。これは外務省の海外安全ホームページというページで毎日更新されている。今日新たに付け加えられた記事では、はっきりと、「日本が直接の攻撃対象として名指しされていること、及びこのような声明が各地のテロ組織に影響を及ぼす可能性も排除されないことに留意する必要があります。」と書いている。これは日本政府が「日本人はイスラム系テロリストの標的になっていること」を公に認めた、と考えていい。
そういう場所に、いくら武器を持っているとは云え、こちらが攻撃されない限り反撃のために武器を使用できない、自衛隊を駐留させることは、正気の沙汰とは思われない。
先日、サマワの部族長だかなんだかが、わざわざ、日本に挨拶に来て、自衛隊派遣に感謝した、というニュースが報道されたが、そんなの、日本側が仕組んだプロパガンダに決まっている。
ニュースをいくら読んでも、サマワに派遣された陸自が3ヶ月間で達成した業務の内容が分からないのである。迫撃砲の砲弾が着弾したり、4月8日に日本人3人が人質に取られたときは、ずっと宿営地の外には出なかったのだから、ただ、「日本の自衛隊は、危険を冒して、イラクに留まった」と、アメリカにアピールするためだけに、そこにいたのだろう。これは、現地の自衛官の責任ではないが、こんなことは許されない。
民間であれば、この3ヶ月間の詳細な業務日誌と、滞在に要した費用をエビデンス(証拠)を添付して、報告しなければならない。自衛隊は国民の税金でイラクに行ってきたのだから、それを命令した内閣総理大臣には説明する義務がある。
自衛隊をイラクへ派遣することに賛成する、と言っている有権者も、現地で自衛隊が何をしていたか、チェックしていなかったでしょう。そういう態度を、「無責任」というのだ。派遣されている人々は、命が危ない。
2003年06月01日(日) 「和平以外に選択なし」=中東問題で米大統領 で、イラクの大量破壊兵器は見つかったの?