JIROの独断的日記
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2003年06月23日(月) |
6万年ぶりの火星大接近 |
私は特に天文観測を趣味とするわけではないけれども、インターネットには大はNASAの公式サイトから、小は個人の趣味のサイトまで数え切れないほどの天文サイトがあって、大抵、美しく神秘的な天体写真が載っているので、ここ数年少し興味が出てきた。
今年は天文学者や天文ファンにとって、非常にエキサイティングで、重要な年である。地球と火星とが、紀元前57,537年(!)以来の超大接近をするのだそうだ。1番近づくのは8月27日だが、火星と地球はゆっくりと接近して遠ざかるので、7月から10月の間は、「大きな火星」を楽しむことができるという。
どうしてこういう事が起きるのか?全くの受け売りだが、自分の勉強のためにも文章にしてみよう。
火星は、太陽系で地球のすぐ外側にあり(流石にそれは知っていた)、687日で公転する。地球は太陽の内側を約2年2ヵ月ごとに火星に追いつき、追い越してゆく。そのときが地球と火星の接近になる。ただし、火星の公転軌道と地球のそれとは太陽を中心とする同心円になっているのではなくて、火星の公転の中心が少しずれている。
だから、地球の軌道と火星の軌道が一番近づいている所で、地球が火星を追い越すと「大接近」となる。今年は特にその距離が、8月27日に5575万8000kmになる(小接近のときは1億Km以上も離れている)。ここまで近づくのは約6万年ぶりなのだそうだ。
6月に入って、ヨーロッパとアメリカが火星探査機を打ち上げたりしているのはこの絶好のチャンスを活かそうということだ。
一般の人はフーン、それで、何かいいことあるの?とか言いそうだが、学問はすぐ金が儲かるとか、実利をもたらすものばかりではない。純粋に知的好奇心を満たさんが為に研究をするのがもっとも純粋な学問といえよう。そういう、「無駄なこと」をあえて行うのが人間の高等生物たる所以だろう。
6万年ぶりの宇宙イベントが起きるときに、たまたま我々は生きているわけで、非常にラッキーなのだ。折角だから、夜空を観察してみるのも悪くない。
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