JIROの独断的日記
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2003年06月03日(火) |
医療観察法案を強行採決 委員会可決、今国会成立へ |
◆記事: 参院法務委員会は3日午後、殺人など重大事件を起こした精神障害者らの処遇を裁判官と医師が合議で決める「心神喪失者医療観察法案」を一部修正の上、与党の賛成多数で可決した。 野党の質問終了後、与党側から審議打ち切りの緊急動議が出され「強行採決」となった。 同法案は昨年の通常国会に上程され、秋の臨時国会で衆院を通過。参院で継続審議となっていた。6日の参院本会議で可決の上、あらためて衆院に回され、今国会で成立する見通し。 同法案は、殺人や放火など重大事件で心神喪失や心神耗弱を理由に検察官が不起訴にした場合や、刑事裁判で無罪が言い渡されたり、刑が減軽されたりした場合、裁判官と精神保健審判員(精神科医)が合議で加害行為者の処遇を決めることができる内容。
◆所感: 重大な犯罪を犯した所謂触法精神障害者の措置を新たに定める法律である。これに対して、精神障害者の団体は「精神障害者は人間ではないと言われたようなものだ」と抗議しているそうだが、それは、ちょっと的外れではないかと思う。飽くまで、「重大な犯罪を犯した」にも関わらず「不起訴になっ」たり、「無罪が言い渡され」たりした人物に対する法案なのであるから、そう、いきりたつことは無いと思う。
但し、強行採決、つまりよく話し合わないで、いきなり決を採った与党にも問題はある。そんなことをすると、何か、この法案は、詳しく審議されるとヤバいことがあるのか、拡大解釈して、危なそうな奴は予め隔離してしまう、所謂「保安処分」のような運用をしようとしているのではないか、と、思われてしまう。こういう問題こそ、よく話し合うことが肝要である。非常に世間の誤解を招きやすい問題だからである。
私は、うつ病の治療を受けるために、精神科に通っている。しかし、医学的に、うつ病は「気分障害」という分類に属しており、「精神病」ではない、ということを知っているし、法を犯してもいないので、何ら後ろめたいことはない。だから、この日記でも、何度もそのことに触れている。精神科に通っている人の大部分は実は、ごく普通の人なのである。
精神科に通う人間といえども、普通の思考能力と、表現能力、感情をコントロールする能力がある、ということを身をもって証明するのが、やや大袈裟に云えば、自分の使命(?)だと思っている。あえて、「闘病」や「心・苦悩」のジャンルを選ばないのはそのためである。
そのような、私の日記をMyに登録してくださる方も、大勢いらっしゃる。誠にあり難い。この方々は、物事を冷静かつ合理的、客観的に判断なさる方なのだ。この場で心から御礼申し上げます。
しかし、一方で、世の中には、なかなかきちんと知識を蓄えて、合理的にものを考えることができない、あるいは、あえて考えようとしない人が必ずいる。そういう人にとっては、精神科に通う者は全て「危険な」人間なのだろう。
今回の法案が、そのような人々の偏見を強めるかもしれない、ということだけが、ちょっと、気になる。
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