果たして、 本当に、 日々が積み重なって居るのかどうか。
時に、 半信半疑に陥るけれど。
区切りの日付を跨ぐ事は。
日々が続いて居る其の証拠程度には、 相当するのだろうか。
其れ故に。
喧噪の中でも、 其の、 一つの区切りを意識する事が。
想いに、 値するかの様に。
眼前に、 偶然を呼び込むのかも知れない。
十日程前に。
俺の中に、 浮かんで居た画を。
僅か数日前に。
不思議と、 姫は呑みたがった。
何時もの、 紅い葡萄酒では無く、 三鞭酒で。
偶然、 姫が欲しがった、 三鞭酒で。
互いの、 五年目の記念日を祝う。
乾杯に、 私も混ぜろと言わんばかりに。
空箱を抱え、 走り回る娘を。
必死に抑えながら。
「どうしたの?」
「今日で五年でしょ?」
「覚えてたの?!」
俺が覚えて居た事が意外だと言う論に、 すり替えて。
姫は。
此の日を忘れて居た事を、 誤魔化すけれど。
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