JIROの独断的日記
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2003年06月08日(日) |
「<オウム>元幹部の新実被告が結婚 連絡役の確保狙い?」 まだ、反省していないようだね。 |
◆記事: オウム真理教(アーレフに改称)元幹部の新実智光被告(39)=1審で死刑判決を受け控訴=が、面会した関係者を通じて教団側に「結婚相手を世話してほしい」と依頼し、婚姻届を出していたことが警視庁公安部の調べで分かった。刑務所に移された場合、接見は妻などの親族に限られる。公安部は、アーレフ幹部との連絡役の確保を狙った結婚の疑いがあるとみている。
◆所感:まだ、反省していないようだね。 元オウムの信者で死刑や無期懲役が確定した者の中には、完全に「目が醒めた」奴がいるようだが、一方で、この新実みたいな奴もいる。
控訴しているというだけで、腹立たしい。この上にまだ、外部と連絡を取り合って、何を企んでいるのか。こんな奴、さっさと死刑が確定して、処刑してしまいたい。
今回の件は、計略があって結婚したらしいとのことだが、昔、死刑確定囚と本気で結婚しようとした女性がいた。
昭和30年代に「メッカ殺人事件」という大騒ぎになった犯罪があった。何故、大騒ぎになったかというと、犯人が、東大法学部を出た秀才だったからである。
第三者から見た場合に、この正田昭という犯人は、特に、大きな問題を抱えていたわけではないのに、非常に計画的に、「メッカ」という東京の某所にあった喫茶店の閉店後の時間と場所を利用して、何の罪も無いセールスマンを絞殺した。そして、公判中、動機を訊かれて、この被告人は「私は、破滅を望んでいたのでございます」と本心を告げたところ、「不真面目だ」と裁判官を怒らせ、死刑が言い渡されたのであった。
しかし、この被告人には生い立ちに複雑な事情があって、彼の書いた手記を読んで、心を動かされたのか、本気で結婚を申し込んだ女性が現れたのである。正田死刑囚は、獄中で洗礼を受けてクリスチャンになっていたが、この話を信頼していた牧師(だか、司祭)に告げたところ、反対されて大いに落胆したという。
何故、そのような事を私が知っているかというと、この正田という人物を描いた小説を読んだ事があるからだ。
加賀乙彦という作家の「宣告」という作品である(新潮文庫にある)。
加賀氏はもともと精神科医であり、東京拘置所に勤務していた時期がある。この間、何人もの死刑囚と出会い、その心理状態とか、獄中で、死刑確定囚人がどのように行動しているのかをつぶさに観察していた。多くの死刑囚のなかでも、この正田昭という人物が非常に印象的であったらしく、小説は彼の心理の内部まで細かく描写されている。
この本では、主人公がとんでもない犯罪を犯した人間だとわかっていながらも、それなりの悲劇があることがわかり、読者が次第に、死刑囚である主人公に感情移入してゆき、最後に死刑が執行される場面では、なんとも悲しい気持ちになるのである。
今回の新実被告人とは、対照的である。今日のニュースを聞いて、真っ先に、「宣告」を思い出した。一読を薦める。
2002年06月08日(土) あの事件から1年
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