陰陽の存在は理だから。
其処に、 矛盾が浮いたとしても。
大して、 奇異では無いのだけれど。
表と。
裏と。
其の何れもに、 偽が伏されて了う時。
其の根の在処は。
果たして、 見付かるのだろうか。
真上のあの子は。
「結婚するんだ。」 「もう一人が進めてたみたいなんだけれど。」
身体を揺らしながら、 途絶え途絶えに口を開き。
もう一人の存在は。
「其れはあの子の嘘だからね。」
電信で、 其れを伝えて来る。
其の投薬が。
不治の腫れに刃向かう試行だと、 暗喩しながら。
「治験に協力するの。」
あの子は、 腕の中から言の葉を零し。
もう一人の存在は。
「何で止めないの?」 「何度も意識無くしてるでしょ?」
其れが。
幾度か、 其の身を重篤な状態に陥らせて来た、 心の薬だと書き寄越す。
倫に背けば。
其れは、 糧処か害にしか為らぬ事など、 知った相手に。
「実験台にして良いって言ったの。」 「医者と籍入れれば生活は安泰でしょう?」
「子供騙しの心算?」 「其れとも騙されて居るんじゃ無い?」
何故に。
あの子は、 在り得ぬ事の刃を、 選んだのかな。
---------- References Jul.04 2014, 「命を賭した挑発なのでしょうか」 Jul.11 2014, 「想い入れの深いお帰りでしょうか」
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