JIROの独断的日記
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2003年07月24日(木) |
イラク派遣で首相「非戦闘地域分かるわけない」 ← 開いた口が塞がらない・・・ |
◆記事: 小泉純一郎首相は23日の党首討論で、イラク復興支援法案に基づいて自衛隊を派遣するイラクの非戦闘地域について「イラク国内の地名とか、よく把握しているわけではない。どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、いま私に聞かれても、分かるわけない」と発言した。 民主党の菅直人代表が、非戦闘地域に限るとしている自衛隊の派遣先を巡って「今のイラクに非戦闘地域はあるのか。例えばどこなのか、1カ所でも言えるなら言ってみてほしい」と追及したのに答えたもので、菅氏は「すごい答弁だ。自衛隊を戦地に送ろうとする首相が『分かるわけない』と開き直るのか」と厳しく批判した。
◆所感:確かに、これほどすごい答弁はないよ。
一昨日の日記の中で、私は、劣化ウラン弾による放射能で汚染された地域に自衛隊員を送りこもうとしている小泉首相は自衛隊員が被爆しても仕方が無いと考えているのではないか、と書いたが、上で引用した昨日の党首討論における発言を聞いて、やはり、と思ったが、同時に、まさか、ここまで無責任な発言を公の場でするほどの馬鹿だったのか、と唖然とした。
無論、公の席であるかどうかは本質ではない。菅代表が言う通り、自衛隊を戦地に送り込もうとしている国の政治の最高責任者が、「どこが非戦闘地域で、どこが戦闘地域か、いま私に聞かれても、分かるわけない」と考えている事。分からなくても差支えが無いと考えている、その無責任さが大問題なのである。
云うまでもなく、日本は文民統制(所謂シビリアン・コントロール。正しくは、civilian's supremacy=文民の優越という)の国であり、全自衛隊の最高指揮官は内閣総理大臣なのである。「自衛隊法第7条 内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」
自衛隊の最高司令官が、アメリカの機嫌をとるために自衛隊員を戦地に送り込むという事だけを決める。しかし、送り込む先がどういう状態になっているのか、分からないというのだから、尋常ではない。
要するにこれが小泉という人物の本質だろう。何故、戦闘地域と非戦闘地域など「分かるわけがない」と言えるのか?関心がないからである。
彼にとって大切なのは、自衛隊を派遣してお手伝いしましたよ、とブッシュに言えることだけなのであって、送られた自衛隊員にどういう危険が待ち構えているかなど、どうでも良いのである。 また、小泉首相自らイラクを視察するつもりなど勿論無く、自分は絶対に安全なのであるから、興味が無い、ということなのであろう。
小泉内閣総理大臣に欠けているものはいろいろあるが、ひとつには、内閣総理大臣は、ひとつの国家機関であり、公的な存在だという意識である。首相は国政を司る機能を期待されており、そのなかには当然国民の生命の安全を第一に考えるということが含まれるべきである。
しかし、小泉純一郎氏にとっては、その公的な性格に対する考察など殆どどうでもよくて、彼の頭脳の大半を占めるのは、如何にして少しでも自分の権力を増大して、長続きさせるか、という「私」の要素であろうと想像できる。
こういう人物を最高司令官に持ち、鶴の一声で危険なイラクへ赴かねばならない自衛隊員はたまったものではなかろう。人権問題といっても過言ではない。
今回の「分かるわけがない」発言はそれぐらい深刻な意味をもつ、大問題発言だ。マスコミは民主党と自由党の合併を一面トップに持ってきたが、ことの軽重を間違ってはいけない。
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