JIROの独断的日記
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2003年06月13日(金) |
「TBSが特集放送を約束 障害者団体の抗議で謝罪」それはいいんですが、発言した医者本人は何故謝罪しないのか? |
◆記事 「TBS(東京放送)のワイドショー番組で、名古屋市の連続通り魔事件に関連し、精神障害者差別と受け取れる発言があったとして「京都精神しょうがい者の人権を守る会」(京都市、多芸正之代表)が抗議、TBS側が謝罪していた問題で10日、TBSは精神障害に関する特集企画を放送することなどを約束した。
この日はTBS本社の社員が、取締役の謝罪文書を同会に持参。社員教育の徹底や、問題となった番組の中で、精神障害に対し正しい知識を持ってもらえるような特集を放映すると約束した。
問題の番組は、4月4日に全国放送された「ウォッチ!」。出演した大学助教授(精神医学)が通り魔事件の犯人像を「恐らく20代に発病している統合失調症の可能性がある」と発言していた。
昆洋隆TBS広報部長は「同じ番組で精神障害者に関する企画を放送することが一番誠意ある対応だと認識している。今後こういったことが起きないように、現場での配慮を徹底したい」と話した。」
◆所感 この問題については、4月13日の日記で採り上げた。その中で、私は、「TBSがただ謝って、なんとか、騒ぎを鎮めれば一件落着、と考えているのであれば、無責任である。ちゃんとした医師を呼んできて、統合失調症にかんする客観的情報を改めて、報道するべきである。」と書いたのだが、奇しくもTBSが同じ結論に達したようで、それは、良しとしたい(もしかしたら、TBSの誰かが私の日記を読んだのかな、などと、一瞬自惚れたが、まあ、それはないだろう)。 しかし、丁度2ヶ月前に書いたとおり、一番責任を問われるべきなのは、統合失調症患者に対する偏見を助長するような発言をした医師本人であって、公平に考えて、TBSだけが責任を負うのは、おかしい。その意味では、TBSに文句を言った精神障害者の団体もピントが外れている。また、当の医師も何らかのコメントを出すべきである。それが、普通に考えて妥当な反応だろう。
本件は医療過誤ではないけれども、いつも疑問に思うのはどうしてこういう問題が生じたとき、医療関係者の氏名は表記されないのか、ということである。
日本のマスコミは、一般人が交通事故を起こして、人を死なせてしまった場合などは、実名報道するのに、医療ミスで人が死んでも、当事者である医療関係者の名前は伏せる。どちらも法的には業務上過失致死なのに、医療従事者とそれ以外の人の扱いが違うのは、変だ。というか、逆であるべきだ。
例えば、某県某村で、軽トラックを運転していたじいさんが、原付に乗っていたばあさんをはねて死なせてしまったとしても、そのじいさんの名前を全国に言いふらす必要はないだろう。それを知ったからといって、国民に何らかのメリットがあるとは考えられないからである。
一方、医療のプロがミスを犯して人を死なせてしまった場合、それが誰なのかを知らせないのは、おかしくないか?医師も人であってミスをすることもあるだろうが、中にはリピーター(何度もミスをする医療従事者)がいるという。こうした人物の名前は、市民にとって重大な情報であるから、知る必要がある。
つまり、日本のマスコミ報道にはは伝えても意味の無い事を伝えて、伝えなければならないことを伝えない、という実に奇妙な特徴があるわけだ。これは、改めるべきである。
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