< 機種変ごと忘れて良い想いでしょうか >
何時か、 記憶が途絶えて了うとしても。
其れは、 忘却を前提とした仕組みの、 営みで在って。
受容の可否など超越した、 摂理に、 過ぎないけれど。
何時か、 五感が途絶えて了う。
加えて、 其れは人の手で下される。
其れは。
決して、 自然な摂理などでは無い。
生か、 声か。
其の二択へ、 決して抗えぬ眼前に。
幾度、 想いを握り潰して叩き付けた事か。
此れは。
自身に棲まわせた、 あの子の核で。
喪う事すら許されぬ刻の、 あの子の証だ。
「もう声が聞けなくなるかも知れない。」 「だから大事に記録して残して来たんだよ。」
「もう声聞けるよ。」
「そうね。」 「そうだけれど。」
「けど何?」
何世代も取り残された其の携帯に、 残された声を。
林檎の其れに移したいと、 そう言う俺に。
あの子は。
もっと、 大事にして欲しい事が在ると。
多分、 そう言いたいのだろうな。
---------- References Jan.02 2016, 「最後の会話に値しますか」 Apr.28 2016, 「足らぬ覚悟を問われて居るのでしょうか」 Feb.07 2017, 「忘れる刻限が来たのでしょうか」
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2019年06月30日(日)
---------- History
2015年06月30日(火) 何処から生まれた謝罪でしょうか 2014年06月30日(月) 想いの行き先は正しいでしょうか 2013年06月30日(日) 独り占めの様な物でしょうか 2005年06月30日(木) 今格下では勝負に成りませんか 2004年06月30日(水) 其処迄信頼出来ぬ存在ですか 2003年06月30日(月) 爽健美茶に負けるのですか
< 今の環境は支えに足りて居ますか >
美談も。
生還劇も。
其れは、 多くの勇気や多くの希望を産み出す、 原動力だけれど。
裏に在る現実は。
決して、 家鴨がさらりと口にする程、 綺麗でも、 簡単でも無い。
加えて。
与えられた幸運と環境を、 享受して。
戻って来られた時。
搾り出して、 闘って、 総てを使い尽くした此の身しか。
其処に、 残らぬのだ。
幾つもの、 恵まれた環境を前提にした、 画面の綺麗事に。
あの子は、 何時も牙を剥く。
「やっと借金が百万切ったよ。」 「と言っても小坊主に出させてるんだけれどさ。」
「おめでと。」
一つの報告を。
あの子は、 照れ臭そうに言った。
其れで良い。
途絶えると宣言された其の命を。
たった独りで、 抗って、 帰還させた事。
其れが。
あの子の為した、 大きな、 大きな、 成果なのだから。
満身創痍から、 其の先に続く助走路を造るのは。
俺の役目で良いんだ。
傍に。
俺は、 居られなかったのだから。
---------- References Jan.07 2017, 「生きる価値は数式でしょうか」 May.28 2016, 「終着地を見据えられますか」 Apr.27 2016, 「重い指先でしょうか」 Apr.25 2016, 「敵う言の葉が在るのでしょうか」 Mar.27 2016, 「命を否定する懇願を是認出来ますか」 Oct.05 2015, 「美談は暴力だと気付けますか」
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2019年06月19日(水)
---------- History
2015年06月19日(金) 知らない振りが要るのでしょうか 2011年06月19日(日) 千切れた芯は結い直せますか 2010年06月19日(土) 葡萄酒も後ろを向くのでしょうか 2009年06月19日(金) 執行猶予が延びましたか 2008年06月19日(木) 何処へ向かう心算でしょうか 2007年06月19日(火) 偶然欲しただけでしょうか 2006年06月19日(月) あなたのお家は何処ですか 2005年06月19日(日) 時のみが知る応えでしょうか 2004年06月19日(土) 今日は記憶に値する記念日ですか
< 連れ添う事は逢わさぬ事でしょうか >
傍に在り続ければ。
例え僅かで在っても、 其の為人が、 自身に沁み込んで来るのだから。
其の、 時間的な長さに応じて。
既視感や、 納得感が、 増えて来る筈なのに。
一年を経て。
いや、 二十年近くを経ても。
未だに、 其れが少しも増える事無く。
互いに、 独立し続けて居る様な錯覚を、 覚えるのは。
果たして、 望ましい事なのだろうか。
其れとも、 何か足りぬ事の暗示だろうか。
「今日はアンクロワッサン買いに行くと。」
「ん?彼処の?」
「今日は違う方。」
「何処のだよ。」
幾度もの経験は、 互いの理解を早める事も無く。
「職場近くに車で売りに来てた所がお店出すんだって。」
「うむ。付き合ってあげよう。」
「此のオムライス屋さん。」
「お腹一杯。量多いのね。」
増えた筈の、 二人だけの世界も。
別段、 二人の繋がりを強める様に作用する其の、 徴候すらもたらさない。
もしかしたら。
妙な新鮮さと、 長さに応じた違和感とが。
何時も、 何時迄も、 残り続けるのかな。
此の二人には。
---------- References Mar.17 2018, 「一歩目を踏み出せますか」 Dec.08 2001, 「気になり始めているのですか」
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2019年06月01日(土)
---------- History
2013年06月01日(土) 敵視の理由も分かりませんか 2005年06月01日(水) 住めぬ土地が在るのでしょうか 2004年06月01日(火) 許されぬ呼び名でしょうか 2003年06月01日(日) 俺は代理の品なのだろうか 2002年06月01日(土) また逢えますか
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