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JIROの独断的日記
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2003年07月12日(土) 「人身事故のJR電車運転士が自殺、労災を認定」何て気の毒な人なんだ・・・。

◆記事:
 3年前、快速電車を運転中に自殺とみられる人身事故の当事者となり、その直後に自殺したJR西日本の運転士(当時54歳)について、大阪・茨木労働基準監督署が労災認定したことが11日、わかった。同労基署は、事故に気づかず運転を続けた運転士に対する配慮に欠けた会社側の対応が自殺の一因と判断した。こうしたケースでの認定は極めて異例。

 JR西日本などによると、2000年3月中旬の未明、兵庫県明石市内の山陽線で、快速電車が線路内の女性をはねたが、電車はそのまま走行した。事故はその日の朝、女性の遺体を見つけた通行人の通報で判明。女性は遺書を残しており、自殺だったとみられる。

 運転士は運転歴約30年のベテラン。それまで無事故で、後輩の指導にも当たっていた。

◆所感:犯罪や事故の被害者・当事者の心のケアに注力せよ

 この、自殺した運転士さんを思うと気の毒で仕方が無い。さぞや、真面目で、任務に真剣な方だったのであろう。30年も無事故だったのに・・・。たまたま、自殺者を轢いてしまった。それが耐えられなかったのだ・・・。

 周囲に、心の問題に少しでも知識のある人がいたらなあ・・と思う。専門家の面談をきちんと受けて、「貴方の苦しみは大変良くわかる。だが、貴方は何も悪いことをしていないのですよ」と繰り返し、辛抱強く、この運転士さんの苦しみを聴いてあげられたら、きっと、こんな事にはならなかったと思われる。

 犯罪の被害にあったり、事故の当事者となったり、あるいは、犯罪や事故の現場をたまたま目撃してしまったために、苦しんでいる人は大勢いるのだ。救急隊員や、消防隊員、警察官などの中にも、心的ショックによりめまいや吐き気、呼吸困難などを起こす人がしばしばいる。CIS(Critical Incident Stress 惨事ストレス)という。

 また、強い心的外傷(トラウマ)を受けて数週間から、数ヶ月を経て、そのトラウマが突然思い出されたり(フラッシュバック)、夢の中で思い出してしまうのをPTSD(外傷後ストレス障害)ということは、知っている人も多いであろう。

 トラウマを受けて数日のうちに似たような症状が出ることも、勿論ある。これはASR(Acute Stress Reaction 急性ストレス反応)という。

 とにかく、CISもPTSDもASRも、精神科医による専門的な治療を要する障害なのだ。事故や犯罪の凄惨な現場に遭遇する機会の多い、警察官、消防士、救急隊員、そして、電車の運転士さんなどの職業に就く人々が、必要とあらばすぐにそのような治療を受けられる体制を作っておくべきだ。

 無論、一般の人も、不幸にしてショッキングな心的外傷を負い、心の不調を感じたら、「自分が弱いのだ」などと考えずに、すぐに治療を受けるべきだ。精神科はそういうのも仕事なのだ。

 誰でも、精神科の治療を必要とすることがあり得る。それは、今日、起きるかもしれないのだ。


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